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黒の章
23.落涙
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5時間ほど眠ったマリーが起きたとき、トウコは未だ目を覚ましていなかった。リョウから少し離れた場所に、トウコの血まみれでボロボロだった衣服と、血の付いたタオル、そしてあの謎の男のものであろう毛布が丸めて置いてあった。トウコはリョウの毛布に包まれている。マリーたちが寝ている間に、リョウがトウコの体を拭き着替えさせたのだろうとマリーはあたりを付けた。
あれから寝ていないであろうリョウに、「アンタもいい加減休みなさい。トウコのことは見ていてあげるから。」と声をかけたが、リョウは黙ったままでトウコを離す様子は見せなかった。
マリーとヨシが携帯食料で簡単に食事を済ませる間も、リョウは動かなかった。それから何をするでもなく3人はトウコが目覚めるのを待ち続けた。
トウコは寝苦しさに目を覚ます。自分を固く抱きしめている存在に気付き、少し身じろぎしながら「リョウ…?いつも言っているだろう?そんなに抱きしめられたら苦しいって。」と言おうしたが、喉が張り付いたように声がうまくでなかった。
その時、「トウコ!」と言う叫び声とともに、リョウの顔が目の前に現れる。その顔は、驚きとも安堵とも取れる泣きそうな顔で、トウコは思わず笑いそうになりながら、「なんだいその情けない顔は。」と言おうとしたが、やはりうまく声にならなかった。
その時、「リョウ、お水」というマリーの声とともに、口元に何かが当てられた。それは酷くぬるい水だったが、トウコには何故かそれがとても旨く感じられた。
自分を見下ろす、リョウ、マリーそしてヨシの顔を見渡し、トウコは2度瞬きすると「ああ」と掠れた声を出した。そして「死んだと思った。」と呟いた瞬間、「この大馬鹿やろうが!」というリョウの怒鳴り声が降ってきた。
そのままリョウはトウコの胸に顔を押し付け、声と肩を震わせながら「馬鹿野郎」と呟き続ける。そんなリョウの頭を撫でながらトウコは「すまなかった。本当に。」と囁いた。
しばらく後、マリーが作ったスープを飲みながらトウコが聞く。
「で、あれからどのくらい時間が経ったんだ?」
そんなトウコの膝の上には、リョウの頭が乗っている。あの後リョウはトウコの毛布を頭からすっぽりかぶり、トウコの腹に顔を向ける形で横になってしまった。
「アンタ、トウコの体に負担をかけるんじゃないわよ。」というマリーの呆れた声は完全に無視だった。
「あなたの言うあれからが、あなたが落ちたときを指しているなら、あれから2日経ったわね。あなたは丸1日眠っていたわ。」
「そんなに経ったのか…。」
「まずは、あなたが落ちてから何があったのかお互いに情報を整理しましょう。」
マリーとトウコ、たまにヨシが補足を入れる形でそれぞれ何があったか説明していく。トウコが、女神像の件を話すと「何やってんだ阿呆」というくぐもった声がトウコの腹あたりから聞こえた。
トウコが苦笑しながら、「仕方ないだろう?あんな場所に剣を持った女神像があるなんて思わないじゃないか。あんなもんがなければ、死にかけはしなかったさ。まあどこかの骨は折れただろうけどね。」と言うと、「そもそも落ちるな阿呆」と返ってきた。
「それにしてもトウコは全力で障壁を張ったんでしょう?それを破ってあそこまで大怪我させるなんて…」
「剣が触れた瞬間に障壁が破られたのは分かったよ。お陰で、落下の衝撃をまともにくらっちまったね。そこからの記憶はないよ。もしかしたら女神像は光の女神だったんじゃないおかい?闇の女神の化身の私が憎かったに違いない。」
最後はトウコがおどけながら言うと、マリーは何とも言えない表情をした。そのままマリーはチラリと毛布の塊と化しているリョウを見ると、躊躇いがちにトウコに聞く。
「ねえ、トウコを助けた男に心当たりはないの?」
「ないね。」とトウコは即答し、「外套のせいで外見は分からないんだろう?そもそも私に知り合いは少ないし、助けてくれそうな人間なんてそれこそマリーたち以外にはいないさ。魔導士の知り合いもいないしね。」と続けた。
「でも、あいつはお前のことを知ってたぞ。」と毛布の塊が言うも、「そんなこと言われても私には心当たりはないよ、本当に。」とトウコが眉を少し下げて言う。
