MELODIST!!

すなねこ

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#039 Bagatelle Ⅱ

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東京都・39歳男性「パパだって4つ年下だったし、歳の差は関係ないと思うけどなぁ…。え?20歳年上の上司と3歳年下の未成年どちらが社会道徳的に許されるか?いやあ…我が息子ながら攻めるねぇ…パパ少し心配」


…………………………………………………………………………………



「ミーアちゃんはね…そのままで良いと思うよ」


 連日就業開始時刻に遅刻をし続けた罰として、楽器倉庫の掃除をさせられていたシエナに話しかけたのはミーアの方からだった。
「そのまま…?」
「うん。楽譜の通りに吹くって事は、作曲家が一番望んだ演奏の形だと思うから…」
楽譜の棚を整理している途中だったシエナは、その中から一冊を取り出してパラパラとページを捲る。

「音楽って一体何なんだろうって考えた事があってさぁ…あー、そんな難しいことはわからないよ?私、アホだから」
そう言いながら楽譜を棚に戻したシエナは、すくっと立ち上がってミーアの方に向き直る。
「作った人はさ…楽しい曲は楽しく、悲しい曲は悲しさが伝わるように演奏してね…って想いを込めて楽譜の形にしたんだよね、多分。……願いなんだよ、音楽って」
ニカッと弾けるような彼女の笑顔を見て、ミーアは託斗の事を思い浮かべた。
「……タクトも願いを込めて曲を書いてる…と?」
てっきり肯定の返事が寄越されるとばかり思っていたミーアは、彼女が首を横に振る様子に小首をかしげる。
 あの子はねぇ…と続けたシエナは、マリンバやシロフォンを元の場所に移動させながら苦笑いを浮かべていた。
「……多分、願う事も奪われちゃったんじゃないかなぁ」
最後にネイビーの分厚いクロスを鍵盤の上に掛けて再びミーアの方に踵を返す。
「私もタクトの事は全然知らないよ。だから、勝手にそう思ってるだけ。本当は全然違うかも~」
てへへ、と癖のあるショートヘアを撫でるシエナの様子に、ミーアは脱力した様子で眉を下げた。

 どうすれば、君のような表現力や演奏技術が身につくのだろうか。彼女は今更ながら愚問だったと心の中で反省していた。
 シエナは唯一無二の存在であり、どうしたら、などという数式や方程式、あるいは構文のような決まりきった答えは持ち合わせていないのだ。
 自由に生きたいから、自由に生きる。彼女の生き様に対して、ミーアは知らず知らずのうちに憧れを抱いていたのかもしれない。



 何故、今更になってあの時の夢を見たのだろう。
 数日ぶりに戻った自室のベッドの上で、まだ夜が明けぬうちに目を覚ましたミーア。

 二度寝はできそうにないと諦めて上体を起こすと、いつも寝る時は枕元に置いているPHSが無い事に気が付く。慌てて立ち上がりクローゼットの中を漁れば、昨日纏っていたコートの胸ポケットの中から簡単に端末を見つけ出す事ができた。
 就寝後に何か連絡が入っていたら困る、と慌ててタッチパネルを操作し始める。着信履歴には同じ番号から何回か記録が残っていた。
 時計を一瞥し、戸惑いながらもボタンをタップして折り返しの連絡を入れる。すると、数回のコールの後に履歴に残っていた彼の声が聞こえてきた。



…………………………………………………………………………………




 パトロンであるジェザリックの協力を得て、日本に帰国する為のチャーター機の手筈が整った。
 オーストリア最後の夜、楽団ギルド社屋近くの店で食事をしていた京哉とシェリー、椿の3人。ようやく帰れる事に歓喜するのは、長く社屋内から出られなかったシェリーである。
 酢と粒マスタードがアクセントになったポテトサラダ、エルダプフェルザラートを頬張りながらニカニカと嬉しそうに笑っている彼女を横目に、京哉はどこか難しい表情を浮かべていた。その事に気が付いたシェリーは、机の下で彼の脛をガスガス蹴りながら文句を言う。

