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映画2
ゴースト&ダークネス
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1898年、アフリカで鉄道建設作業員が、ライオンに襲われる事件が発生する。その被害は、百四十名に及び、英国政府は、陸軍大佐にライオンの駆除を命じる。
大佐は、その足でハンターが亡くなった現場に向かった。
現場には、ニ頭のライオンの足跡があった。
一頭は、正面からハンターに近付いていた。こちらは囮だ。そしてもう一頭の足跡は、ハンターの真後ろから近付いている。この足跡は、遥かに大きい。間違いなくゴーストの物だ。大佐は、暫くその場で考えていた。
満月だった。
ゴーストは、人を襲うために、仲間と共に鉄道の建設現場に来ていた。ゴーストがもっと若い頃、彼の世界は平和だった。人と獣が調和していた。お互いがお互いを尊重していたのだ。
それが崩れたのは、白い人間が来てからだ。白い人は、森を切り開き町を造った。音と光りを出す道具で、次々と、ゴーストの仲間や獲物を殺して行った。先に住んでいた人々も住みかを追われた。
ゴーストは、白い人に復讐を誓った。白い侵略者を追い出して、元の平和を取り戻すために、白い人と、それに従う奴隷を消して行く。
そして今日も、間抜けな白い人の匂いがした。
ゴーストは、仲間を囮に使い、自分は大きく回りこんで、白い人の背後に出るつもりだった。
ゴーストは、体を低くして進んだ。
時々、風の匂いをかいで相手の位置を確かめる。
ところが、獲物が近くなった所で、白い人の匂いが消えた。
ゴーストは、変に思いながらも先に進んでみた。
匂いがしていた辺りには何も無かった。
ただ、近くに水牛の糞が積み上げられているだけだった。
ゴーストは、嫌な予感がした。
「ゴースト、成仏しろ」
その言葉が、ゴーストが聞いた最後の言葉になった。
水牛の糞の山から発射された弾丸が、ゴーストの頭を撃ち抜いたのだ。ライオンの巨体が、ゆっくりと倒れた。
ゴーストの仲間が駆け付けたが、突然のボスの死と、敵の位置が判らないために混乱した。
結局、スゴスゴと草原へと帰って行った。
辺りが静かになると、糞の山から大佐が出て来た。
ゴーストに近付くと、その死を確かめる。
弾丸は、目の少し上に命中していた。その穴に、人指し指がすっぽり入った。
大佐は、その場であお向けに寝た。目の前には、真ん丸の月が在った。
大佐は、その足でハンターが亡くなった現場に向かった。
現場には、ニ頭のライオンの足跡があった。
一頭は、正面からハンターに近付いていた。こちらは囮だ。そしてもう一頭の足跡は、ハンターの真後ろから近付いている。この足跡は、遥かに大きい。間違いなくゴーストの物だ。大佐は、暫くその場で考えていた。
満月だった。
ゴーストは、人を襲うために、仲間と共に鉄道の建設現場に来ていた。ゴーストがもっと若い頃、彼の世界は平和だった。人と獣が調和していた。お互いがお互いを尊重していたのだ。
それが崩れたのは、白い人間が来てからだ。白い人は、森を切り開き町を造った。音と光りを出す道具で、次々と、ゴーストの仲間や獲物を殺して行った。先に住んでいた人々も住みかを追われた。
ゴーストは、白い人に復讐を誓った。白い侵略者を追い出して、元の平和を取り戻すために、白い人と、それに従う奴隷を消して行く。
そして今日も、間抜けな白い人の匂いがした。
ゴーストは、仲間を囮に使い、自分は大きく回りこんで、白い人の背後に出るつもりだった。
ゴーストは、体を低くして進んだ。
時々、風の匂いをかいで相手の位置を確かめる。
ところが、獲物が近くなった所で、白い人の匂いが消えた。
ゴーストは、変に思いながらも先に進んでみた。
匂いがしていた辺りには何も無かった。
ただ、近くに水牛の糞が積み上げられているだけだった。
ゴーストは、嫌な予感がした。
「ゴースト、成仏しろ」
その言葉が、ゴーストが聞いた最後の言葉になった。
水牛の糞の山から発射された弾丸が、ゴーストの頭を撃ち抜いたのだ。ライオンの巨体が、ゆっくりと倒れた。
ゴーストの仲間が駆け付けたが、突然のボスの死と、敵の位置が判らないために混乱した。
結局、スゴスゴと草原へと帰って行った。
辺りが静かになると、糞の山から大佐が出て来た。
ゴーストに近付くと、その死を確かめる。
弾丸は、目の少し上に命中していた。その穴に、人指し指がすっぽり入った。
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