ツヨシくんとトモカちゃん

雨川 海(旧 つくね)

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トモカちゃん編

公園にて

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 何時も夫がお世話になっています。トモカです。


 先日、近所のスーパーマーケットへ買い物に行った時、小学三、四年生くらいの男の子が、通り道に在る公園で大泣きしていたんです。

 私は、心配になって近付き、彼に事情を聞いてみました。

「どうしたの? パパやママはいないの?」

 すると男の子は、泣きながら訴えます。

「おがぁぁざんにずてられたぁぁ。おがぁぁざんにずてられたぁぁ」

 これは大変です。男の子は顔をクシャクシャにして、涙と鼻水は垂れ流しの可哀想な状態です。

 ただ、この情報だけでは判断ができません。更に詳しい事情を引き出す必要があり、根気よく話を聞きます。

 彼の主張によれば、お母さんと車で公園に来て、男の子が一人で遊んでいると、お母さんが彼を置いて行ってしまったようです。

 車窓を開け、去り際に言った言葉が

「お前は要らないから、公園に居て」

 らしいのです。
 ここで、私は閃きました。おそらく、彼の聞き違いでしょう。

「ねぇ、大丈夫だよ。たぶん、『お買い物に行くから、公園に居て』だよ。捨てられてないよ」

 私が諭しますが、男の子は泣いたままです。

「お母さんはすぐに来るから大丈夫だよ。良い子で待ってようよ」

 私は、男の子と手を繋ぎました。彼は、少し安心したのか? 泣き止みます。

「偉いね。強いね」

 私が褒めると、彼は照れてしまいます。先程の大泣きが恥ずかしくなったのでしょうか?

 暫くすると、公園の駐車場に水色の車が入って来て、男の子は笑顔になりました。

 男の子がお母さんに駆け寄り、一件落着です。
 私もホッとしました。

 さてと、あれ、私は何をしに来たんだっけ?
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