「辛気臭いツラ見せんなよ…飯が不味くなる」
「いってぇ!やめろ馬鹿!チミとは違って色々考える事が多いんだよ、チミとは違って!」

唇を尖らせる京哉をチラッと見た椿は、水の入ったコップを机の上に戻しながらつぶやく。

「考え事って……あの人達に男の情報伝えなかったから何かあったらどうしようっていう心配事?」

すると、あからさまにバツの悪そうな表情で大きく肩を揺らした京哉。そんな彼の様子に、ははーんとしたり顔を見せたシェリーが追い討ちを掛けてきた。

「フルート壊れて長い間無能で仕事もらえてなかったから、ただでさえ馬鹿で間抜けだったのに早速トチっちゃったんだー」
「っ……だ、誰がトチったりなんか……」

お馴染みの彼女の嫌味であったが、わりと図星を突かれている為反撃しようにも歯切れが悪くなる。

「……心配だね、あの二人。連絡先とか知らないの?今からでも教えてあげたら?」
「わ、わからない……そんな全員が全員と仲良かった訳じゃねーし」

ふぅんと短く返した椿が口に運んだのは、ベーコン・玉ねぎ・ジャガイモを炒めて目玉焼きを添えたグロェストゥルというオーストリアの家庭料理。

「せめてミーアさんに連絡入れたら?ごめんなさーい、僕のミスで二人が危ない目に合うかもしれないのでー…って」
「で、でで、でも……怪しい男を直接見たのは椿だけだし、そいつが本当に楽団ギルドの悪評広めてた奴とは限ら…」

冷や汗を流しながらそう弁明する京哉を、今度はシェリーと椿の二人がジッと睨み付けた。

「……私のせいにするんだ」
「ダサっ……最低だな」

歪みあってばかりいた二人が急に結束し始めた事に、京哉は焦りを感じる。そして、震える手で椅子に掛けてある上着のポケットからPHSを取り出した。
 端末を弄りながらチラチラと二人の方を交互に見やる京哉は、往生際悪くまだ言い訳を続けている。

「で、でもでも……僕…そんなに悪い事してなくない?ちょっと忘れちゃっただけじゃん…それなのにさ、支部長に直接こう……ねぇ?」

女々しい彼の様子に、女二人は顔を見合わせて同時に溜め息をついた。

「京哉…報連相って知ってる?社会人の常識だよね?」
「キョウヤ、楽団ギルドクビになったら行く所ないんでしょ?無職?ちっさいプライドとかさ、さっさと捨ててミーアさんに助けてもらいなよ馬鹿」

再び結束して詰ってくるシェリーと椿の様子にとうとう観念した京哉は、電話帳からミーアの名前を探し出して発信ボタンをタップする。


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 プルルルルル…と一定間隔の電子音が鳴る間もジーっと二人に睨み付けられている京哉は、眉を潜めながら席から立ち上がり上着を引っ掴んで店の外に出ていった。

「さっさと連絡すれば良かったんだよ、あの馬鹿」

イライラした様子でオレンジジュースを啜るシェリーは、食べやすいサイズにスライスされたバゲットを1枚手にとってバリバリと貪り始める。

「…なんだか元気になった」

ボソボソと呟く声が耳に届き、シェリーはリスの様に頬を膨らませながら小首を傾げた。

「ふふが(誰が)?」

言葉になっていないがイントネーションで彼女の言わんとした事を汲み取った椿が、ピシッとシェリーの方を指さす。

「京哉が近くにいて嬉しいんだよね。わかりやすい」
「んっ……!?んにゃ事あるわけ……!」

慌てて立ちあがろうとしたシェリーであったが、やけに早く店内に戻ってきた京哉の姿に出かかった言葉とバゲットを無理矢理飲み込んだ。
 上着を着たまま席に着いた彼を、椿とシェリーが訝しげな表情で観察する。

「で、出なかったの!仕方ないじゃん…もう……」
「無責にーん」
「じゃあ次はその上の人に連絡しなきゃ。社長?」

一斉に飛んでくるブーイングに耐えかねた京哉は、若干涙目になりながら上着の内ポケットから財布を取り出してシェリーの方に放り投げた。

「だーーっ!わーったよ!僕はもう一度怪しい男の事探るから!まっすぐ帰って先に寝てろよ!」

去り際もグチグチと文句の止まらない京哉。その背中を見送ったシェリーと椿は自然に目が合うと何故か可笑しくなってしまい、其れ迄の不仲が嘘のように笑い合っていた。







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 パトカーのサイレンが明け方のリング通りに響き渡る。
 黄金に輝くヨハン・シュトラウス記念碑の周囲には規制線が張られており、ジョギングや犬の散歩の為にシュタットパークを訪れていた市民達は何事かと野次馬の人集りを形成している。

「記念碑の裏です。パークの清掃員が発見し、通報が入りました」

パトカーに駆け寄って来た警官の一人が、彼女に向かって敬礼する。

「……そうでしたか」

後部座席から降りてきたのは、ミーアであった。警官達に連れられて、花時計が設置された斜面の頂きに据えられた記念碑の元に歩み寄って行く。

「麻袋が2つ…夜中に運び込まれたようで、目撃者はいませんでした」
ブルーシートを持ち上げた警官の供述通り、芝生の上には無造作に転がされた人の背丈程の大きさがある麻袋。

