ざまぁにはざまぁでお返し致します ~ラスボス王子はヒロインたちと悪役令嬢にざまぁしたいと思います~

陸奥 霧風

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第59話 醜い戦いの決着

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シン・ジャージの事で呼び出しを受けてから、今に至るまで長かった。話の方向が随分と反れて行ってしまったが、女達の激アツな戦いは最終局面を向かえる。

「「ジャンケン ポイ」」

「えっ!?」
「えっ!?」
「あっちゃ~」


3人のマヌケな声が静寂した空間を響き渡る。

マリア嬢はチョキを…… メアリー嬢もチョキを…… デストロイヤーがパーを出した。

最下位があっさりと決まってしまった。


――デストロイヤー! 何やってるの! 話の展開として、ここはお前が勝って最後のオチとなる最終決戦でマリア嬢とメアリー嬢の一騎討ちになってビリはどっちだ⁉の展開だろ! 何でお前はそんなに空気を読めないんだよぉー! 


「「……………………」」

「あ~あ、負けちゃった。私、最後で良いよ」

無言になる二人を尻目に、負けても陽気なデストロイヤー。そりゃあそうだろ! 二人は7位を掛けてバトルしていた。確かに今の現状と同じだが、話の展開と言うものがあるのに…… これ以上言ってしまうと更なる地獄が待っていそうな気がして、デストロイヤーにツッコミを入れるのを止めた。

そして、二人は動かなくなってしまった。深読みをした故の結末だろう。本人達も望んでいた展開とは違う展開になってしまい頭の中がパニックを起こしているかも知れない。

「アレク様、二人とも動かないね?」

ニコニコしながらミレーユ嬢は僕に聞いて来た。

「ああ、そのようだね。これじゃあ話も進まないね」

僕はデストロイヤーの破壊力に恐れを無し、呆然と答える。

「待ってても、しょうがないから次は私の番で良いかな?」

デストロイヤーは図々しくも第7位の地位を奪おうとしていた。コイツ、天然に見せかけて、この現状を望んでいたのか? そうだとしたらコイツはなかリの戦略家だ!

「二人がこれじゃあ、しょうがない」

僕はデストロイヤーに対して嫌悪感全開MAXで、

「ミレーユ(嫌悪感)」

「ふっはぁ~~ もう絶好調!!」

『バタン ゴンッ』

ミレーユは棒が倒れたように後ろ向きに倒れ、後頭部を床にぶつけていた。コイツならどうなっても良いや。

「「ハァ!?」」

ミレーユの倒れた音に反応して二人が、黄泉の世界から帰還した。

「私…… 一体?」

マリア嬢は今の状況を把握できていないようだ。

「まさか… 私が気を失うなんて……」

メアリー嬢は今の現状を受け入れる事に戸惑っているようだった。二人にとって無理も無い話だ。あの状況下で冷静に判断しろ。と言われても、この世で対応できるのは父上と母上くらいだろう…… それだけデストロイヤーの空気を破壊する力は強大と言うことだ。

僕は今までの現状をありのまま二人に話しをした。

二人はミレーユの順位簒奪に激怒し、

「ふざけんな このビッチ・ダ・ビッチ!」

「本当に、このガチビッチは何してくれてるんじゃい!」


『ドス ドス ゲシ ゲシ』


ミレーユの死骸に蹴りを入れていた。

二人の行き場の無い怒りの気持ちは良くわかるが、死体蹴りは如何なものかと…… 正直、二人の行動にドン引きしてしまう。


『ゲシ ゲシ ドス ドス』


「ふ~ この辺で許してやんよ!」

「次は許さんからな! 」

二人の気が済んだのか、ようやく死体蹴りを止めた。しかし、今だに鬼の形相を緩めていない。二人の中に眠る狂鬼きょうきに恐怖を感じる。

「これはアレク様。はしたない所をお見せしましたわ。オホホホホ」

「まさかアレク様に恥ずかしい所を見られるなんて。オホホホホ」

二人は口に手を当て、その場の出来事を誤魔化そうとしていた。僕に今さら何を言っても遅いと思うが、これ以上ツッコミを入れるとこちらに被弾しそうなので止めた。

「……………………」

「――じゃ、じゃあ。ジャンケンの続きでもしましょうか メアリーさん?」

「そ、そうね……」


「「ジャンケン ポイ」」

二人だけのジャンケンなのになかなか勝負がつかない。僕に呼び捨てにされる順番より何故か、女のプライドと意地を掛けた勝負に成りつつあった。

繰り返されるジャンケン。それに付き合う僕の精神は疲弊をしてきた。いい加減に勝負をつけてくれよと願った瞬間、その時が訪れた……


「ヤ、ヤ、ヤ、ヤったわーー! ついにギャルビッチの汚名を晴らす事が出来るわ!」

勝ったのは、まさかのマリア嬢だった! 僕は天才軍師メアリー嬢が勝つと踏んでいたので予想外の大金星だった。


――しかし、マリア嬢のギャルビッチに対する汚名を返上する為の戦いだったとは…… でも汚嫁の汚名は返上は出来ていない。


「これでやっと名前で呼んでもらえるわ。ここまで本当に長かったわ……」

マリア嬢は嗚咽混じりの涙を流しながら震えていた。あまりの憐みで再構築を許された汚嫁みたいで気分が悪い……
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