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番外編
水中で夢に揺蕩う神殿の中に棲うは水の神ー日常の壊れかたー
しおりを挟むこれは『お零れ話』の一つで『番外編』にあたる『水中で夢に揺蕩う神殿に棲うは水の神ー日常の壊れかた。ー』という、演劇のおはなしになります。
皆様方、当劇場にお越しになって下さりありがとう存じます。
「ああ、また来たよ【案内人。】
この前は大丈夫だったか?
『名も無き神様』だったものが『名もなき神様』になっちまって……。」
ええ、私たちは大丈夫です。
【案内人】も無事なようで、今は私と共に行動しております。
「ありがとうございました、【案内人】。」
いえ、不慣れな【案内人】を務めて頂き感謝します。
「とんでもない!……お嬢さん、大丈夫でしたか?」
「ええ……名も分からない神様が護って下さって、こうして無事でいますよ。
BL拝むまではまだ死ねないのでね!」
「全く……この腐女子は。
ところで【案内人】、『瑠璃色のペンダント』を首に下げてらっしゃいますわね?……何方から頂いたものです?
私に見せてくださいませ。」
「ダメです、幾ら貴女でも見せられません。」
ええ、申し訳ありませんが「貴女」には見せられませんね……。
「ハァハァ……怒ってるショタボイスの子と仮面の人もイイッ!」
「怒られてるのは私なのですが……?
そこの腐女子、妄想はやめて頂きたいのですわ……。」
ふーむ、ペンダントの効果が知りたいだけなのですが……如何いたしましょうね……。
……ふう、何とか『演技』は上手く行った……。
BLには興味無いが……、どうやら「私」はBLにハマってる腐女子のようだからこのまま『演り通そうか』。
「本人」にも許可は貰ってるし、な。
「ハッ、このままBLでも書いちゃった方が有意義な気がする……ハァハァ……。
とすれば、この子は受け?責め?
……ハァハァ……ハアッハアッ…………んふっ。
ハアッ……ハァハァハアッハアッ……ジュルリ……ぐへへ……ぐへへへへへ……ハァハァ……。」
「気色悪いですわ……腐女子……。」
涎を垂らしながら「彼女」のネタ帳に、さらさらと文字を綴る。
(この水色の、フリルドレスを着ているモノに注意せよ。
「別のモノ」が「彼女」を、騙っている。
裏切るようであれば、即刻処罰を執行しても構わない。
ただし、「ほかの者」には告げるな。
混乱を招きたくはない、が一応お前達に告げておく。
『かの悪魔の神』の生まれ変わりに、扮した『黒い悪魔』がいる。
それだけは、覚えていてくれ。)
そしてあれには、見えないように近づいて彼らに見せた。
「ハアハア……ネタは、こんなもんでいいですよね?!ハァハァハアッハアッ……ヌへへへへ。
グへヘへへへ……ジュルリ……。」
「うわぁ……私が、攻めですかー?!
