婚約者がいるのに他の女性といちゃつくのはどうかと思いますが……。

四季

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4話「今こそ一歩踏み出す時です」

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 婚約者が他の女性とホテルへ入ってゆく様をこの目で見る日が来るとは思わなかった。

 だが良いものを手に入れることができた。仲良く二人でホテル入りの写真だ。不健全な行為が行われると決まったわけではないが、二人がとても仲良しだという証拠にはなるだろう。特別仲良しでなければ、普通、二人で宿泊施設に入っていったりはしない。

 今日のところはここまでにしておこう。これ以上追うのは危険だ。私だと知られてはまだ困るので、ここは一旦退くべきな気がする。

 ……しかし。

 良い証拠写真が手に入ったとはいえ、何だか気分が悪い。

 帰りに店に寄ってお菓子でも買って帰ることにしようか。そうすれば少しは気分が晴れるかもしれない。


 イチゴが乗ったケーキを買って親もいる家へ戻る。
 それから私は、母親に、このことについて話してみることにした。

「ありえないわね……」

 母親は話をひと通り聞き終わるや否や呆れ果てたような顔をする。

「やっぱりあの人と結婚するのは無理よ。永遠にこんなことが続くわ」
「そうね。お父さんにも相談してみましょう。場合によっては婚約解消も視野に入れなくては」
「ありがとう」

 母親が持ってきてくれた紅茶と共に買ってきたイチゴのケーキを口にする。
 紅茶のほんのり渋い味とケーキの酸味のある甘さ、その組み合わせが絶妙。いつまでも何度でも食べたくなるようなやみつき感が凄まじい。


「論外だ! あり得ん!」

 母親と私からセインに関する話を聞いた父親は激怒した。
 目尻をつり上げ、口を大きく開いて。

「なぜ平気でそんなことができる! おかしな男だ!」

 父親はテーブルを片手で叩く。
 ばぁん、というよく響く音が空気を激しく揺らした。

「どうにかならないかしら」
「妻よ! 婚約破棄という道があるだろう! もはやそれしかあるまい」
「やはり……そうよね」
「別の女と遊びまわるような輩にうちの娘はやれん!」

 その後、両親は婚約破棄に向けて動き始めた。

 いつどのような形でそのことを相手に告げるか。そういったことも考えなくてはならない。何も考えず無策に突っ込んでいくようなやり方は危険だから。ある程度作戦というか流れのようなものを考えておかなくてはならない。
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