 コートの上着からPHSを取り出したミーアは、着信中画面に表示された相手の名前を一瞥して通話ボタンをタップした。
「ご苦労だった。二人の事は任せなさい」
そう言いながら彼女が左腕を高く上げると、規制線の中に野次馬の視界を遮るようにして停車していた背の高い警察車両の中から次々と白衣や作業着を纏った男女が飛び出して来る。
 そして、麻袋の周囲を取り囲むと先端の結び目から鋏を入れて中に閉じ込められていたニコラとシルヴィアの救助作業を開始した。

「支部長、大丈夫です。まだ息があります。大至急搬送して治療を開始します」

聴診器を耳から外した白衣の男からサムズアップを向けられたミーアは目を細めて安堵の表情を浮かべる。

「ああ…頼んだよ」

短く告げたミーアは次に、踵を返した先に立っていた警官に頭を下げた。
「ご協力感謝致します。局長にも宜しくお伝え……」
彼女が礼を言い終わる前に、二人の元にもう一人警官が駆け寄ってきた。その手にはPHSが通話状態で握られている。
「ウィルソンさん、局長からお電話です」
まるで何処かで様子を見ていたようなタイミングに、ミーアは目を見開く。

『あ、どうもどうも。ミーアちゃん、先程ぶりね』

電話口の軽快な口調は、オーストリア警察刑事局長のニコラス・ジーン。
「…この度はご協力いただきありがとうございました」
『うんうん、無事に事なきを得た様だね。良かった良かった』
ハハハッと笑い飛ばす彼が今上機嫌である真の理由を、ミーアは十分に理解していた。
「謝礼は今日中に……例の方法で金庫にお入れ致します」
『お、宜しく頼んだよ。それじゃ、またいつでも連絡頂戴ね』

プツリと勢い良く通話が切れた端末を、持ち主の方に返しながら彼の方に頭を下げるミーアの顔からは表情が消えていた。



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 シュタットパークを見渡せる小高い丘の上に建つ管理事務所。鍵の壊された扉の先、肥料や石灰の袋が積み上げられた倉庫部屋の窓際に立っていたのは二人の男だった。

 刀身1メートル程の太刀を握る京哉と、彼の刃に掌を貫かれた右頬に大きな傷痕のある例の男。
 ボタボタと鮮血の滴る床を見つめて奥歯を震わせる男の足元で、ガシャンと軽い音が響く。彼の血に塗れた5センチ四方の起爆スイッチ。半分に割れ、男の足元に広がる血溜まりに溶け込んでいった。

「……お…お前は楽団ギルドの……!?アイツは……何故俺に近付けた!?」
額に汗を滲ませながら、男は京哉の方を睨み付けて唸る。
「あ?お仲間サンの事?」
ニヒルな笑みを浮かべた京哉は、男の手から刀を引き抜きながらその背中に蹴りを入れる。床に倒れ伏した瞬間に頭を靴の裏で踏み付けながらニヤニヤと語り始めた京哉。
「ぜーんぶゲロってくれたぜ、あのオッサン。お礼に鼻と肋骨へし折るだけで勘弁してあげたのに気絶しちゃったけど」





 時刻は午前0時丁度。
 京哉は例の男を捜索していた筈なのに、繁華街のキャッチに捕まり無理矢理場末のスナックに連れ込まれていた。
 財布を持っていないと必死に抵抗したにも関わらず、年季の入ったホステス二人組に両脇を抱えられて押し込められた店内は、それは強引な客引きが必要なのも頷けるほどガランと閑古鳥が鳴いている。

 カウンターの向こう側で退屈そうに煙草を蒸している女がこの店の主のようだ。彼女の正面にある丸いカウンターチェアに座らされた京哉は、誰の断りも無しに目の前に出されたグラスを両手で突き返した。

