処刑されるはずの悪役令嬢、なぜか敵国の「冷徹皇帝」に拾われる ~「君が必要だ」と言われても、今さら国には戻りません~

六角

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第10話 嫉妬と独占欲

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夢のような舞踏会から一夜明けた、帝都の朝。  私はいつものように早起きをして、皇城の居住区から執務棟へと向かう回廊を歩いていた。  昨夜のジークハルトとの甘い余韻がまだ胸に残っていて、足取りは自然と軽くなる。  窓から差し込む朝日が、大理石の床を黄金色に染めていた。

(今日は戦車部隊の冷却システムの最終調整ね。……頑張ろう)

 気合を入れ直して角を曲がろうとした、その時だった。

「……リーゼロッテ様」

 柱の陰から、低い声がした。  心臓が跳ねる。  振り返ると、そこには見覚えのある顔があった。  灰色のローブを目深に被っているが、その神経質そうな目元と、猫背気味の姿勢。  王国の宮廷魔導師団にいた、元同僚の男だった。

「え……どうして、あなたがここに?」 「しっ! 声が大きい!」

 男は慌てて私の口を塞ごうと手を伸ばしてきた。  私は反射的にバックステップを踏み、距離を取る。  皇城のセキュリティは厳重なはずだ。どうやってここまで入り込んだの?

「ご安心ください、危害を加えるつもりはありません。……アルフォンス殿下の密命を帯びて参りました」 「密命?」 「はい。殿下は貴女様を深く愛しておられます。昨日の手紙の返事がないと嘆いておられました。……さあ、一緒に帰りましょう。今なら、城門の警備の交代時間です。私の転移魔法で……」

 男は私の腕を掴もうとする。  その目は血走っていて、どこか狂気を帯びていた。  ああ、そうか。彼もまた、王子の無茶な命令に追い詰められた犠牲者なのだ。  失敗すれば処刑されるかもしれない。そんな恐怖が彼を突き動かしている。

「離してください! 私は帰りません!」 「我が儘を言わないでください! 貴女が戻らないと、我々が困るのです! 城のシステムが直せないのです!」

 男が叫んだ。  やはり、理由はそれか。  愛だの復縁だのと言いながら、結局は「便利な道具」を取り戻したいだけ。  その身勝手さに、同情心など一瞬で消え失せた。

「お断りします。私はここの職員です。不法侵入で衛兵を呼びますよ!」 「くっ……ならば、力ずくでも!」

 男が懐から杖を取り出し、詠唱を始めようとした。  私は防御結界を展開しようと身構える。  けれど、それより早く――

 ヒュンッ!    風を切る音がして、銀色の閃光が走った。  男の杖が、根元からスパッと切断されて宙を舞う。

「なっ……!?」 「朝から騒々しいな。……レディの手を無理やり引くのは、三流のすることだぞ」

 爽やかな、しかし芯のある声が回廊に響いた。  私の前に立ち塞がるように現れたのは、金髪の長身の青年。  昨日のパーティで挨拶をした、帝国最年少将軍、ラインハルト・フォン・ベルンシュタインだった。

「ラ、ラインハルト将軍!?」 「やあ、リーゼロッテ様。おはようございます。……遅刻しそうだったので近道をしようとしたら、とんだドブネズミを見つけてしまいましたね」

 彼は優雅に微笑みながら、抜身のサーベルを男の鼻先に突きつけた。

「王国の魔導師だな? ここの結界に小さな穴を開けて侵入した手腕は褒めてやるが……私の目の前で、帝国の至宝に手を出すとは命知らずにも程がある」 「ひぃッ!」

 男は腰を抜かした。  直後、騒ぎを聞きつけた衛兵たちが駆けつけ、男を取り押さえた。  連行されていく男の「待ってくれ! 俺はただ命令されただけで!」という悲鳴が、虚しく遠ざかっていく。

 静寂が戻った回廊で、ラインハルト将軍はサーベルを鞘に納め、私に向き直った。

「怖い思いをさせてしまいましたね。お怪我はありませんか?」 「は、はい。助かりました。ありがとうございます」 「礼には及びません。……しかし、昨日の今日で刺客とは。王国の焦りが見て取れますね」

