悪役に転生するはずがヒロインに転生した。〜魔王城の歌姫が魔王様に可愛がられます！？〜

悪役に転生するはずがヒロインに転生した。ー之より演じますは。ー

序

こんな僻地にある『劇場』まで、ご来場頂きありがとう存じます。
『劇場』の【案内人】を務めさせて頂きます、『かの劇場のモノ』にございます。
「同じく『劇場』の【案内人】を務めさせて頂きます、『かの劇場のモノ』です！」

では早速でございますが、ご案内させていただきます。
「暗いので足元にご注意を！」
ランタンをつけて、二人組の男性が案内をした。

しばらく歩いて、やっとこさ着いたようだ。

･予期も及ばぬオリジナルキャラの出演の可能性がございます。
･精神的苦痛や情事シーンがお嫌な方はご退場願います。
お代金を全て返却いたします。

演目名を告げさせて頂きます。
「『悪役に転生するはずがヒロインに転生した～魔王城の歌姫が魔王様に可愛がられます！？～』でございます！」

それではお愉しみいただけますよう。
お愉しみ下さいませ！

この素晴らしく愚かしい夢を、希望を打ち砕く高揚感は神共には分からないだろう！
そう嗤う悪魔が二匹いた。

何故こんなことに、と死にゆく中で後悔してあるいは呆然としながらも嘆く歌姫が一人いた。

それが必ず人とは限らないわけなのだけど。

今宵も忌まわしい赫月なのが残念だね、「粕實歌姫」。