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第11話「失われた宝飾の正体」
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王都の北に広がる荒野は、打ち捨てられた墓標のように静まり返っていた。 昨夜の嵐が嘘のように空は晴れ渡っているが、地面はまだぬかるみ、馬車の車輪が重く沈む。 護衛の騎士たちが警戒を強める中、私は窓の外に見える古びた風車小屋を見つめていた。 羽根の折れた風車が、風もないのに微かに軋む音を立てている。
「……到着しました、リリア様」
御者の声に、私は小さく頷いて馬車を降りた。 空気には湿った土の匂いと、微かな薬草の香りが混じっている。 手紙のインクと同じ、独特の苦い香りだ。
「ここで待機していてください。……もし一時間経っても私が戻らなければ、突入を」 「承知いたしました。……どうか、お気をつけて」
護衛の騎士に指示を出し、私は一人で小屋へと歩みを進めた。 扉は朽ちかけており、隙間から薄暗い室内の様子が窺える。 私は深呼吸をして、ノックもせずに扉を押し開けた。
中は意外にも広かった。 壁一面に古びた書物が積み上げられ、実験器具やフラスコが所狭しと並べられている。 埃っぽいが、乱雑ではない。 ある種の法則に従って整理された、学者の巣窟だ。
「……来たか。アルヴェインの娘よ」
部屋の奥、揺り椅子に座った老人が、本から目を離さずに声をかけてきた。 白髪はボサボサで、左目には黒い眼帯をしている。 だが、残された右目は、猛禽類のように鋭く私を射抜いていた。
「貴方が……手紙の主ですか?」 「いかにも。……名はクレイグ。かつては宮廷で魔導師長などという堅苦しい肩書きを背負っていた男だ」
クレイグ。 私の推測通りだ。 三年前、宝飾紛失事件の直後に「引退」したとされる伝説の魔導師。
「私の父の、ご友人だと伺いました」 「友人? ふん、悪友といった方が正しいな。……お前の父、ジェラルドとは学生時代からの腐れ縁だ。あいつは昔から、事なかれ主義の臆病者だったが……家名を守るためなら悪魔とでも手を組む男だったよ」
クレイグは本を閉じ、揺り椅子から立ち上がった。 その動作には老いを感じさせない力強さがある。
「単刀直入に言おう。お前がここへ来たのは、姉セシリアの『嘘』を暴くためだろう?」 「はい。姉は……恐ろしいものを隠しています。おそらく、王家から盗み出した『宝飾品』を使って」
「宝飾品か。……あれをただの飾り石だと思っているなら、お前はまだ何もわかっていない」
クレイグは部屋の中央にある作業台へ歩み寄り、布で覆われた何かを指差した。
「リリア。お前は『誓約(オース)』というものを、どう理解している?」 「……神への誓い。嘘をつけば罰が下る、絶対的な契約魔法です」 「教科書通りの答えだ。だが、魔術的な観点から言えば、あれは『共鳴現象』に過ぎない」
彼は布を取り払った。 そこにあったのは、複雑な幾何学模様が刻まれた水晶の欠片だった。
「誓約器の核となる魔石は、人の精神波――特に『確信』の波長に共鳴して発光する。……嘘をついている時、人の精神は微かに揺らぐ。そのノイズを感知して赤く光る。それが誓約器の正体だ」
「はい。だからこそ、本人が真実だと信じている嘘は検知できない……」 「そうだ。それが『欠陥』だ。……だが、もしその欠陥を意図的に拡張し、ノイズを強制的に打ち消す装置があったらどうなる?」
クレイグの言葉に、私は背筋が寒くなるのを感じた。 ノイズを打ち消す。 つまり、嘘をついていても精神の揺らぎを消去し、機械的に「真実」判定を出させる装置。
「……そんなものが、作れるのですか?」
