MELODIST!!

すなねこ

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#054 Riddim

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東京都・75歳女性「若い子達が楽しそうにしている所を見るのはやっぱり良いですね。こちらまで元気を貰います。お酒の失敗なんてものを目の前で見れるなんて、今生ではもう無いと思ってたから可笑しくて…」


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 新宿・市谷砂土原町の静かな住宅街の一角に佇む志麻家の邸宅。
 此処は日夜地域住民の生活に寄り添ってきた遍玖会新宿自警団の本部事務所である。

 1ヶ月程前に死去した先代、志麻周平太にかわって新宿自警団の指揮をとっていた宍戸阿須賀からの依頼を受けたのは、京哉がミーアから自身の出生の秘密を聞いたその翌日のことであった。



 メタトロンや異端カルトによる襲撃を受けた傷跡が庭や屋敷の至る所に残り、ブルーシートが掛けられていた。
 気持ちばかりの養生の跡を眺めながら阿須賀に続いて廊下を進む京哉はすぐその違和感に気が付く。

「……人、減った?外回り行ってるとか?」
「あー…減っとる。まぁ、それについても話すから…入って入って」

気不味そうに眉を顰めた阿須賀によって、滑らかに開け放たれた襖の向こう側の客間に通された。

 


 新宿自警団は今、大きく二分されているという。
 周平太の遺言通り、阿須賀が彼の後を継ぐ事に賛成する者とそうでない者。後者は主に、血縁者である志麻凌壱を支持する古株と彼等の率いる下部組織の人間であった。
 
「えー…つまり、志麻凌壱派の人間がごっそり組織を抜けてったって事?」
後から客間に入ってきた使用人が差し出した茶を啜りながら京哉が尋ねる。
「そ。んで、ワシを潰す為に周りの自警団の人間にホラ吹いて回っとるらしいわ。新宿自警団は政府の手先やから、近々起こる大規模な掃討作戦で裏切られる前に大将を殺せ…言うてな」
立派な檜の一枚板で出来た座卓に頬杖をついて呆れ顔を見せる阿須賀の口からは、京哉にとって初めて耳にする単語が含まれていた。
「…掃討作戦?政府の?」
「そ。毎年恒例やで?24日の夜国会議事堂前に集まろうって輩の一斉検挙を皮切りに、23区中に潜んどる反乱分子を芋蔓式に逮捕してく掃討作戦」

 改正憲法によって音楽等禁止法による取り締まり内容が強化されてからも、自由を求めて声を上げる国民は一定数存在していた。
 警察に拘束されれば最悪極刑も有り得る反政府運動への参加について、今年はアメリカでの音楽肯定派新大統領の誕生が参加者の背中を後押ししていた。
 日本政府とも協力関係にあった異端カルトの人間によるダラス・シンプソンの暗殺により、大国は音楽否定派国家に対する明確な敵意を示したのだ。

「アメリカの強行姿勢を恐れて、今日本政府は音楽肯定派の国民を強く取り締まれん雰囲気になっとる。アイツらが雇い入れてた訳分からん組織の人間に大統領殺されたっちゅうんやから…そら、日本の動きにも過敏にはなるわな」
「今年は大きな抗争になりそうって訳か…。で、新宿の自警団は政府と繋がってるから敵だって根回ししたところで…誰が信じるんだよソレ?」
バリバリと煎餅を頬張りながら訝しげな表情を見せた京哉の問いに、阿須賀は大きな溜め息をついた。

「……凌壱兄さんが3年前に政府の人間とつるんどったんは覚えとるやろ?」
 3年前、京哉が日本に密入国した際に凌壱に捕まり、金銭と引き換えに政府側の人間に引き渡されようとした出来事。政府側の人間として京哉を引き取りに来た七白という男は、良縁屋の目の前で茅沙紀の腹部に刃物を刺し、自らは自爆していた。
「あのオッサンなら死んだはずじゃ…?」
「そうそう…どうもあの七白いう下っ端の人間をコキ遣っとったのが都野崎やったみたいでな…今回の件で兄さんに悪知恵吹き込んだんもどうやらアイツで間違いなさそうやって」
首相自らがいち自警団の構成員に話をつけに来るなど、俄かには信じ難い。しかし、政府を取り巻く状況や阿須賀の話ぶりから見るに、その信憑性は高い物のように思えた。
「……裏切りモンがワシやのうても、凌壱兄さんはアチラさんとズブズブや。こっちの動きは政府に筒抜け。当日も不利な状況になるんは目に見えるっちゅー訳。どないしよ、京ちゃん…」
周平太に信頼され、任されたばかりの新宿自警団を襲おうとしている危機的状況。阿須賀にはあまりにも荷が重すぎた。
「でー…楽団ギルドに何とかして欲しいって依頼?」
「ちゃうちゃう。どないしよ、って相談しただけ。京ちゃんトコの会社、ぎょうさん金積まんと仕事してくれへんやろ?無理無理」
てっきり仕事の依頼かと思って聞いていた京哉は拍子抜けした様子で手に持っていた湯呑みを落としそうになる。


