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藍中平原の戦い その三
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「だ、誰か、奴を止められるものはおらんのか!」
呉珪は、目前に迫ってくる二千の騎馬隊――魏令隊に恐怖していた。もう、敵にぶつけられる騎馬は左翼軍にいない。歩兵に密集隊形を作らせようにも、その前に蹴散らされてしまう。歩兵の中には、馬を見ただけで恐怖のあまり逃げ出す者さえ少なくなかった。
驚くべきことに、魏令隊は、ただの一人も損失していなかった。先手必勝、敵の攻撃を受ける前に殆どが射倒されていたし、また反撃を受ける前に、それが届かない場所に走り去って、再度突撃を敢行する。それによって、霍軍は魏令隊の騎兵を一人たりとも討ち取ることができなかった。
魏令は、青ざめた顔で部下に指示を飛ばす男をその目に捉えた。その男こそ、霍左翼軍の大将、呉珪である。魏令は静かに矢を番えて引き絞り、放った。その矢は一直線に呉珪の顔面に飛び、深々と突き刺さった。呉珪は馬から転げ落ちて、そのまま物言わぬ骸となった。
「呉珪将軍が討ち取られた!」
霍左翼軍は、大将を討ち取られて、完全に沈黙した。彼らは自らの武器を捨て、戦意を喪失したことを示した。
霍中央軍は、統率者を失った梁中央軍をさんざんに打ち破った。しかし、反対に、梁の左右両翼も、霍の両翼を食い破り、その戦線を崩壊させていた。特に梁右翼の張章軍に襲われた霍左翼の呉珪軍は、大将の呉珪を失って降伏してしまった。
さらに、北側に回り込んだ田積軍が、霍軍の側面を強襲した。
「者共、食らいつくせ!」
猛将田積の軍は、まさしく野獣のように霍軍に食らいついた。軍自体が、一匹の巨大な虎であるかのようであった。その虎が、大口を開けて霍軍を噛み殺そうとしているのである。
「我らも後れをとるな!」
堅実に戦う趙殷の軍もまた、じわりじわりと、霍軍を押し込んでゆく。田積軍が虎であるなら、趙殷軍は蛇である。じっくり敵を絞め上げ、窒息させて呑み込んでゆくような攻め方であった。
敵総大将を討ったにもかかわらず、却って霍軍は張章軍、趙殷軍、田積軍に三方から攻撃されて苦境を迎えていた。
味方と合流することができた白姚は、馬栄の姿を探していた。馬栄の部隊は敵右翼を迎え撃ち、すでに敵本陣に切り込んでいた白姚の部隊ははぐれてしまったのである。
「馬栄校尉!」
白姚は声を振り絞って叫んだ。けれども、返事はない。嫌な予感が、胸を過ぎった。
「ああ、馬栄校尉か……」
一人の霍兵が、白姚に近づいてきた。
「馬栄校尉を知っているんですか!?」
「校尉は死んだよ……君は確か馬栄隊だったね」
それを聞いた時、白姚は、自分がどうやら震えているらしいことに気づいた。そして、その目からは、一筋、落涙していたことにも気づいたのである。
「そんな……校尉……」
自分たちはいま、戦争をしている。であるから、そういうことは往々にしてあるだろう。けれども、出撃前まで、あの好々爺然とした笑顔を見せていた老武人が、もうこの世にないということは、すぐには信じられなかった。
その、白姚の前方左側から、何かの音が聞こえた。白姚は、その音の主が何者であるか、すぐに把握した。
「梁軍か……!」
それは、敵襲を告げる地鳴りであった。悲嘆に暮れている暇を、敵は与えてくれなかったのである。張章軍が、霍中央軍を打ち破って、ついに白姚のいる場所まで攻め寄せてきたのであった。
「奴らめ……」
すでに全身の疲労は相当なものであったが、馬栄校尉が敵の手にかかって死んだことによる怒りが、白姚を突き動かした。襲いくる敵に向かって、白姚は剣を振るった。
「総員退却!」
総大将の呂徳は、これ以上戦うのは不可能と悟った。比較的後方の部隊から、背後の山地に向かって撤退を始めた。
「逃がすな! 追え!」
山地に逃れられる前に、一人でも多くの敵を削っておくべきだ。そう判断してか、梁軍は足の速い騎兵を繰り出して追撃にかかった。背を向けた霍軍の兵士を梁軍の騎兵は容赦なく狩ってゆく。霍兵はろくに抵抗もできぬまま、次々に戦場に斃れた。
白姚も味方と共に撤退を始めたが、そこに、騎兵が襲い掛かってきた。
「な……」
