常世の彼方

ひろせこ

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青の章

09.火種

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 ヨシザキと一緒にトウコとリョウは祭殿へ向かっていた。
祭壇へと向かいながらヨシザキは楽しそうにあちこち見渡しながらトウコたちに説明しており、トウコはそれをぼんやりと聞きながら神殿を眺めつつ歩いていた。
「ヨシザキさん、この神殿はやっぱり光の女神を奉ったものなのか?」
各都市には大なり小なりいくつもの神殿が存在しており、それらは全て金と青という力の象徴を授けてくれる光の女神を奉ったもので、多くの人々が祈りを捧げている。
もちろんトウコは神殿に足を踏み入れたことはなかったし、そしてまた闇の女神を奉った神殿もトウコの知る限り存在しなかった。
なので、この神殿も光の女神のものなのだろうと思いながらヨシザキに問うてみると、案の定肯定が返って来た。
「そうですね。」
「じゃあ、これまでに迷宮が変化した神殿で闇の女神を奉ったものはあったのか?」
「ありません。」
「へえ。不思議だな。…光と闇、2柱を奉った神殿って可能性はないのか?」
トウコの問いに虚を突かれたような顔をしたヨシザキは、二重顎をぷるぷると震わせながら興奮した口調でまくし立てた。
「なるほど!その可能性がありました!トウコさんは面白いですね!うーん…でも祭殿にある壊された女神を闇の女神と考えるとやはり光の女神の神殿と考えるのが普通でしょうか…いや、でもそれも今後の研究対象ですね!ありがとうございます、トウコさん!あ、もう祭殿に着きますね!」

祭殿に着いたトウコとリョウは2人で女神像を見ている。
ヨシザキは少し離れた場所にある、女神像を守るように立っている巨大な男の銅像のうち、剣を構えている銅像を見ながら何事かをノートに書き留めている。

祭殿に立っている女神像は、足首まであるワンピースのようなものを着ており、真っ直ぐの髪が腰まで流れている。胸の前で手を組み、悲しそうに目を伏せている様は、以前ヨシザキが語ったように、隣に倒れているもう1体の女神像―闇の女神を見ているようにトウコの目にも映った。
倒れている闇の女神に目をやると、こちらは酷い有様だった。長い髪を振り乱し、憎しみに歪めた顔は、胴体から綺麗に切断されている。とがった爪が伸びた指を曲げて今にも振りかざしそうな両腕もまた、切断されて左腕は胴体と少し離れた場所に、右腕は光の女神の足元に落ちていた。足もそれぞれが胴体から離れた場所に落ちている。

「これはまた…」
「ヨシザキは経年劣化だとか魔物だとか言ってたけど、明らかに切断されてるな。」
「光の騎士に倒された闇の女神の末路ってやつか。」
トウコとリョウが静かに話していると、調査が終わったのかヨシザキが近づいてきた。

「すみません、終わりました。戻りましょうか。」
「おい、ヨシザキ。闇の女神を殺ったのは光の騎士なんだろう?その光の騎士の像はないのか?」
これまで神殿に興味がなさそうだったリョウが突然質問したことが意外だったのか、ヨシザキは少し目を瞠ると首を振った。
「ありません。これまで光の騎士の銅像が見つかったこと自体がないのです。お2人が見ていた、この間のレリーフのようなものは見つかっているんですけどね。」
ヨシザキの答えにリョウは興味を失ったかのように鼻を鳴らし、トウコの腰を抱くと祭壇に背を向けて歩き出した。

「トウコさん、リョウさん。」
2人がいくらか歩いたところで、ヨシザキの穏やかな声が2人を呼び止めた。
足を止め振り返ると、ヨシザキが声と同じ穏やかな顔をして2人を見つめていた。

「トウコさん、リョウさん。僕はこの世界は間違えていると思っています。世界というか、常識でしょうか。そう。色無し、忌み子という存在自体が間違っています。」
ヨシザキの言葉にリョウが少し眉を顰めるも、ヨシザキは相変わらず穏やかな口調で続ける。

「金も青も黒も。そして紫も。みんな等しく同じ、ただの色です。色の差はあれど意味の差はありません。でも、この世界の常識では差があるのです、悲しいことに。だから当たり前のように多くの人々が、ただの色、同じ色を持っているのに持っていないことになっている人々を蔑むのです。それがこの世界の常識だから。僕はそれが間違っていると思います。」
ヨシザキは2人を見つめながら静かに続ける。