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「相談しただけって…わざわざ呼び出しといてさ、それだけってことはないだろ?」
ジト目で尋ねる京哉には、阿須賀が本心では何を企んでいるのかなど見当も付かなかった。
 訝しげな表情を浮かべている京哉を正面に、ニッカリと笑った阿須賀は机に両肘をついて組んだ手の上に顎を乗せながら聞き返す。
「京ちゃんさぁ……友達やんなぁ、ワシら」
「ビジネスパートナーね」
グランドのサングラスをチャキッと掛け直しながら、阿須賀は再度尋ねた。
やんなぁ?」
これは面倒なだと悟った京哉が座ったままの姿勢で一歩後退する。

 旋律師メロディストは本来、楽団ギルド本社が精査し受諾した案件以外は依頼として受ける事を許されていない。個人的にその能力を使って利益を得る事も禁じられている。
 阿須賀が京哉に何か頼み事をした所で、それを叶えてやる事は出来ない筈だった。

 しかし現新宿自警団長である阿須賀は、3年前に志麻周平太が京哉を新宿に匿う協力者として得た『特権』をも引き継いでいたのだ。

「ジィちゃんが言うてたで。京ちゃんに楽器を演奏してもらうんは自由やって」
旋律師メロディストにただ純粋に音楽家としての能力を発揮させる行為に関しては、楽団ギルドは一切干渉してこないのだという。
 プロの音楽家に演奏を好きなだけリクエストできる。これが協力者の特権と呼ばれるものであった。しかし、権利と言えど音楽が規制されている国では喜ばれるどころか、むしろ人目につく場所で楽器を取り出す事すら出来ない場合が殆どである。
 日本国内においても、自由に彼ら旋律師メロディストの演奏を聴く権利を持つ協力者達は誰一人としてそれを行使しようとする者は存在しなかった。

「…ぼ、僕の演奏聴きたかったの?アッスー…クラシックとかわかるひとだっけ?」
「聴かせるんはワシやのうて、アレやアレ」
阿須賀が徐に立ち上がり障子戸を開けて縁側に向かって合図を出すと、けたたましいエンジン音と共に最初から壊れていた門戸を勢い良くぶち破って、10トントラックが庭へと進入してきた。

 目を点にしながら阿須賀に並んで庭の光景を眺めていた京哉は、構成員達によって開かれた荷台のサイドドアから中に積まれた金属の塊を見て小首をかしげる。

「ハンネス機関…?」
「おう。ワシら一般人がコレに蓄電するんは骨が折れる作業やからな。1個満タンにするのに、大声出し続けても丸3日はかかるっちゅうねん。京ちゃんなら瞬殺やろ、瞬殺」
 ハンネス機関はその特性上、生音…とりわけ質の良い演奏によって最も発電効率が上がるように設計されている。そして、音エネルギーの生成に特化した演奏法を知り尽くした旋律師メロディストであれば、目の前の荷台いっぱいにハンネス機関が積まれていたとしてもその全てを満充電にする為に長時間の演奏は必要無い。

「前にワシに相談してきたやろ。仁道の兄チャンの店で始めた商売について。そっから思いついたんやで。名付けて…人間発電機大作戦!」
「僕が発電機になっちゃうじゃんソレ!……ま、まぁ…蓄電するのは別に構わないけど、今度の抗争と何か関係あんの?」

作戦名に些か不満が残る様子の京哉の肩に手を置いた阿須賀は、ニヤリと笑いながら件の作戦とやらの詳細を語り始めた。


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 志麻凌壱の素性を知る者にとって、彼の行った根回しは『別の意味』での警戒心を周囲の自警団の者達に植え付けた。
 既に反政府側の当日の動きは敵に筒抜けになっていると思うのが妥当であろうと考えた彼等は、裏切り者と法螺を吹かれていた張本人と直接話し合いの場を設けていたのだ。

 六本木地区を広く統括する港区自警団の長、字奴井練アザナイレンが中心となった会合の場には、凌壱の話を間に受けて阿須賀を敵視する人間も多く集まっていた。
 ただならぬ緊張感が漂う中、字奴井が静寂を破る。

「宍戸…お前に関する悪い噂について、何か弁明は?」

周囲を取り囲まれた状態で構成員達に一斉に睨み付けられた阿須賀であったが、場の雰囲気など全く意に介さぬ様なケロリとした表情でクスクスと笑っていた。ピクリと眉を動かした字奴井が続けて問う。