「理論上はな。……私はかつて、その理論を完成させた。だが、あまりに危険すぎるため、設計図ごと封印したのだ。……『反転の誓約器(リバース・オース)』」
反転の誓約器。 真実を嘘に、嘘を真実に変える禁断の魔道具。
「しかし、その封印された技術を、なぜ姉が……?」 「……私の弟子がいた。ギルバートという男だ」
クレイグの顔が歪んだ。悔恨と怒りが入り混じった表情。
「ギルバートは優秀だったが、野心が過ぎた。彼は私の研究を盗み見し、禁忌に手を出そうとしたため、私は彼を破門した。……だが、彼は諦めていなかったようだ。パトロンを見つけ、研究を続けていた」
「そのパトロンが……姉セシリア」
「そうだ。そして、その研究には『純度の高い魔石』が大量に必要だった。……市場に出回っているようなクズ石ではない。王家が数百年前から管理している、純粋な『誓約の原石』がな」
点と点が、線になる。 三年前の宝飾紛失事件。 姉はギルバートに唆されたのか、あるいは自ら持ちかけたのか。 王家の保管庫にあった「宝飾品」――つまり『誓約の原石』を盗み出した。 そしてそれを砕き、十二個の欠片にして、少しずつ実験に使っていたのだ。
「姉は……その『反転の誓約器』を完成させたのですか?」
私の問いに、クレイグは重々しく頷いた。
「おそらくはな。マーサという侍女が持っていた毒……あれもギルバートの得意分野だ。奴らは準備を整えた。……三日後の夜会で、セシリアはそれを使うつもりだろう。『私は無実だ』と宣言し、真っ青な光を放って見せるためにな」
絶望的な光景が目に浮かぶ。 衆人環視の中での奇跡。 誰も疑えない「神の判定」。 それが成されれば、私は「聖女を陥れた大嘘つき」として、その場で捕らえられるだろう。 法も正義も、すべてが姉の演出の一部となる。
「……防ぐ手立てはないのですか?」
私が縋るように尋ねると、クレイグはニヤリと笑った。 それは悪友の娘を見る目ではなく、共犯者を見る目だった。
「あるからこそ、お前を呼んだのだ。……毒には解毒剤を。偽造には看破を」
彼は作業台の引き出しから、小さなペンダントのようなものを取り出した。 透明なクリスタルが埋め込まれた、銀の装飾具。
「『真理のプリズム』。……私が引退後に細々と作っていた、対抗策だ」
彼はそれを私の掌に乗せた。 ひんやりとしていて、微かに脈打つような魔力を感じる。
「このプリズムは、魔力の『干渉波』を可視化する。……もしセシリアが使う誓約器が偽造品であれば、そこには必ず、外部から精神波を操作する魔力の糸が繋がっているはずだ。このプリズムを通せば、その糸が光って見える」
「光って見える……」 「ああ。そして、その糸の出どころ――つまり、操作している術者の位置も特定できる。……おそらくギルバートが会場のどこかに潜んでいるはずだ」
私はプリズムを握りしめた。 これがあれば、姉の嘘を視覚的に暴ける。 「奇跡」のタネあかしができる。
「ただし、条件がある」 クレイグの右目が鋭く細められた。
「このプリズムは、使用者自身の精神波を触媒にする。……つまり、お前自身が『嘘のない状態』でなければ、プリズムは濁って何も映さない」 「嘘のない状態……?」 「そうだ。恐怖、迷い、欺瞞。……少しでも心に曇りがあれば、この道具はただのガラス玉だ。セシリアと対峙した時、お前は一ミリの迷いもなく、自分の正義を信じ抜けるか?」
問われているのは、技術ではなく覚悟だ。 姉を断罪することへの躊躇い。 家族を破滅させることへの罪悪感。 あるいは、自分自身の保身。 それらが少しでも残っていれば、私は失敗する。
「……できます」
私は即答した。 迷いなら、もう捨ててきた。 雨のルナ・ポートで、泣き崩れるマーサを見た時に。 スラムの施療院で、飢えた子供たちを見た時に。
