処刑されるはずの悪役令嬢、なぜか敵国の「冷徹皇帝」に拾われる ~「君が必要だ」と言われても、今さら国には戻りません~

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第5話 新しい生活と、置いてきた祖国の現状

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 帝国での生活が始まってから、一週間が経過した。  結論から言おう。  ここは天国だ。間違いなく、地上の楽園である。

 まず、朝起きるのが苦痛ではない。  王国時代は、夜明け前の薄暗い時間帯に、凍えるような寒さの中でベッドから這い出していた。睡眠時間は平均三時間。慢性的な頭痛と胃痛が友達だった。  しかし今は違う。  最高級のスライム・ウレタン・マットレスの上で、目覚まし時計が鳴るまで泥のように眠り、カーテンを開ければ二重ガラスの窓越しに柔らかな朝日が差し込む。  部屋は空調魔導具によって常に適温に保たれており、寒さに震えることもない。

「リーゼロッテ様、本日の朝食はパンケーキになさいますか? それともエッグベネディクトになさいますか?」

 専属メイドのリズが、満面の笑みでワゴンを押してくる。  そこには、焼きたてのパンの香ばしい匂いと、淹れたてのコーヒーのアロマが漂っていた。

「エッグベネディクトでお願いするわ。……あ、でもサラダも多めにお願いできる?」 「かしこまりました! 帝都近郊の温室で採れたばかりの新鮮な野菜をお持ちしますね」

 食事を終えると、私は身支度を整えて執務室へと向かう。  以前のような、足取りの重さは微塵もない。  むしろ、早く仕事がしたくてウズウズしている自分がいた。

 皇城の東棟にある私の執務室は、広々としていて明るい。  壁一面には最新鋭の魔導スクリーンが設置され、デスクの上には高性能な演算用魔石が山積みになっている。  王国では「紙とペン」で何日もかけて行っていた計算が、ここでは魔導具を使えば数秒で終わる。  その余った時間を、私は純粋な「思考」と「創造」に費やすことができた。

「おはようございます、チーフ!」 「リーゼロッテ様、昨日の回路図の件ですが、素晴らしい効率改善でした!」

 廊下ですれ違う魔導師たちが、敬意を込めて挨拶をしてくる。  彼らは最初こそ私を疑っていたが、今では私の「信者」のようになっている。  私が提案する「魔力循環のバイパス手術」や「冷却システムの並列化」といったアイデアが、次々と目に見える成果を上げているからだ。

 帝都の魔力消費量は、この一週間で実に一五%も削減された。  その浮いたエネルギーは、工場の稼働率アップや、市民への暖房供給に回されている。  街に出れば、「最近、魔導ヒーターの効きが良くなったな」「ガス灯が明るくなった」と喜ぶ人々の声が聞こえてくる。

 自分の仕事が、誰かの役に立っている。  その実感が、私にとっては何よりの報酬だった。

 コンコン、と執務室のドアがノックされた。  返事をする前に、ドアがガチャリと開く。  入ってきたのは、漆黒の軍服をラフに着崩した皇帝、ジークハルトだった。

「よう。根を詰めているようだな」

 彼は片手に書類、もう片方の手には小さなバスケットを持っていた。

「ジーク様! ノックの返事を待ってくださいと何度言ったら……」 「私の城だぞ。どこに入ろうと勝手だろう」

 彼は悪びれる様子もなく、私のデスクの前のソファにドカリと腰掛けた。  その態度は尊大だが、瞳には私を気遣うような色が浮かんでいる。

「休憩しろ。フランツから聞いたぞ、昼食も摂らずに没頭していたそうだな」 「あ……もうそんな時間でしたか。すみません、つい楽しくて」 「仕事が楽しい、か。……奇特な奴だ」

 ジークハルトは呆れたように笑うと、持っていたバスケットをテーブルに置いた。

「差し入れだ。厨房のシェフが新作のサンドイッチを作ったとかで、味見を押し付けられた。私一人では食えんから、手伝え」

 そんな嘘がバレバレの言い訳をして、彼はバスケットの蓋を開けた。  中には、色とりどりの具材が挟まれた美味しそうなサンドイッチが、二人分きっちりと入っていた。  しかも、私の好きなアボカドとサーモンのサンドイッチがある。