「何か可笑しい質問でもしたか?」
「いえいえ、弁明っちゅうか…んなモン必要無いですよ。あの人が言いふらしてる事、ひとっつも身に覚え無いですし、勝手にさしとけばエエかなぁ思うてワシも黙っとった訳ですから」

ため息混じりの阿須賀の回答に、会場中の人間が響めく。志麻家の血縁者というだけで凌壱の事を盲目的に信頼していた古い構成員達からは今にもヤジが飛んできそうであった。

「…お前自身が白だと主張しようと、見ての通り疑ってかかる人間も一定数いる訳だ。24日、新宿自警団の人間は全員屯所に待機してもらうつもりだが、異論はあるか?」

信用出来ない人間を抗争に参加させるわけにはいかない。そう言いたいのであろう。元より戦闘に秀でた血気盛んな人間が集う新宿自警団にとって、重要な抗争での待機命令は簡単に聞き入れる事は難しい筈であった。
 しかし、阿須賀の表情は穏やかである。

「わかりました。ただ、後方支援くらいはさせてもらいますよ。手薄になった居住区の防衛はワシらが担当しますわ」


 先代、志麻周平太の遺言通り、新宿自警団を取り仕切る団長に就任した阿須賀は、組織と区民の生活を守る責任を負った。
 そして先代が築き上げた場所を潰そうと暗躍する凌壱を、これ以上野放しにする訳にはいかない。阿須賀には自警団として抗争の最前線に立つよりも優先すべき事があったのだ。

 後方支援に回る事によって、抗争全体の動きを把握しながら凌壱の悪事の詳細を暴き、ケジメをつけさせる。

 生前、嫡男である凌壱をコントロールし切れず組織内に派閥という名の亀裂をもたらしてしまった事に対して幾度と無く悔やむ発言を繰り返していた周平太。彼の傍で支え続けていた身として、その無念を晴らす事は阿須賀にとっても大望であったのだ。






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「蓄電した大量のハンネス機関を現場に送り込むっちゅう補給役と、抗争で手薄になった居住区の防衛がワシら新宿自警団の当日の役割……まぁ、表向きはな」
「実際は志麻凌壱と自警団連中との繋がりを絶つ為に動きたい…って訳ね」

旋律師メロディストの助力によって潤沢なエネルギーを得た反政府勢力と政府の指示によって動く警察の機動隊との力が拮抗する程、凌壱はより政府側にすり寄る動きを見せようとする筈。





「そういう事なら引き受けるよ。本当は楽団ギルドに依頼出してもらって、僕もアイツ殴る方に参加させてもらいたかったけどさ」
残念そうに唇を尖らせる京哉に眉を下げた阿須賀は、ハンネス機関の荷下ろし作業を進めている構成員達の働きぶりを眺めながら返した。

「……エエ歳こいたオッサンがいつまでも反抗期引き摺りよって、傍迷惑な小物演じとるなんてな…見てられへんのや。散々世話ンなったジィさんの息子がアレやで?情けのぅて、反吐が出るわ。……コレはワシにとっても大きなケジメやからな」

周平太の未練を断つ為、新宿自警団を継いだ阿須賀自身が手を下す必要がある。そう言いたいのであろう。
 しかし、京哉には気掛かりな事があった。都野崎が直接凌壱に指示を出しているのであれば、今回の抗争の何処かで日本政府に加担している異端カルトの人間が攻撃を仕掛けてくる可能性もある。いくら潤沢なエネルギーで備えたとしても、音エネルギーを生身で操ることの出来る人間の前では無力に等しい。
 凌壱の根回しの所為で、ただでさえ弱体化している新宿自警団である。新団長の阿須賀にもしもの事があれば一気に力を失い、それこそ凌壱や政府の思う壺だ。

「一応だけど…護衛は付けろよ。もうただのチンピラじゃねぇし、肩書きのある人間なんだから……」
珍しく人を気遣う発言をした京哉と目が合った阿須賀は、熱でもあるのかと彼の額に掌を置いてパシンと弾かれてしまった。
「護衛や言うてもな…椿はアンタん所のお嬢ちゃんに誘われてクリスマスパーリーやなんやて呑気なモンやし…」
「クリスマス………クリスマス!?」
阿須賀の返答に、京哉は重大な事を思い出した様子で慌てふためき始めた。

「…ど、どないしたん…京ちゃん…?」

ブツブツと譫言を呟きながら縁側に三角座りで蹲る京哉に駆け寄った阿須賀は、乾いた笑いを見せる彼から質問を受ける。

「に、24日はクリスマスイヴだよね?クリスマスは次の日だから…パーリーは25日だよね?」
「ん?ちゃうやろ。24日にどんちゃん騒ぎして夜エエ子で寝とったらサンタさん来るでーいうんがクリスマスやろ?なに?京ちゃんもしかして、明日予定あったんか?」

