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12、勝利の宴?

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「さぁさぁ、どんどん食べちゃって!なんなら、私が手ずから食べさせてあげるわ!」
「やめろ、静かにしてくれ!邪魔すんじゃねえ!」
『うまうまー』

 こんにちは、私は今、ぎゃあぎゃあと周囲がうるさい中、目の前の料理に食らいついています。
 先程、私の空腹音でシーンとなったお部屋は、現在賑やかで、私とロートさんと、エドさんの三人で食卓を囲んでいます。
 人肌程度で丁度いい温かさのスープに、消化にいいようにか柔らかく崩した果物が今日の私のご飯です。ただ、疑問があるとしたら…

(離乳食、早くない?)

 食べられないことはないのですが、本当に食べていいのか心配です。まぁ、お腹を壊したらロートさん達にどうにかしてもらいましょう。
 私は悩むことをやめました。別名、「わたし、しーらないっ」です。他人任せとも言います。

「きゃわいいわぁ」
「お前は、きめぇな」
「なんですってぇ!?」

 外野が相変わらず騒がしいです。
 うるさかったので、軽く尻尾で二人の手を叩くと、何故かキラキラした目でエドさんに、見つめられました。…ちなみにロートさんは固まっていました。

(あっ、これ、なんか勘違いしてる)

 本能的に理解します。

「そんなに構って欲しかった?おいで、私の膝の上に。さぁ!」
『ノーセンキュー』

 即答でお断りです。綺麗なオネェさんよりも私は、ご飯がいいのですよ。
 ぷいっと顔を背け、再びご飯を食べ始めます。相変わらず、ロートさんは固まっています。心做こころなしか、ショックを受けているように思えました。
 かと言って、ご飯をほっといてまで構おうとも思わなかったので、むしゃむしゃと口を動かしながら観察するだけです。

「この子、ロートを見つめながら食べてるわよ」
「あぁ」
「貴方をおかずにしているのかしら」
「あぁ」
「……」
「……」
「ねぇ、この子、貰っていい?」
「あ……っ、だ、駄目だっ!」
「チッ」

 すると、エドさんがロートさんに話しかけて、それにから返事しかにないロートさん。
 エドさんはそれに気づくと、自分に都合がいいことを聞いて了承を得ようとしました。途中でロートさんは正気を取り戻しましたが。

(しかも、エドさん。舌打ちしたね?「ふふっ」って優雅に笑ってるけど、私のこの耳はちゃんと拾ったからね)

 じとーっと、見つめていると、居心地が悪くなったのか、

「じゃ、じゃあね。私は仕事があるから」

 気まずそうに、そして、名残惜しそうに退散していきました。
 ふふん。勝利しました。

 軽くドヤ顔をしてると、ロートさんにくしゃっと頭を撫でられました。そして、静かに口元を拭われます。私の口元を拭った布を見てみると、食べかすが沢山ついていました。

(私、口にいっぱい食べかすつけた状態でドヤ顔してたの?うわっ、恥ずかしっ!)

 すっかり恥ずかしくなってしまった私は、前足で顔を隠し、尻尾を股の間にはさみ、丸まり、ロートさんの手によって、ふわふわな毛布に包まれました。そして、私はそのまま眠ったのでした。……ぐぅ。
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