「マジで金持ってないし、今急いでんだってば!」
すぐさま立ち上がった京哉は、女の鋭い眼差しで睨み付けられるとおずおず椅子に腰を戻した。
「アンタ、東洋人なのにドイツ語ペラペラじゃないか。仕事かい?」
ロックグラスに注がれた液体の匂いを嗅ぎ、水だと判断して口に運んだ京哉は、そうだよ…と面倒臭そうに答えた。
「こんな夜中に急いでるのは碌な奴じゃないね」
「人を探してんだよ……こう、右頬に大きな傷痕のある…」
二人の会話を京哉の背後で聞いていた客引きのホステス達は、顔を見合わせて声を上げた。
「姐さん、何日か前にウチに来た輩ですよ、きっと!」
まさかこんな場所で情報を得られると思っていなかった京哉は、数秒間瞬きを繰り返した後に彼女達の方を振り返って聞き返す。
「何日か前に来た!?」
「ええ、来ましたとも。儲け話があるとか何とか」
ホステス達が聞いたという、その話の切り出し方はザルツブルクのチンピラから聞き出した情報と酷似していた。
「でも姐さんがスパッと追い出してくれたのよね!」
「見るからに怪しい男だったから、よく覚えてるわよ」
ねー、と声を揃えた彼女達の証言を聞き、京哉は主の女の方に向き直る。
「……その男の居場所を探ってるんだ。何か知らない?」
何かと言われてもねぇ…と困惑する女だったが、藁にもすがる思いという言葉を体現したように懇願する京哉の様子に、手に持っていた煙草を灰皿に押し付けながら深く白い息を吐いて言葉を返した。
「その男…どうも繁華街中の店に押し掛けては儲け話が何だと触れ回ってるようでね。興味本位で話を聞いてやった知り合いによれば、歌劇場あたりをウロついてるって言ってたとか…」
「歌劇場……国立歌劇場!」
再び立ち上がった京哉は一目散に出口に向かって駆けていく。
「ありがと、お姉様方!暇になったらまた来るよ!」
あっという間に扉の向こうに消えて行った彼の様子を唖然とした表情で眺めていたホステス二人は、ゆっくりとその視線をカウンターの向こう側に移していく。
「……もう来ないわよね」
「そりゃ、来ないだろうね」
フゥッと息を吐きながら新しいタバコを手に取った主の女の動きを見て、ホステスの一人がライターの火を差し出す。
「まあ、良い男だったけど若過ぎたわ」
疲れた表情を見せた主に、二人も苦笑いを浮かべて新たな鴨を探す為に店の外へと歩き始めた。


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 折衷様式の美しい夜景を誇るウィーン国立歌劇場は、1868年にオーストリア=ハンガリー二重帝国の宮廷歌劇場として建造された。
 音楽活動を禁止していないオーストリアでは、今でもこの歴史ある建物で管弦楽団の演奏会やオペラの公演が行われている。

 観光客にも人気のある名所であるが、さすがにこの時間は人影もまばらであった。スナックのホステス達の証言だけを頼りに、京哉はこの歌劇場を中心としたオペラ通りにある怪しげな場所を虱潰しに当たっていた。
 夜風で段々と体が冷えていくのを感じながら、アルベルティナー広場を進んでいく。美術館、有名なカフェテリア、老舗5つ星ホテルに囲まれた空間。整備された美しい石畳の一部に違和感を感じた京哉は、ジッと目を凝らす。

 一筋の線。幅3センチ程の薄くて細い線が真っ直ぐ南東方向に伸びている。周囲を見回すと、二つのビルの間から伸びていた。
 橙色の光に照らされている為黒っぽく見えていたその線であったが、等間隔の模様が入っているようにも見える。
 辿って行く程に段々と濃く、太くなっていく線に誘われて細い路地に入っていった京哉の目の前に現れたのは、かつての家主に放棄された古い貸し倉庫へ繋がる入り口だった。

 錆びついたドアノブに手を伸ばし、指先が金属部分に触れようとする間際の事であった。妙な感覚を覚えた京哉は一歩後退する。
 じんわりと温かい何かに包まれるような違和感が全身を駆け巡り、途端に酷い眩暈が彼を襲った。地面に吸い込まれそうになりながら何とかジュラルミンケースからフルートのパーツを取り出した京哉は、組み立てる暇も無く頭部管のリッププレートを唇に当てがった。

 精神に作用する波形というものが存在する。音の波でもその特殊波形を再現する事ができるのだ。
 まだ姿の見えない相手が一方的に俯瞰で監視できる位置に潜み攻撃を仕掛けているのだと考えた京哉は、自らも音の波を作り出す事によって特殊波形を阻害していた。
 昏倒したフリをして地面にうつ伏せに倒れ、敵が姿を現すのを静かに待つ。






 錆びた蝶番の悲鳴が路地に響いた瞬間、地面に伏した状態だった京哉はウィンドミルの要領で脚を大きく振り回し、その勢いで立ち上がる。そして、開いた扉の隙間に腕を差し込んで向こう側からノブを捻った人間の胸倉を掴む。
 腕に力を入れて一気に外界へと引き摺り出したその正体は、頭頂部を禿げ散らかした小太りの男であった。
 石畳の地面に背中を強く打ち付けた男は、苦しそうに咳き込みながら迫り来る京哉の足音に体を硬直させる。

