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第130話 邪神の如く邪悪に満ちた目
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まさかクリスと義兄妹になるとは思わなかった。僕といえば、栄光の孤独のアリシアという二つ名を持つ専属メイドをクリスに奪われてしまった。そして、新たに僕にメイドを付けてもらえることはなかった。
母上曰く。
「一人で出来ることは一人でしなさい」
との仰せだった。僕と真逆にクリスは専属メイドとしてアリシアが、他にもサポートとして3人のメイドがクリスに配置された。
この扱いの違いをみていただきたい。王室での僕の立場が底辺以下の底辺だという事をおわかりいただけただろうか?
結局のところ、僕のいないクリス改名会議ではクリスの名前は『メリークリス・マス・フラスター』に改名されていた。なんだかサンタさんが燃え盛る暖炉からひょっこりと訪れそうなワクワク感満載のある名前だった。
◇
――メリークリスの名前も決まり、Xデーまであと5日となった。
今日は日本へ帰るヒロイン達に会い、約束していた商品であるアロマを渡すことになっていた。
王宮から少し離れた国営の公園に集まった。
「やあ、みんなごめん。待たせてしまって」
集まっていたヒロイン達に声をかけると、
「私達も今集まったばかりですから気にしないで下さい」
ルナールは慌てた様子で返して来た。
「そう言ってもらえると助かるよ。あと、これがご要望のアロマね」
日本へ帰るヒロイン達一人ひとりにアロマを手渡した。
「日本へ帰る時にアロマに火を付けて眠って欲しい。このアロマには僕の魔力が込められている。異世界召喚召還を使う際にはアロマから発する僕の魔力を探知して使うからどうしても必要なんだよね」
「あれ、アレク様だったら私達の魔力も分かるんじゃないの?」
ミレーユが僕に問いかける。
「キミ達に究極魔法を使う日は、僕は旧グランプロス帝国に視察に行ってるからフロンガスターには居ないんだよ」
僕は少し困った顔で答えた。
「どうして?」
真顔のマリアの質問に、
「あのさぁよく考えてご覧よ。君達が日本へ帰ると言うことは4人が同時に、この世からいなくなるという事なんだ。もし僕が究極魔法を使ってキミ達を暗殺でもしたのでないかと噂にでもなったら、それこそ反抗的な貴族による政変になりかねないんだ。髪の色は誤魔化せるかも知れないけど、究極魔法の使用で昏睡状態になるのは誤魔化せないからね。それで、しばらくフロンガスターから離れる事にしたんだ」
「なるへそ。それもそうかもかもネギマ」
笑えない軽いギャグを織り交ぜマリアは納得していた。 ――本当にコイツは元JKなのか? どう見ても笑いのセンスがオヤジなんだが…… あっ! プリストの世界でも元JKだったわ。
「とにかく、アロマだけは忘れないでくれ。いくら僕でも遠く離れた地でキミらの魔力を感じるのは面倒なんだよ。ホントに頼んだよ」
「「「――!?」」」
「アンタ馬鹿なの!? グランプロスとフロンガスターがどんだけ離れてるかわかってんの!!」
なぜかブチギレ気味のメアリーが僕に詰めよって来た。
「メアリーさん、そんなに青筋立てんでもいいやねん」
「アンタが非常識すぎて頭のネジが軽くぶっ飛びそうだわ。普通は魔力探知すら出来んわ!!」
メアリーはさらにぶちギレた。
「そうなの?」
僕の問いにヒロイン達は、
「「「うん うん」」」
妙な一体感で頷いていた。
「じゃ、じゃあ。僕はそろそろ帰るから、みんなも日本に帰っても元気でね」
僕はカオスな状況にいたたまれず、その場から逃げようとすると、
「アレク様! 待って!」
マリアが慌てた様子で僕を引き留めた。
「な、なんだい?」
僕を非常識扱いをするのだけは止めてね。これ以上メアリーにブチギレされたら僕のメンタルはボロボロになってしまうから。
「あ、あの~ 最後の思い出にギュ~してもらっても良いですか? キャー マァジィ恥ずかしい!」
「「「――!?」」」
その場にいた一同はマリアの言葉に言葉を失っていた。
「ア、アンタ、何言い出してんのよ!」
メアリーは目を見開いてマリアに抗議をしていた。
「マリアだけズルい。私も!」
「ミレーユも何言い出しんのよ!!」
今日のメアリーはブチギレし過ぎ。
「ん~ 少しだけね」
僕はここで拒否をすると長引く事になると思い、嫌々ながら承諾した。
ルナール、フローラ、何故かクリスも目を輝かせて、両腕を広げギュ~して欲しいアピールをしていた。コイツらマジかよ…… お前ら前世と現世と合わせたら30オーバーのアラサー・アラフォー集団じゃねえーかよ!