「……ふふ、ありがとうございます。いただきます」 「……ん」

 二人でソファに向かい合って、遅めのランチをとる。  窓の外には、活気に満ちた帝都の風景が広がっている。

「どうだ、こっちの生活には慣れたか?」

 ジークハルトが、紅茶を飲みながら尋ねてきた。

「はい。皆さん親切ですし、設備も素晴らしいですし……毎日が夢のようです」 「そうか。それは良かった」

 彼は満足げに頷いた後、少し真面目な顔つきになった。

「リーゼロッテ。……貴様の『最適化』の効果は絶大だ。議会でも称賛の声が上がっている。正直、ここまでやるとは思っていなかった」 「恐縮です。でも、帝国の魔導基盤がしっかりしていたからこそです。私はただ、配線の絡まりを解いただけですから」 「謙遜するな。……だが、無理はするなよ。貴様が倒れたら、私が困る」 「はい。……あ、そうだ。ジーク様の魔力調整の時間ですね」

 私はサンドイッチを食べ終えると、手を拭いて彼の隣に座り直した。  彼も慣れた様子で軍服のボタンを外し、シャツの胸元を寛げる。  最初は顔を真っ赤にしていた彼も、毎日のことなので少しは慣れてきたようだ。

 彼の手を取り、胸に手を当てる。  ドクン、ドクン、と力強い鼓動が伝わってくる。  魔力の流れを読む。  うん、今日も安定している。昨日の調整がしっかりと馴染んでいる証拠だ。

「……温かいな」

 彼がぽつりと呟いた。

「え?」 「貴様の魔力だ。……冷たい水のような私の魔力とは違う。陽だまりのような、心地よい熱がある」

 彼は私の手を見つめ、そっと自分の手を重ねた。  大きくて、武骨な手。  けれど、その触れ方は壊れ物を扱うように優しい。

「ずっと、こうしていたくなる」

 その言葉に、私の心臓がトクンと跳ねた。  顔が熱くなるのを感じる。  これって、どういう意味? 単に魔力的な意味? それとも……?

 私が動揺していると、彼はハッとしたように手を離し、勢いよく立ち上がった。

「そ、そろそろ執務に戻らねば! 午後は軍事演習の視察があるからな!」 「あ、はい。いってらっしゃいませ」 「……サンドイッチ、全部食っておけよ」

 彼はそれだけ言い残すと、逃げるように部屋を出て行った。  バタン、と閉まったドアを見つめながら、私は自分の胸を押さえた。  まだ、ドキドキしている。

「……もう。心臓に悪いです、ジーク様」

 私は残りのサンドイッチを口に運んだ。  サーモンの塩気と、アボカドのまろやかさが口いっぱいに広がる。  その味は、なんだかとても甘く感じられた。

 一方その頃。  リーゼロッテが去ってから一週間後の、王国『ルミナス』の王城。

 かつて栄華を極めた白亜の城は、今や薄暗い影に覆われていた。  廊下の魔導ランプは、本来の光量の半分も出ておらず、チカチカと不快な点滅を繰り返している。  暖房システムも不調で、石造りの廊下には冷たい隙間風が吹き抜けていた。

「ええい、寒い! どうなっているんだ!」

 アルフォンス王子は、毛皮のマントをきつく巻きつけながら怒鳴り散らしていた。  彼は執務室の暖炉の前で、暖を取ろうと必死だったが、その暖炉の火もなぜか勢いが弱い。

「申し訳ありません、殿下。薪への着火を補助する魔導具の出力が安定せず……」 「言い訳はいい! さっさと直せと言っているんだ! 魔導師たちは何をしている!」 「は、はい! 現在、総出で原因究明に当たっておりますが、システムが複雑すぎて……」

 侍従長が脂汗を流しながら頭を下げる。  王子は苛立ち紛れに、手元のワイングラスを壁に投げつけた。  ガシャッという音が響くが、誰もそれを片付けようとはしない。人手が足りないのだ。