 彼は呆れたように肩をすくめ、それから私の顔をじっと見つめた。

「それにしても、危機的状況でも冷静でしたね。即座に防御態勢を取ろうとしていた。……やはり貴女は、ただの研究者ではない」 「え?」 「胆力がある。戦場の空気を感じます。……ますます気に入りました」

 彼はニカリと笑った。  その笑顔は、昨夜の社交的なものとは違い、獲物を見つけた肉食獣のような野性味を帯びていた。   「リーゼロッテ様。この後、私の部隊の視察に行く予定でしょう? よろしければ、私がエスコートしますよ」 「え、あ、はい。お願いします」

 断る理由もなく、私は彼と共に執務棟を出て、演習場へと向かうことになった。  これが、まさかあんな騒動の火種になるとは知らずに。

 ◇

 帝都郊外の演習場。  そこには、数十台の魔導戦車と、数百人の兵士たちが整列していた。  土埃とオイルの匂い。  むせ返るような男たちの熱気。  ラインハルト将軍が現れると、全員が一斉に敬礼し、空気が引き締まる。

「総員、傾注! 本日は特別ゲストをお招きした! 我らが新型戦車の『生みの親』、リーゼロッテ・フォン・エーデル殿だ!」

 おおーっ! と野太い歓声が上がる。  私は少し気後れしながらも、ペコリと頭を下げた。

「今日は、実戦形式での最終テストを行う。……リーゼロッテ様、貴女には指揮車両に乗っていただき、リアルタイムでのデータ解析をお願いしたい」 「はい、承知しました」

 私は通信機材と解析モニターが満載された指揮車両に乗り込んだ。  隣にはラインハルト将軍が座る。  狭い車内。肩が触れ合うほどの距離だ。

「……意外ですか?」 「え?」 「私が前線に出ることです。将軍ともなれば、後方でふんぞり返っているのが普通ですからね」 「いえ。……部下の方々の目を見れば分かります。皆さん、貴方を心から信頼している」 「はは、光栄です。……私は現場が好きなんですよ。泥にまみれて、兵士と共に汗を流すのがね」

 彼はモニターを見ながら、真剣な横顔で言った。

「だからこそ、貴女の技術には感謝しているんです。……貴女の調整のおかげで、生存率が上がった。私の大切な部下たちを、無駄死にさせなくて済む」 「……」 「貴女は、我々の女神だ。……いや、勝利の女神(ニケ)そのものだ」

 彼の手が、私の手に重ねられた。  熱い手だった。  ジークハルトの冷たくて優しい手とは違う、燃えるような情熱を感じる手。

「リーゼロッテ様。……貴女が欲しい」 「えっ?」

 ドカン!  演習開始の号砲が鳴り、私の驚きの声はかき消された。  戦車部隊が一斉に動き出す。  私は慌ててモニターに向き直り、データを読み上げ始めた。  今のは聞き間違いだ。そうに違いない。  そう自分に言い聞かせながら、私は仕事に没頭した。

 ◇

 演習は大成功に終わった。  従来の想定を三割も上回る機動力と、魔力消費の低減。  兵士たちは歓喜し、ラインハルト将軍も満足げだった。

 その日の午後。  皇城の大会議室で、軍事報告会が開かれた。  長テーブルの上座には皇帝ジークハルトが座り、その両脇には宰相フランツや各軍の将軍たちが並んでいる。  私も技術顧問として、末席に参加していた。

「――以上が、本日の演習結果です。新型戦車の性能は期待以上でした」

 ラインハルト将軍が報告を終える。  ジークハルトは満足げに頷いた。

「うむ。ご苦労だった。……リーゼロッテの調整は見事だな」 「はい、陛下。……そこで、提案がございます」

 ラインハルト将軍が一歩前に出た。  その瞳が、獲物を狙う鷹のように鋭く光る。

「今回の成果を見て確信しました。リーゼロッテ様の能力は、現場でこそ最大限に発揮されます。皇城の奥で数字をいじらせておくには惜しい」 「……何が言いたい」

 ジークハルトの声の温度が、少し下がった。

「単刀直入に申し上げます。……彼女を、私の『専属』として頂きたい」

 会議室がざわめいた。  専属。それはつまり、皇帝直轄の地位から引き抜き、自分の軍団に組み込むということだ。

「彼女には、最前線で私の補佐をしていただきたい。戦術と技術の融合。それこそが、最強の軍隊を作る鍵です。……それに」

 彼はチラリと私を見て、不敵に笑った。

「彼女とは相性もいいようです。今朝の刺客騒ぎの時も、阿吽の呼吸でしたし……指揮車両の中での密着度も、悪くなかった」

 密着度!?  私は顔を真っ赤にして立ち上がりかけた。  それはただ車内が狭かっただけで!