京哉は昨日の今日だと言うのにすっかり忘れていたのだ。ナツキとフユキに誘われた24日の予定について。恐らく、椿が誘われたというのも双子主催の会であることに間違いない。
 シェリーあたりはきっと楽しみに準備をしている事であろう。今更参加できないと言うのはかなり申し訳なかった。

 どんよりと暗い表情の京哉を見て彼の事情を察した阿須賀は、何か名案を閃いた様子でゴニョゴニョと耳打ちをし始める。





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 夜になり降り始めた雪が砕けた路面を濡らす。抗争当日は奇しくもホワイトクリスマスとなった。
 数十年前までは家族では七面鳥やケーキを囲み、恋人同士は二人きりで特別な時間を過ごす穏やかなイベントの日であった。
 音楽等禁止法が施行されて以降、催し事の一切は廃れ、クリスマスも例外なく楽しげな音楽を奪われた物悲しい雰囲気の漂う年の瀬の何でもない1日となってしまっていた。


 それでも豊富な電力を持て余すニュー千代田区画の中央公園には色とりどりの電飾が巻き付けられた鮮やかなクリスマスツリーが登場しており、富裕層家庭の多くでは今も変わらず特別な1日としての位置付けのままであった。
 ホールケーキの箱や包装された巨大な箱を抱えて歩く大人達が帰路に着く光景は、国会議事堂周辺に向かって進む装甲車の列をより一層異彩なものにしている。

 武装集団を先導するパトカーと白バイの隊列が議事堂前広場に並んで停車し、次々と降車した機動隊員達の手持ちの盾で壁が形成されていく。


「今年は居住区も合わせて5000人程の逮捕が見込まれます。地方で燻っていた音楽家を擁護する団体の参加も確認できています」
秘書の男が構えた双眼鏡で国会議事堂内から眺めていたのは、迫り来る反政府運動の前線部隊であった。
 旧千代田区を除いた東京22区の自警団がこの日の為に戦力を増強して向かってきている。政府としては何としても圧倒的な力の差で平伏させて反抗心を挫かんと、毎年自衛隊や警察の機動隊を配備してきた。

 しかし、今回は思うように動きが取れない理由がある。
 それは、前アメリカ大統領ダラス・シンプソン暗殺の犯人が日本政府を始めとした音楽否定派国家が肩入れしている異端カルトの人間であった事を理由に、対象国家に対する圧力を強める事を公言した事だ。
 元々音楽賛成派寄りの政策であったアメリカを敵に回せば、ハンネス機関所持数からも見て取れるように圧倒的戦力差によって一網打尽にされかねない。

「アメリカの発言を自分らを後押しするモンだと勘違いした馬鹿な活動家連中が大挙する事は大いに予想できる。その為に、こちらも手は打ってあるさ」
秘書の隣で多くの屈強なSPに囲まれながら移動する都野崎の手には、通話状態のままの携帯電話が握られていた。
「飼い慣らせているようだね。今日は頼んだよ」
耳元に端末を当てがい、静かな口調で話しかけた都野崎。彼の動きを見て困惑した表情の秘書が、躊躇いながらも問い掛けた。
「……総理、その……本当に実行するのでしょうか?米国に知れれば、実力行使も免れないと…」
「恐るに足らない相手だろう?我々に圧倒的な『力』を齎したに感謝しないとな…。今日は日本が生まれ変わる為に……一度真っさらになる為の最初の一歩を踏み出す時だ。そんな暗い顔をするものじゃない」
クシャリと顔を歪めて政治家に不相応な不気味な笑みを纏った都野崎の表情に、秘書の男は恐怖すら感じていた。
 そして、今後都内を中心に始まる『改革』の行く末を案じて震える両手を抑え込むのに必死に拳を握りしめていた。




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 新宿・市谷砂土原町の閑静な住宅街の一角に集結していたのは、都内各地に身を潜めている楽団ギルド関係者とその協力者達であった。

 阿須賀の名案…それは、双子が計画したクリスマス会を新宿自警団の屯所内で行うというものであった。抗争の裏方として構成員のほぼ全員が留守にしている間、だだっ広い屋敷の中を好きに使って良いと言われた主催者達は二つ返事で場所の変更を承諾していた。

 日本家屋に不釣り合いなギラギラとしたモールの壁飾りを手に楽しげな様子で準備を進めるシェリーは、自身が昇る脚立を押さえながらため息をついている京哉を見て一瞬でその表情を不満げなものに変えていた。
「何?不満?」
ムッスリと頬を膨らませて怒る彼女の行動が予想外であった京哉。慌てて顔を上げて弁明した。
「ちげーよ!…クリスマスに何かやんのとか、本当に久しぶりで……」
京哉は阿須賀の強かさに商売人根性のようなものすら感じていた。
 この場に音楽家を集めれば、ハンネス機関の充電も京哉一人の力よりも数倍効率的に行う事ができる。勿論、真の目的は参加者全員に伝えてはいないが、遠慮なく楽器を演奏してくれと言われて皆無邪気に喜んでいた。