僕もアラフォーだったわ……
一人づつハグをしようとしたら、邪神の如く邪悪に満ちた目つきでメアリーに睨まれてしまった。こぇー!
母上曰く。
「一人で出来ることは一人でしなさい」
との仰せだった。僕と真逆にクリスは専属メイドとしてアリシアが、他にもサポートとして3人のメイドがクリスに配置された。
この扱いの違いをみていただきたい。王室での僕の立場が底辺以下の底辺だという事をおわかりいただけただろうか?
結局のところ、僕のいないクリス改名会議ではクリスの名前は『メリークリス・マス・フラスター』に改名されていた。なんだかサンタさんが燃え盛る暖炉からひょっこりと訪れそうなワクワク感満載のある名前だった。
◇
――メリークリスの名前も決まり、Xデーまであと5日となった。
今日は日本へ帰るヒロイン達に会い、約束していた商品であるアロマを渡すことになっていた。
王宮から少し離れた国営の公園に集まった。
「やあ、みんなごめん。待たせてしまって」
集まっていたヒロイン達に声をかけると、
「私達も今集まったばかりですから気にしないで下さい」
ルナールは慌てた様子で返して来た。
「そう言ってもらえると助かるよ。あと、これがご要望のアロマね」
日本へ帰るヒロイン達一人ひとりにアロマを手渡した。
「日本へ帰る時にアロマに火を付けて眠って欲しい。このアロマには僕の魔力が込められている。異世界召喚召還を使う際にはアロマから発する僕の魔力を探知して使うからどうしても必要なんだよね」
「あれ、アレク様だったら私達の魔力も分かるんじゃないの?」
ミレーユが僕に問いかける。
「キミ達に究極魔法を使う日は、僕は旧グランプロス帝国に視察に行ってるからフロンガスターには居ないんだよ」
僕は少し困った顔で答えた。
「どうして?」
真顔のマリアの質問に、
「あのさぁよく考えてご覧よ。君達が日本へ帰ると言うことは4人が同時に、この世からいなくなるという事なんだ。もし僕が究極魔法を使ってキミ達を暗殺でもしたのでないかと噂にでもなったら、それこそ反抗的な貴族による政変になりかねないんだ。髪の色は誤魔化せるかも知れないけど、究極魔法の使用で昏睡状態になるのは誤魔化せないからね。それで、しばらくフロンガスターから離れる事にしたんだ」
「なるへそ。それもそうかもかもネギマ」
笑えない軽いギャグを織り交ぜマリアは納得していた。 ――本当にコイツは元JKなのか? どう見ても笑いのセンスがオヤジなんだが…… あっ! プリストの世界でも元JKだったわ。
「とにかく、アロマだけは忘れないでくれ。いくら僕でも遠く離れた地でキミらの魔力を感じるのは面倒なんだよ。ホントに頼んだよ」
「「「――!?」」」
「アンタ馬鹿なの!? グランプロスとフロンガスターがどんだけ離れてるかわかってんの!!」
なぜかブチギレ気味のメアリーが僕に詰めよって来た。
「メアリーさん、そんなに青筋立てんでもいいやねん」
「アンタが非常識すぎて頭のネジが軽くぶっ飛びそうだわ。普通は魔力探知すら出来んわ!!」
メアリーはさらにぶちギレた。
「そうなの?」
僕の問いにヒロイン達は、
「「「うん うん」」」
妙な一体感で頷いていた。
「じゃ、じゃあ。僕はそろそろ帰るから、みんなも日本に帰っても元気でね」
僕はカオスな状況にいたたまれず、その場から逃げようとすると、
「アレク様! 待って!」
マリアが慌てた様子で僕を引き留めた。
「な、なんだい?」
僕を非常識扱いをするのだけは止めてね。これ以上メアリーにブチギレされたら僕のメンタルはボロボロになってしまうから。
「あ、あの~ 最後の思い出にギュ~してもらっても良いですか? キャー マァジィ恥ずかしい!」
「「「――!?」」」
その場にいた一同はマリアの言葉に言葉を失っていた。
「ア、アンタ、何言い出してんのよ!」
メアリーは目を見開いてマリアに抗議をしていた。
「マリアだけズルい。私も!」
「ミレーユも何言い出しんのよ!!」
今日のメアリーはブチギレし過ぎ。
「ん~ 少しだけね」
僕はここで拒否をすると長引く事になると思い、嫌々ながら承諾した。
ルナール、フローラ、何故かクリスも目を輝かせて、両腕を広げギュ~して欲しいアピールをしていた。コイツらマジかよ…… お前ら前世と現世と合わせたら30オーバーのアラサー・アラフォー集団じゃねえーかよ!
僕もアラフォーだったわ……
一人づつハグをしようとしたら、邪神の如く邪悪に満ちた目つきでメアリーに睨まれてしまった。こぇー!
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