「だからと言って僕にこの世界の常識を変える力はありません。もちろんお2人にもそんな力はないでしょう。だからどうしようもないのですが、でも。そんな人々のことを憎まないでください。もし憎むならこの世界の間違った常識を憎んでください。僕は、お2人には幸せになってほしいです。」
ヨシザキは最後にニコリと微笑むと、「おかしなことを言ってすみません。行きましょうか。」と言って歩き出した。
ヨシザキが答えを求めていないように思えたので、トウコは黙っていた。リョウもまた何も言わなかった。

3人が再び歩き出した時、湿ったような生暖かく、どこか生臭いような風が吹いた。同時に、トウコの耳に女の声が聞こえた。

「…にな…させな…。絶対に…を…せに…ない。」
トウコがはっとして足を止める。

「どうした?」
「いや…今何か聞こえなかったか?」
「何も聞こえなかったぞ。」
リョウの言葉にトウコが訝しそうに首を傾げたその時、こちらを不思議そうに見ていたヨシザキの顔が驚愕に染まり、「あ…あれ…」と言いながら、トウコとリョウの頭の後ろを指さす。
同時に、祭壇の方からゴゴ…という鈍い音が響いてきた。
2人が振り返ると、女神像を守るように立っていた男の銅像が、パラパラと石の破片を散らしながら動き出しているところだった。

「どういうことだあれは!?」
すかさずトウコがヨシザキを抱えて走り出し、リョウもまた走りながらヨシザキを怒鳴りつける。
「わわわわわわ!トウコさん、僕重いですよ!」
「強化すればヨシザキさんくらいなら抱えらえる!だから暴れるな!」
「おい!くだらねーこと言ってねーで、俺の質問に答えろ!なんで、あれが、動くんだ!」
「わわわわわかりませんー!」

走る3人の目の前に、轟音の共に巨大な矢が突き刺さる。破壊された哀れな床の成れの果てがまき散らされ、小さなクレーターができる。それをトウコとリョウは障壁を張りながら横に飛んで避けた。2人の障壁に当たった床の破片がさらに粉々になる。
「やっぱり攻撃してきやがった!おい!神殿内部に魔物は入って来られないんじゃなかったのかよ!」
「あれは入って来たのではなくて、元からいたんですー!!!あああ!壊さないで!神殿を壊さないで!まだ調査していない箇所があるのに!」

異変に気付いたデニスやヨシたちもまた出口に向かって走り出した。マリーはその場に留まってトウコたちを待っている。
「このままじゃ全員追いつかれるな。リョウ、時間を稼ぐぞ。」
「あれは無理だろ…。」
「無理だろうがやらなきゃ全滅だ。マリー!投げるから受け止めろ!そして先に逃げるんだ!時間を稼ぐ!」
最後はマリーに大声で叫んだトウコが、言い終わる前にマリーに向けてヨシザキを放り投げた。
同時にリョウが振り返りながら、タクティカルベストから取り出したいつもより大きい魔力石を、弓をこちらに構えていた銅像に投げつける。
「ひぃえぇぇぇぇぇぇ」
ヨシザキの情けない悲鳴が後方へと遠ざかっていく。
トウコはマリーがヨシザキを受け止めるのを見届けることなく振り返ると、腰のポーチからフィンガーレスグローブを付けて、銅像と対峙した。

リョウの投げた魔力石が2つ、弓を構えた銅像の胸に当たり爆発を起こすも、怯んだ様子も見せずに弓を2人に向かって放つ。
「ぜんっぜん効いてねえ!」
「多少は欠けたんじゃないか?」
「欠けたかもな!蚊に刺されたほども効いてねーけどな!」

トウコが振り下ろされた巨大な剣を飛んで避けると着地と同時に飛びあがり、剣を持った銅像の腕に飛び乗った。
そのまま右の拳を銅像の前腕に全力で叩き付けると、石が破壊される音が響き渡り、前腕の一部が破壊された。しかし、銅像は動きを止めることなく左腕でトウコを捕まえようとする。
トウコは乗っていた腕を蹴って跳躍すると、リョウの側に着地した。

