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第二章 カフェ・ノードの魔女
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二階に昨日はカーテンが閉められていて気がつかなかったけど、大きなガラスの窓が並んでいて西日を反射し中はまだ見えない。一階には『大牧工務店』と鉄の板に書かれた看板があって、看板の下には大きなシャッターが下りている。隣には二階へと続くまっすぐの階段があって、首をもたげたランタンに明かりが灯っていた。
立てかけられた黒板に流れるような字体で『カフェ・ノード』と白いチョークで書かれている。
どんな意味があるのだろう?考えながらその看板を眺めているとガラガラとシャッターの開く音がした。ちょっとびっくりしてその音がした方向を見ると誰かが力強く両手でそれを開いていた。
シャッターの向こうにはもじゃもじゃの口ひげを伸ばした私と同じ背丈くらいの小柄な男性がいた。ランニングシャツの袖から、太く筋肉の曲線がはっきりとわかる二の腕でシャッターを支えている。ずんぐりとしたお腹に腕よりもさらに太い両足が茶色の短いズボンからぬっと地面に飛び出していた。
どうも。と私が会釈をすると、男は何も言わずに会釈を返す。そして私は逃げ出すように階段を登りカフェへと足を踏み入れる。
いつからこうやって人とかかわることが苦手になってしまったのだろう。まるで世間から逃げるよう人の目にできるだけ触れないよう姿を隠して目を背けてしまう。
きっと私は人が怖いのだ。
お母さんやお父さん以外の人とできるだけかかわりたくなかった。だけどこうやってミーナさんやタールーには会いたいと思うのは彼女たちが人ではないからだろうか。
階段を昇り終えると、目の前には色とりどりのチョークで大きな黒板に描かれた巨大な樹木の絵が目に入る。描かれた巨大な樹木がいくつかの世界に思える地表を貫いていた。
「あらいらっしゃい。本当に来てくれたのね」
ふと隣を見るとカウンターの奥に見える厨房は長く広がっていた。厨房にはミーナさんが、昨日と同じ黒いエプロンでこちらに手を振っていた。
「ご迷惑でしたか?」
ちょっとだけうつむきながら私がそういうと、ぜーんぜん!とミーナさんは歌うようにそう答えた。
「ランチタイムが終わってゆっくりしてた所だよ。ささ。こっちに座って」
はい。と私は言われるがまま店の中を進みカウンター席へと進む。その一番端っこで背の高いカウンターチェアーによいしょと背伸びをしながら飛び乗ると、目の前には形や大きさがさまざまの白いお皿が並んでいた。
「コーヒーは飲める?」
奥からミーナさんの声が聞こえて、はい!と私は答える。よかったーとミーナさんは返し、ブシュ!と蒸気が弾ける音と共に奥のエスプレッソマシンから上記がこぼれ落ちた。
そして温められて泡立つミルクが注がれた黒いコーヒーの中で、まるでクリスマスツリーにもよく似た模様を描いている。ラテアートだ!と目を丸めて私がカウンターの奥を覗き込んでいるとミーナさんは得意そうに胸を張る。
「いかに不器用な私でもこれくらいはできるのです」
ミーナさんは自信満々といった風に私へカフェラテを運び目の前に置いた。お礼を言ってそれを口に含むと甘いミルクの香りがした。その後に心地よい苦味をしたコーヒーの味が追いかけてくる。おいしいですと私がカフェラテに視線を落としままで言うと、ありがとうとミーナさんは笑みをこぼす。
大きなガラス戸からは深く西日が差し込んでいて店の温度は外と比べて暖かい。
ちょっとだけ眠たくなってしまうくらいに心が落ち着いた。
「あーそうだ。魔法のことを説明する前にお客さんが来るからちょっと待っててもらっていい?」
「お忙しくはないんですか?」
「大丈夫。このお店のオーナー夫婦さんだから。気のいい人だよ。旦那さんが下にいなかった?」
私は店に入る前に出会ったあのずんぐりとした、もじゃもじゃとしたお髭の男性を思いだす。魔女のカフェにいるのだからきっと、あの人はドワーフなのだろうか。老人の姿をした屈強で小さな妖精。素敵な宝石の細工をしたり、漫画の中で汗を流しながら武器を作っている。働き者の子憎らしい妖精だ。
「下で会いました。あの人はもしかして・・・ドワーフさんなのですか?」
ミーナさんは一瞬表情をなくした後で弾けるようにお腹を抱えて笑いだした。
「あはは。ちがうちがう!でも・・・テレビでよく見るドワーフさんの姿によく似ているねー。残念だけど、ちゃんとした人間だよ」
そうなのかと私は笑い転げるミーナさんの前で赤面したままうつむく。ひとしきり笑い終えたミーナさんは涙をぬぐいながらごめんねと言った。