「……ほう?」

 ピキリ、と空気が凍る音がした。  ジークハルトが、ゆっくりと身を乗り出した。  その背後から、目に見えるほどの冷気が立ち昇り、会議室の窓ガラスに霜が張り付き始める。

「密着、しただと? ……詳しく聞かせてもらおうか」 「ええ。狭い車内で、肩と肩が触れ合い、手と手が重なり合う……実に濃密な時間でしたよ」

 ラインハルトは挑発するように続けた。  彼は分かっていてやっている。皇帝の逆鱗を撫でることを楽しんでいるのだ。

「陛下。貴方には政務がある。彼女の才能を『鳥籠』に閉じ込めておくつもりですか? 私なら、彼女をもっと広い世界へ連れて行ける。……なんなら、私の妻として迎えてもいい」

 決定的な一言。  瞬間、世界が停止した。

 ドォォォォォォォォォンッ!!

 爆音と共に、長テーブルが真っ二つに裂けた。  ジークハルトが拳を叩きつけたのだ。  彼の周りの空間が歪み、絶対零度の吹雪が会議室の中に吹き荒れる。  宰相フランツが悲鳴を上げて机の下に潜り込み、他の将軍たちも顔面蒼白で後ずさった。

「き、貴様……」

 ジークハルトが立ち上がる。  その瞳は、もはや人間のそれではない。青い炎を宿した魔神の瞳だ。

「私の前で、私の女を口説くとは……死にたいようだな、ラインハルト」 「おや、陛下。公私混同は良くないですよ? 私は帝国の利益のために……」 「黙れ!!」

 一喝。  その衝撃波で、ラインハルトですらたたらを踏んだ。

「帝国の利益? 知ったことか! 彼女はモノではない! 私の心臓だ!」

 ジークハルトが叫んだ。

「彼女がいなければ、私は息もできない! 心も動かない! 彼女は私の命そのものだ! それを奪うと言うなら……たとえ優秀な将軍だろうと、この場で氷像に変えて砕いてやる!」

 彼の全身から溢れ出す魔力が、天井を突き破らんばかりに渦巻く。  それは恐怖の光景だったが、同時に、あまりにも純粋で、痛々しいほどの愛の告白でもあった。  私は震えながら、彼を見つめていた。  そこまで……そこまで私を想ってくれているの?

「へ、陛下! 落ち着いてください! 城が壊れます!」 「ラインハルト、お前も謝れ! 冗談が過ぎるぞ!」

 周囲の必死の制止に、ラインハルト将軍はようやく両手を上げた。

「……降参です。まさか、ここまでとは」

 彼は苦笑いを浮かべ、深々と頭を下げた。

「冗談ですよ、陛下。……いや、半分は本気でしたが。陛下の覚悟を試させていただきました」 「……試した、だと?」 「ええ。最近の陛下は丸くなられたと噂でしたから。……ですが安心しました。その牙はまだ錆びていない。そして、リーゼロッテ様への愛も、本物のようだ」

 彼は私の方を向き、ウィンクをした。

「残念ですが、諦めます。……あんな化け物に愛された女性を奪うなんて、命がいくつあっても足りない」

 ジークハルトは荒い息を吐きながら、まだ殺気を収めようとしない。  私は勇気を出して、彼の元へと歩み寄った。  吹き荒れる吹雪の中を、一歩ずつ。

「ジーク様」 「……リーゼロッテ」 「もう、大丈夫です。……私はどこにも行きません」

 私は彼の手を取り、自分の頬に当てた。  冷え切ったその手を、両手で包み込む。

「貴方が私のことを『心臓』だと言ってくれたように……私にとっても、貴方は生きる意味そのものです。将軍の誘いは光栄ですが、私の居場所は、貴方の隣だけです」

 私の言葉に、彼の瞳から狂気が消え、青い理性の光が戻ってくる。  室内の吹雪が止み、静寂が戻った。

「……本当に、行かないか?」 「行きません」 「ずっと、私だけのものか?」 「はい。……貴方だけのものです」

 ジークハルトは崩れ落ちるように私を抱きしめた。  みんなが見ている前で。  壊れたテーブルの残骸の上で。

「……よかった。……本当によかった……」

 彼の震える声が耳元で響く。  最強の皇帝が見せた、子供のような脆弱さ。  それを知っているのは、世界で私だけだ。  その事実が、私の胸をどうしようもなく熱くした。

