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第133話 深夜の訪問者
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ドアの向こう側には、暗殺者がいるかもしれないという恐怖にドキドキワクワク感が止まらない。これが狂戦士としての血筋なのだろう。
『ガチャ ガチャ』
『ビクッ』
ドアノブを回す音にビビりまくる僕にさらに追い討ちのように、
『ドンッ ドンッ』
今度はノックという行為を遥かに越えた、ドアを蹴り上げる音が僕の身体に響く。
「誰だ! 合言葉を言え」
当然の事ながら合言葉などはどこにも存在しない。しかし、このシチュエーションであれば、誰だって言いたくなる台詞だ。
「――漆黒の魔竜が来りて邪神眼」
その言葉とその声で、ドアの向こう側には人物が分かった。
「クリス! どうしてこんな所に来たんだ」
僕はそう言ってドアを開けた。そこには予想外のヤツまでいた。
「――!? メ、メアリー!? 何でメアリーがここにいるんだ?」
「私が居たら悪いわけ?」
メアリーが仏頂面で、悪態をついてきた。
「い、いや。そんなことないけど…… クリスといい、メアリーまで……」
「アレク兄様が心配で追い掛けて来た」
「私はクリスの護衛役よ」
クリスとメアリーほ平然と言ってのけた。メアリーの護衛役ってことは、あくまでも役ってことなのか? クリスの護衛じゃねぇーのかよ! テメェはただ観光旅行がしたかっただけじゃねぇのか?
「言っておくけど、私はクリスがみんなが無事に日本に帰れるか心配でアレクの所に行きたいって言い始めたから、仕方がなく付いて来てあげたのよ」
メアリーさん。それ観光旅行の言い訳だよね?
「私がお義母様にグランプロスに行きたいって、お願いしたら近衛師団全部隊を私の護衛に付けるとか言い出したから、お忍びで行きたいのでメアリーだけで十分です!って納得させるのに時間がかかっちゃって」
クリスは何やら困った顔で俯いてしまった。
「クリス。よく母上がグランプロス行きを納得してくれたね?」
「……………………」
僕の問い掛けに、クリスは黙り込んでしまった。
「それはね。王妃様とクリスの間で、ある条件を約束させられたの」
クリスの代わりとしてメアリーが呆れた顔で答えた。
「その約束ってなに?」
「グランプロスからフロンガスターへ帰ったら、お忍びでクリスと王妃様はフロンガスター王国全土を視察という名の旅行に出かけることになったの。王宮中は急な日程調整の為に、みんな大忙しになってるわよ」
「――あッ…… そうなの……」
さすがの僕も母上の度が過ぎる行動力に声も出なくなってしまった。
「ところで、よく僕の居場所が分かったね? 誰にも尾行されていなかったと思っていたんだけど」
「それはね。私に感知魔法が有ったから、アレクの魔力を頼りにここまで来れたってことよ」
メアリーが鼻高々にドヤ顔を言い放った。
「メアリーに感知魔法があったの?」
「勿論よ。地球の直径の3倍は感知出来るわよ」
「な、なに⁉ 地球の3倍だと⁉」
メアリーはドヤ顔で答えるが、僕ですらそんな高度な感知魔法は出来ない。――マジかよ。こいつはチート持ちだったのか? 地球の直径の3倍といったら38,268kmじゃなか!
「嘘だよなメアリー? そんなチート感知魔法が許されるはずがない!」
「残念だけどウソよ。まさか信じたとか言わないわよね? そんなウソを信じた日には、あなたのお頭がどれだけ狂れているかお察しね」
「ぐぬぬ……」
――こ、こいつ。この僕に嘘をついただと! さらに追い打ちをかけるようにディスってきやがった! さ、さすが、毒舌の精霊の二つ名を持つ、毒舌のメアリー。
「まあ、冗談はさておいて。でも、まさか、こんな寂れた宿に泊まってるとは思いもしなかったわ」
「身を隠すにはこれくらいしないと。それといつフロンガスターを出てきたんだ?」
「昨日の夜よ」
メアリーが何事も無いように答える。
「いや、おかしいだろ。昨日の夜で、今日の深夜? 一日で着くなんておかしすぎるたろ!」
「変なことろなんて無いわ。アレクから借りているクリス用の馬車があれば楽ショーよ!」
「確かに僕が持っている同型の馬車をクリスにも渡してるけど、僕ですら2日も掛かったんだぞ!? そんな早く着けるはずが無いだろう!」
「私とアレクのドライブテクニックの差ってやつかしら。峠の走り屋と言われた私をなめないで欲しいわ」
「ぐぬぬぬ」
メアリーと僕とのドライブテクニックの差をまざまざと見せつけられて意気消沈していると、クリスが
「アレク兄様。確か今日の深夜に究極魔法を使うんでしょ?」
「今日が約束の日だからね」
「究極魔法を使ったらしばらく眠って起きれないんでしょ?」
「3日くらいは眠ったまんまかな? もしかしたら、今回は究極中の究極魔法だから、それ以上かもしれない」
「その間、私とメアリーがアレク兄様の護衛をするわ。それにルナール達とはちゃんと最後の挨拶もしてきたし……」
クリスはそう言って、泣きそうになっている顔をしている。
「メアリーも王都に居なくても良かったのか?」
「私が王都に残ってもみんなにしてあげる事は無いし。それなら、みんながちゃんと日本に帰れるように、アレクの手伝いをした方が何倍もみんなの役に立つと思ったから。それに私の事は大丈夫よ」
メアリーも彼女達のために、自分の出来る事をしたかったのだろう……
「そうか……」
僕かそう言うと、メアリーから
「みんなからアレクに言付けを預かってきたわ」
「みんなは何て言ってたんだ?」
「じゃあ、ルナールからは……」
『ガチャ ガチャ』
『ビクッ』
ドアノブを回す音にビビりまくる僕にさらに追い討ちのように、
『ドンッ ドンッ』
今度はノックという行為を遥かに越えた、ドアを蹴り上げる音が僕の身体に響く。
「誰だ! 合言葉を言え」
当然の事ながら合言葉などはどこにも存在しない。しかし、このシチュエーションであれば、誰だって言いたくなる台詞だ。
「――漆黒の魔竜が来りて邪神眼」
その言葉とその声で、ドアの向こう側には人物が分かった。
「クリス! どうしてこんな所に来たんだ」
僕はそう言ってドアを開けた。そこには予想外のヤツまでいた。
「――!? メ、メアリー!? 何でメアリーがここにいるんだ?」
「私が居たら悪いわけ?」
メアリーが仏頂面で、悪態をついてきた。
「い、いや。そんなことないけど…… クリスといい、メアリーまで……」
「アレク兄様が心配で追い掛けて来た」
「私はクリスの護衛役よ」
クリスとメアリーほ平然と言ってのけた。メアリーの護衛役ってことは、あくまでも役ってことなのか? クリスの護衛じゃねぇーのかよ! テメェはただ観光旅行がしたかっただけじゃねぇのか?