 周平太の妻や使用人達も会に参加する事となり、なかなかの大所帯となってきた所で更に訪問者が登場する。
 壊れた門戸をそのまま潜り抜けてきた大型バイクには、二人の人影。着々と準備が進む客間正面の縁側前に停車したマシンから降車したライダーは、フルフェイスのヘルメットを外すとにこやかに手を振ってきた。
 舞い散る雪の粒をライダースジャケットの肩に乗せる梓の到着に、むくれていたシェリーの表情が一気に明るくなる。
「上物持ってきたわよー…って、さっさと降りてこい馬鹿!」
タンデムシートに跨っていた人影の方を振り返って彼女が拳を振り上げた先には、白衣の上にモッズコートを羽織った麗慈であった。重そうに抱えていたのは木箱に詰められた年代物の酒瓶の山である。
 続いて縁側に黒いワゴン車を乗り入れた鬼頭が電子キーボードを携えてやってくると、台所で作業をしていた双子が嬉しそうに『全員揃った』と話している姿を見たシェリーが困惑した表情を浮かべていた。

 共に食器の類を運んでいた京哉に、その不安げな顔を向ける。
「……チサキは?これで全員って事は、来れないの?アズサが連れてきたの、てっきりチサキだと思ってたのに…」
その質問は、京哉にとって非常に回答に困るものであった。
 楽団ギルドの意向で彼女を処刑したのは京哉である。もう、この世のどこを探しても茅沙紀に会う事はない。どう言い逃れをしようかと悩んで口篭っている彼に気が付いた梓は、さりげなく二人の間に割って入りシェリーの肩に手を回しながら卓の方へと誘導していった。
「茅沙紀チャンね、仙台の実家に帰ったの。本当は皆んなにお別れの挨拶したかったらしいけど、ご家族に不幸があってそういう時間も取れなくてね」
嘘だと悟られない自然な語り口調であった。
「……も、もう東京には戻らないの…?」
楽団ギルドの保護対象から外れたからね。少し難しいかな…」
梓の言葉を信じ、素直に寂しそうな表情を見せるシェリーの様子は、京哉に複雑な感情を抱かせた。身近に暮らす人間の前で嘘を突き通しながら生活する事は心苦しい。
 しかしシェリーに真実を打ち明ける事で、当日全ての汚れ役を担った京哉をこの場でも一人苦しめる必要は無いと判断した梓の優しさは、彼自身にも十分伝わっていた。


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 紋付袴姿の阿須賀が、どこで手に入れたのだろうか愉快な鼻メガネを装着して客間に現れると、会場を提供した主賓の登場とばかりに大きな拍手で出迎えられていた。
 彼の後ろで忙しなく移動する構成員達の様子に気が付いた京哉は、抗争の火蓋が切って落とされるまで間もないのだと悟る。
「スマンな。ちぃとだけ京ちゃん借りるで」
一体何用なのだと不思議そうにする面々の視線を一身に受けながら客間を出た京哉は、阿須賀に続いて廊下を挟んだ反対側の襖の奥へと入っていく。
 畳に敷かれたブルーシートの上には、構成員達によって運び込まれたハンネス機関が綺麗に並んで鎮座していた。
「此処に残る若衆が入れ替えてくから、ガンガン充電したってや」
「……商魂逞しいというか何と言うか…」
京哉は密かに持ち出してきたフルートを素早く組み立てチューニングし、リッププレートに下唇を乗せて構える。
 演奏が始まったというのに音も無く数秒で満充電を知らせるランプが点滅すると、阿須賀は目を見開いて金属塊の一つを両手で持ち上げた。
「ホンマか?壊れとるんちゃうやろな?京ちゃんテキトーかましたんちゃうか?」
「お…音にすると充電効率ガクッと下がるから超特急で仕上げたのに酷くない!?」
そう返されるとソケットを弄りながら確かに充電が終わった事を確認した阿須賀は、京哉の方を振り返ってニカッと歯を見せた。
「人間発電機大作戦の方は任せたで」
相変わらずのふざけた作戦名を明るい様子で述べる阿須賀であったが、彼はこれから新宿自警団の未来を賭けた戦いに赴こうとしている。
「……気を付けろよ阿須賀」
またもや珍しく気を遣う様子を見せる京哉の脇腹を肘で小突いて退かす阿須賀は、襖の引き手に右手の指を掛けながら、左手でヒラヒラと手を振った。
「嫌やな、調子狂うわ。ほな、行ってくるで」
タンっと堅框同士がぶつかり合う乾いた音が室内に響き、一人取り残された京哉は一層嫌な予感に苛まれる。

