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初日異世界サバイバル
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ついにやって来た異世界。ヒロキは辺りを見回す、どうやらここは森の中らしい少し先に踏み固められた道が見えた。水の流れる音がするので川も近い。
少し肌寒い、ヒロキは自分の格好を見てみると下着しか身に付けてなかった。あと足元に何かある。辺りは薄暗いので見落としそうだったが、バッグのようだ良く見てみると何故かうっすら桜のマークが入っている。
「雑嚢?なんでこんな物が・・・。」そう呟くと頭の中に声が響いた。管理者の声である。
「聞こえるか?申し訳ないが服装を設定するのを忘れていたのでお前の過去の中でイメージの強い使い慣れてそうな物を一緒に送っておいたので使うが良いせめてもの餞別じゃ。」そう言うと声が聞こえなくなった。
ヒロキは中を確認してみる。入っていた物は緑色(OD色)の作業着が上下2着、合皮のブーツ(編上靴)1足、ブーツバンドが4本、弾帯が1本、黒い靴下が2足、U首シャツ2着、水筒、軍手、銃剣が1つずつあとは作業着と同じ色の帽子と布ベルト、ヘルメット(ライナー)紺のナイロンコート、小さな背嚢があった。
「懐かしい・・・。行軍セットかよ。」といいながら着替えた。作業着に弾帯を腰に巻き、弾帯には水筒と銃剣を装着した。着替え終わると改めて注意深く辺りを見渡すと森だから当然なのだが色々な木が生い茂っている。見覚えのある木が近くには沢山あった。ただ学者ではないので良くわからないが植生はなんとなく滅茶苦茶にかんじる。クヌギやブナがあるかと思えば白樺があったり、ヒノキや楓に竹まである。あとは目につくのは肉厚の艶のある葉を持つ木が割りと多く見かけたがどういう木なのかどうしても思い出せなかった。
植物の軽い観察を終えて更に地形を見るとゆるい傾斜になっていた。あとは斜面上方50メートル程先に高さ目算で10メートルの大きな岩があった。登れば辺りを見渡せそうなので登ってみると遠くに灯りらしき物が見えた。あと意外なことに川はけっこう近くにあった。さっそく川辺に行き水筒に水を汲んだ。水分の確保はサバイバルの基本である。
ヒロキはすぐに飲もうとしたが躊躇った。登山等で今までの経験上、生水にあまり良い思い出が無い。大丈夫だとは思いたいが経験が邪魔をする。焚き火で煮沸すれば良いのだが、生憎回りの枯れ枝や落ち葉は露で湿ってしまっていた。魔法の行使も頭に浮かんだがそもそもまだ使い方がわからない。
そんなことを思っているうちに視界に白樺が入る。確か白樺の樹液が飲めるはずだ。実際に北海道に住んでいたころ遊びで実践したことがあるのを思い出した。味も木によって当たり外れがあるが薄いスポーツドリンクのような味がしたものである。あらためて白樺を見上げると葉はちょうど芽吹いたばかりのようだ。このことから季節はおそらく春だと予想がついた。ならば味は問題無いはずである。 あとは木に筒のような物を刺して水筒で受ければ良いのだが自分の持ち物に筒が無い。
だが、これはすぐに解決した。近くに竹が生えていたので細い竹の一節を筒がわりにして太い節を水筒に加工することにした。切れ味は鈍いが銃剣でなんとか竹を伐採し、細い節の両端を斜めにカットして白樺の幹に刺し入れて竹の水筒を筒の先端に掛けた。明日には白樺飲料の出来上がりである。他にも4本ほど近くに白樺があったので同じように設置した。
作業をするしている間にすっかり暗くなってしまったので近くにあった大木の虚に入り雑嚢を枕にしてコートを被り明るくなるまで寝ることにした。こうして異世界初日は終了した。
少し肌寒い、ヒロキは自分の格好を見てみると下着しか身に付けてなかった。あと足元に何かある。辺りは薄暗いので見落としそうだったが、バッグのようだ良く見てみると何故かうっすら桜のマークが入っている。
「雑嚢?なんでこんな物が・・・。」そう呟くと頭の中に声が響いた。管理者の声である。
「聞こえるか?申し訳ないが服装を設定するのを忘れていたのでお前の過去の中でイメージの強い使い慣れてそうな物を一緒に送っておいたので使うが良いせめてもの餞別じゃ。」そう言うと声が聞こえなくなった。
ヒロキは中を確認してみる。入っていた物は緑色(OD色)の作業着が上下2着、合皮のブーツ(編上靴)1足、ブーツバンドが4本、弾帯が1本、黒い靴下が2足、U首シャツ2着、水筒、軍手、銃剣が1つずつあとは作業着と同じ色の帽子と布ベルト、ヘルメット(ライナー)紺のナイロンコート、小さな背嚢があった。
「懐かしい・・・。行軍セットかよ。」といいながら着替えた。作業着に弾帯を腰に巻き、弾帯には水筒と銃剣を装着した。着替え終わると改めて注意深く辺りを見渡すと森だから当然なのだが色々な木が生い茂っている。見覚えのある木が近くには沢山あった。ただ学者ではないので良くわからないが植生はなんとなく滅茶苦茶にかんじる。クヌギやブナがあるかと思えば白樺があったり、ヒノキや楓に竹まである。あとは目につくのは肉厚の艶のある葉を持つ木が割りと多く見かけたがどういう木なのかどうしても思い出せなかった。
植物の軽い観察を終えて更に地形を見るとゆるい傾斜になっていた。あとは斜面上方50メートル程先に高さ目算で10メートルの大きな岩があった。登れば辺りを見渡せそうなので登ってみると遠くに灯りらしき物が見えた。あと意外なことに川はけっこう近くにあった。さっそく川辺に行き水筒に水を汲んだ。水分の確保はサバイバルの基本である。
ヒロキはすぐに飲もうとしたが躊躇った。登山等で今までの経験上、生水にあまり良い思い出が無い。大丈夫だとは思いたいが経験が邪魔をする。焚き火で煮沸すれば良いのだが、生憎回りの枯れ枝や落ち葉は露で湿ってしまっていた。魔法の行使も頭に浮かんだがそもそもまだ使い方がわからない。
そんなことを思っているうちに視界に白樺が入る。確か白樺の樹液が飲めるはずだ。実際に北海道に住んでいたころ遊びで実践したことがあるのを思い出した。味も木によって当たり外れがあるが薄いスポーツドリンクのような味がしたものである。あらためて白樺を見上げると葉はちょうど芽吹いたばかりのようだ。このことから季節はおそらく春だと予想がついた。ならば味は問題無いはずである。 あとは木に筒のような物を刺して水筒で受ければ良いのだが自分の持ち物に筒が無い。
だが、これはすぐに解決した。近くに竹が生えていたので細い竹の一節を筒がわりにして太い節を水筒に加工することにした。切れ味は鈍いが銃剣でなんとか竹を伐採し、細い節の両端を斜めにカットして白樺の幹に刺し入れて竹の水筒を筒の先端に掛けた。明日には白樺飲料の出来上がりである。他にも4本ほど近くに白樺があったので同じように設置した。
作業をするしている間にすっかり暗くなってしまったので近くにあった大木の虚に入り雑嚢を枕にしてコートを被り明るくなるまで寝ることにした。こうして異世界初日は終了した。
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