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3章 歓びの里 [鳥の妻恋]編
3-17 責任取らしてくれ
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長らくお待たせしました。
覚えていてくださったら、嬉しいです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お、おま・オマエ…っ、俺にちゅ・ちゅ、ちゅう。チュー!?! チューって…っ!」
たしか目の前にいるのは猫のはず――なのだが、なぜか急にチューチュー言い出した。
全身の毛を逆立て、呼吸も荒い。
落ち着かせようと、フェイバリットは膨れ上がった背中に手をかけ、そっと毛を撫でつける。
尻尾を見れば、まるで埃を払う時に使う叩きのようになっている。
「な、なんでお前、そそそんな落ち着いてんのや?! まさかもう経験済みなんか? 慣れとんのか? そうなんか??」
きっとこちらを見上げると、黒猫がぐいっと首を伸ばして顔をのぞき込んでくる。
もちろんフェイバリットとてこれが正真正銘、初めてである。慌ててふるふると首を横に振って返す。
それを見て、あからさまに黒猫がホッとした顔になる。フェイバリットがなぜこれほど平然としているのかと言うと、まともにぶちゅっといったように感じなかったからだ。
おそらく触れたと言っても端っこを掠めただけ。しかもほんの一瞬だったように思う。だからだろう――そもそも相手は可愛い見目をした猫だ。
「そ、そか…お前の初めても俺か。俺もこれが初めてや」
艷やかな黒い被毛に覆われて、顔色こそわからないが、声で小さな獣が恥じらっているのがわかる。
「俺――初めての時は、好きな子と思いっきり浪漫的に決めよて、ずっと思い描いとったんや…想像しとったのとだいぶ違おてしもたけど・な」
俯き加減、後頭部を見せて、黒猫がもじもじする。その初々しくも愛らしい姿に思わず笑みがこぼれそうになり、はっとフェイバリットは顔を引き締める。
危ない危ない。見苦しいものを見せて、相手の気分を害してしまうところだった。
「お前はどうやった? い、イヤやったか?」
不安げな瞳が上目遣いに見る。声にはこちらを気遣う響きが混じっていた。
嫌も何も、やらかしたのはフェイバリットだ。黒猫にとっては降って湧いた災難もいいところだろう。なにしろ寝込みを襲ったも同然なのだから。
むしろ嫌な思いをさせたと、まっ先に相手に詫びるべきだったはず。無意識に、服の上からぎゅっと左腕を掴む。
黒猫と友達になれたことが嬉しくて忘れていたが、この身には不吉な印が刻み込まれている。そっと髪をひと房つまんで確かめるも、白い髪色はそのままだ。
――この印も身にまとうこの色も、神に与えられたもの。そう言われても、到底祝福のようには思えない。
いまだに白い髪も血のように赤い瞳にも慣れない。なんなら禍々しさをこの色から感じ取ってしまうほど――嫌悪、それしかない。
「――ごめんね…? こんなのが相手で…」
さぞ落胆しただろう。謝って許されることではないが、他に詫びる方法を思いつかない。
「!――こんなのとちゃう。お前は、俺の女神や!」
『女神』という言葉に、フェイバリットの目が真ん丸になる。それを見て、はっとした黒猫が照れ隠しのように小さく咳払いをする。
「…お前は綺麗やから安心し。――その白い髪も赤い瞳も、俺は好きや。そやからそんなふうに自分のことを言わんとってくれ」
――いつだってこの黒猫の言葉は優しい。
「…ありがとう…」
じわりと瞳に涙の膜が張るのを感じ、慌ててシパシパと瞬く。
「泣きたかったら泣いてええんやで?」
すかさず黒猫が言った。辺りはまだ薄暗いというのに、どうやら夜目の利く彼にはお見通しらしい。
「泣くのは元気な証拠。おっきい声を上げて泣く赤ん坊はよお育つからな!」
赤ちゃん?
