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前門の虎後門の狼。-終幕ー
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アナタの頭の中にノイズ交じりで映像が差し込まれる、木に凭れかかる形で綺麗な女性が男性に噛みつかれている。
その血を舐めとり再び噛みついている男性の纏うモノは、怪しく怖くもクールさと男性らしさが同居しているように見えた。
フェイスベールの人物も傍に控えている様子で、男性達がそれらを認めるように一瞥した。
すると強制的に、鈍い痛みとともにあなたを捉えられなくなり。
歯噛みをするも、体に鋭い痛みが走るだろう。
アナタはその痛みを知っている、幾度も味わっていた。
まあ何にしろお前さんらは逃げられねえってこたぁ、分かってくれると俺らとしてはご開帳の時間に間に合うだろうさ。
判らねぇんなら、悲惨な目にあって貰わなきゃなぁ?
『欺瞞の膜』
というわけでございまして、転生のあらましはお判りいただけましたでしょうか?
ですが、成り代わった男爵令嬢の経緯と。
あの少女の行方は、微塵も興味ありませんので。
人間は皆わが身が可愛いものと聞き及んでおります、そうではない方々もいらっしゃる事と存じます。
きっとお互い様でしょうね、皆様方。
それでは御機嫌よう、『かの神出鬼没の獣人』様方。
『隠密、矩鏡』
あいあい、神田の姫君がようやっと口を割ってくれましたねェ。
今回に限ってはあっしらは何ーも関与してございやせんや、ご安心くだせぇ。
神田の姫君ってぇと、彼方の姫君を連想するやもしれませんが。
何方かも、そう呼ばれて御座いましたよ?
あっしらは此処までといたしまして、ねェ。
『天真爛漫なあの子』
――終幕、終幕。――
之にて、『男爵令嬢はフットワークが軽い。-薬師の死合い。-』を閉幕いたします。
此処までお話いたしましたが、皆様お疲れのご様子ですね。
此処で、スイーツを劇場のスタッフから。
あるカフェから、差し入れが入りました。
やんごとなき御方が皆様に、とお心配りを。
何でも薬師のおかげで、妻の病が快方に向かっているそうです。
『ことは安泰、用意周到。-滔々と語るフェイスとベール。-』
シャリン…。
彼等にしか聞こえない音が、それとずらされるように僅かに響きました。
――♪♪
掴み所のねぇ心優しい神々が,手前のせいで憂き目に遭ってもまだ舞えると。
何処の馬の骨とも知れねぇ男に、手前の所にいやがる従者は。
おいそれとやらねえってよ、手厳しい奴らだ。
だがそれがいい、いいねえ!!
愉しもうぜ!神々とやら!
『歌声、呼び声。―謎の妖怪の本性はお預け。―』
その血を舐めとり再び噛みついている男性の纏うモノは、怪しく怖くもクールさと男性らしさが同居しているように見えた。
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すると強制的に、鈍い痛みとともにあなたを捉えられなくなり。
歯噛みをするも、体に鋭い痛みが走るだろう。
アナタはその痛みを知っている、幾度も味わっていた。
まあ何にしろお前さんらは逃げられねえってこたぁ、分かってくれると俺らとしてはご開帳の時間に間に合うだろうさ。
判らねぇんなら、悲惨な目にあって貰わなきゃなぁ?
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ですが、成り代わった男爵令嬢の経緯と。
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人間は皆わが身が可愛いものと聞き及んでおります、そうではない方々もいらっしゃる事と存じます。
きっとお互い様でしょうね、皆様方。
それでは御機嫌よう、『かの神出鬼没の獣人』様方。
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あいあい、神田の姫君がようやっと口を割ってくれましたねェ。
今回に限ってはあっしらは何ーも関与してございやせんや、ご安心くだせぇ。
神田の姫君ってぇと、彼方の姫君を連想するやもしれませんが。
何方かも、そう呼ばれて御座いましたよ?
あっしらは此処までといたしまして、ねェ。
『天真爛漫なあの子』
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之にて、『男爵令嬢はフットワークが軽い。-薬師の死合い。-』を閉幕いたします。
此処までお話いたしましたが、皆様お疲れのご様子ですね。
此処で、スイーツを劇場のスタッフから。
あるカフェから、差し入れが入りました。
やんごとなき御方が皆様に、とお心配りを。
何でも薬師のおかげで、妻の病が快方に向かっているそうです。
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シャリン…。
彼等にしか聞こえない音が、それとずらされるように僅かに響きました。
――♪♪
掴み所のねぇ心優しい神々が,手前のせいで憂き目に遭ってもまだ舞えると。
何処の馬の骨とも知れねぇ男に、手前の所にいやがる従者は。
おいそれとやらねえってよ、手厳しい奴らだ。
だがそれがいい、いいねえ!!
愉しもうぜ!神々とやら!
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