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金の章
08.手のひら
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薄い真っ白なレースのカーテンが、心地の良い風にゆらりゆらりと優しく揺れている。カーテンがかけられた窓の先は抜けるような青空。暖かな黄金色の日差しが差し込む室内は、豪華な調度で誂えられていた。
穏やかなある日の午後。
しかし、それとは裏腹に暗い印象の女が、広いベッドの上で項垂れて、はらはらと涙を零していた。
「…どうして誰も私を愛してくれないの?どうして皆、私の事を嫌うの…?」
最初は囁くような女の声が徐々にヒステリックなものへと変わっていく。
「なぜ!なぜ!どうして!」
ヒステリックに泣きわめく女が、傍らに腰掛けて慰めるように背中を撫でていた女に縋りつく。
「あなたは皆に愛されるというのに、どうして私は!」
縋りつかれた女が宥めるように、泣きわめく女の頭を撫でる。
「そんなことないわ。あなたの気にし過ぎよ。」
その言葉に女が激高したように叫ぶ。
「嘘よ!みんな私のことを嫌っている!みんなが私のことを疎ましい目で見ているもの!」
慰める女の胸に縋りついて泣きわめいていた女だったが、しばらく経つと泣きつかれたのか寝息を立て始めた。
慰めていた女がそっとベッドに横たえ、上掛けをかける。
少し眉を顰めて苦しそうに眠る、涙の跡が残る顔を、悲しげに見下ろしていた女の肩に後ろから手が乗せられた。
女がその手に己の手を乗せ、後ろを振り仰ぐ。
愛する男がその端正な顔を悲しみの色に染めて、ベッドに横たわる女を見つめていた。
女は男の手を取り、頬を男の手のひらに愛おしそうに付けた。
**********
トウコは息苦しさに目を覚ました。
目を開けるとすぐ目の前に褐色の肌。
頭と腰を強く抱きかかえられて眠っていたことに気付き、少し顔を顰めたトウコは、抗議するようにリョウの顎に頭突きした。
すぐにリョウが宥めるようにトウコの頭を撫でたが、腕が緩む気配はない。
むっとした顔をしたトウコが再度頭突きすると、ようやく目覚めたリョウが少し腕を緩めた。
トウコが腕の中から抜け出そうとすると、リョウが逃がさないとばかりに腕を強めた。
「…もう朝か?」
「そうだ。起きろ。」
声に少し苛立ちが含まれていることに気付いたリョウが目を開けて視線を下にやると、声と同様に不機嫌そうなトウコの顔があった。
トウコはぷいと目を逸らすと、起き出してコンバットブーツを履きだした。
「なに怒ってんだよ。」
リョウに背を向けてコンバットブーツの靴ひもを結ぶトウコから返答はない。
不愉快そうに顔を顰めたリョウが「おい。」と低い声を出すと、トウコはやはり背を向けたまま、不機嫌さが露わになった声で「リョウのせいで変な夢ばかり見る。」と言った。
「なんで俺のせいになるんだよ。」
「なに朝っぱから喧嘩してんのよ。」
同じ天幕内で2人から少し離れた場所で寝ていたマリーが、寝返りをうって2人に呆れたような声をかけた。
「しらねーよ。起きたらトウコが勝手に1人で怒ってんだよ。」
ブーツを履き終えたトウコが立ち上がる。
「…リョウが私のことを抱き締めて寝るから寝苦しいんだ。やめろっていつも言ってるだろ。だから変な夢ばっかり見るんだ。」
乱雑に髪をかき上げて1つに結びながら不機嫌そうに言ったトウコは、そのまま天幕を出て行った。
トウコの背中を見送ったリョウが呆れたように呟いた。
「なんだよあれ…。」
「あの子まだおかしな夢見てるのね。」
少し心配そうに呟いたマリーが、起き上がりながらリョウを見る。
「もうトウコはあんたから離れていかないでしょ。いつまで怖がってんのよ。」
マリーの言葉に嫌そうな顔をしたリョウもまた起き上がると、コンバットブーツを履きだす。
履き終えたリョウがタクティカルベストを着ながら静かに言った。
「…最近は減ってたんだけどな。起きた時に抱きしめてること。」
「なんかあったの?」
「…なんもねえ。」
不機嫌そうに言いながら、リョウもまたトウコを追うように天幕を出て行った。
「何があったのかしらね。リョウもはっきりトウコに言えばいいのに面倒くさい奴。」
マリーが小さくため息を零した。
リョウが天幕を出て裏手の水場に向かうと、顔を洗ったトウコがタオルで顔を拭いていた。
