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第131話 グランプロスへ
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邪神の如く圧倒的邪悪な大魔王メアリーに睨まれながら、一人づつハグをしていくと、
「キャー! アレク様にギューされちゃった! いつ死んでも構わないわ!」
マリアは歓喜の雄叫びをあげていた! 5日には完璧に死ぬんですけど…… そして、キミらをブッ殺すのは僕なんですけど……
「マジですか! アレク様、意外に筋肉細マッチョ!」
ルナールさん…… マッチョ好きだったんですね……
「アレク様。どうしたんですか? 腰が引けてますよ?」
フローラお姉様。男には自然現象というものがありまして…… すみません。
「日本に帰ったらSNSに投稿してやるわ。次のプリスト2は私がプロデュースで爆売れさせてやる!」
ミレーユさん…… 思い出を金儲けの道具にするつもりですか? 金銭に汚いヒロインが存在してよろしいのでしょうか?
「メアリー! アレク兄様にギューしてもらった!」
チャンスキー男爵夫妻の元から離れ、少しづつでも良いから中二病完治まで頑張れ! メリークリス・マス。
僕は恐る恐るメアリーを見ると、
――!? メアリーが両腕を広げ、ハグアピールをしているではないか!? ヤツに一体何があった?
「みんながハグしているのに私だけハグをしないのは差別的言動よ。訴えられたくなかったら私とハグすることね」
メアリーは上から目線で僕に言い放った。
――うっ! コイツ……
「今、コイツは! と思ったでしょ」
――!? 何ですと!? 何で僕の心の中を読めるんだ!? さては、テメェはエスパーだな?
「そんな嫌そうな顔を見たら誰だって分かるわよ」
「ぐぬぬぬ……」
僕はそんなに嫌そうな顔をしてたのか?
「さあ、一丁来い! すべて受け止めてやる!」
メアリーは男前の事を平然と言い放ち、僕にハグを求めて来た。
覚悟を決めるしか僕に残された選択はなかった。
『ハグ ハグ』
「やれば出来るじゃない! これでヘタレ返上ね」
メアリーのヤツ。僕より男前じゃないか!
「僕はこれからグランプロスに向かうから、またどこかの世界で会えたら、その時はよろしくな! またな!」
僕はヒロイン達に手を振り、あまり辛気臭い雰囲気にならないように心掛けた。
「アレク様も元気でね!」
「アレク様、ありがとう!!」
「あんまりメアリー達に迷惑かけちゃダメよ!」
「ゲスヤロー、クズ、ヘタレ、お前が地獄に落ちて死ね!」
ルナール、マリア、フローラ、ミレーユが満面の笑みで手を振っていた。しかし、誰が言ったか分からない最後の一言で、僕の心は傷付いてしまった。地獄に落ちるには死なないと行けない。すでに死んでいるのにさらに地獄で死ねって、コイツらは最後にオチをつけないと死んでしまう病気なのか?
◇
僕はヒロイン達と別れ、そのままグランプロスへ向かった。あくまでもお忍びなので、安い宿屋に留まり、Xデーを迎える予定だ。
収納魔法から馬車を取り出し、最高速度に挑戦とばかりに飛ばしに飛ばした。周りから見たら馬もロバも居ない馬車が独りでに走っている姿は怪奇現象に感じていたかもしれない。
2日ほどでグランプロスに着き、格安ボロ宿屋を探した。これで、フロンガスター王国の王太子がこんな宿屋に滞在しているとは思うまい。宿屋の女将に二週間程の滞在と食事は不要と伝え部屋に籠った。
部屋に籠った理由はただひとつ、ヤツらにざまぁを返す為に僕は全力で究極魔法研鑽を重ねる為だ! 異世界に転生して、異世界最強の称号を手にし、ハーレム無双、奴隷ちゃんとラブラブ、ウハウハの冒険とスローライフ生活を送れると思っていたのに、プリストの世界に転生してしまうとは予想斜め上の出来事だった。
全ての計画がヒロイン共の野望に打ち砕かれ。しかも、アイツ等は慈悲の化身とまで呼ばれた僕の善行を、ざまぁで返してくれるという人の風上にもおけないヤベェ連中だった。
◇
僕はXデーを迎える前に、どうしても行かなければならない場所があった。それは……
アイスキーとユリアラの改葬されたばかりの霊廟(墓所)への参拝だった。
前回は仮埋葬であったが、二人の名誉回復と共に、新たに霊廟建設へと計画が進んでいた。そして、僕がグランプロスへ向かう一ヶ月前に二人の霊廟が完成したのだ。
新たな霊廟は2人の品格にふさわしく、格式高い建造物があり、その建物内は外観に負けず劣らず美しく荘厳されている。そして、その一室には荘厳された墓碑が一つだけ祀られている。僕は墓碑を『聖塔』として位置づけ、心ある者なら誰でも参拝出来るようにした。
アイスキーとユリアラの二人なら聖塔も二つだと思うだろうが、僕はこの世においても二人を離すことは二人の愛を引き離すようで、それだけは出来なかった。
僕は聖塔に哀悼の意を込め献花を捧げ、その前に跪いた。そして、答えるはずもない二人に語りかける。
「アイスキーとユリアラ。もっと早くここへ来たかったけど、こんな僕でも色々と忙しくてな。本当に遅くなってすまなかった」
周りから見たら、聖塔の前でブツブツと独り言を呟く、狂っているヤベェヤツに映るだろうが、幸いにもここには僕以外誰もいない。 ――変人扱いされず良かった。
「ここに来たかったのは二人に会いたかったのもあるけど、ヒロイン共を逝くる前に君らに報告したいことがあってな……」
両目を閉じ頭を下げた。それは、頭の中を整理する一連の作業と言って良いだろう。
再び頭を上げ、語りかける……
「キャー! アレク様にギューされちゃった! いつ死んでも構わないわ!」
マリアは歓喜の雄叫びをあげていた! 5日には完璧に死ぬんですけど…… そして、キミらをブッ殺すのは僕なんですけど……
「マジですか! アレク様、意外に筋肉細マッチョ!」
ルナールさん…… マッチョ好きだったんですね……
「アレク様。どうしたんですか? 腰が引けてますよ?」
フローラお姉様。男には自然現象というものがありまして…… すみません。
「日本に帰ったらSNSに投稿してやるわ。次のプリスト2は私がプロデュースで爆売れさせてやる!」
ミレーユさん…… 思い出を金儲けの道具にするつもりですか? 金銭に汚いヒロインが存在してよろしいのでしょうか?
