異世界転生興国記

青井群青

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屋台開店!

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 ヒロキは屋台の開店準備を進めていく。まずはマグナミアで収穫されたサツマイモを軽く水洗いをしてナイフで輪切りにしていく。次に借りた調理用のボウルに小麦粉と卵に水を入れて混ぜ合わせて即席の天ぷら衣を作り、大きめの中華鍋のようなものにパーム油を入れて加熱して輪切りのサツマイモを次々と揚げていく。要するにただのイモ天である。ヒロキは単純に自分が食べたかったので作ってみたでけであるが揚がったイモ天を一つ試食してみると表面はサクサク、中はホクホクしていてほんのりと甘い。我慢しないと結構食べてしまいそうである。とても名残惜しいが、揚げ終わったイモ天を用意していた竹串一本につき三枚のイモ天を刺していく。とりあえず30串を作り置いたところで開店準備を終えた。

 ヒロキが開店準備を終えて顔を上げると既に客が5人待っていた。周囲には似たような屋台が主に肉の串焼きを販売していたのでついでに立ち寄ったらしい。最悪客が寄り付かなければ、呼び込みもする予定だったので嬉しい誤算だった。先頭の中年の男性客が声を話しかけてきた。

「うまそうだね?ひとつ売ってくれ。いくらだい?」
「ありがとうございます!1串5ボッチです。」
「意外に安いね。はい!5ボッチ。」

 男性客が銅貨5枚を渡してきたのでイモ天を1串渡すと屋台から少し離れて食べ始めた。次の客に注文を聞きながら対応をしていると、食べ終えてからまた列の後ろに並んでいた。更に最初の客は通りかかった知り合いにも声をかけて一緒に並んでくれていた。なかなか好評みたいだ。時間も昼食時なので広場にはかなりの人が来ていた。作り置きもすぐに無くなりそうだったのでヒロキは売り子に専念して揚げ作業をシエラに頼むことにした。

 シエラの作業スピードは凄じかった。ヒロキの調理を見てすぐに動きを覚えて更に効率よくイモを揚げてゆく、油の温度加減も絶妙であった。揚げ終わるとすぐに串打ち作業に入り、素早く且つ丁寧に美しく仕上げていった。ヒロキはそれを横目で見て、内心舌を巻きながら負けじと客を捌いていった。屋台はリピーターも含めて評判を高めて行列ができていた。2時間程で本日販売予定だったサツマイモ1樽300個が無くなった。王都には最低でも3日滞在予定だったので3樽用意していたがこのペースならすべて売り切ってしまいそうだった。

 ヒロキは閉店すると屋台をギルドに返却した後、宿を確保して余った時間は町の散策に出かけることにした。


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 こんばんは!書きながらお腹が空きました。感想お待ちしてます。
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