そう言われると、なんとも複雑な気分だ。ジトリとしたフェイバリットの眼差しには気づかず、黒猫はなぜかそこでエヘンと胸を張る。
「ほら昔から言うやろ? “泣く子は育つ”って」
「…あ」
思わず声が洩れた。それはつい昼間、聞いたばかりのような気がする。どんな時にその話が出たのだったか。あれは――たしか。思い出そうとした、その時。
「どないしたんや?」
思考に声が被さった。はっと意識が引き戻されると、視界には不思議そうに首をかしげる黒猫の姿があった。
こうして話している間にも夜は刻々と明けつつある。辺りはいつのまにかずいぶん明るくなっていた。
こちらを見上げる瞳が真ん丸――そんなものがわかるぐらいに。その顔に、なんでもないというように首を振る。
その時、窓から朝の最初の光が射し込んだ。どちらともなく窓の外に目をやる。
「もう朝やなぁ」
「うん、朝だね」
友達と朝を共に迎えた。大袈裟でなく人生で初めての経験だ。そう思うと急に嬉しさが強く募り、黒猫に向かってうっかり満面の笑みを――浮かべてしまった。
あっと思った時には遅かった。瞬間、黒猫の体がカチンと固まるのがわかった。
(やってしまった)
笑顔を見せないよう気をつけていたのに。叱られた子供のように、フェイバリットはぎゅっと目を瞑って首を竦める。
「――好きや」
小さなつぶやきが敷布にぽろりと落ちる。恐る恐る目を開けると、黒猫の強い眼差しとまともにぶつかった。
「……え?」
好き? 今そう言ったのだろうか? 問うように黒猫をじっと見つめると、慌てたように黒猫が首を振る。
「あ――いや、お前の顔! その・ワロタ顔が好きや――そう思たらポロリと口から出てしもてん――」
「あ、そ・そうなんだね」
「そ・そそやねん」
あまりにも真剣な声音だったので、フェイバリットの胸は今も少しドキドキしている。
互いにぎこちなくひとしきり笑い合うも。次の瞬間、黒猫ががばりと顔から敷布に突っ伏した。
「いや――そやないやろがっ。あ――めっちゃ俺カッコ悪ぅ…。賽はもう投げられたんや――後戻りは出来へん――もとよりする気もない。怯むな俺」
敷布になにごとかをつぶやいていた黒猫の顔が、ゆっくりと持ち上がる。
「責任取らしてくれ」
「へ?」
責任?
黒猫の眼差しは怖いくらい真剣だ。雰囲気に呑まれて、ついつい頷いてしまいそうになる――だが。
わけがわからないまま頷くのはダメなこと。そう教えてくれたのは他でもない黒猫だ。
これ以上、信頼する相手の助言を蔑ろにしたくない。頷きかけて、ピタリとフェイバリットは動きを止める。
「せ・責任って? なんで?」
「そんなん決まっとる。お前の唇を奪った責任や。そやからけじめをつけてキッチリ結婚する」
「け…っ?!」
「結婚――て自分はまだ知らんのか。『結婚』っちゅうのは夫婦になること。互いを番いとして一生添い遂げることや」
夫婦? 添い遂げる? 想像もつかない言葉に頭が追いつかない。
「初めての口づけは特別や。それを俺がもろたんや。責任取るのは当然やろ。…それにお・俺も、初めて口づけした子と一緒になるのが昔っからのゆ・夢やったし?」
熱っぽく黒猫が語る。
唇を奪ったと言うならそれはフェイバリットの方だ。実は自分はとんでもないことをしでかしたのではないかと、遅ればせながらに気づく。
「あ――あの――」
「俺のこと…嫌いか?」
熱を孕んだ眼差しで、黒猫がにじり寄ってくる。その場に縫い取られたように、フェイバリットは動けない。
「嫌いなんかじゃない…でも」
「ほな、“うん”って言うてくれ。頷くだけでもええ」
至近距離から黒猫が囁くように懇願する。もはやフェイバリットは混乱の極みにあった。だって黒猫と夫婦になるだなんて――そもそも猫と人との婚姻はアリなのか?
フェイバリットの瞳をちらりとのぞき込んで、黒猫がパチパチと目を瞬かせる。
「猫相手はさすがに厳しいか。自分、ホンマ便利な顔してるなあ。喋らんでもめっちゃ伝わるわ」
糸のように目を細めて、ふはっと笑い声を洩らす。ぐっと上を向いたヒゲは、猫がご機嫌な証拠だ。
それがフェイバリットの頬にさわさわと触れるたび、くすぐったくて思わず首を竦めてしまう。裏を返せばそれほどまでに距離が近い。
「ま――そらそうや。お前の言う通り、猫と結婚なんて、マトモな頭の持ち主やったらそら悩むわなあ。けど――その心配はいらん」
言うなり、小さな前脚がフェイバリットの鎖骨辺りをトンと押す。本当に軽~く、丸い足裏が触れただけ――なのに気がつくともう仰向けに寝台に横たわっていた。
視界には、天井が映っている。
「――へ?」
今、自分は押し倒されたのか?