「少し抉れたか?」
「すげー音したな、おい。…お前の腕は大丈夫なのかよ。つーか、お前それ使うなって言っただろ。」
「それなりに痛い。結構全力だったんだがな。剣を落とすことすらできないか。リョウの胸に穴を空けた奴は捨てた。」
「俺は絶対に剣で攻撃しないからな。間違いなく折れる。ちっ今度はあっちかよ…!」

再び巨大な弓が飛んできて、柱を削りながら床に着弾し、新たなクレーターができる。2人がそれを避けると、待っていたとばかりに巨大な剣が襲ってくる。
リョウがそれを避けながら、トウコが攻撃した右腕付近に魔力石を投げつけると爆発が起こり、前腕が中ほどまで抉れた。
すると、銅像が抉れた前腕を少し見下ろしたかと思った瞬間、その腕をトウコたちに向けて振るった。中ほどまで抉れたせいで剣の重みに耐えかねた前腕が千切れ、トウコたちに向かって物凄い勢いで飛んでくる。
全力で障壁を張り左に飛んで腕を避けたリョウの目に、同じように右に飛んだトウコの障壁が砕け青い障壁の成れの果てが舞うのが映った。

「トウコ!?」
吹き飛ばされたトウコだったが、宙で1回転すると地面に着地した。しかし、トウコの左腕からは血が流れ、左足もまたずたずたになっていた。
「左足の骨が砕けた。逃げろリョウ。」
「阿呆が!誰が逃げるか!」

リョウが地面を蹴ってトウコの元へ走り出そうとした時、巨大な弓がリョウの目の前に飛んでくる。
舌打ちしてそれを回避したリョウが、再度トウコへ向かって足を踏み出した時、トウコに向かって巨大な腕が振り下ろされる。
トウコはそれを避けたが左足が使えないため十分に距離を取ることができず、振り下ろされた腕に破壊された床の破片がトウコの頭に当たり、トウコが床に倒れる。
頭から血を流したトウコがすぐに体を起こし、リョウを真っ直ぐに見つめて微笑む。
「油断しがやってこの馬鹿!障壁張れっていつも言ってんだろ!一緒に死んでやるからもうちょっと頑張れ!」
リョウの言葉に楽し気に声を上げて笑ったトウコに向かって再度腕が振り下ろされた。


リョウが腕に向かって魔力石を投げようとしたその時、振り下ろされた腕が切断されトウコから離れた地面に轟音を立てて落ちた。

黒にも見える濃紺の外套を頭からすっぽりとかぶった青年が、静かにトウコの側に着地した。
「やあ。貴女の意識があるときに会うのは初めてだね。はじめまして、かな?」
「お前は…」
「トウコ!」
「君には彼女を頼むって言っておいたはずなのだけど。まあいい。」
銅像が切り落とされた腕とは逆の、前腕が千切れた右腕を振り下ろそうとした時、青年が左手を銅像に向かって振るった。
途端、爆発が起こり銅像の腕が完全に破壊される。

「お前たちも僕同様に哀れだね。」
青年は感情の籠らない無機質な声で銅像を見据えて言った。
続けてトウコの側に膝をつくと優しい声音で囁いた。
「治療をしてあげたいけど、今回はその時間はなさそうだ。またマリーに治癒してらってくれ。…また会おう。」
そして、そっとトウコの頬に口付ける。
青年の顔が離れる一瞬、優しげに細められた瞳が見えた。
トウコが目を瞠ると青年は少し微笑み、人差し指を己の唇に当てると両腕をなくした銅像に向かって跳躍した。
飛んできた巨大な弓を、空中で真っ二つに切り裂いた青年の背に向かってトウコが叫ぶ。
「待って…!置いて行か…!」

無意識のうちに発しようとした言葉に驚きトウコは咄嗟に口を押さえる。
「トウコ!」
駆けてきたリョウがトウコを抱き上げ青年を睨みつけると、青年は銅像の肩に乗りその首を落としながらリョウに向かって静かに言葉を落とした。
「こいつらは僕が倒すから、君たちはここから早く去るといい。…トウコを頼んだよ。」
忌々し気に青年を睨みつけたリョウは、舌打ちを1つするとトウコを抱えて出口に向かって走り出した。
その背を静かに見送ると、青年もまた弓を構えた銅像へと走り出した。

「リョウ…」
「黙れ。」

トウコの弱弱しい呟きを一蹴したリョウは、唇から血が出るほど噛みしめて出口に向かって駆けた。
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