一人の騎兵が、こちらへ矢を向けてきた。その騎兵は、美しく澄み渡った、碧い瞳をしていた。その矢からは、どうにも逃れられそうにはない。そういったものを、ひしと感じ取った。今度こそ、白姚は自らの死を覚悟した。
「嫌だ……」
そうだ。自分はこのような所で死ぬわけにはいかない。自分には、郷里に残してきた妹がいるのだ。今やたった一人の家族となった、愛する妹が――そう思うと、急に体が軽くなったような気がした。矢の向いた先から射線を先読みし、矢が放たれる直前に、素早くその身を捻って回避行動をとった。
その手から、矢が離れた。矢は空気を切り裂き、一直線に飛んでくる。
「……はっ、よかった……」
矢は、すんでの所で白姚の脇をかすめ、虚しく空を切って地面に突き刺さった。助かったのだ。その騎兵はこちらを一瞥すると、高速で横合いを駆け抜けた。
「……ちっ」
矢を外した魏令は、歯を食いしばりながら舌打ちした。敵を射抜けなかった自分に対して、魏令は苛立っていた。よくよく見れば、先程射損じた相手は、自分の年の頃とも然程変わらないであろう、年若い少女だった。そういえば、国境沿いの山地で霍軍と戦った兵士が、敵兵の中に少女の姿を見たという話をしているらしい。きっと、その正体は、今の敵兵だったのではないか。
魏令はすでに多くの敵兵を射倒していたが、そのために、矢の消費も激しかった。折を見て、死んだ兵士の背負った矢筒から残された矢を失敬したりして矢を補充していたが、それが自軍の兵士のものであるならともかく、敵兵のものから拾うと、使い慣れた梁国の矢ではなく霍国で作られた矢であるが故に、微妙な作りの違いで違和感を感じてしまう。矢のせいにするつもりは毛頭なかったが、それでも少しく影響を及ぼしたのやも知れぬ、と考えた。
やはり、奴を殺さねばならない。そう思って、敵兵を続けざまに射倒した後、先程のあの少女を探した。が、その少女の姿は、すでになかった。軽歩兵は騎兵よりも目立たず重装歩兵よりも機敏であり、彼らの背後には茂みがある。小柄な少女であったから、そういった場所に隠れられれば容易には見つからない。上手く逃げおおせたのであろう
あの少女ばかりにも構ってはいられない。魏令は馬を走らせ、敵兵の背中を再び追い始めた。
白姚は、咄嗟に茂みに身を隠して敵の目を掻い潜った。日は、もう傾きかけていて、日没もそう遠くない。流石に夜になってまで追撃はしてこないだろうから、後はそのまま仲間と合流すればよかった。けれども合流する前に、敵に見つかってしまうかも知れない。特に、先程の、あの碧眼の騎兵だけには、絶対に会ってはいけない、と思った。次に会ったら、自分は殺される。あの矢に体を貫かれて、今度こそ命を落とすだろう。そうしたら、残された妹はどうなる。あの病がちで体の弱い妹を、一体誰が守ってやれるのだ。そう思うと、生きねばならぬ。絶対に、生きねばならぬ。そう一心、念じて、彼女は走り続けた。
仲間の逃げた方角へ、ひたすら進み続けた。赤く大きな、灼熱の太陽が、ゆらゆらと地平線の彼方へ没しようとしている。なるべく、夜闇が空を覆ってしまう前に、仲間と合流したかった。
その視線の向こうに、豆粒のようなものであったが、仲間の背が見えた。急いで、そちらへ駆け出そうとした。その時であった。
「……騎兵!」
馬のいななきが、白姚の耳に聞こえた。その左方に、梁の騎兵が十騎ほど屯して、左右を見渡しているのが見えた。咄嗟に、茂みの中に身をかがめた。血に飢えた梁の騎兵たちは、敵の姿を求めてうろうろとしている。白姚はじっと耐え忍んだ。たとえ、あの碧眼の悪鬼でなかったとしても、梁の騎兵は強い。それを一人で複数相手にするのは、白姚であっても無謀というより他はない。
「退却!」
日没が迫ってきているからであろうか、彼らに退却の令が伝わり、梁の騎兵たちが去っていく。白姚はそれを見届けると、再び仲間の背を追い始めた。
仲間の背は、先にも増して小さくなっている。白姚は必死で走った。もう、太陽は、その身の殆どを地平線へとどっぷり浸け込んでいて、最早一片の残光を僅かに残すのみであった。
不思議と、疲労は感じなかった。もう、そういった感覚は、すでに麻痺しきってしまったのであろう。白姚は風のように走り、前方に見える友軍兵との距離を縮めていく。彼女が友軍の部隊と合流できたのは、太陽が彼方に没する、そのまさに直前のことであった。