反射的に起き上がろうと四肢に力を込めるも、その前に覆い被さるように誰かがのしかかってきた。
“人”――だ。見知らぬ少年が、自分の顔をのぞきこんでいる。
目が合うと、笑ったのか黒い瞳が細くなる。
「どや。猫やないやろ。安心したか?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただき、ありがとうございます。
お待たせしてしまい、本当に申し訳ありません。
思い入れが強い回で、何度書き直したことやら…(-_-;)
ひとまず、なんとか着地しました。
覚えていてくださったら、嬉しいです。
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「お、おま・オマエ…っ、俺にちゅ・ちゅ、ちゅう。チュー!?! チューって…っ!」
たしか目の前にいるのは猫のはず――なのだが、なぜか急にチューチュー言い出した。
全身の毛を逆立て、呼吸も荒い。
落ち着かせようと、フェイバリットは膨れ上がった背中に手をかけ、そっと毛を撫でつける。
尻尾を見れば、まるで埃を払う時に使う叩きのようになっている。
「な、なんでお前、そそそんな落ち着いてんのや?! まさかもう経験済みなんか? 慣れとんのか? そうなんか??」
きっとこちらを見上げると、黒猫がぐいっと首を伸ばして顔をのぞき込んでくる。
もちろんフェイバリットとてこれが正真正銘、初めてである。慌ててふるふると首を横に振って返す。
それを見て、あからさまに黒猫がホッとした顔になる。フェイバリットがなぜこれほど平然としているのかと言うと、まともにぶちゅっといったように感じなかったからだ。
おそらく触れたと言っても端っこを掠めただけ。しかもほんの一瞬だったように思う。だからだろう――そもそも相手は可愛い見目をした猫だ。
「そ、そか…お前の初めても俺か。俺もこれが初めてや」
艷やかな黒い被毛に覆われて、顔色こそわからないが、声で小さな獣が恥じらっているのがわかる。
「俺――初めての時は、好きな子と思いっきり浪漫的に決めよて、ずっと思い描いとったんや…想像しとったのとだいぶ違おてしもたけど・な」
俯き加減、後頭部を見せて、黒猫がもじもじする。その初々しくも愛らしい姿に思わず笑みがこぼれそうになり、はっとフェイバリットは顔を引き締める。
危ない危ない。見苦しいものを見せて、相手の気分を害してしまうところだった。
「お前はどうやった? い、イヤやったか?」
不安げな瞳が上目遣いに見る。声にはこちらを気遣う響きが混じっていた。
嫌も何も、やらかしたのはフェイバリットだ。黒猫にとっては降って湧いた災難もいいところだろう。なにしろ寝込みを襲ったも同然なのだから。
むしろ嫌な思いをさせたと、まっ先に相手に詫びるべきだったはず。無意識に、服の上からぎゅっと左腕を掴む。
黒猫と友達になれたことが嬉しくて忘れていたが、この身には不吉な印が刻み込まれている。そっと髪をひと房つまんで確かめるも、白い髪色はそのままだ。
――この印も身にまとうこの色も、神に与えられたもの。そう言われても、到底祝福のようには思えない。
いまだに白い髪も血のように赤い瞳にも慣れない。なんなら禍々しさをこの色から感じ取ってしまうほど――嫌悪、それしかない。
「――ごめんね…? こんなのが相手で…」
さぞ落胆しただろう。謝って許されることではないが、他に詫びる方法を思いつかない。
「!――こんなのとちゃう。お前は、俺の女神や!」
『女神』という言葉に、フェイバリットの目が真ん丸になる。それを見て、はっとした黒猫が照れ隠しのように小さく咳払いをする。
「…お前は綺麗やから安心し。――その白い髪も赤い瞳も、俺は好きや。そやからそんなふうに自分のことを言わんとってくれ」
――いつだってこの黒猫の言葉は優しい。
「…ありがとう…」
じわりと瞳に涙の膜が張るのを感じ、慌ててシパシパと瞬く。
「泣きたかったら泣いてええんやで?」
すかさず黒猫が言った。辺りはまだ薄暗いというのに、どうやら夜目の利く彼にはお見通しらしい。
「泣くのは元気な証拠。おっきい声を上げて泣く赤ん坊はよお育つからな!」
赤ちゃん?