「私も最初はそう思ったし昨日の今日だからね。仕方がない!もともとここは工務店の事務所だったんだけど、事業展開に合わせてここはいらなくなったんだって。だからオーナーさんたちは昔からの夢だったカフェを開くことにしたの。仕事終わりに一杯呑んで帰るのが夢だったらしいよ?だから私は自由気ままにここで過ごせるって訳」
「なるほど。素敵な話ですね」
「うらやましいよねー。本当は社長さんで仕事は部下に任せておけばいいのに、根っからの職人さんだからまだ現役で働いている。それで奥さんも中々素敵な人でねー」
右の人差し指をくるくると天井に向けて回しながらミーナさんが得意そうに説明していると、背後で気配もなく身長の高い女性が立っているのに気がついた。
撫子柄の綺麗な和服を着込んでおり口元に右手を当ててクスクスと笑いをかみ殺している。髪は艶やかにまとめられていて蝶々柄の髪飾りは青い石を抱いていた。
「あらあら。ならウチがどんなに素敵な人なんか教えてもらいましょうかねぇ」
やわらかな流れるように響く声色でオーナーの奥様はクスクス笑いと一緒に話す。ミーナさんは文字通り飛び上がりながら驚いて、ゆっくりと、御機嫌よう・・・と奥様へと振り向いた。そして奥様は細く切れ上がるきれいな目を開くと私を見て薄い口角をあげる。
「あらぁ。かわいい娘がいるやないのー。この娘さんが新しいアルバイトさん?」
「いいえ私は違います・・・」
そうなの?残念やわー。とかつかつと赤い鼻緒の下駄を鳴らしながら私に近づき顔を覗き込む。
「ウチは大牧 八重子と言いますー。よろしゅうに」
手渡された名刺を私はしっかりと受け取る。名刺には『夢華呉服店代表取締』と書かれていて私は何度も名刺と八重子さんの顔を見比べた。
「あらあら可愛らしい。驚いてはるわぁ。こう見えてもウチは老舗のお嬢さまやの。成人式を迎える時にはよろしゅうなぁ。袖触れ合うのも他生の縁やしねぇ」
袖は離さへんけどなぁ。と八重子はニヤリと笑って見せた。
なんともしっかりしていると私は目を細めて口に手をあてた八重子さんを呆然と眺める。いろんな大人の姿があるものだと思った。学校で見る大人とは全然違う。
私は琴音です。と自己紹介を返すとええ名前やなぁと八重子さんはうっとりと頬に手を当てる。
「そんでミーナさん。そろそろウチの愛する旦那さんが呑みに来るから準備しといてくれへん?」
はーい。とミーナさんは厨房の中へ引っ込み、八重子さんは私の隣に腰掛けて頭をなでたり頬をついたりと、まるで新しいおもちゃを手にいれた少女のように笑みを隠さず私を愛でていた。
しかし近くで見ると薄い化粧はしていても肌はきめ細かく年齢を感じさせない。もしかしたらこの人も魔女なのではないだろうか。頭を左右に揺らしながら注意深く観察してみる。
そしてあらためて、いろんな大人がいるのだな。と母の姿と一緒に思い出した。
私を変に思わないんだと・・・ちょっとだけうれしくなった。
立てかけられた黒板に流れるような字体で『カフェ・ノード』と白いチョークで書かれている。
どんな意味があるのだろう?考えながらその看板を眺めているとガラガラとシャッターの開く音がした。ちょっとびっくりしてその音がした方向を見ると誰かが力強く両手でそれを開いていた。
シャッターの向こうにはもじゃもじゃの口ひげを伸ばした私と同じ背丈くらいの小柄な男性がいた。ランニングシャツの袖から、太く筋肉の曲線がはっきりとわかる二の腕でシャッターを支えている。ずんぐりとしたお腹に腕よりもさらに太い両足が茶色の短いズボンからぬっと地面に飛び出していた。
どうも。と私が会釈をすると、男は何も言わずに会釈を返す。そして私は逃げ出すように階段を登りカフェへと足を踏み入れる。
いつからこうやって人とかかわることが苦手になってしまったのだろう。まるで世間から逃げるよう人の目にできるだけ触れないよう姿を隠して目を背けてしまう。
きっと私は人が怖いのだ。
お母さんやお父さん以外の人とできるだけかかわりたくなかった。だけどこうやってミーナさんやタールーには会いたいと思うのは彼女たちが人ではないからだろうか。
階段を昇り終えると、目の前には色とりどりのチョークで大きな黒板に描かれた巨大な樹木の絵が目に入る。描かれた巨大な樹木がいくつかの世界に思える地表を貫いていた。
「あらいらっしゃい。本当に来てくれたのね」
ふと隣を見るとカウンターの奥に見える厨房は長く広がっていた。厨房にはミーナさんが、昨日と同じ黒いエプロンでこちらに手を振っていた。
「ご迷惑でしたか?」
ちょっとだけうつむきながら私がそういうと、ぜーんぜん!とミーナさんは歌うようにそう答えた。
「ランチタイムが終わってゆっくりしてた所だよ。ささ。こっちに座って」
はい。と私は言われるがまま店の中を進みカウンター席へと進む。その一番端っこで背の高いカウンターチェアーによいしょと背伸びをしながら飛び乗ると、目の前には形や大きさがさまざまの白いお皿が並んでいた。
