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後日譚
15 大豪邸
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そして天遠乃さんは、私の前から右隣に移動して、改めて日付を書いた。
『で、この日が空いてるって、合ってる?』
「合ってます、けど……あの、そもそも、私、遠野さんの家を知らないんですが……」
『あら、そうだったの。えっとね、守弥の住所は……』
また同じ様に、空中に光る文字が書かれていく。
「あ、えと、メモしますので……すぐには消さないで下さい」
『あ、メモは紙か自分のスマホにしてね。支給されたのだと、誰が閲覧しててもおかしくないから』
さらっと怖い事言わないでくださいよ。
私は言われた通りに自分用のスマホにその住所をメモし、検索して、そこが俳優や政治家が多く住むという高級住宅街だと知った。
……行くのが、ちょっと怖くなった。
『じゃあ、これで伝える事は全部伝えたかしらね。分からなかったとこ、ある?』
「いえ……ない、です……」
『? 急に元気がなくなったけれど、どうしたの?』
「いえ、少し。場所に尻込みしただけです……」
『ああ、そういう事。大丈夫よ。守弥の家は大きいだけで、他の家とそこまで変わらないから』
「そうですか……」
そういうあなたも、お金持ちの家の方ですよね? 他の家って、どういう家を指してるんですかね。
「あ、でも。てつって外に出ていいんですか?」
『そこは大丈夫。ちゃんと外出許可が出るように手配してるから』
で、そこから約一週間後の、今日。
ギラギラする人間バージョンのてつに少し慣れてきたなと思ったり、初めて電車に乗るてつに、乗り方をレクチャーしたりしながら、遠野さんの家に到着して。
地図マップで確認もしたけど、改めて現物を目にすると……
「デカいな……」
そんな言葉しか出てこない。
大きいだけで、と言われたけど。これはその大きさが規格外ですよ。真っ白な、太陽光を反射する塀も高いし長いし、車が三台は通れそうな門だってデカいとしか言いようがないし、大豪邸だろ、これ。
そこまで変わらないと言われていた周りの家の、何倍か大きい、広い? 広大? ですよ、天遠乃さん?
私普段着なんですけど、こんな所でこの格好はアウトではありませんか? 大丈夫ですか?
「いつまで突っ立ってる気だ。なんだ? アレか? インターホンとやらを押せばいいんだろ」
「えっちょっ、てつ待っ」
ピンポーン
「えっ」
無情にも押されたインターホンは、馴染みのある音がして。なんだか急に気が抜けた。
『はい』
そこから聞こえてきたのは、耳馴染みのない、女性の声。
「あっ、その、榊原杏と、てつ、と言います。今日、こちらに伺う予定なってまして……」
『──畏まりました。──確認が取れましたので、どうぞ、お入り下さい』
声とともに、目の前の大きな門が音も立てずにスライドして、開いていく。
「……うわぁ……」
そこから見えたのは、周りを木々に囲まれた、長く続く、一本道。それは緩く坂になっていて、先が見えない。
「行くぞ」
「えっえっ、待って置いてかないで……!」
スタスタと門をくぐり抜けていくてつに、縋るようにして歩き出す。
『──お待ち下さい。てつ様、榊原杏様』
すると、インターホンの女性の声が、抑揚なく待ったをかける。
「あ?」
『今、迎えを寄越しておりますので、もう少々お待ち下さい』
「迎え……?」
なに? こういう時の迎えって、フィクションの定番だと、車、と、か…………。
「ホントに車だ……」
鈍いグレーの、スリーポインテッドスターの、あの高級車が、ゆっくりと坂から見えてくる。そしてその坂を下り、私達の目の前で停車した。
いつもの遠野さんの車と違う。いつものは日本製の、どこにでもある普通車だったはずなんだけど。
『──どうぞ、お乗り下さい』
声と同時に、後部座席のドアが自動で開く。
怖い。
「おら、乗るぞ」
通常運転のてつは、そんなの気にする事もなく、車に乗り込む。