 ◇

 会議はお開きとなり(テーブルの弁償問題は後回しにされ)、私たちは皇帝の私室へと戻った。  ジークハルトはまだ興奮が冷めやらないのか、ソファに座る私を膝の上に乗せ、後ろから抱きしめて離そうとしない。  まるで、大きな猫が飼い主にしがみついているようだ。

「……ジーク、苦しいです」 「我慢しろ。……まだ足りない」

 彼は私の首筋に顔を埋め、深く息を吸い込んだ。

「ラインハルトの匂いがする」 「えっ、しませんよ! 少し隣に座っただけです」 「いや、する。……男の匂いだ。不愉快だ」

 彼は不満げに唸ると、私の首筋に、ちゅ、とキスを落とした。

「ひゃっ!?」 「上書きだ。……これで貴様は私の匂いになった」

 彼は満足げに笑い、さらに反対側の首筋にもキスをした。  そして耳元、頬、瞼と、雨のようにキスを降らせてくる。

「ジ、ジーク! くすぐったいです!」 「うるさい。……罰だ。私以外の男に隙を見せた罰だ」

 彼は私の顎を指で持ち上げ、とろんとした瞳で見つめてきた。

「……二度と、私を不安にさせるな。嫉妬で狂って、本当に国を一つ消してしまいそうだ」 「……はい。ごめんなさい」

 私が謝ると、彼は優しく微笑み、私の唇を塞いだ。  長く、甘く、そして独占欲に満ちた深いキス。  私は彼の腕の中でとろけながら、この愛おしい束縛に身を委ねた。

 嫉妬深い皇帝陛下。  でも、それは私への愛の深さの裏返し。  こんなにも愛される幸せを噛み締めながら、私は心の中で誓った。  もう二度と、彼を不安にさせないと。  そして、もしまた誰かが私を奪おうとしたら、今度は私が、全力で彼を守ろうと。

 ……まあ、彼が最強すぎて、私の出番はないかもしれないけれど。

 ◇

 その頃。  王国のスパイが捕まったという報告は、風の噂に乗って国境を越え、王国ルミナスへと届いていた。    薄暗い王城の一室。  アルフォンス王子は、報告書を握りつぶしていた。

「……失敗した、だと?」 「は、はい。使者は捕らえられ、リーゼロッテ様の奪還も阻止されたとのことです。……しかも、彼女は帝国の皇帝だけでなく、将軍にまで求婚されているとか……」

 側近の報告に、王子の顔色がどす黒く変色する。

「求婚? ……あいつが? あの地味な女が、モテているだと?」 「はい。帝国では『女神』と呼ばれ、国民的英雄になっているそうです」

 ガシャーン!!  王子は近くにあった花瓶を壁に投げつけた。

「ありえん! ありえんありえんありえんッ!! あいつは私の女だ! 私の影で、地味に生きているのがお似合いの女なんだ! それがなんで、敵国の英雄になんかなっているんだ!」

 彼のプライドはズタズタだった。  自分が捨てた石ころが、実はダイヤモンドで、しかも他人の手によって美しく磨かれ、世界中から賞賛されている。  その事実は、彼のちっぽけな自尊心を根底から破壊した。

「許さん……。絶対に許さんぞ、リーゼロッテ……!」

 王子の瞳に、暗く濁った炎が宿る。  それはもう、愛でも未練でもない。  純粋な「憎悪」と「破壊衝動」だった。

「こうなったら、力ずくでも連れ戻す。……いや、戻らぬなら、壊してやる。誰の手にも渡らないように、粉々に砕いてやる……!」

 彼は狂ったように笑い出した。  その背後で、王国の崩壊を告げる時計の針が、また一つ進んだ。  財政破綻まで、あとわずか。  そして、王子の暴走が引き起こす破滅の未来も、すぐそこまで迫っていた。

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