「私は、姉を憎んでいるわけではありません。……ただ、彼女が積み上げた『嘘の城』を解体し、奪われたものを元の場所に還したいだけです。それが私の真実です」
クレイグは私の目をじっと見つめ、やがて満足そうに頷いた。
「……いい目だ。ジェラルドの娘とは思えんな」
彼は背を向け、手を振った。
「行け。……そして、あの愚かな弟子と、道化の聖女に引導を渡してやれ」
「ありがとうございます。……あの、父のことは……」 「気にするな。あいつの罪は、あいつ自身が背負うべきものだ。お前が背負う必要はない」
私は深く頭を下げ、風車小屋を後にした。 外に出ると、太陽が高く昇っていた。 掌の中のプリズムが、光を受けて虹色に輝いた。
◇
王都へ戻る馬車の中で、私はプリズムを胸に抱きながら考えを巡らせていた。 武器は手に入れた。 だが、これを使うには「舞台」が必要だ。 姉が用意した「誓約の儀」という舞台を、逆に利用する。 そのためには、王宮側の協力が不可欠だ。
王宮に到着したのは、夕刻だった。 私はその足で、レオンハルト様の執務室ではなく、王妃宮へと向かった。 今回の件は、宰相府の権限を超えている。 王家の秘宝である「魔石」が関わっている以上、王妃陛下に直接報告し、判断を仰ぐ必要がある。
「……通りなさい」
王妃付きの女官に案内され、私はエレオノーラ陛下の私室へと入った。 そこには、レオンハルト様も同席していた。 私が戻ることを予測して、待機していてくれたのだろう。
「無事だったようね、リリア」
王妃陛下は、窓際で刺繍の手を止め、私を迎えてくれた。 その表情は穏やかだが、瞳の奥には隠しきれない憂いがある。
「はい。……クレイグ殿より、全てを聞いてまいりました」
私は風車小屋での出来事、宝飾品の正体、そして姉が企む「反転の誓約器」について詳細に報告した。 王妃陛下は静かに聞いていたが、宝飾品のくだりになると、小さく溜息をついた。
「やはり……そうでしたか」 「ご存じだったのですか?」 「ええ。……あの『青い硝子』は、初代国王が遺した『王権の守護石』。本来は、国王即位の際にのみ使われる、絶対的な契約の石です」
王妃陛下は立ち上がり、壁に飾られた古いタペストリーに触れた。
「それを砕き、私物化するとは……。セシリアの野心は、わたくしの想像を超えていました。彼女は、王妃になるだけでは満足せず、この国の『法』そのものになろうとしているのですね」
法そのもの。 自分の言葉が全て真実となり、意に沿わない者は嘘つきとして裁かれる世界。 それはもはや政治ではなく、カルトによる支配だ。
「陛下。……三日後の夜会で、姉はその偽造品を使います。ですが、私にはそれを暴く策があります」
私は『真理のプリズム』を取り出し、テーブルに置いた。
「このプリズムを使えば、偽装を視覚化できます。……ですが、そのためには私が姉の目の前まで近づき、至近距離で発動させる必要があります」 「危険すぎる」
レオンハルト様が口を挟んだ。
「夜会の会場には、姉の親衛隊や、買収された貴族たちが大勢いる。それに、その『ギルバート』という術者がどこに潜んでいるかもわからない。……お前が動けば、消されるぞ」
「それでも、やるしかありません」
私は彼を見つめた。
「遠くから指をさすだけでは、彼女の演技には勝てません。……舞台に上がり、彼女の隣に立ち、その仮面を直接剥がさなければ、観客は納得しないのです」
レオンハルト様は何か言いたげに口を開いたが、王妃陛下が手を挙げて制した。
「……覚悟は本物のようですね、リリア」 「はい」 「よろしい。では、わたくしも舞台を整えましょう」
王妃陛下は悪戯っぽく微笑んだ。