「…アンタ、何者?」
グイッと鼻先が当たる程の距離まで顔を詰め寄らせる京哉は、息を荒げながら首を横に振る男が飛ばす謎の汁から逃げる為に一度距離を取る。
「な、何でお前普通にしてられ………っあ!違うんだ!この通り!俺は何もしてない!見ろ!丸腰だ!」
確かに、楽器の類は何処にも見当たらない。
「頼む…俺は命令されてたんだっ!中に入って何を調べてもらったって良い!命だけは…!」
土下座をして命乞いまで始めてしまった男の様子に、京哉はフゥッと息を吐きながら眉を顰めた。


 男の案内で古い倉庫内に入る。屋内は暗く、所々にぶら下がる裸電球の僅かな明かりだけでは足元も覚束無い。
 窓の無い閉塞的な空間の中央には腰の高さ程の木製の台が据えられており、周囲の床には金属製の細かなパーツが無造作に散らばっていた。

「右頬に大きな傷のある男…アンタの仲間?」
踵を返して尋ねた京哉に睨み付けられ、男は肩を震わせて怯える。
「な、仲間なんかじゃない…っ!俺はこの倉庫に閉じ込められて世話をさせられてたんだよ…!」
そう叫ぶ男の飛ばす唾を回避した京哉は、薄暗い空間の中をぐるりと見回す。
 倉庫と呼ぶにはあまりにも生活感のある様相。食器棚にはガラス製のワイングラスが並び、そのうちの何個かが液体が注がれた状態で食卓と思しき木製の机の上に並んでいた。
「アイツは少し前に出掛けて行った!俺は本当に何も悪い事はしてねぇんだよ!」
おいおいと涙を流しながら鼻水を振り撒く男から目を逸らし、何か例の男に繋がる情報は無いかと京哉は屋内を物色し始めた。



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 床に散らばる金属片の一つを手に取って眺める。非常に細かなパーツが緻密にハンダ付けされており、京哉には見覚えのある配列であった。
「……略式ハンネス機関…」
使用用途としては多岐に渡る為、何の目的で男が使用していたのかは不明である。そして、金属片同様に床にばら撒かれていたのは京哉の手の中に収まる大きさの金属製の容器。
「おいアンタ、その男は……」
床から容器を拾い上げながら立ち上がった京哉であったが、再び眩暈を催す気味の悪い感覚に襲われて思わず膝を付いた。
 吐き気を抑えながら男の方を振り返ると、食卓に並べられたグラスのフチをグルグルと指の腹で撫でている。水面は同心円上に波打っており、京哉はようやくソレらがグラスハープである事に気が付いた。

「ダーハッハッハ!今度はテメェがボムになる番だ!大人しく眠ってろ!」

 苦しげな表情で床に伏せる京哉を見るや、さっき迄の怯え切った様子とは打って変わって上機嫌な様子の男。


「……超ムカつくなアンタ……」

手に持っていた金属製の容器をギュッと握り締めた京哉は、渾身の力でそれを後ろ手に投げ付ける。男の方に一直線に飛んで行った容器は、食卓の上に鎮座していたグラスに見事命中し、派手な破壊音が鳴り響く。
 水がバシャリと食卓の天板を濡らし、京哉を襲い続けていた不快な音の波も止まった。
 グラスが割れた衝撃に思わず目を瞑って仰け反った男。彼がそっと薄目を開けた時、既に視線の先に京哉の姿は無い。男を襲った背骨が砕けたかと思う程の鋭い痛みは、いつの間にか背後に回り込んでいた京哉がめり込ませたニーバットによるもの。
 仰け反りながら食卓に凭れ掛かる男の耳の横を鈍色の刀身が掠め、太刀の先端が木片を飛ばしながら天板に突き刺さった。

「ひっ……!」

短く悲鳴を上げて震わせた男の肩を後方から踏み付ければ、天板に顎を打ち付けて悶えている。

「このまま首を刎ねれば楽に殺してやれるんだけどさァ……」
ヒンヤリと冷たい金属が首筋に当てがわれ、男は全身の毛穴から脂汗が滲み出るのを感じた。
「僕も給料貰ってる身分だから、一応命令に無い事はできないんだよね。だから殺してやるなんて生温い事はできなくて」
男の後ろ髪を鷲掴みにした京哉は、頭を一度後方に引っ張って勢いを付けてから天板に打ち付けた。男の悲鳴など聞こえていないような表情で再び髪を引っ張ると、鼻血をダラダラと流す彼の耳元に口を近付ける。
「だから、今からアンタをボコして情報を聞き出す事にするよ。殺すつもりが無かったって事なら、たとえアンタがポックリ逝っちゃっても少し怒られるだけで済むだろうし」
「っ…!!わ、わかった!何でも答える!!だから命だけは…」
またもやすぐに命乞いを始めた男を横目で睨み付けると、再び天板に顔を打ち付ける。そして、後頭部をグリグリと押さえ付けながら感情の無い声色で囁いた。
「2回目だから、ソレ」
突き刺さったままの太刀を引き抜いた京哉は男の背中を蹴って床に倒し、肩を踏み付けて問い掛ける。
「やり方変えようか?先に言っておくケド、僕下手くそなんだよね……拷問」
「ひゃ……ひゃべりまふ…っ!ごべんなざいっ!うぞづぎまへんっ!!」
机に打ち付けられた時に前歯の殆どが折れた様で、男はヒューヒューと息を漏らしながら涙ながらに語り始めた。



