北の村で生まれた私は婚約破棄されたうえ皆から虐められたので村から出ていくことにしました。

四季

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前編

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 北の村で生まれた私は、その村のことが嫌いではなかったので、この先もずっと生まれ育ったその地で生きていくものと思っていた。

 しかし。

「お前みたいな大金持ちじゃない女、やっぱ無理だわ。てことで、お前との婚約は破棄な。いいな? 言ったからな? じゃ、そういうことで」

 婚約者ルルノスからそう告げられてしまったことで私の北の村での人生は終わってしまった。

 婚約破棄された私は両親から「恥晒しは消えろ」などと言われたうえ、近所の人たちからは「婚約破棄される女性なんて、みっともないわね。きっと浮気でもしていたのでしょうね」などと偽りの情報で悪口を言われてしまって、気づけば居場所を失っていて。

 もうここで生きてはゆけない――そう察した日の夜、私は簡単にだけ荷物をまとめ、黙って村を飛び出した。

 婚約破棄されただけでどうしてそこまで言われなくてはならないの?
 私は何もしていないのに。
 ルルノスの気まぐれに付き合って差し上げただけなのに。

 私は悪くない。なのに責められるのは耐えられなかった。そんなことをされるくらいなら、これまでの人生を捨てることになったとしても、離れたどこかで生きてゆく方がまし。そう思ったからこその家出、いや、村出……のような行動だった。
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