そう言われると、なんとも複雑な気分だ。ジトリとしたフェイバリットの眼差しには気づかず、黒猫はなぜかそこでエヘンと胸を張る。
「ほら昔から言うやろ? “泣く子は育つ”って」
「…あ」
思わず声が洩れた。それはつい昼間、聞いたばかりのような気がする。どんな時にその話が出たのだったか。あれは――たしか。思い出そうとした、その時。
「どないしたんや?」
思考に声が被さった。はっと意識が引き戻されると、視界には不思議そうに首をかしげる黒猫の姿があった。
こうして話している間にも夜は刻々と明けつつある。辺りはいつのまにかずいぶん明るくなっていた。
こちらを見上げる瞳が真ん丸――そんなものがわかるぐらいに。その顔に、なんでもないというように首を振る。
その時、窓から朝の最初の光が射し込んだ。どちらともなく窓の外に目をやる。
「もう朝やなぁ」
「うん、朝だね」
友達と朝を共に迎えた。大袈裟でなく人生で初めての経験だ。そう思うと急に嬉しさが強く募り、黒猫に向かってうっかり満面の笑みを――浮かべてしまった。
あっと思った時には遅かった。瞬間、黒猫の体がカチンと固まるのがわかった。
(やってしまった)
笑顔を見せないよう気をつけていたのに。叱られた子供のように、フェイバリットはぎゅっと目を瞑って首を竦める。
「――好きや」
小さなつぶやきが敷布にぽろりと落ちる。恐る恐る目を開けると、黒猫の強い眼差しとまともにぶつかった。
「……え?」
好き? 今そう言ったのだろうか? 問うように黒猫をじっと見つめると、慌てたように黒猫が首を振る。
「あ――いや、お前の顔! その・ワロタ顔が好きや――そう思たらポロリと口から出てしもてん――」
「あ、そ・そうなんだね」
「そ・そそやねん」
あまりにも真剣な声音だったので、フェイバリットの胸は今も少しドキドキしている。
互いにぎこちなくひとしきり笑い合うも。次の瞬間、黒猫ががばりと顔から敷布に突っ伏した。
「いや――そやないやろがっ。あ――めっちゃ俺カッコ悪ぅ…。賽はもう投げられたんや――後戻りは出来へん――もとよりする気もない。怯むな俺」
敷布になにごとかをつぶやいていた黒猫の顔が、ゆっくりと持ち上がる。
「責任取らしてくれ」
「へ?」
責任?
黒猫の眼差しは怖いくらい真剣だ。雰囲気に呑まれて、ついつい頷いてしまいそうになる――だが。
わけがわからないまま頷くのはダメなこと。そう教えてくれたのは他でもない黒猫だ。
これ以上、信頼する相手の助言を蔑ろにしたくない。頷きかけて、ピタリとフェイバリットは動きを止める。
「せ・責任って? なんで?」
「そんなん決まっとる。お前の唇を奪った責任や。そやからけじめをつけてキッチリ結婚する」
「け…っ?!」
「結婚――て自分はまだ知らんのか。『結婚』っちゅうのは夫婦になること。互いを番いとして一生添い遂げることや」
夫婦? 添い遂げる? 想像もつかない言葉に頭が追いつかない。
「初めての口づけは特別や。それを俺がもろたんや。責任取るのは当然やろ。…それにお・俺も、初めて口づけした子と一緒になるのが昔っからのゆ・夢やったし?」
熱っぽく黒猫が語る。
唇を奪ったと言うならそれはフェイバリットの方だ。実は自分はとんでもないことをしでかしたのではないかと、遅ればせながらに気づく。
「あ――あの――」
「俺のこと…嫌いか?」
熱を孕んだ眼差しで、黒猫がにじり寄ってくる。その場に縫い取られたように、フェイバリットは動けない。
「嫌いなんかじゃない…でも」
「ほな、“うん”って言うてくれ。頷くだけでもええ」
至近距離から黒猫が囁くように懇願する。もはやフェイバリットは混乱の極みにあった。だって黒猫と夫婦になるだなんて――そもそも猫と人との婚姻はアリなのか?
フェイバリットの瞳をちらりとのぞき込んで、黒猫がパチパチと目を瞬かせる。
「猫相手はさすがに厳しいか。自分、ホンマ便利な顔してるなあ。喋らんでもめっちゃ伝わるわ」
糸のように目を細めて、ふはっと笑い声を洩らす。ぐっと上を向いたヒゲは、猫がご機嫌な証拠だ。
それがフェイバリットの頬にさわさわと触れるたび、くすぐったくて思わず首を竦めてしまう。裏を返せばそれほどまでに距離が近い。
「ま――そらそうや。お前の言う通り、猫と結婚なんて、マトモな頭の持ち主やったらそら悩むわなあ。けど――その心配はいらん」
言うなり、小さな前脚がフェイバリットの鎖骨辺りをトンと押す。本当に軽~く、丸い足裏が触れただけ――なのに気がつくともう仰向けに寝台に横たわっていた。
視界には、天井が映っている。
「――へ?」
今、自分は押し倒されたのか?
反射的に起き上がろうと四肢に力を込めるも、その前に覆い被さるように誰かがのしかかってきた。
“人”――だ。見知らぬ少年が、自分の顔をのぞきこんでいる。
目が合うと、笑ったのか黒い瞳が細くなる。
「どや。猫やないやろ。安心したか?」
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読んでいただき、ありがとうございます。
お待たせしてしまい、本当に申し訳ありません。
思い入れが強い回で、何度書き直したことやら…(-_-;)
ひとまず、なんとか着地しました。
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