…………………………………………………………………………………



「根も葉もない噂を吹聴して楽団ギルドの人間を誘き出して、拉致った人間に爆弾埋め込んで川に流した……モアメド・デニスって奴もオッサンが殺した訳だ」

掌に刺さっていた太刀をズルズルと引き抜くと、右頬に傷のある男は力無くその場に尻餅を着いた。

楽団ギルドの存在を知っていて喧嘩を売ろうなんて奴はマトモじゃない。オッサン、誰の差し金でこんな事やってたんだよ?」

木製の床を軋ませながら歩み寄る京哉の顔を見上げた男は、ヒヒヒッと不気味な引き笑いをしながら頭を後方にもたげる。大の字に寝そべって天井を仰見ながら、問い返す。

「あのデブからどこまで聞いてんだ?」
「……ヨーロッパ支部長を殺す為に、人間を爆弾にしてるって事。あの人は自分の部下が死ねば必ず自身で遺体の回収に赴く。そこらへんの事情を知ってる人間が敵の中にいるんなら、楽団ギルドも鼠狩りを始めなきゃならなくなる……ソレが目的なんだろうけど」
京哉の返答を聞いて、両目を閉じた男は諦め切った様子で深く長いため息をついた。そして、ブツブツと小声で何かを呟きながら、纏っていたジャンパーの懐に手を突っ込んだ。


「心中すんなら、せめて野郎じゃなくて綺麗な女と一緒にって思ってたのになァ……」



 閃光が走る刹那、京哉は後方に積まれていた肥料や石灰の袋の影に身を隠す。
 激しい爆風と共に男の身体はバラバラに弾け飛び、肉片が至る所に飛び散る。自身に仕込んでいた爆弾で心中を図ったのだ。

 古い小屋の屋根は無惨に崩れ落ち、大小様々な建材の瓦礫が爆発の衝撃を何とか去なした京哉の頭上から次々と襲い掛かってきた。



 ヨハン・シュトラウス記念碑のある花時計の位置からも凄まじい爆音は聞こえており、複数名の警官達と現場に駆け付けたミーアはその惨状を目の当たりにして額に冷や汗を浮かべる。
 土埃が濛々と立ち上り視界の悪い中、倒壊した小屋に駆け寄ったミーアはその場所にいる筈の京哉の姿を探した。


 夜明け前、彼女に電話を掛けていたのは京哉であった。国立歌劇場近くの倉庫でグラスハープの男から聞き出した情報をその時に伝えられていた彼女は、自身の命が狙われていると知りながら今回の作戦を打ち出したのだ。

「それならば、私が囮になろう」
『……え!?支部長、話聞いてました?例の怪しい男が爆弾埋め込みサイコ野郎の正体で、支部長を誘き出して殺そうとしてるんですよ?』

件の男が潜む小高い丘の上に建つ小屋の近くで待機しているという京哉。すぐにでも男を拘束して起爆装置を破壊しようと提案するものの、あっさりと却下されてしまう。

「君が乗り込んだ瞬間に起爆される可能性もある。男の注意が私の動きだけに向けられている時に壊す方が良いだろう。警察にも私の方から協力を仰いでおく」
『で、でも……』

 楽団ギルドは今、アメリカ支部壊滅の危機に瀕している。そして、全世界で横行してきた[[rb:旋律師 > メロディスト]]狩りで大幅に戦力を削がれた状態であった。
 もし万が一の事があり、ヨーロッパ支部長であるミーアが敵の目論見通り死亡するような事があれば、楽団ギルドは一気に攻め込まれてしまう可能性もある。
 京哉は今一度考え直すように食い下がるものの、ミーアの意志は堅かった。




…………………………………………………………………………………


 顔を煤で汚しながら、横たわる大きな木材を退かす。京哉から今回の敵の狙いを聞いた瞬間、ミーアの胸の内には怒りの炎が燃え上がっていた。そのやり口の非道さと、自身の所為で見殺しにしてしまったモアメド・デニスやあの日遺体回収に携わった複数の関係者への心苦しさ故だ。
 もうこれ以上、自分の周りで仲間の命を失いたくなかった。