「メアリー! アレク兄様にギューしてもらった!」
チャンスキー男爵夫妻の元から離れ、少しづつでも良いから中二病完治まで頑張れ! メリークリス・マス。
僕は恐る恐るメアリーを見ると、
――!? メアリーが両腕を広げ、ハグアピールをしているではないか!? ヤツに一体何があった?
「みんながハグしているのに私だけハグをしないのは差別的言動よ。訴えられたくなかったら私とハグすることね」
メアリーは上から目線で僕に言い放った。
――うっ! コイツ……
「今、コイツは! と思ったでしょ」
――!? 何ですと!? 何で僕の心の中を読めるんだ!? さては、テメェはエスパーだな?
「そんな嫌そうな顔を見たら誰だって分かるわよ」
「ぐぬぬぬ……」
僕はそんなに嫌そうな顔をしてたのか?
「さあ、一丁来い! すべて受け止めてやる!」
メアリーは男前の事を平然と言い放ち、僕にハグを求めて来た。
覚悟を決めるしか僕に残された選択はなかった。
『ハグ ハグ』
「やれば出来るじゃない! これでヘタレ返上ね」
メアリーのヤツ。僕より男前じゃないか!
「僕はこれからグランプロスに向かうから、またどこかの世界で会えたら、その時はよろしくな! またな!」
僕はヒロイン達に手を振り、あまり辛気臭い雰囲気にならないように心掛けた。
「アレク様も元気でね!」
「アレク様、ありがとう!!」
「あんまりメアリー達に迷惑かけちゃダメよ!」
「ゲスヤロー、クズ、ヘタレ、お前が地獄に落ちて死ね!」
ルナール、マリア、フローラ、ミレーユが満面の笑みで手を振っていた。しかし、誰が言ったか分からない最後の一言で、僕の心は傷付いてしまった。地獄に落ちるには死なないと行けない。すでに死んでいるのにさらに地獄で死ねって、コイツらは最後にオチをつけないと死んでしまう病気なのか?
◇
僕はヒロイン達と別れ、そのままグランプロスへ向かった。あくまでもお忍びなので、安い宿屋に留まり、Xデーを迎える予定だ。
収納魔法から馬車を取り出し、最高速度に挑戦とばかりに飛ばしに飛ばした。周りから見たら馬もロバも居ない馬車が独りでに走っている姿は怪奇現象に感じていたかもしれない。
2日ほどでグランプロスに着き、格安ボロ宿屋を探した。これで、フロンガスター王国の王太子がこんな宿屋に滞在しているとは思うまい。宿屋の女将に二週間程の滞在と食事は不要と伝え部屋に籠った。
部屋に籠った理由はただひとつ、ヤツらにざまぁを返す為に僕は全力で究極魔法研鑽を重ねる為だ! 異世界に転生して、異世界最強の称号を手にし、ハーレム無双、奴隷ちゃんとラブラブ、ウハウハの冒険とスローライフ生活を送れると思っていたのに、プリストの世界に転生してしまうとは予想斜め上の出来事だった。
全ての計画がヒロイン共の野望に打ち砕かれ。しかも、アイツ等は慈悲の化身とまで呼ばれた僕の善行を、ざまぁで返してくれるという人の風上にもおけないヤベェ連中だった。
◇
僕はXデーを迎える前に、どうしても行かなければならない場所があった。それは……
アイスキーとユリアラの改葬されたばかりの霊廟(墓所)への参拝だった。
前回は仮埋葬であったが、二人の名誉回復と共に、新たに霊廟建設へと計画が進んでいた。そして、僕がグランプロスへ向かう一ヶ月前に二人の霊廟が完成したのだ。
新たな霊廟は2人の品格にふさわしく、格式高い建造物があり、その建物内は外観に負けず劣らず美しく荘厳されている。そして、その一室には荘厳された墓碑が一つだけ祀られている。僕は墓碑を『聖塔』として位置づけ、心ある者なら誰でも参拝出来るようにした。
アイスキーとユリアラの二人なら聖塔も二つだと思うだろうが、僕はこの世においても二人を離すことは二人の愛を引き離すようで、それだけは出来なかった。
僕は聖塔に哀悼の意を込め献花を捧げ、その前に跪いた。そして、答えるはずもない二人に語りかける。
「アイスキーとユリアラ。もっと早くここへ来たかったけど、こんな僕でも色々と忙しくてな。本当に遅くなってすまなかった」
周りから見たら、聖塔の前でブツブツと独り言を呟く、狂っているヤベェヤツに映るだろうが、幸いにもここには僕以外誰もいない。 ――変人扱いされず良かった。
「ここに来たかったのは二人に会いたかったのもあるけど、ヒロイン共を逝くる前に君らに報告したいことがあってな……」
両目を閉じ頭を下げた。それは、頭の中を整理する一連の作業と言って良いだろう。
再び頭を上げ、語りかける……
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