リョウと目が合ったトウコが少し気まずそうな顔をしたが、リョウはそれには構わず顔を洗い出す。
頭までざぶざぶと洗ったリョウが立ち上がると、トウコはまだ気まずそうな顔のまま立っていた。
リョウが苦笑を浮かべて、トウコの手からタオルを取り上げると顔を拭いた。
「機嫌は直ったか?」
「うん…。」
「悪いな。無意識にやっちまうんだよ。気を付ける。」
タオルで頭を拭きながら、リョウがトウコの頬を撫でると、トウコが少しはっとした顔をして頬を撫でるリョウの手を取り、まじまじとリョウの手を見下ろした。
何かを思い出すかのように、自分の頬とリョウの手のひらを撫でるトウコを見下ろしていたリョウの目が冷たくなる。
「やめろ。不愉快だ。」
明らかに怒気を含んだ低い声に、トウコが我に返ったように顔を跳ね上げる。
「お前、今、別の男と比べてただろ。」
冷たい目で己を見据えるリョウを見たトウコが、片手で顔を覆って項垂れる。
「…悪い。夢に知らない男が出てきて…どうかしてた。」
トウコの嘆くような呟きを聞いたリョウが、大きく息を吐きながら空を仰ぐ。
「お前まだ変な夢見てんだな。今度はどんな夢なんだよ。」
項垂れたままのトウコの頭を見下ろしたリョウの顔には、未だに少し苛立ちが残っていたが、それでもトウコを抱き寄せると安心させるように背中を撫でた。
「…あんまり覚えていない。誰か知らない女が泣いていて、それを私は必死に慰めていて…そうしたら今度は私が知らない男から慰められた…んだと思う。」
「意味わかんねー夢だな。」
「知らない私がもう1人いるみたいで嫌なんだ。夢の中の私は男が出てくると嬉しそうで…でも私はそれが不愉快だ。」
「それでお前、今朝ご機嫌斜めだったんだな。」
「うん…。」
「…夢の中の男ってどんな奴なんだ?」
「いつもいつも起きると忘れてる。」
「あーぶっ殺してーなあ。そいつ。」
身体を離したリョウがトウコに軽く口づける。
「もう行こうぜ。そろそろヨシが朝飯作って待ってる頃だろ。今日は帰還する日だ。とっとと帰ってヤりまくろうぜ。」
未だに少ししょんぼりしているトウコの顔を覗き込んだリョウが、噛みつくようにトウコに口付け、口を離すと不敵な笑みを浮かべた。
「お前、今晩覚悟しとけよ。」
「…少し手加減してくれると嬉しい。」
「誰がするかバーカ。」
ケラケラ笑いながらリョウはいつもの様にトウコの腰を抱いて歩き出した。
しかし、トウコの腰を抱く腕は、いつもより少し強かった。
穏やかなある日の午後。
しかし、それとは裏腹に暗い印象の女が、広いベッドの上で項垂れて、はらはらと涙を零していた。
「…どうして誰も私を愛してくれないの?どうして皆、私の事を嫌うの…?」
最初は囁くような女の声が徐々にヒステリックなものへと変わっていく。
「なぜ!なぜ!どうして!」
ヒステリックに泣きわめく女が、傍らに腰掛けて慰めるように背中を撫でていた女に縋りつく。
「あなたは皆に愛されるというのに、どうして私は!」
縋りつかれた女が宥めるように、泣きわめく女の頭を撫でる。
「そんなことないわ。あなたの気にし過ぎよ。」
その言葉に女が激高したように叫ぶ。
「嘘よ!みんな私のことを嫌っている!みんなが私のことを疎ましい目で見ているもの!」
慰める女の胸に縋りついて泣きわめいていた女だったが、しばらく経つと泣きつかれたのか寝息を立て始めた。
慰めていた女がそっとベッドに横たえ、上掛けをかける。
少し眉を顰めて苦しそうに眠る、涙の跡が残る顔を、悲しげに見下ろしていた女の肩に後ろから手が乗せられた。
女がその手に己の手を乗せ、後ろを振り仰ぐ。
愛する男がその端正な顔を悲しみの色に染めて、ベッドに横たわる女を見つめていた。
女は男の手を取り、頬を男の手のひらに愛おしそうに付けた。
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トウコは息苦しさに目を覚ました。
目を開けるとすぐ目の前に褐色の肌。
頭と腰を強く抱きかかえられて眠っていたことに気付き、少し顔を顰めたトウコは、抗議するようにリョウの顎に頭突きした。
すぐにリョウが宥めるようにトウコの頭を撫でたが、腕が緩む気配はない。
むっとした顔をしたトウコが再度頭突きすると、ようやく目覚めたリョウが少し腕を緩めた。
トウコが腕の中から抜け出そうとすると、リョウが逃がさないとばかりに腕を強めた。
「…もう朝か?」
「そうだ。起きろ。」