「これ以上あの男のことを考えても仕方ないわね。とりあえず、リカちゃんと合流するまであと2日あるわ。もう少しここで休んでから、戻りましょう。リョウ、あなた全然食べていないし寝ていないでしょう?とっとと食べて休みなさい。トウコも休んでいいわよ。見張りは私とヨシ君でやるから。」
「悪いね。まだ血が足りていないのか体がだるいから助かるよ。ヨシもすまない。」
「いえ!気にしないでトウコさんはゆっくり休んでください。その…リョウさんも!」
「ほら、リョウ。いつまでそうしてるんだ。そろそろ起き上がって何か食べろ。お前が食べたら私も休むから。」とトウコがリョウに声をかけると、「腹減った」と声が聞こえたが起き上がる気配はない。
ヨシがどうするのだろうと見守っていると、トウコは「面倒な奴だな…」と顔を盛大に顰めて言いながら携帯食料の固いパンをスープに浸し、それをリョウの口元に持っていくと、リョウがもごもごと食べ始める気配がした。
その姿を見てヨシは唖然とする。
マリーは白い目で毛布の塊を見ながら、「トウコはまだ本調子じゃないのよ。いい加減にしなさい。」と呆れたように言うが、リョウはそのまま食べ続けた。
食べ終わったリョウは、マリーたちに背を向けたままのっそりと体を起こすと、そのまま自分が被っていた毛布をトウコにも被せると、トウコの胸に頭を押し付ける形で抱きついて横になった。
「おい、いい加減にしな」とトウコが言うも、リョウは頑として動かなない。
そんなリョウの頭を見下ろし、ため息を1つ吐くと「寝て起きたら元のリョウに戻るはずだ。すまないね。」と毛布の中からマリーとヨシに手を振りながら言った。
ヨシが唖然としたまま「昨日と今日でリョウさんのイメージが…僕、リョウさんにもちょっと憧れてたんですけど…。」と呟く。
マリーが「ただのバカよに憧れるだけ無駄よ」と即座に返したが、少し考えると言葉を続けた。
「ヨシ君。リョウはトウコを殺して自分も死ぬなんて言える頭のネジがそもそも存在しない男なの。そしてトウコはそんな男と一緒にいられる女よ。ついでに言うと、そんな2人を大事に思う私も多分まともじゃないわ。ヨシ君が2人を好ましく思ってくれるのは嬉しいけれど、ヨシ君はこっちに来ちゃダメよ。」
マリーの拒絶する言葉にヨシは何か言おうと口を開いたが、結局何も言葉は出て来ず口を閉じると、悲し気に目を伏せた。
そんなマリーの言葉を聞きながら、トウコはリョウの赤く腫れた瞼をそっと指でなぞると目を閉じた。
あれから寝ていないであろうリョウに、「アンタもいい加減休みなさい。トウコのことは見ていてあげるから。」と声をかけたが、リョウは黙ったままでトウコを離す様子は見せなかった。
マリーとヨシが携帯食料で簡単に食事を済ませる間も、リョウは動かなかった。それから何をするでもなく3人はトウコが目覚めるのを待ち続けた。
トウコは寝苦しさに目を覚ます。自分を固く抱きしめている存在に気付き、少し身じろぎしながら「リョウ…?いつも言っているだろう?そんなに抱きしめられたら苦しいって。」と言おうしたが、喉が張り付いたように声がうまくでなかった。
その時、「トウコ!」と言う叫び声とともに、リョウの顔が目の前に現れる。その顔は、驚きとも安堵とも取れる泣きそうな顔で、トウコは思わず笑いそうになりながら、「なんだいその情けない顔は。」と言おうとしたが、やはりうまく声にならなかった。
その時、「リョウ、お水」というマリーの声とともに、口元に何かが当てられた。それは酷くぬるい水だったが、トウコには何故かそれがとても旨く感じられた。
自分を見下ろす、リョウ、マリーそしてヨシの顔を見渡し、トウコは2度瞬きすると「ああ」と掠れた声を出した。そして「死んだと思った。」と呟いた瞬間、「この大馬鹿やろうが!」というリョウの怒鳴り声が降ってきた。
そのままリョウはトウコの胸に顔を押し付け、声と肩を震わせながら「馬鹿野郎」と呟き続ける。そんなリョウの頭を撫でながらトウコは「すまなかった。本当に。」と囁いた。
しばらく後、マリーが作ったスープを飲みながらトウコが聞く。
「で、あれからどのくらい時間が経ったんだ?」
そんなトウコの膝の上には、リョウの頭が乗っている。あの後リョウはトウコの毛布を頭からすっぽりかぶり、トウコの腹に顔を向ける形で横になってしまった。
