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第143話 第三王子はお風呂に入る!

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マリーパパの機転のお陰でウツボ様と水スライムのご対面を回避出来た! 予備知識まもなく、魔物に会ったら大変な事になってたよ。ちゃんとエリスからハルタンについて話してもらってから物事を進めた方がスムーズに事が進むのだと自分の暴走を反省する『シュウ』です。



「ウツボ様、こちらが銭湯風お風呂場になります」(ドヤ顔)

僕たちはお風呂場の前についた。

「この部屋の中にお風呂があるのね」

「はい、部屋に入りましたら脱衣所と成っております。中に籠がありますので、脱がれた服はその籠に入れます。今回のウツボ様のドレスは籠に入れますとシワが付きますのでこちらのハンガーにお掛けください」

「ありがとう。シュウちゃんは優しいのね。ブルースちゃんに似ているわ」

「父上が優しい?」

「そうよ。ブルースちゃんはなんだかんだ言っても、私のわがままも最後には許してくれるし、周りの貴族達にも必要以上に気を配っててね。あなたの国をそうやって護ってるのよ」

「それは気が付きませんでした……」

「じゃ、お風呂に入りながら、ブルースちゃんの『ゆっくり解説』をしてあげるわ」

「お願いします」

男性陣の中で銭湯風お風呂に入った時のあるのは僕、マリーパパ、バットだけ、あとの人は初めてお風呂になる。身体を洗い、湯船に入る。

『あぁ~~』

学院長は湯船に入った瞬間、気持ちが良かったのか気の抜けたこえを出した。

「シュウ殿、この風呂は気持ちがいいもんですなぁ~ 筋肉の筋一本一本に染み渡ると言うかなんとも言えない気持ちよさがありますぞ」

「そうね。私、身体が大きいでしょ。なかなかお風呂に入る機会って無いのよ。足を伸ばして湯船に入れるって幸せだわ」

「そうなんですか?」

「そうよ。いつもは筋肉を引き締めるために水で身体を洗ったりしてるからね。暖かいお湯に入れるなんて贅沢中の贅沢よ」

「そうじゃな。私としても筋肉を引き締めるだけじゃなく、緩ませることも考えねばならんのぉ。ほれ、筋肉もリラックスしておる」

学院長はそう言って、僕らに大事な物あぶないブツを見せないようにサイドチェストを披露してくれた。

「相変わらず師匠は筋肉にストイックねぇ」

「ウツボ様、学院長の事を師匠と呼んでますが、学院長のお弟子さんだったのですか?」

「私もハンマー、エミーも同期て学院長にお世話になったのよ。プロの紳士淑女ボディービルダーになるために過剰なトレーニングをさせられたわ」

「このジジィは、ホントに容赦しなかったからな。学院だって、別名『虎の細穴あな』と呼ばれるくらい地獄だったぜ」


――マリーパパもウツボ様に同意しているくらい過酷なトレーニングだったんだろうなぁと思う。しかし、虎の細穴あなってどんな意味なんだろう……


「ホッホッホッホ…… 完全無欠セカイレベル紳士淑女ボディービルダーになれて良かっただろうが」

「まっ、そこに関しちゃあ、ジジィには感謝しているがな」

「そうね。あの地獄がなきゃ今の自分はないからね。師匠あんがとね」

「お前らに感謝される時が来るとはのぉ~」


「シュウちゃん、ブルースちゃんの話しだったんだけど」

「おっ、すっかり忘れてた! あのなウツボ。俺が探していた金色の戦士にやっと会うことが出来たんだぜ!」

「あの伝説の金色の戦士!? どこで会ったのよ! 早く教えなさいよ!」

「金色の戦士って、お前達が騒いでおったヤツか?」

「おお、そうだ。金色の戦士の正体に気づいた時はビックリしたぜ!」

「その正体って誰よ!」

「金色の戦士の正体は…… コイツの親父、ブルースだ!」

マリーパパは僕に親指で指さし、自慢げに語った。

「ハァ!? ブルースちゃん!? あの温厚なブルースちゃんが金色の戦士だったの?」

「ヤツのキレ芸が金色の戦士になるスイッチだったみたいなんだ。温厚なヤツほどキレたらヤバイってやつだ!」

「あのブルースちゃんがねぇ…… シュウちゃんはブルースちゃんが金色の戦士だったの知ってたの?」

「いえ。この間、父上が金色に輝いてもの凄く強くなったのを初めて見ました。ついでに母上も……」

「えっ!? セリーナちゃんも?」

「ハァ!? セリーナはキレ芸が出来るのか?」

ウツボ様とマリーパパは母上もスーパーヤンキーお姉さまになれる事に度肝を抜かれていた……

「正直に言いまして、父上より母上の方が数百倍強かったです。父上ですら手も足も出なませんでした…… まさに、修羅を凌駕する鬼神の如くのようでした。いえ、悪魔が可愛く見えるぐらい極悪非道のスーパー外道大魔人でした……」

「――おい!シュウ。エミーとどっちが強い? 誰も聞いていない正直に喋ろ!」

「僕の目から見て、互角だと思います。マリーママを純粋な外道の悪だとすれば、母上は残虐な外道の悪です。どちらも悪と言う言葉がぴったりだと感じます。いて言えば、お互い、自分は全然悪くないわよ。と思っているあたりが最狂さいきょうという名にふさわしいかと……」

「そ、そうか…… 最狂さいきょうかぁ……」
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