今にも崩れ落ちそうな大きな瓦礫の方に近付こうとするミーアを数人の警官が必死に制止させようとする。

「危険です、ウィルソンさん!今重機を呼びますから!」
「キョウヤ…っ!頼む、返事をしてくれ!」

ミーアがそう叫んだ数秒後、轟音を立てながら最後の壁が崩れ落ちて凄まじい砂埃が周囲を包み込む。
 そして、瓦礫同士が折り重なって出来ていた僅かな空間からひょっこりと京哉が頭を出す。

 ゲホゲホと咳き込みながら立ち上がり、特に怪我も無い様子で歩き出した彼の姿を見てその場にいた全員がポカンと呆気に取られた表情を見せる。
 多くの視線を感じた京哉は、服に着いた砂を払い除ける手を止めて小首を傾げる。そして、警察官に取り囲まれている状況に気付くと徐々に焦りを見せ始めた。

「ご…誤解ですよ!僕は巻き込まれたっていうか……あ、支部長!そうですよね!?僕、何も悪い事してないですよね!?」

弁明の途中でミーアの姿を見つけ、京哉は助けてくれと言わんばかりに必死に両手を振る。
 安堵で綻んだ表情を引き締めたミーアが歩み寄り、その肩をポンポンと叩いた。

「無事で良かった、キョウヤ」

左右をキョロキョロと見回しながら、最後にミーアの表情を伺ってようやく怒られているのではないのだと理解した京哉。
 一睡もせずにウィーン市街地のあちこちを駆け回った彼は、安心した事も相まって上司の目の前で大きな欠伸をかましていた。







…………………………………………………………………………………




 空港に向かう予定時刻が迫る中、京哉の帰還を待っていたシェリーと椿。
 待機していた[[rb:楽団 > ギルド]]社屋横の寮の一室から出ると、同じく朝から姿を見ないミーアを探す為長い廊下を歩き始めた。

「ミーアさんの部屋、同じ階だって教えてもらったの。流石に昼過ぎじゃ会社の方にいると思うけど、一応寄ってから行こうと思って」
ゴロゴロとキャリーケースを引き摺りながらそう述べたシェリーの片手には京哉から預かった財布がしっかりと握られていた。
「……京哉、結局戻らなかったけど大丈夫かな。ちょっとだけ心配…」
椿は自分達が唆した所為で彼が危険な事に巻き込まれているのではないかと反省した様子だった。
「何か巻き込まれたとしても、アイツの仕事でしょ?早かれ遅かれ駆り出されてたんじゃないの?」
「………貴女の方が心配そうだったけど。寝てないよね、昨晩」
シェリーは椿の指摘にビクリと肩を揺らした。京哉が戻るまで待とうと、ずっとベッドの中で目を開けていた事を椿は知っていたのだ。
「に、日本に帰るのが楽しみ過ぎて寝られなかっただけだから!……あんなの置いてアタシ達だけ帰っちゃった方が良いかもね、うん、そっちのが良いに決まってる!!」
フンッと鼻を鳴らしながら恥ずかしさを誤魔化すシェリーから視線を逸らした椿は、ちょうど真正面に見える突き当たりの部屋から京哉が姿を現す瞬間を目撃した。首からタオルを下げており、髪は少し湿っている。

 彼の方も二人に気が付いた様子で、キャリーケースを片手に引き摺りながらジュラルミンケースを背負って歩み寄ってきた。

「京哉、戻ってたんだ」
「おう。色々あって……って、となりの茹で蛸は一体どしたの?」

茹で蛸という言葉に眉を顰めた椿は、隣を見てすぐに理解した。顔を真っ赤にして戦慄くシェリーの姿。
 ビシッと京哉の方を指差し、必死の形相で問いただす。

「な、なな…何でこの部屋から出てきたの!?」
「え?あー、シャワー借りて…」

京哉がそう答え終わる前に、部屋のドアが開いて奥からミーアが姿を現した。集結する三人の元に加わり、腕時計に視線を落とす。

「そろそろだな。空港まで送っていこう……ん?どうかしたのか?」

同じく、茹で蛸になったシェリーの顔を見て首を傾げるミーア。






 空港へ向かう道中、車内はドッと笑いに包まれていた。後部座席で一人、まだ顔を真っ赤にしているシェリーだけが難しい表情をしている。
 ハンドルを握るミーアはフロントミラーを一瞥しながら、爆笑している京哉と椿に自制を促した。そして、恥ずかしそうに両手で顔を隠してしまったシェリーに話し掛ける。