 もし日本政府がアメリカの牽制を無視し、強大な戦力を今回の抗争の為にぶつけようと計画していたとしたら…。その一端を異端カルトの人間が担っていたとしたら…。
 ほぼ丸腰で対峙する事になる活動家達はもちろん、腕っ節に自信のある自警団の人間でさえもその命を危険に晒す事になる。
 やはり正式な依頼を出して楽団ギルドの力を借りるべきである。そう思い立った京哉は慌てて襖を開け放ち廊下に飛び出した。

「待て阿須賀ッ!やっぱり僕も手伝…」

突き当たりの角を曲がっていった阿須賀の背中が見えたと同時に、京哉は誰かに勢い良くぶつかって床の上に投げ出された。相手の方も音を立てて転がり、両手で顔を抑えながら悶絶している。

「あっ…すみません!今急いで……て」
「っ……京哉?」

顔を上げたのは、赤くした額を摩る椿。彼女も双子主催のクリスマス会に呼ばれていた事を思い出した。

「ごめん、今急いでるからまた後で!」

京哉は素早く立ち上がって阿須賀の消えていった方向に駆け出そうとした。しかし、彼が足を踏み出すより先に椿に腕を掴まれて再び床に引き戻される。何をするのだと振り返ると、真剣な眼差しで首を横に振る彼女と目が合った。

「……一人で行かせてあげて。きっと…アイツは京哉に助けてもらったらおジィちゃんに顔向けできないから楽団ギルドに依頼を出さなかったんだと思う」

それに…と椿が続けたタイミングで、バタバタと大きな足音を鳴らしながら若手の構成員たちがハンネス機関の入れ替えにやって来た。

「電気をたくさん作ってくれるだけでも、十分阿須賀の手助けになる。だから、京哉は此処にいて」

阿須賀から事の詳細を聞かされていたのだろう。椿も本心では彼に危険が及ぶ事態にはなって欲しくない筈であった。しかし、先代の生前より二人の関係性を見てきた彼女は阿須賀の心の内も十分に理解しているのだ。



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 グレーのオールバックの髪と焦茶色のシングルチェスターコートの肩に雪を乗せたまま、ぶつかり合う群衆を不適な笑みを従えて眺めている男がいた。
 失った膝下をセラミックに置き換えて間もない彼の傍にはまだ一対の松葉杖が立て掛けられている。

 国会議事堂から活動家が演説する櫓が打ち壊される様子を見守る背中に近寄って行ったのは、複数のSPを従えた都野崎であった。

「あまり回りくどい事をしない方が良い…信頼を失いますよ」
白い息を吐きながら唸るように語り掛けた都野崎に対し、ミゲルはクツクツと笑いながら答える。
「音エネルギーの武力化を生身で成し遂げる存在に興味を持ち、田舎で力を修得してから今の組織を作ったのも、ちょうど年の瀬のこの時期の事でした」
急に始まった彼の自分語りに、都野崎は話しかけた事を後悔する。
「世界政府を辞めたのは…そうですね、あそこにいたままでは真に公平な世の中は作れないと確信したからです。凹凸の激しい道を均すのは骨が折れます。世界は不平等に溢れすぎていますからね」


 当時、世界政府の職員として勤めていたミゲルは、組織の力を借りるべく尋ねてきたミーアによって楽団ギルドの、そして旋律師メロディストの暗躍する理不尽な世界の理に触れる事になる。
 音エネルギーが台頭した世界において、持つ者と持たざる者の間に産まれた覆す術の無いポテンシャルの差。国の政策の違いにより、生まれながらにして犯罪者のレッテルを貼られる現在の世界の在り方を疑問視したミゲルは、形だけの平和を『謳う』だけの組織をあっさりと辞めて現在の異端カルトの前身となる集団を作った。
 世界中をその足で巡り、音楽に精通し楽器を奏で、その身一つで莫大な音エネルギーを生み出せる人材を次々に集めていった。
 スカウト活動は容易ではなかった。彼らは皆、音楽家というだけで世間の鼻つまみ者になった存在。度重なる迫害で心を病み、ミゲルの差し伸べた手に縋ろうとはしなかった。
 しかし、ミゲルは諦めなかった。彼には『世界を変えられる』という絶対的な自信があったのだ。
 ミーアが世界政府に託した“彼女”の存在は、ミゲルを突き動かしやがて各国政府を誑し込む程強大な組織に成長させる程の影響力があったのだ。
 『神』と崇める存在に世界を創造し直して貰う事…それが異端カルトを創設した者達の唯一の望みであった。