こんな堂々としてるてつだけど、ここに呼ばれた理由は話していない。支部の中で話すのは、やっぱり憚られたからだ。……なのになんで、そんな堂々としてられるの。
けど、私も突っ立ったままではいられない。ので、仕方なく、恐る恐る、乗り込んだ。
「あれ、運転席……?」
中に誰もいない。すると、またあの女性の声が、今度はこの車の中から聞こえた。
『この車は、AIによる自動運転システムを採用しております。よって、運転席に人はおりません』
「へ、へぇ……」
ナンテスゴインダ。
私がシートベルトを締め、てつにもシートベルトの説明をして締めさせると、それを合図にか車は音もなく滑らかに発進し、坂を登っていく。そして登るうちに、だんだんと見えてきたのは……
「うわぁ……」
あの門構えと塀とに、なんの違和感も抱かせない、洋風な邸宅、もとい、大豪邸だった。
車は坂を登りきり、今度は緩やかに降りていく。そして豪邸の大きな扉の前で、停まった。
『どうぞ、お降り下さい』
そしてまた、自動で車のドアが開く。
「……」
そうだ、こんなん、タクシーだと思えばいいんだ。タクシーのドア、勝手に開閉するもん。
私とてつが降りると、車はまた勝手に動き出し、どこかへ行ってしまった。
どうすればいいんだろう。この、重厚そうな扉の、どこにインターホンがあるのかすら分からない。
と。
『いらっしゃい!』
「うわっ!」
天遠乃さんが、扉をすり抜けながら笑顔で迎えてくれた。
「ど、どうも……。遠野さんの家、初めて来ましたけど、ものすっごい大豪邸ですね……」
『そうなのよー。本家が金かけちゃったらしいのよ。まあ、入って入って』
天遠乃さんの言葉と共に、重そうな扉が音もなく開いていく。
遠野さんが開けているのか、と思ったら、そうじゃなかった。中に入って見渡したけど、天遠乃さん以外、この、恐らく玄関ホールと思われる場所には、誰もいない。そしてここも、すごく広い。
「……あの、遠野さんは……?」
『守弥はね、おもてなしの準備をしているわ』
「そうですか……」
ふわふわ浮かぶ天遠乃さんの、その笑顔に気が抜ける。
「で、どこに行きゃあいい? それとそろそろ、ここに来させた目的を聞かせてもらおうか」
『あ、それはね、もう少し待って。ドアが閉まっちゃってから、ね』
言われて、扉を見れば、ちょうど閉まるところだった。また音もなく閉じられた扉は、そのすぐ後に、僅かに機械音をさせて、沈黙した。
『よっしそれじゃあ、行きましょうか。ついてきてね』
天遠乃さんは、ふわり、と体を横回転させて向きを変える。そして、玄関ホールからいくつも繋がる豪華な通路──たぶん廊下──のうちの一つ、目の前にある、広い通路を、進んでいく。
ついてきてね、と言われたので、ついていくしかない。
『あのね、てつさん。今日ここに杏さんとてつさんを呼んだ理由なんだけどね』
ふわふわ飛ぶ天遠乃さんは、こちらをちらりと振り返り、
『杏さんに協力してもらって、私が守弥を、……生きてる人の体で、感じさせてもらうためなの』
「はあ?」
てつの眉間にシワが寄る。人間の姿でなければ、牙も剝いていたと思えるほど、圧が強まった。
「てつ、落ち着いて。危険な事じゃないから」
「詳しく説明しろ」
「……えーっと……」
どう言えばいいかな、と、少し悩んでいると。
『私が説明するわ』
と、天遠乃さんが、ここまでの経緯を話し始めた。
「……」
天遠乃さんが話していくうちに、どうしてか、だんだんとてつの顔が恐ろしくなっていく。気はそれほど変化していないけど、それは恐らく、あえて鎮めているのだと、肌で感じ取った。
「て、てつ……?」
「あ゛あ゛?」
もはやデスボイスだよ。何をそこまで。
『……本当、守弥の言った通りね。承知はしていたけれど』
「? どういう事ですか?」
天遠乃さんの言葉に、首を傾げると。
『えっとね。守弥はね、てつさんはこの話を聞いたら十中八九、怒って止めるだろうって、言ってたの』
「え、どうして」
「んなもん、お前の身が危険だからに決まってんだろうが」
吐き捨てるように言われたてつの台詞に、目を丸くする。
「え?」
危険?
