甘やかしていた後輩に、押し倒されると思ってなかった

長谷川

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なんてことがあったのがつい先日。
あれから意識を飛ばした俺が目を覚ますと、既に望月は家を出ていた。綺麗にされた身体と鈍痛がする下半身に大きなため息をついたのは記憶に新しい。

されたことはほぼ強制。訴えたら勝てるはずなのに、俺はまたあいつの晩飯を作って待っていた。
きっと疲れてたから。流れでたまたま。気の迷い、出来心。
色んな言い訳を並べて、豚汁が出来た鍋を底から混ぜる。なんで被害者が言い訳してんだよ。

ちっ、と舌打ちをして火を止めると、いつも通りの「ただいまー!」が聞こえてきた。
思わず肩を揺らして箸を落とす。くそ、何なんだよもう。拾ってシンクに放り込めば、足音が後ろで止まった。

「今日は豚汁ですか!うまそ~」
「……やめろ」

するりと腰に腕が回って、身体が強張る。首筋にかかる息も、望月の匂いも、熱い手のひらも、あの時間を思い出して言葉が出ない。後頭部がじんわり熱くなって、誤魔化すように押しのけた。

「シャワー浴びたら、いいですか?」
「そ、れは……」
「いや?」

ズルいだろ、その聞き方。俺が一番分かってないんだよ。言いよどむ俺の肩を押して、向き合う形になる。視線を逸らしていれば、するりと頬を撫でられた。

「有馬さん、俺のこと好き?」
「……嫌いじゃない」
「じゃあ」
「嫌いじゃない、けど」

分からない。流されただけで、本当は?そうやって、適当に手を取ったら。
立ち尽くす俺の方から、手が離れていく。顔を上げれば、目を伏せた望月が力無く笑っていた。

「有馬さんは、俺のこと結局「後輩」としか見てないん、ですね」

そりゃそうか、と零して熱が離れていった。遠ざかる背中に手を伸ばすことは出来なくて。
バタン、と閉められた玄関に気づいたときには、二人分の豚汁は冷めていた。


それからしばらく、望月はうちにこなかった。
「仕事が忙しくて、今週は行けません」と、簡単な連絡が来ていたのに俺は既読だけつけている。これが嘘か本当かなんて確かめる術を持っていない。

一人分の食事を作るのは意外と面倒くさいもので。スーパーで適当に買った総菜をレンチンしてもそもそと部屋で栄養補給をする。静けさを誤魔化すように点けたテレビからは、空元気のような芸人のトークが流れていた。

これで良かったんだと、思う。どうせ数か月後には俺も社会人になって、一緒に飯を食う時間なんて無くなっていた。少し早まっただけ。もう休みの日にどこか出かけたり、バカやって笑ったりできないけど、それでいいんだ。たぶん。
インスタントの味噌汁を啜って、立ち上がる。さっさと風呂に入って寝よう。


「……は?」

シャワーから出ると、ベッドにスーツ姿の望月が転がっていた。すぅすぅと穏やかな寝息に殺意が湧くのを落ち着かせる。お前、急に来たと思えばいいご身分だな?あ?

叩き起こそうと近づくと、目の下の隈に気づく。よく見れば普段セットしてる髪も乱れて、ワイシャツもいつもよりアイロンが甘い気がする。
くそ、ほんとに仕事忙しいんじゃねえかよ。

今回は自分の意思で、ネクタイを外す。慣れない環境で頑張ってる後輩から、名前を付けるのが怖い感情から、ずっと逃げていた。それが望月の負担になっていたかもしれないと思うと、なんだか情けなくなる。

ワイシャツのボタンに手をかけたとき、瞼が震えて持ち上がった。

「あれ……ありま、さん?」
「皺になるから、脱がせるぞ」
「なんでいるんすか?」
「俺の家だからな」
「うわー、間違えた……」

前髪をぐしゃぐしゃと崩してため息をつく。どうやら、疲れから脳死でここに帰ってきたらしい。自分の家より帰り慣れてるってなんだよ。緩む口元を見られないように、わざと髪を掻き撫ぜてやる。

「あんま無茶すんなよ」
「んー……でも早く、出世したくて」
「なんで」
「だって……もっと有馬さんに頼ってほしいから」

掠れた声で呟く望月が、ボタンを外し終えた手を取る。視線は絡めとられて逸らせない。
あの日のように逃げないよう、少し唇を噛んで俺も見つめ返した。

「俺、本気なんです。逃げないで、おねがい」
「……一人分飯作るのって、めんどくさいんだよ」
「……え?」
「だから、これからもここに帰ってこい、ばか」

瞬きを繰り返すアホ面に唇を落とす。とことん流されてやる。だってそれも、俺が決めたことだから。
名前をつけられなくても、どうせ行きつく先は一緒なんだろう。なら、今一緒にいることを選んだっていいだろ。

「有馬さんは素直じゃないなぁ」
「はいはい、その通り」

ワイシャツを脱がしてやると、そのまま抱き込まれた。軽く啄むキスから唇を割り開かれ、深いものになる。上あごを舌先で撫でられると、鼻から声が漏れた。

「んっ……、疲れてるだろ」
「でも」
「いい、今日は俺が動く」

身体を離してTシャツを脱ぎ捨てる。望月のベルトを外しながら、わざとらしく笑ってやった。

「ほんと、手のかかるやつだな」


じゅぷ♡じゅるるる♡

「んぐっ、じゅ、ぐ、ぷは……ぁ♡」
「上手ですね、きもちい」
「んぁっ!さわ、んな……♡」

所謂シックスナインの体勢で望月の陰茎を口に収めていた。デカくてムカつくそれは全部入りきらなくて、足りないところを手で擦る。
望月は手持無沙汰なのか、尻を撫でて時折きわどいところを掠めていく。そのたびに腰を揺らすのが恥ずかしくて悪態をついても、楽し気な息がかかるだけだ。

ムカつく、と喉奥に亀頭を誘い込む。息苦しくて締まる喉が気持ちいのか、小さく喘ぐ望月。そのままわざとらしく音を立てて頭を振れば、仕返しのように秘部へ指を埋め込まれた。

「んんっ!?♡ひゃえ……!あ"、お"……♡ごっ!う、ぶ……っ!♡」
「こんな分かりやすいとこに置いてたらだめですよ」
「うぇ、んん、ぐ……♡は、ああっ!♡く、そ……!」

買ったはいいものの、恥ずかしくてベッドの下に放り投げたローション。少し冷たい指が増えて拡げられていく。自分の陰茎が揺れるのも、尻をいじられて喘いでいるのも、全部望月にバレているだろう。その状況に、理性はどろりと音もたてずに溶けていった。





有馬が頑張って優位騎乗位をしようとして、望月が我慢できなくなる話↓↓↓↓↓↓


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