「アンタ、トウコの体に負担をかけるんじゃないわよ。」というマリーの呆れた声は完全に無視だった。
「あなたの言うあれからが、あなたが落ちたときを指しているなら、あれから2日経ったわね。あなたは丸1日眠っていたわ。」
「そんなに経ったのか…。」
「まずは、あなたが落ちてから何があったのかお互いに情報を整理しましょう。」
マリーとトウコ、たまにヨシが補足を入れる形でそれぞれ何があったか説明していく。トウコが、女神像の件を話すと「何やってんだ阿呆」というくぐもった声がトウコの腹あたりから聞こえた。
トウコが苦笑しながら、「仕方ないだろう?あんな場所に剣を持った女神像があるなんて思わないじゃないか。あんなもんがなければ、死にかけはしなかったさ。まあどこかの骨は折れただろうけどね。」と言うと、「そもそも落ちるな阿呆」と返ってきた。
「それにしてもトウコは全力で障壁を張ったんでしょう?それを破ってあそこまで大怪我させるなんて…」
「剣が触れた瞬間に障壁が破られたのは分かったよ。お陰で、落下の衝撃をまともにくらっちまったね。そこからの記憶はないよ。もしかしたら女神像は光の女神だったんじゃないおかい?闇の女神の化身の私が憎かったに違いない。」
最後はトウコがおどけながら言うと、マリーは何とも言えない表情をした。そのままマリーはチラリと毛布の塊と化しているリョウを見ると、躊躇いがちにトウコに聞く。
「ねえ、トウコを助けた男に心当たりはないの?」
「ないね。」とトウコは即答し、「外套のせいで外見は分からないんだろう?そもそも私に知り合いは少ないし、助けてくれそうな人間なんてそれこそマリーたち以外にはいないさ。魔導士の知り合いもいないしね。」と続けた。
「でも、あいつはお前のことを知ってたぞ。」と毛布の塊が言うも、「そんなこと言われても私には心当たりはないよ、本当に。」とトウコが眉を少し下げて言う。
「これ以上あの男のことを考えても仕方ないわね。とりあえず、リカちゃんと合流するまであと2日あるわ。もう少しここで休んでから、戻りましょう。リョウ、あなた全然食べていないし寝ていないでしょう?とっとと食べて休みなさい。トウコも休んでいいわよ。見張りは私とヨシ君でやるから。」
「悪いね。まだ血が足りていないのか体がだるいから助かるよ。ヨシもすまない。」
「いえ!気にしないでトウコさんはゆっくり休んでください。その…リョウさんも!」
「ほら、リョウ。いつまでそうしてるんだ。そろそろ起き上がって何か食べろ。お前が食べたら私も休むから。」とトウコがリョウに声をかけると、「腹減った」と声が聞こえたが起き上がる気配はない。
ヨシがどうするのだろうと見守っていると、トウコは「面倒な奴だな…」と顔を盛大に顰めて言いながら携帯食料の固いパンをスープに浸し、それをリョウの口元に持っていくと、リョウがもごもごと食べ始める気配がした。
その姿を見てヨシは唖然とする。
マリーは白い目で毛布の塊を見ながら、「トウコはまだ本調子じゃないのよ。いい加減にしなさい。」と呆れたように言うが、リョウはそのまま食べ続けた。
食べ終わったリョウは、マリーたちに背を向けたままのっそりと体を起こすと、そのまま自分が被っていた毛布をトウコにも被せると、トウコの胸に頭を押し付ける形で抱きついて横になった。
「おい、いい加減にしな」とトウコが言うも、リョウは頑として動かなない。
そんなリョウの頭を見下ろし、ため息を1つ吐くと「寝て起きたら元のリョウに戻るはずだ。すまないね。」と毛布の中からマリーとヨシに手を振りながら言った。
ヨシが唖然としたまま「昨日と今日でリョウさんのイメージが…僕、リョウさんにもちょっと憧れてたんですけど…。」と呟く。
マリーが「ただのバカよに憧れるだけ無駄よ」と即座に返したが、少し考えると言葉を続けた。
「ヨシ君。リョウはトウコを殺して自分も死ぬなんて言える頭のネジがそもそも存在しない男なの。そしてトウコはそんな男と一緒にいられる女よ。ついでに言うと、そんな2人を大事に思う私も多分まともじゃないわ。ヨシ君が2人を好ましく思ってくれるのは嬉しいけれど、ヨシ君はこっちに来ちゃダメよ。」
マリーの拒絶する言葉にヨシは何か言おうと口を開いたが、結局何も言葉は出て来ず口を閉じると、悲し気に目を伏せた。
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