「前段階というやつです。新たな種を蒔き、育てる前に必ず……土地を耕す必要がありますね。だから、我々は貴方の考えに共感した。日本を作り変える為にまず必要なのは……有象無象を淘汰する事だと……大変素晴らしい政治方針です」

都野崎の秘書が差し出した傘を受け取ったミゲルの爽やかな笑顔の奥に、彼の邪悪な思想が潜んでいた。

「共感いただき改めて光栄に思いますよ。を見せられた後では、貴方がたが味方で良かったと心底安堵していますが……」
傘の中を覗き込んだ都野崎に、ミゲルはまたカラカラと愉快そうに笑っていた。
「アレでも『彼女』の力には遠く及ばないですよ。あくまで模造品……理性を持たぬ実験体だ。しかし良く働いてくれますね。野に放っただけで活動家を6人程擦り潰して来たとか」
「ええ。今はまだコントロールが大変な様ですが、彼とは上手くやっているようです。……そうですよね、志麻さん」
手に持っていた端末を顔の側面に持っていくと、静かに問い掛けた都野崎の声にスピーカーの向こう側の相手が反応する。

『最高の光景だぜ、都野崎さん。アンタにも間近で見せてやりたいくらいだ』




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 座卓を繋げて広くした所に、台所から戻ってきた祐介と道夫、そして周平太の妻達が手作りの料理を並べていく。中央では今では高級品として有名な苺が乗ったホールケーキが存在感を放っていた。
 殺伐とした日々を過ごして来たシェリーにとって、大人数で囲む食卓は初めての経験であり、嬉しそうに目を輝かせていた。

「一人で食い尽くすなよ」

そんな彼女に余計な一言を投げ掛けるのは、平常通り京哉であった。ガルガルと獣のように唸りながら睨みつけてくるシェリーの視界から隠れるようにナツキとフユキの背後に身を隠す。

「右神って本当にデリカシー無ェよなー。あの父親にして正に…って感じ」
「京哉クンはこの見てくれでモテないんだから、それは性格に難があるとしか」
グサグサと火の玉ストレートを双方から投げ付けられて、京哉は涙目になりながら今度は鬼頭と梓、そして麗慈の方へと逃げていく。
「京哉、お前酒はいけるクチだったか?」
「ちょっと待って創くん。もう京ちゃんってお酒飲める歳!?そりゃ年も取るわ…」
乾杯の音頭などと言う昔ながらの風習など完全に無視し、既に酒盛りを始めている大人達に逆に絡まれてしまう。
 琥珀色の液体が注がれたロックグラスが目の前に現れ、危機感を感じた京哉が逃げ出そうとした所を鬼頭が後方から羽交締めにする。既に出来上がっている梓がニッコリと恐ろしいほどの笑みで近づき、入手困難な代物として有名なシングルモルトのグラスをえげつない角度で傾けてきた。

 楽団ギルドが普通の企業であれば間違いなくパワハラ案件である危険な酒盛りを目の前にして、道夫は不安げな表情であたふたしていた。
「きょ…京哉殿は平気なのですか?急性アルコール中毒になったら大変ですが…」
乾杯が無いのならと、各々自由に料理に手を伸ばし始めた残りの面々は極々常識的な感性で京哉の身を案じる道夫の疑問に対し、苦笑いを浮かべる。
「お医者さんも近くにいるし、大丈夫なんじゃない?……ガッツリ飲んでるけど」
早くもおかわりをせがむシェリーにサンドイッチを取り分けて渡しながら答えた祐介は、麗慈がちょうど同じ度数の液体が入ったグラスを空にした所を一瞥してからハハハッ…と乾いた笑い声を上げた。

「大丈夫ですよ。麗慈クンは相当なザルですから、ちょっと口が軽くなるだけだって京哉クンのパパが教えてくれました」
セーラー服姿で赤ワインを一気にあおったフユキも、酒が強い方なのだろう。その隣で同じ格好で色違いの液体を空にしたナツキは、自分のグラスに手酌して道夫の目の前に置く。
「道夫も飲めよー。酒なんて高級品、創くん達のツテが無ェと早々飲めねぇだろ?」
言われるがままにグラスを持った道夫を取り囲んでコールを始める双子の姿を見て、祐介は楽団ギルドに所属する人間の悪酒ぶりに呆れ果てていた。


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 黙々と料理を口に運んでいるシェリーを横目に、椿は向かい側の席で楽しげに微笑んでいる周平太の妻の様子に気が付いた。
 夫との死別以降、相続問題や凌壱の失踪によって酷く落ち込んでいた彼女の姿を何度も目の当たりにしてきた。ほんのひと時ではあるが、辛い現実を忘れてふざけ合う若者達の様子に心からの笑顔を見せている彼女に、椿も目を細めて嬉しそうに微笑んでいた。