『で、この日が空いてるって、合ってる?』
「合ってます、けど……あの、そもそも、私、遠野さんの家を知らないんですが……」
『あら、そうだったの。えっとね、守弥の住所は……』
また同じ様に、空中に光る文字が書かれていく。
「あ、えと、メモしますので……すぐには消さないで下さい」
『あ、メモは紙か自分のスマホにしてね。支給されたのだと、誰が閲覧しててもおかしくないから』
さらっと怖い事言わないでくださいよ。
私は言われた通りに自分用のスマホにその住所をメモし、検索して、そこが俳優や政治家が多く住むという高級住宅街だと知った。
……行くのが、ちょっと怖くなった。
『じゃあ、これで伝える事は全部伝えたかしらね。分からなかったとこ、ある?』
「いえ……ない、です……」
『? 急に元気がなくなったけれど、どうしたの?』
「いえ、少し。場所に尻込みしただけです……」
『ああ、そういう事。大丈夫よ。守弥の家は大きいだけで、他の家とそこまで変わらないから』
「そうですか……」
そういうあなたも、お金持ちの家の方ですよね? 他の家って、どういう家を指してるんですかね。
「あ、でも。てつって外に出ていいんですか?」
『そこは大丈夫。ちゃんと外出許可が出るように手配してるから』
で、そこから約一週間後の、今日。
ギラギラする人間バージョンのてつに少し慣れてきたなと思ったり、初めて電車に乗るてつに、乗り方をレクチャーしたりしながら、遠野さんの家に到着して。
地図マップで確認もしたけど、改めて現物を目にすると……
「デカいな……」
そんな言葉しか出てこない。
大きいだけで、と言われたけど。これはその大きさが規格外ですよ。真っ白な、太陽光を反射する塀も高いし長いし、車が三台は通れそうな門だってデカいとしか言いようがないし、大豪邸だろ、これ。
そこまで変わらないと言われていた周りの家の、何倍か大きい、広い? 広大? ですよ、天遠乃さん?
私普段着なんですけど、こんな所でこの格好はアウトではありませんか? 大丈夫ですか?
「いつまで突っ立ってる気だ。なんだ? アレか? インターホンとやらを押せばいいんだろ」
「えっちょっ、てつ待っ」
ピンポーン
「えっ」
無情にも押されたインターホンは、馴染みのある音がして。なんだか急に気が抜けた。
『はい』
そこから聞こえてきたのは、耳馴染みのない、女性の声。
「あっ、その、榊原杏と、てつ、と言います。今日、こちらに伺う予定なってまして……」
『──畏まりました。──確認が取れましたので、どうぞ、お入り下さい』
声とともに、目の前の大きな門が音も立てずにスライドして、開いていく。
「……うわぁ……」
そこから見えたのは、周りを木々に囲まれた、長く続く、一本道。それは緩く坂になっていて、先が見えない。
「行くぞ」
「えっえっ、待って置いてかないで……!」
スタスタと門をくぐり抜けていくてつに、縋るようにして歩き出す。
『──お待ち下さい。てつ様、榊原杏様』
すると、インターホンの女性の声が、抑揚なく待ったをかける。
「あ?」
『今、迎えを寄越しておりますので、もう少々お待ち下さい』
「迎え……?」
なに? こういう時の迎えって、フィクションの定番だと、車、と、か…………。
「ホントに車だ……」
鈍いグレーの、スリーポインテッドスターの、あの高級車が、ゆっくりと坂から見えてくる。そしてその坂を下り、私達の目の前で停車した。
いつもの遠野さんの車と違う。いつものは日本製の、どこにでもある普通車だったはずなんだけど。
『──どうぞ、お乗り下さい』
声と同時に、後部座席のドアが自動で開く。
怖い。
「おら、乗るぞ」
通常運転のてつは、そんなの気にする事もなく、車に乗り込む。
こんな堂々としてるてつだけど、ここに呼ばれた理由は話していない。支部の中で話すのは、やっぱり憚られたからだ。……なのになんで、そんな堂々としてられるの。
けど、私も突っ立ったままではいられない。ので、仕方なく、恐る恐る、乗り込んだ。