 リーゼロッテがいなくなってから、城内のあらゆるシステムに不具合が生じ始めていた。  最初は些細なことだった。  お湯が出るのが遅い、自動ドアの反応が悪い、魔導通信にノイズが入る。  だが、日を追うごとに事態は深刻化していた。

 昨晩など、王妃主催の夜会の最中に、大広間の照明が一斉に消えるという前代未聞の失態があった。  暗闇の中で貴婦人たちが悲鳴を上げ、パニックになった客たちが出口に殺到し、怪我人まで出たのだ。  王子の面目は丸つぶれだった。

「くそっ、どいつもこいつも無能ばかりだ!」

 王子は爪を噛んだ。  なぜだ。なぜこんなことになった。  一週間前までは、全てが順調に回っていたはずだ。  リーゼロッテという「横領犯」を排除し、愛するマリアとの幸せな生活が始まるはずだったのに。

「アルフォンス様ぁ~」

 甘ったるい声と共に、執務室のドアが開いた。  入ってきたのは、ピンク色のドレスを着たマリアだった。  彼女は頬を膨らませ、不満げに王子に近づいてくる。

「ねえ、聞いてくださいよぉ。私のお部屋のお風呂、またお湯が出ないんですぅ。これじゃあ肌が荒れちゃう」 「マリア、今ちょっと忙しいんだ。……湯浴みなら、王妃宮の大浴場を使えばいいだろう」 「やだぁ! あそこは広すぎて怖いもん。……ねえ、なんとかしてくださいよぉ。王子様なんでしょ?」

 マリアは王子の腕に絡みつき、上目遣いでねだる。  いつもなら「可愛いな」と思えるその仕草も、今の王子には煩わしく感じられた。  彼は無意識に、リーゼロッテのことを思い出していた。  彼女なら、こんな時どうしただろうか。

 『殿下、お湯が出ない原因は地下ボイラーの魔力供給路の詰まりです。すぐに技師を手配し、予備の魔石を使って三十分以内に復旧させます』

 そうだ。彼女はいつだって、問題が起きる前に解決していた。  あるいは、問題が起きても即座に対処法を提示し、涼しい顔で実行していた。  私に不満を漏らすことなど、一度もなかった。

(……いや、違う。あいつは私の金を横領していたんだ。だから、金を使って業者を動かしていただけに過ぎない)

 王子は首を振って、その考えを打ち消した。  自分は間違っていない。あんな地味で可愛げのない女がいなくなったところで、困るはずがないのだ。  これは一時的な不具合だ。システムが古くなっただけだ。

「……マリア、少し我慢してくれ。すぐに新しい魔導具を買い換えるから」 「ほんとぉ? じゃあ、ついでに新しいドレスも買ってぇ。今度のお茶会に着ていく服がないの」 「ドレス? 先週買ったばかりだろう」 「だってぇ、あれはもう流行遅れだもん。……ね、いいでしょ? アルフォンス様、大好きぃ」

 マリアが頬にキスをする。  王子はため息をつきながらも、「わかったよ」と頷いた。    その時、部屋の隅で控えていた財務大臣が、恐る恐る口を開いた。

「あの……殿下。申し上げにくいのですが……」 「なんだ」 「その、予算が……ございません」 「は?」 「新しい魔導具の購入費も、マリア様のドレス代も……今の国庫には、一金貨たりとも余裕がないのです」

 王子の目が点になった。

「何を言っている? リーゼロッテから没収した横領金があるだろう! 金貨一万枚はどうした!」 「そ、それが……」

 財務大臣は青ざめた顔で、帳簿を差し出した。

「調査の結果……リーゼロッテ様の口座には、一万枚どころか、一銭も入っていませんでした。あるのは借用書と、私財を売却した記録だけで……」 「な、なに……?」 「つまり、彼女は横領などしていなかったのです。それどころか、彼女個人の資産を切り崩して、王家の赤字を補填していたようで……」

 王子の脳天に、雷が落ちたような衝撃が走った。  横領していなかった?  私財を投げ打っていた?

