悪役に転生するはずがヒロインに転生した。〜魔王城の歌姫が魔王様に可愛がられます!?〜

影狼

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手記。ー検めて。ー

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○×月、○○。

全く、メリーとスコヴィッチの手記を検分して欲しいなどと……。

あまり時間も残されていないものだと……。

………加護をして頂いているダンスホールの隅にあるそれは鏡、ですか……。

……嫌な気配にあの方の気配が侵食されている、と。

魔物、国、砂と赤熱に囲まれたかつての……。

国家危急存亡の秋であったのですが。

……寂雀の魔導師……ふむ、興味ありますね。

……何頁か破かれています。

バラの杖、ですか。

……それだけならまだしも彼処へ、と来ましたか。

一部の神々よ、あなた方の愛するモノ達が愛し返してくれることなどないと。

……分かってくださいますな?

下される時が訪れる、その時まで。

……私達は待望していますよ。

[筆跡が本人たちとは違う箇所あり]

賽は投げられた。廻るといい。存分に愉しんで。

[それを最後に記述終了]

『鏡?』

『………あの人たちも、よっぽど急いでいたのか』

『さーてな。難しいやつは読めねーんだよ。』

『メイド長達に気づかれる前にしまえって』

『ケチー!』

『あ?』

『おー怖。んでよ、気にならないか?』

『何がだよ?』

『なー、お前はどう思う?』

『なんの事だか』

『エルプラント様方のことだよ、鈍いな。』

『え、俺が興味あるとでも?』

『あると思って、俺はお前に聞いたんじゃんかー』

『………』

『悪かった悪かった、ジト目で見んなって。』

『それじゃ、メイド長達に気づかれる前にさっさと』

『おーよ、俺そっちなー。』

『分かった』

『サボんなよー、シェレグ。』

『………お前こそ、ベルモーテ』

『えー、ペルって呼べよー!』

『めんどい、お前はお前だ』

『………そーかよ。』

『………普通にして、堂々と、解ったな?』

『……おー。』

『その意気やよし』

『難しい言葉知ってんなー、流石に秀才さまかよ。』

『まさか』

『えー、そんなにお前を認められんのかー。』

『お前と、同様に下働きに決まっているだろう』

『なー、そんなに俺好きなの?』

『ああ、そうだ。行くぞ、ほら』

『……えー、嬉しいな。』

『単純』

『おいこらおい、もう一度言ってみろよ』

『単純』

『……へへっ、そーかよー。』

『二人の下働きの会話。ーめぼしいもの?ー』
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