「あれ、運転席……?」
中に誰もいない。すると、またあの女性の声が、今度はこの車の中から聞こえた。
『この車は、AIによる自動運転システムを採用しております。よって、運転席に人はおりません』
「へ、へぇ……」
ナンテスゴインダ。
私がシートベルトを締め、てつにもシートベルトの説明をして締めさせると、それを合図にか車は音もなく滑らかに発進し、坂を登っていく。そして登るうちに、だんだんと見えてきたのは……
「うわぁ……」
あの門構えと塀とに、なんの違和感も抱かせない、洋風な邸宅、もとい、大豪邸だった。
車は坂を登りきり、今度は緩やかに降りていく。そして豪邸の大きな扉の前で、停まった。
『どうぞ、お降り下さい』
そしてまた、自動で車のドアが開く。
「……」
そうだ、こんなん、タクシーだと思えばいいんだ。タクシーのドア、勝手に開閉するもん。
私とてつが降りると、車はまた勝手に動き出し、どこかへ行ってしまった。
どうすればいいんだろう。この、重厚そうな扉の、どこにインターホンがあるのかすら分からない。
と。
『いらっしゃい!』
「うわっ!」
天遠乃さんが、扉をすり抜けながら笑顔で迎えてくれた。
「ど、どうも……。遠野さんの家、初めて来ましたけど、ものすっごい大豪邸ですね……」
『そうなのよー。本家が金かけちゃったらしいのよ。まあ、入って入って』
天遠乃さんの言葉と共に、重そうな扉が音もなく開いていく。
遠野さんが開けているのか、と思ったら、そうじゃなかった。中に入って見渡したけど、天遠乃さん以外、この、恐らく玄関ホールと思われる場所には、誰もいない。そしてここも、すごく広い。
「……あの、遠野さんは……?」
『守弥はね、おもてなしの準備をしているわ』
「そうですか……」
ふわふわ浮かぶ天遠乃さんの、その笑顔に気が抜ける。
「で、どこに行きゃあいい? それとそろそろ、ここに来させた目的を聞かせてもらおうか」
『あ、それはね、もう少し待って。ドアが閉まっちゃってから、ね』
言われて、扉を見れば、ちょうど閉まるところだった。また音もなく閉じられた扉は、そのすぐ後に、僅かに機械音をさせて、沈黙した。
『よっしそれじゃあ、行きましょうか。ついてきてね』
天遠乃さんは、ふわり、と体を横回転させて向きを変える。そして、玄関ホールからいくつも繋がる豪華な通路──たぶん廊下──のうちの一つ、目の前にある、広い通路を、進んでいく。
ついてきてね、と言われたので、ついていくしかない。
『あのね、てつさん。今日ここに杏さんとてつさんを呼んだ理由なんだけどね』
ふわふわ飛ぶ天遠乃さんは、こちらをちらりと振り返り、
『杏さんに協力してもらって、私が守弥を、……生きてる人の体で、感じさせてもらうためなの』
「はあ?」
てつの眉間にシワが寄る。人間の姿でなければ、牙も剝いていたと思えるほど、圧が強まった。
「てつ、落ち着いて。危険な事じゃないから」
「詳しく説明しろ」
「……えーっと……」
どう言えばいいかな、と、少し悩んでいると。
『私が説明するわ』
と、天遠乃さんが、ここまでの経緯を話し始めた。
「……」
天遠乃さんが話していくうちに、どうしてか、だんだんとてつの顔が恐ろしくなっていく。気はそれほど変化していないけど、それは恐らく、あえて鎮めているのだと、肌で感じ取った。
「て、てつ……?」
「あ゛あ゛?」
もはやデスボイスだよ。何をそこまで。
『……本当、守弥の言った通りね。承知はしていたけれど』
「? どういう事ですか?」
天遠乃さんの言葉に、首を傾げると。
『えっとね。守弥はね、てつさんはこの話を聞いたら十中八九、怒って止めるだろうって、言ってたの』
「え、どうして」
「んなもん、お前の身が危険だからに決まってんだろうが」
吐き捨てるように言われたてつの台詞に、目を丸くする。
「え?」
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