声に少し苛立ちが含まれていることに気付いたリョウが目を開けて視線を下にやると、声と同様に不機嫌そうなトウコの顔があった。
トウコはぷいと目を逸らすと、起き出してコンバットブーツを履きだした。
「なに怒ってんだよ。」
リョウに背を向けてコンバットブーツの靴ひもを結ぶトウコから返答はない。
不愉快そうに顔を顰めたリョウが「おい。」と低い声を出すと、トウコはやはり背を向けたまま、不機嫌さが露わになった声で「リョウのせいで変な夢ばかり見る。」と言った。
「なんで俺のせいになるんだよ。」
「なに朝っぱから喧嘩してんのよ。」
同じ天幕内で2人から少し離れた場所で寝ていたマリーが、寝返りをうって2人に呆れたような声をかけた。
「しらねーよ。起きたらトウコが勝手に1人で怒ってんだよ。」
ブーツを履き終えたトウコが立ち上がる。
「…リョウが私のことを抱き締めて寝るから寝苦しいんだ。やめろっていつも言ってるだろ。だから変な夢ばっかり見るんだ。」
乱雑に髪をかき上げて1つに結びながら不機嫌そうに言ったトウコは、そのまま天幕を出て行った。
トウコの背中を見送ったリョウが呆れたように呟いた。
「なんだよあれ…。」
「あの子まだおかしな夢見てるのね。」
少し心配そうに呟いたマリーが、起き上がりながらリョウを見る。
「もうトウコはあんたから離れていかないでしょ。いつまで怖がってんのよ。」
マリーの言葉に嫌そうな顔をしたリョウもまた起き上がると、コンバットブーツを履きだす。
履き終えたリョウがタクティカルベストを着ながら静かに言った。
「…最近は減ってたんだけどな。起きた時に抱きしめてること。」
「なんかあったの?」
「…なんもねえ。」
不機嫌そうに言いながら、リョウもまたトウコを追うように天幕を出て行った。
「何があったのかしらね。リョウもはっきりトウコに言えばいいのに面倒くさい奴。」
マリーが小さくため息を零した。
リョウが天幕を出て裏手の水場に向かうと、顔を洗ったトウコがタオルで顔を拭いていた。
リョウと目が合ったトウコが少し気まずそうな顔をしたが、リョウはそれには構わず顔を洗い出す。
頭までざぶざぶと洗ったリョウが立ち上がると、トウコはまだ気まずそうな顔のまま立っていた。
リョウが苦笑を浮かべて、トウコの手からタオルを取り上げると顔を拭いた。
「機嫌は直ったか?」
「うん…。」
「悪いな。無意識にやっちまうんだよ。気を付ける。」
タオルで頭を拭きながら、リョウがトウコの頬を撫でると、トウコが少しはっとした顔をして頬を撫でるリョウの手を取り、まじまじとリョウの手を見下ろした。
何かを思い出すかのように、自分の頬とリョウの手のひらを撫でるトウコを見下ろしていたリョウの目が冷たくなる。
「やめろ。不愉快だ。」
明らかに怒気を含んだ低い声に、トウコが我に返ったように顔を跳ね上げる。
「お前、今、別の男と比べてただろ。」
冷たい目で己を見据えるリョウを見たトウコが、片手で顔を覆って項垂れる。
「…悪い。夢に知らない男が出てきて…どうかしてた。」
トウコの嘆くような呟きを聞いたリョウが、大きく息を吐きながら空を仰ぐ。
「お前まだ変な夢見てんだな。今度はどんな夢なんだよ。」
項垂れたままのトウコの頭を見下ろしたリョウの顔には、未だに少し苛立ちが残っていたが、それでもトウコを抱き寄せると安心させるように背中を撫でた。
「…あんまり覚えていない。誰か知らない女が泣いていて、それを私は必死に慰めていて…そうしたら今度は私が知らない男から慰められた…んだと思う。」
「意味わかんねー夢だな。」
「知らない私がもう1人いるみたいで嫌なんだ。夢の中の私は男が出てくると嬉しそうで…でも私はそれが不愉快だ。」
「それでお前、今朝ご機嫌斜めだったんだな。」
「うん…。」
「…夢の中の男ってどんな奴なんだ?」
「いつもいつも起きると忘れてる。」
「あーぶっ殺してーなあ。そいつ。」
身体を離したリョウがトウコに軽く口づける。
「もう行こうぜ。そろそろヨシが朝飯作って待ってる頃だろ。今日は帰還する日だ。とっとと帰ってヤりまくろうぜ。」
未だに少ししょんぼりしているトウコの顔を覗き込んだリョウが、噛みつくようにトウコに口付け、口を離すと不敵な笑みを浮かべた。
「お前、今晩覚悟しとけよ。」
「…少し手加減してくれると嬉しい。」
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