これが、魏令と白姚の、初めての会戦であった。
呉珪は、目前に迫ってくる二千の騎馬隊――魏令隊に恐怖していた。もう、敵にぶつけられる騎馬は左翼軍にいない。歩兵に密集隊形を作らせようにも、その前に蹴散らされてしまう。歩兵の中には、馬を見ただけで恐怖のあまり逃げ出す者さえ少なくなかった。
驚くべきことに、魏令隊は、ただの一人も損失していなかった。先手必勝、敵の攻撃を受ける前に殆どが射倒されていたし、また反撃を受ける前に、それが届かない場所に走り去って、再度突撃を敢行する。それによって、霍軍は魏令隊の騎兵を一人たりとも討ち取ることができなかった。
魏令は、青ざめた顔で部下に指示を飛ばす男をその目に捉えた。その男こそ、霍左翼軍の大将、呉珪である。魏令は静かに矢を番えて引き絞り、放った。その矢は一直線に呉珪の顔面に飛び、深々と突き刺さった。呉珪は馬から転げ落ちて、そのまま物言わぬ骸となった。
「呉珪将軍が討ち取られた!」
霍左翼軍は、大将を討ち取られて、完全に沈黙した。彼らは自らの武器を捨て、戦意を喪失したことを示した。
霍中央軍は、統率者を失った梁中央軍をさんざんに打ち破った。しかし、反対に、梁の左右両翼も、霍の両翼を食い破り、その戦線を崩壊させていた。特に梁右翼の張章軍に襲われた霍左翼の呉珪軍は、大将の呉珪を失って降伏してしまった。
さらに、北側に回り込んだ田積軍が、霍軍の側面を強襲した。
「者共、食らいつくせ!」
猛将田積の軍は、まさしく野獣のように霍軍に食らいついた。軍自体が、一匹の巨大な虎であるかのようであった。その虎が、大口を開けて霍軍を噛み殺そうとしているのである。
「我らも後れをとるな!」
堅実に戦う趙殷の軍もまた、じわりじわりと、霍軍を押し込んでゆく。田積軍が虎であるなら、趙殷軍は蛇である。じっくり敵を絞め上げ、窒息させて呑み込んでゆくような攻め方であった。
敵総大将を討ったにもかかわらず、却って霍軍は張章軍、趙殷軍、田積軍に三方から攻撃されて苦境を迎えていた。
味方と合流することができた白姚は、馬栄の姿を探していた。馬栄の部隊は敵右翼を迎え撃ち、すでに敵本陣に切り込んでいた白姚の部隊ははぐれてしまったのである。
「馬栄校尉!」
白姚は声を振り絞って叫んだ。けれども、返事はない。嫌な予感が、胸を過ぎった。
「ああ、馬栄校尉か……」
一人の霍兵が、白姚に近づいてきた。
「馬栄校尉を知っているんですか!?」
「校尉は死んだよ……君は確か馬栄隊だったね」
それを聞いた時、白姚は、自分がどうやら震えているらしいことに気づいた。そして、その目からは、一筋、落涙していたことにも気づいたのである。
「そんな……校尉……」
自分たちはいま、戦争をしている。であるから、そういうことは往々にしてあるだろう。けれども、出撃前まで、あの好々爺然とした笑顔を見せていた老武人が、もうこの世にないということは、すぐには信じられなかった。
その、白姚の前方左側から、何かの音が聞こえた。白姚は、その音の主が何者であるか、すぐに把握した。
「梁軍か……!」
それは、敵襲を告げる地鳴りであった。悲嘆に暮れている暇を、敵は与えてくれなかったのである。張章軍が、霍中央軍を打ち破って、ついに白姚のいる場所まで攻め寄せてきたのであった。
「奴らめ……」
すでに全身の疲労は相当なものであったが、馬栄校尉が敵の手にかかって死んだことによる怒りが、白姚を突き動かした。襲いくる敵に向かって、白姚は剣を振るった。
「総員退却!」
総大将の呂徳は、これ以上戦うのは不可能と悟った。比較的後方の部隊から、背後の山地に向かって撤退を始めた。
「逃がすな! 追え!」
山地に逃れられる前に、一人でも多くの敵を削っておくべきだ。そう判断してか、梁軍は足の速い騎兵を繰り出して追撃にかかった。背を向けた霍軍の兵士を梁軍の騎兵は容赦なく狩ってゆく。霍兵はろくに抵抗もできぬまま、次々に戦場に斃れた。
白姚も味方と共に撤退を始めたが、そこに、騎兵が襲い掛かってきた。
「な……」
一人の騎兵が、こちらへ矢を向けてきた。その騎兵は、美しく澄み渡った、碧い瞳をしていた。その矢からは、どうにも逃れられそうにはない。そういったものを、ひしと感じ取った。今度こそ、白姚は自らの死を覚悟した。