「ツバキが楽しそうで良かった」

唐突に声を掛けられて、椿は慌ててシェリーの方を振り向く。ニタニタと満足そうな笑みを浮かべる彼女の目の前の皿は軒並み空になっていた。

「……アナタもね。あ、でも…」

座布団からはみ出して身体が密着する程近くに寄った椿は、手を口元に当てながらシェリーに耳打ちをする。


「告白しないの?京哉に」


そう告げ終わりそっと顔を遠ざけた椿は、キョトンとした表情から次第に茹蛸の様に白い肌を紅潮させたシェリーの爆発寸前の様子を目の当たりにする。

「こっ……ここここここ!?しないよ!別に私はそんな……好きとかじゃないし全然っ!!」

手足をバタつかせて焦る彼女の様子に気が付いた面倒な大人達が周囲に集まってきてしまい、シェリーは更に顔を赤くした。

「なになに?シェリーちゃん、どうしたの?」
隣に座ってきた梓が手に持ったグラスを彼女に手渡そうとするのを止めた祐介を押し退けて、双子が両サイドから攻めてくる。
「シェリーちゃん、どうかしましたか?喉詰まっちゃいましたか?」
「そんなに急がなくても飯は逃げねーよ」
ゲラゲラと愉快そうに笑いながら両手を握って来る彼らの愛らしい顔に挟まれて、シェリーはどうしたものかと椿に助けを求める視線を送った。
 彼女のSOSに立ち上がった椿であったが、肩をポンと叩かれて振り向いてみると、その手は先程まで部屋の隅にいた筈の京哉のものであった。
 ドサッとシェリーの後方に胡座をかいて座り、彼女の両サイドに密着する双子を引き離していく。

「ダメ。触るのは」

状況を把握できないまま硬直しているシェリー。そっと彼女の耳元に顔を近付けた京哉が小声で囁く。
「……て良い?」
あまりにも声が小さく、全てを聞き取れなかったシェリーは彼の息遣いを首元に感じながら緊張した面持ちで聞き返した。
「な、何?」
「だーから……して良い?キ…」

頭上で薄い金属が凹む音が響き、同時に京哉が畳の上に転がる。

 何処から持ち出したのであろうか、一斗缶を手に息を荒げて立っているのは、何故か若干衣服を乱された形跡のある麗慈であった。

「逃げろシェリー!絶対ェにこの酔っ払いに捕まんなよ!」
「…え!?」

シェリーには彼が酔っ払っている様には見えなかったが、床に転がっていた筈の彼の姿が消えており慌てて周囲を見渡す。すると、子供の様にわんわん泣いているフユキと彼を抱き締めるナツキの前で満足そうに口元を拭う京哉を発見した。

「酷いぞ右神ッ!フユキのファーストキス奪うなんて!」
「「ファ…っ!?」」

何事かと沈黙していた面々がナツキの叫び声に驚愕し、一斉に京哉から距離を取る。ケラケラと愉快そうに笑っている彼は、確かに正常な精神状態ではないようだ。


…………………………………………………………………………………


 座卓の周りをドタドタと逃げ回る若者達の様子を笑顔で眺めていた周平太の嫁に狙いを定めた京哉が一歩彼女の方へと足を踏み出したと同時に、梓がその襟首を鷲掴みにして麗慈の方へと投げ飛ばした。
 素早く縁側に繋がる障子を開け放った双子との連携プレーで見事に庭の方へと吹き飛んでいった男二人を締め出す事に成功する。
 犠牲となった麗慈の悲鳴がこだまする中、仕切り直しとばかりにいそいそと元の席に戻り、何事もなかったかのように宴が再開された。

「やんなっちゃうわねぇ、あんな所までタコ助そっくりとか」
手酌しようとする梓から酒瓶を奪った鬼頭が彼女のグラスにウイスキーを注ぎながら答える。
「アイツの酒癖は楽団ギルドで一番酷いって言われてるからな。社長の逆鱗に触れて10年以上前から禁酒してるぐらいだ」
「酔うとキス魔になるとか、面倒臭さに拍車が掛かるタイプかよ、アイツ」
「最悪です…もう絶対に京哉クンとお酒は飲みません」

無理矢理飲まされていた筈なのに散々な言われようの京哉を哀れに思う一方で、いまだに隣で顔を真っ赤にしているシェリーの事を思うと居た堪れない気持ちになる椿。
「……大丈夫?多分京哉は何も覚えてないから気にしない方が良いと思うよ」
「そ、そう…だよね……うん…全部忘れてる…よね?」

椿の慰めの言葉に無理矢理笑顔を見せたシェリー。しかし、彼女がどこか残念そうな様子を見せている事に椿だけが気が付いていた。







[54] Riddim 完
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