「キョウヤが私の部屋のシャワーを借りたのは、砂埃だらけでとても飛行機になど乗れる状況ではなかったからだよ。何か誤解させてしまったようなら済まないが」
「うぅ……」

小さく唸ったシェリーは、指の隙間を開けてチラリと助手席に座る京哉の方を覗き見た。まだヒクヒクと肩を上下させながら笑っている様子に、今度は怒りが込み上げてくる。

「誤解ってー…僕が支部長に手ェ出す訳ないでしょうが!上司、上司!」
「上司でも女の人の部屋から出てきたら誤解されても仕方ないじゃん!」
ガルガルと言い返すシェリーの横から、椿も加勢する。
「それはそう……ミーアさんって結構年齢不詳な見た目してるし、真面目にしてるけど笑ったら可愛らしい感じだから…そういうギャップにコロッ落ちる男は多い」
いきなり哲学を始めた椿があまりにも真剣な表情で語っていた為、内容が気になった様子のミーアは京哉に通訳する様に頼んだ。
「え?あぁ、支部長が普段は真面目なのに笑うと可愛いから僕が好きになっちゃうんじゃないかって…」

 急ブレーキで三人の身体が慣性のままに大きく前後する。

「し、ししし支部長!?」
目をパチクリさせながら運転席を見やった京哉は、彼女が口をパクパクさせて動揺している様子に驚く。
「か…かわ……かわい…い?す、すすすすき…?」
「支部長、落ち着いてください!?」
後続の車がクラクションを鳴らし、ハッと我に帰ったミーアは咳払いをしてアクセルを踏み直した。



…………………………………………………………………………………
 

 ウィーン国際空港の格納庫では、既にジェザリックの手配した米軍の機体がトランジットを済ませた状態で待機していた。
 歩み寄って来た機長と握手を交わし、作業員達にキャリーケースを手渡す。

 踵を返した三人は、ミーアの正面に向き直ってペコリと頭を下げた。
「長い間お世話になりました!」
京哉がニコリと笑って別れを告げると、ミーアは苦笑を浮かべながら返す。
「君の故郷はオーストリアだろう。日本での仕事を終えて戻ってくる日を待っているよ、キョウヤ」
続けてシェリアーナと椿の方に視線を向けると、小さく手を振る。




 機内に乗り込み、各々好きな座席に座る。
 行きの便とは違い、シェリーと椿は三人掛けのシートで隣り合っている。仲良さげに会話する二人の様子を不思議そうに眺めていた京哉だったが、その視線に気が付いたシェリーに中指を立てられて反射的に舌打ちを返す。
 それまで座っていた座席から立ち上がって彼女達の隣のシートに移動すると、女二人から大ブーイングを食らった。
「何で来んだよ!一人寂しく座ってろよ!」
「何でいきなり仲良くなってんの?超気になるんですけど」
ヤイヤイと言い合う京哉とシェリーの間に挟まれた椿は、パーカーのポケットから取り出したアイマスクをササッと装着して信じられない速さで寝息を立て始める。

「僕だけ邪険にすんの、良くないよ?みんなに言っちゃおうかなー、さっきの事」
唇を尖らせながら踏ん反り返る京哉を睨み付けたシェリーであったが、今度は動じる様子もなく言い返す。
「オーストリア支部に居たなら自分の寮室ぐらいあるんじゃないの?何でわざわざ女の人の部屋でシャワー借りた訳?」
「無いんだよ、僕の部屋。アイツが日本に戻った時に勝手に引き払っ……」
そこまで言い掛けた京哉は、右手で口を押さえてその先の言葉を噤む。
「アイツ?誰ソレ?もしかして……」
「だーーっ!邪推すんな!麗慈だよ、麗慈!」
「レイジと同じ部屋に住んでたの?男同士で?」
二人が同部屋に住んでいた理由を説明するには、幼少の頃まで話を遡らなければならない。勿論、シェリーに過去の事を話すつもりは無い為、京哉は椿からアイマスクをひったくって狸寝入りを始めた。

 問い詰めようと身を乗り出したシェリーは、寝ていた筈の椿の両目がかっ開いている事に気が付き、思わず声をあげて驚く。
「………阿須賀の言ってた事は正しかった」
「あ、アスカ?」
「シェリー…キョウヤの事は諦めた方が良いかもしれない……」
意味深な発言を繰り返す椿の横で、狸寝入りをしていた筈の京哉は本当に寝てしまったようだった。事の真相を問いただす相手がいなくなってしまい、ただモヤモヤとした感情だけが残るシェリーなのであった。





[39] Bagatelle Ⅱ 完
 
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