この人に、上手く誘惑出来ますかねー……ブツブツ……。」
わかりました。
私が受けになればいいんですね。
たまには誘惑してみせてくださいよ。
更には……。
(わかった。
ご協力、忠告感謝する。
黒い悪魔とこいつには気をつけるようにする。)
(わかりました。
感謝します。
かの黒い悪魔ですか……。
私的には会いたくもない方でございますが……嫌悪感が優りますので……ふーむ。)
(2人とも感謝する。)
「彼女」のネタ帳に感謝するがこれは消しておいた方がいいな。
「では、ネタも固まったので早速書いてきますー……グへヘへへへ……。」
『彼女』はあっという間に消えました。
さて、『彼女』について語らいましょうか……。
実はですね…………。
こんなところでしょう……。
さぁ、お待たせ致しました。
皆様方は、椅子にお座りくださいませ。
ご注意点を申し上げます。
・この小説全てが二次創作対象になります。
・オリジナルキャラが出演する可能性がございます。
・殺害シーンが出る可能性がありますのでお嫌な方は劇場からご退場くださいますと全額お返しします。
・キャラ崩壊がある可能性がありますのでご注意くださいますようよろしくお願い申し上げます。
ご注意点を申し上げました。
皆様方、大変お待たせ致しまして申し訳ありませんでした。
それでは僭越ながら、演目名を申し上げます。
『水中で夢に揺蕩う神殿に棲うは水の神ー日常の壊れかたー』でございます。
皆様方、お愉しみ下さいますよう……。
それでは、誠に遅くなりましたが1ベルを鳴らさせていただきます。
リイィィイィィイィイイイイィン……。
それでは、本ベルを鳴らさせていただきます。
リイィイイィイイイイィィイイン……。
開幕致します~、開幕致します~。
ーーー水の神のシーンに移ります。ーーー
「あの子は、どこにいるんだ?」
「分かりません、宮殿内部にはいらっしゃいませんでした。」
「はぁー……またか、あの子は元気すぎて外に行きたがるからな。」
「申し訳ありません。
私たちの注意不足でしたね……。
外を探してまいります。」
「いいや、いいさ。
私が庭に行ってみるからお前たちは、窓から外に行って街の方を見ていてくれ。」
「はい、承知しました。
ですが……外は危ないと聞きます。
何やら、水神様の祟りだとか街の噂がこちらまで渡っております故……。
私たちの、仲間の中には好奇心故に街の噂を拾ってくる物好きもいますし……。
はぁ、私たちの仲間である『リカツ・アルディサ』には申し訳ないとは思いますが、後程処罰を下されますようご検討願います。」
「わかったわかった……あとでリツィには1年の間街に出ることを禁じるよ。
マレイア、言付け頼むね。」
憤る彼女、『マアサ・アルディサ』に言付けを頼んでから街に出た。
それが間違いだったことを知った。
『彼女』と『彼女の母親』で私の妻である者が、人の子に絡まれていたところをある『人の子』に助けられているのを見つけたので、お礼を言った。
「名も知らぬ方よ、少々失礼します。
私の家族を助けていただき、ありがとうございました。」
「いいや、これくらい礼には及ばないさ。」
「それでは、失礼します。」
『ちょっと待てよ、【水神様】?』
『ふーむ……お前は、何者か教えてはくれるかな?』
『いいや、教えはしないさ。
この人間にでも、聞いたらどうだ?
「脆弱な人間」に、な。』
『聞けるもんなら聞いてみろって話だが。』
頭が、潰されるのを見た。
ふむ……壊したか。
憑依でもしてた、か。
はたまた……。
『それはあの方々の得意分野でしょう?』
おや、この声は『リディ・アルディサカン』か。
『ああ、そうだね。
あれらの得意分野、だろうさ。
反神や無神にした不届き者と、堕落神それだけならまだしも人形などが使うものだからね。』
『ええ、ですが、あいつらの目的がまだ分からないのです。
どうなさいますか?』
『ふーむ……一旦私は妻子を連れて帰るとするよ。』
『承知しました。』
「あの水神が……人を殺した?」
「え……嘘でしょ……。」
「嘘なわけない、俺がこの目で見たんだから。」
「ええ……あの方が……嘘だ。
嘘だと言ってくれ、誰か……!!」
「あれらは笑っていた。
水神様は、困ったように話していたように見えたが?」
「それは本当ではない。
見てはいないんだから、出しゃばるな。
『孤児風情が』、嘘を言うんじゃない。
それとも潰されたいのか。
『リソス・タセモノ』。
俺たちに拾われた親なし風情が、余計な口を挟むな。」
「いいや、お頭。
お前は俺の親代わりであって『ただの他人』なのだから、その目障りな癪に障る目をやめとけ。
でなきゃ、お前の『命』貰うが?」
ナイフを取り出しましたね。
ーーー演目終了いたします。ーーー
さて、一旦ここまでと致します。
まだ消化不良、でございますね。
そんな顔をしておりますよ、お客様。
まだまだ演目はございますので、その時にご説明致します。
それでは皆様方、ご来場頂きありがとう存じます。
またのご来場をお待ちしております。
(もう一人の【案内人】が優しく微笑み、直角45度に腰を曲げてお辞儀を致します。)
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