「そ、そんな馬鹿な! じゃあ、今まで湯水のように使えていたあの金は、どこから湧いていたんだ!?」 「ですから、彼女が……リーゼロッテ様が、その人脈と錬金術的な資金繰りで、魔法のように捻出していたのです。彼女がいなくなった今、その蛇口は完全に閉まりました」

 財務大臣は絶望的な声で告げた。

「さらに悪いことに、リーゼロッテ様の実家であるエーデル公爵家が取り潰されたことで、彼らが支援していた地方の領主たちが一斉に反発し、納税を拒否しています。……殿下、我が国は今、完全な破産状態です」

 王子は力なく椅子にへたり込んだ。  破産。  その二文字が、頭の中でぐるぐると回る。

「うそ……嘘だ……」 「じゃあ、ドレスは買えないの?」

 マリアが空気を読まずに尋ねる。  王子の中で、何かがプツンと切れた。

「うるさいッ!! ドレスどころじゃないんだよッ!!」

 彼は怒鳴りつけ、机の上の書類をぶちまけた。  マリアが「ひっ」と悲鳴を上げて後ずさる。

「……リーゼロッテ……。あいつ、一体何をしていたんだ……?」

 王子は震える手で顔を覆った。  ここに来て初めて、彼は気づき始めていた。  自分が切り捨てたものが、「不要な石ころ」ではなく、この国を支えていた「土台そのもの」だったということに。  しかし、もう遅い。  土台を失った城は、音を立てて崩れ始めていた。

 再び、帝国の夜。  私は皇城のテラスに出て、夜風に当たっていた。  眼下には、宝石箱をひっくり返したような帝都の夜景が広がっている。  無数の光の一つ一つに、人々の暮らしがあり、温かい食卓がある。  以前より明るくなった街の灯りを見ていると、胸が誇らしさで満たされた。

「……綺麗」

 風が、私の髪を優しく揺らす。  ふと、南の空を見上げた。  あの暗い空の向こうに、私の生まれた国がある。

 今頃、どうしているだろうか。  城のシステムがダウンしていることは、計算上予想できていた。  私が毎日徹夜で行っていた微調整がなければ、あの老朽化したシステムは三日ともたない。  きっと今頃、王子たちは寒さに震え、暗闇の中で責任の押し付け合いをしていることだろう。

「……自業自得、ね」

 私は冷たく呟いた。  同情心は湧かなかった。  彼らは私から全てを奪おうとした。命さえも。  だから、彼らが失う苦しみを知るのは当然の報いだ。

 でも、不思議と「ざまぁみろ」と嘲笑う気持ちにもなれなかった。  彼らのことなど、もうどうでもよかった。  私には今、やるべき仕事がある。  守るべき新しい居場所がある。  そして――。

「こんなところで何をしている」

 背後から、低い声がかかった。  振り返ると、ジークハルトが立っていた。  彼は自分の着ていた厚手のマントを脱ぐと、無言で私の肩にかけてくれた。

「風邪を引くぞ。……帝国の夜は冷える」 「ありがとうございます、ジーク様」

 マントからは、彼の匂いと、ほのかな温もりがした。   「南の空を見ていたな」

 彼は私の視線の先を見やり、静かに言った。

「未練か?」 「いいえ。……ただ、昔の自分にお別れを言っていただけです」

 私はきっぱりと答えた。

「私はもう、帝国の魔導技師です。私の知識も、技術も、そしてこの心も……すべて、この国のために使います」

 ジークハルトは目を細め、満足そうに頷いた。

「そうか。……なら、いい」

 彼は私の隣に並び、手すりに肘をついた。

「明日からは、さらに忙しくなるぞ。軍部の魔導兵器の調整も頼みたい。……ついて来れるか?」 「もちろんです。望むところですよ」

 私たちは顔を見合わせ、笑い合った。  夜空に輝く二つの月が、私たちの新しい門出を祝福しているように見えた。

 私の新しい人生は、まだ始まったばかり。  そして、祖国の崩壊もまた、始まったばかりだった。
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