「嫌だ……」
そうだ。自分はこのような所で死ぬわけにはいかない。自分には、郷里に残してきた妹がいるのだ。今やたった一人の家族となった、愛する妹が――そう思うと、急に体が軽くなったような気がした。矢の向いた先から射線を先読みし、矢が放たれる直前に、素早くその身を捻って回避行動をとった。
その手から、矢が離れた。矢は空気を切り裂き、一直線に飛んでくる。
「……はっ、よかった……」
矢は、すんでの所で白姚の脇をかすめ、虚しく空を切って地面に突き刺さった。助かったのだ。その騎兵はこちらを一瞥すると、高速で横合いを駆け抜けた。
「……ちっ」
矢を外した魏令は、歯を食いしばりながら舌打ちした。敵を射抜けなかった自分に対して、魏令は苛立っていた。よくよく見れば、先程射損じた相手は、自分の年の頃とも然程変わらないであろう、年若い少女だった。そういえば、国境沿いの山地で霍軍と戦った兵士が、敵兵の中に少女の姿を見たという話をしているらしい。きっと、その正体は、今の敵兵だったのではないか。
魏令はすでに多くの敵兵を射倒していたが、そのために、矢の消費も激しかった。折を見て、死んだ兵士の背負った矢筒から残された矢を失敬したりして矢を補充していたが、それが自軍の兵士のものであるならともかく、敵兵のものから拾うと、使い慣れた梁国の矢ではなく霍国で作られた矢であるが故に、微妙な作りの違いで違和感を感じてしまう。矢のせいにするつもりは毛頭なかったが、それでも少しく影響を及ぼしたのやも知れぬ、と考えた。
やはり、奴を殺さねばならない。そう思って、敵兵を続けざまに射倒した後、先程のあの少女を探した。が、その少女の姿は、すでになかった。軽歩兵は騎兵よりも目立たず重装歩兵よりも機敏であり、彼らの背後には茂みがある。小柄な少女であったから、そういった場所に隠れられれば容易には見つからない。上手く逃げおおせたのであろう
あの少女ばかりにも構ってはいられない。魏令は馬を走らせ、敵兵の背中を再び追い始めた。
白姚は、咄嗟に茂みに身を隠して敵の目を掻い潜った。日は、もう傾きかけていて、日没もそう遠くない。流石に夜になってまで追撃はしてこないだろうから、後はそのまま仲間と合流すればよかった。けれども合流する前に、敵に見つかってしまうかも知れない。特に、先程の、あの碧眼の騎兵だけには、絶対に会ってはいけない、と思った。次に会ったら、自分は殺される。あの矢に体を貫かれて、今度こそ命を落とすだろう。そうしたら、残された妹はどうなる。あの病がちで体の弱い妹を、一体誰が守ってやれるのだ。そう思うと、生きねばならぬ。絶対に、生きねばならぬ。そう一心、念じて、彼女は走り続けた。
仲間の逃げた方角へ、ひたすら進み続けた。赤く大きな、灼熱の太陽が、ゆらゆらと地平線の彼方へ没しようとしている。なるべく、夜闇が空を覆ってしまう前に、仲間と合流したかった。
その視線の向こうに、豆粒のようなものであったが、仲間の背が見えた。急いで、そちらへ駆け出そうとした。その時であった。
「……騎兵!」
馬のいななきが、白姚の耳に聞こえた。その左方に、梁の騎兵が十騎ほど屯して、左右を見渡しているのが見えた。咄嗟に、茂みの中に身をかがめた。血に飢えた梁の騎兵たちは、敵の姿を求めてうろうろとしている。白姚はじっと耐え忍んだ。たとえ、あの碧眼の悪鬼でなかったとしても、梁の騎兵は強い。それを一人で複数相手にするのは、白姚であっても無謀というより他はない。
「退却!」
日没が迫ってきているからであろうか、彼らに退却の令が伝わり、梁の騎兵たちが去っていく。白姚はそれを見届けると、再び仲間の背を追い始めた。
仲間の背は、先にも増して小さくなっている。白姚は必死で走った。もう、太陽は、その身の殆どを地平線へとどっぷり浸け込んでいて、最早一片の残光を僅かに残すのみであった。
不思議と、疲労は感じなかった。もう、そういった感覚は、すでに麻痺しきってしまったのであろう。白姚は風のように走り、前方に見える友軍兵との距離を縮めていく。彼女が友軍の部隊と合流できたのは、太陽が彼方に没する、そのまさに直前のことであった。
これが、魏令と白姚の、初めての会戦であった。
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