「言っておくけど、私はクリスがみんなが無事に日本に帰れるか心配でアレクの所に行きたいって言い始めたから、仕方がなく付いて来てあげたのよ」
メアリーさん。それ観光旅行の言い訳だよね?
「私がお義母様にグランプロスに行きたいって、お願いしたら近衛師団全部隊を私の護衛に付けるとか言い出したから、お忍びで行きたいのでメアリーだけで十分です!って納得させるのに時間がかかっちゃって」
クリスは何やら困った顔で俯いてしまった。
「クリス。よく母上がグランプロス行きを納得してくれたね?」
「……………………」
僕の問い掛けに、クリスは黙り込んでしまった。
「それはね。王妃様とクリスの間で、ある条件を約束させられたの」
クリスの代わりとしてメアリーが呆れた顔で答えた。
「その約束ってなに?」
「グランプロスからフロンガスターへ帰ったら、お忍びでクリスと王妃様はフロンガスター王国全土を視察という名の旅行に出かけることになったの。王宮中は急な日程調整の為に、みんな大忙しになってるわよ」
「――あッ…… そうなの……」
さすがの僕も母上の度が過ぎる行動力に声も出なくなってしまった。
「ところで、よく僕の居場所が分かったね? 誰にも尾行されていなかったと思っていたんだけど」
「それはね。私に感知魔法が有ったから、アレクの魔力を頼りにここまで来れたってことよ」
メアリーが鼻高々にドヤ顔を言い放った。
「メアリーに感知魔法があったの?」
「勿論よ。地球の直径の3倍は感知出来るわよ」
「な、なに⁉ 地球の3倍だと⁉」
メアリーはドヤ顔で答えるが、僕ですらそんな高度な感知魔法は出来ない。――マジかよ。こいつはチート持ちだったのか? 地球の直径の3倍といったら38,268kmじゃなか!
「嘘だよなメアリー? そんなチート感知魔法が許されるはずがない!」
「残念だけどウソよ。まさか信じたとか言わないわよね? そんなウソを信じた日には、あなたのお頭がどれだけ狂れているかお察しね」
「ぐぬぬ……」
――こ、こいつ。この僕に嘘をついただと! さらに追い打ちをかけるようにディスってきやがった! さ、さすが、毒舌の精霊の二つ名を持つ、毒舌のメアリー。
「まあ、冗談はさておいて。でも、まさか、こんな寂れた宿に泊まってるとは思いもしなかったわ」
「身を隠すにはこれくらいしないと。それといつフロンガスターを出てきたんだ?」
「昨日の夜よ」
メアリーが何事も無いように答える。
「いや、おかしいだろ。昨日の夜で、今日の深夜? 一日で着くなんておかしすぎるたろ!」
「変なことろなんて無いわ。アレクから借りているクリス用の馬車があれば楽ショーよ!」
「確かに僕が持っている同型の馬車をクリスにも渡してるけど、僕ですら2日も掛かったんだぞ!? そんな早く着けるはずが無いだろう!」
「私とアレクのドライブテクニックの差ってやつかしら。峠の走り屋と言われた私をなめないで欲しいわ」
「ぐぬぬぬ」
メアリーと僕とのドライブテクニックの差をまざまざと見せつけられて意気消沈していると、クリスが
「アレク兄様。確か今日の深夜に究極魔法を使うんでしょ?」
「今日が約束の日だからね」
「究極魔法を使ったらしばらく眠って起きれないんでしょ?」
「3日くらいは眠ったまんまかな? もしかしたら、今回は究極中の究極魔法だから、それ以上かもしれない」
「その間、私とメアリーがアレク兄様の護衛をするわ。それにルナール達とはちゃんと最後の挨拶もしてきたし……」
クリスはそう言って、泣きそうになっている顔をしている。
「メアリーも王都に居なくても良かったのか?」
「私が王都に残ってもみんなにしてあげる事は無いし。それなら、みんながちゃんと日本に帰れるように、アレクの手伝いをした方が何倍もみんなの役に立つと思ったから。それに私の事は大丈夫よ」
メアリーも彼女達のために、自分の出来る事をしたかったのだろう……
「そうか……」
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「じゃあ、ルナールからは……」
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