「コーヒーは飲める?」
奥からミーナさんの声が聞こえて、はい!と私は答える。よかったーとミーナさんは返し、ブシュ!と蒸気が弾ける音と共に奥のエスプレッソマシンから上記がこぼれ落ちた。
そして温められて泡立つミルクが注がれた黒いコーヒーの中で、まるでクリスマスツリーにもよく似た模様を描いている。ラテアートだ!と目を丸めて私がカウンターの奥を覗き込んでいるとミーナさんは得意そうに胸を張る。
「いかに不器用な私でもこれくらいはできるのです」
ミーナさんは自信満々といった風に私へカフェラテを運び目の前に置いた。お礼を言ってそれを口に含むと甘いミルクの香りがした。その後に心地よい苦味をしたコーヒーの味が追いかけてくる。おいしいですと私がカフェラテに視線を落としままで言うと、ありがとうとミーナさんは笑みをこぼす。
大きなガラス戸からは深く西日が差し込んでいて店の温度は外と比べて暖かい。
ちょっとだけ眠たくなってしまうくらいに心が落ち着いた。
「あーそうだ。魔法のことを説明する前にお客さんが来るからちょっと待っててもらっていい?」
「お忙しくはないんですか?」
「大丈夫。このお店のオーナー夫婦さんだから。気のいい人だよ。旦那さんが下にいなかった?」
私は店に入る前に出会ったあのずんぐりとした、もじゃもじゃとしたお髭の男性を思いだす。魔女のカフェにいるのだからきっと、あの人はドワーフなのだろうか。老人の姿をした屈強で小さな妖精。素敵な宝石の細工をしたり、漫画の中で汗を流しながら武器を作っている。働き者の子憎らしい妖精だ。
「下で会いました。あの人はもしかして・・・ドワーフさんなのですか?」
ミーナさんは一瞬表情をなくした後で弾けるようにお腹を抱えて笑いだした。
「あはは。ちがうちがう!でも・・・テレビでよく見るドワーフさんの姿によく似ているねー。残念だけど、ちゃんとした人間だよ」
そうなのかと私は笑い転げるミーナさんの前で赤面したままうつむく。ひとしきり笑い終えたミーナさんは涙をぬぐいながらごめんねと言った。
「私も最初はそう思ったし昨日の今日だからね。仕方がない!もともとここは工務店の事務所だったんだけど、事業展開に合わせてここはいらなくなったんだって。だからオーナーさんたちは昔からの夢だったカフェを開くことにしたの。仕事終わりに一杯呑んで帰るのが夢だったらしいよ?だから私は自由気ままにここで過ごせるって訳」
「なるほど。素敵な話ですね」
「うらやましいよねー。本当は社長さんで仕事は部下に任せておけばいいのに、根っからの職人さんだからまだ現役で働いている。それで奥さんも中々素敵な人でねー」
右の人差し指をくるくると天井に向けて回しながらミーナさんが得意そうに説明していると、背後で気配もなく身長の高い女性が立っているのに気がついた。
撫子柄の綺麗な和服を着込んでおり口元に右手を当ててクスクスと笑いをかみ殺している。髪は艶やかにまとめられていて蝶々柄の髪飾りは青い石を抱いていた。
「あらあら。ならウチがどんなに素敵な人なんか教えてもらいましょうかねぇ」
やわらかな流れるように響く声色でオーナーの奥様はクスクス笑いと一緒に話す。ミーナさんは文字通り飛び上がりながら驚いて、ゆっくりと、御機嫌よう・・・と奥様へと振り向いた。そして奥様は細く切れ上がるきれいな目を開くと私を見て薄い口角をあげる。
「あらぁ。かわいい娘がいるやないのー。この娘さんが新しいアルバイトさん?」
「いいえ私は違います・・・」
そうなの?残念やわー。とかつかつと赤い鼻緒の下駄を鳴らしながら私に近づき顔を覗き込む。
「ウチは大牧 八重子と言いますー。よろしゅうに」
手渡された名刺を私はしっかりと受け取る。名刺には『夢華呉服店代表取締』と書かれていて私は何度も名刺と八重子さんの顔を見比べた。
「あらあら可愛らしい。驚いてはるわぁ。こう見えてもウチは老舗のお嬢さまやの。成人式を迎える時にはよろしゅうなぁ。袖触れ合うのも他生の縁やしねぇ」
袖は離さへんけどなぁ。と八重子はニヤリと笑って見せた。
なんともしっかりしていると私は目を細めて口に手をあてた八重子さんを呆然と眺める。いろんな大人の姿があるものだと思った。学校で見る大人とは全然違う。
私は琴音です。と自己紹介を返すとええ名前やなぁと八重子さんはうっとりと頬に手を当てる。
「そんでミーナさん。そろそろウチの愛する旦那さんが呑みに来るから準備しといてくれへん?」
はーい。とミーナさんは厨房の中へ引っ込み、八重子さんは私の隣に腰掛けて頭をなでたり頬をついたりと、まるで新しいおもちゃを手にいれた少女のように笑みを隠さず私を愛でていた。
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