「夜会の主催はセシリアですが、会場の手配と警備は王宮の管轄です。……照明、音響、そして座席配置。全てを『貴女が戦いやすいように』調整させます」 「ありがとうございます!」
「ただし」 王妃陛下の声が厳しくなる。
「失敗は許されません。もしプリズムが作動せず、姉の無実が証明されてしまえば……わたくしでも貴女を庇うことはできなくなります。それは、わたくしの敗北も意味しますから」
「肝に銘じます。……必ず、成功させます」
◇
王妃宮を出ると、日はすでに落ち、回廊には冷たい夜風が吹き抜けていた。 レオンハルト様が、無言のまま私の隣を歩く。 その足取りは重い。
「……怒っていますか?」 私が尋ねると、彼は立ち止まり、深く息を吐いた。
「怒っているわけではない。……ただ、悔しいだけだ」 「悔しい?」 「ああ。私は宰相補佐として、国の制度と権力でお前を守ると誓った。……だが結局、最後はお前自身の命を懸けた賭けに頼らざるを得ない。それが不甲斐ない」
彼は拳を壁に叩きつけた。 ドン、という鈍い音が響く。 いつも冷静な彼が、感情を露わにしている。
「レオンハルト様……」 「リリア。……約束してくれ」
彼は私の肩を掴み、真剣な眼差しで私を見下ろした。
「夜会当日、私の目の届く範囲から離れるな。……万が一の時は、私が介入する。たとえ職を失おうとも、お前だけは守る」
その瞳に宿る熱。 それは単なる同盟者への義務感ではない。 もっと個人的で、切実な想い。
胸が熱くなる。 言葉にしなくても、伝わってくる。 彼もまた、孤独な戦いの中で、私という存在を必要としてくれているのだと。
「……約束します。勝手な真似はしません」 私は彼の手の上に、自分の手を重ねた。
「でも、介入はしないでください。……これは私の戦いです。私が自分の手で決着をつけなければ、私は一生、姉の影に怯えて生きることになります」
「……わかった」
彼は苦渋の表情で頷き、ゆっくりと手を離した。
「だが、背中は守る。……それだけは譲らん」 「はい。……頼りにしています」
私たちは月明かりの下、しばらく無言で見つめ合った。 言葉はもう要らない。 共犯者としての絆。 そして、それ以上の何かが、二人の間に芽生え始めていた。
◇
決戦までの三日間は、瞬く間に過ぎ去った。 私は執務室に籠もり、クレイグから教わったプリズムの起動手順を反復練習した。 心を無にする。 迷いを捨てる。 自分の中にある真実だけを研ぎ澄ます。 それは精神統一の修行のようだった。
一方、王宮内では着々と準備が進められていた。 カミュ団長は会場となる『白薔薇の間』の警備計画を練り直し、部下たちに徹底的な配置を指示した。 王妃陛下は、中立派の貴族たちに根回しを行い、当日の「証人」としての役割を確約させた。 レオンハルト様は、ガレオン商会と教会の残党を監視し、ギルバートらしき人物の潜伏先を探らせた。
そして、運命の夜が訪れた。
空は快晴。 満月が、青白い光を王都に注いでいる。 まるで、これからの審判を見届ける巨大な瞳のように。
私は鏡の前に立った。 今夜のために用意したのは、王妃陛下から贈られた純白のドレスではない。 深淵のような、濃紺のドレス。 装飾は最小限だが、その色は夜空のように深く、凛とした気品を漂わせている。 監査官としての制服の色に近い、私の戦闘服だ。
「……行きましょう」
私は首元に『真理のプリズム』を隠し、手袋をはめた。 扉を開けると、そこにはレオンハルト様が待っていた。 正装に身を包んだ彼は、息を呑むほど凛々しかった。
「準備はいいか」 「はい」
彼が手を差し出す。 私はその手を取り、しっかりと握り返した。
「エスコートを頼めますか、宰相補佐様」 「喜んで、監査官殿」
二人の足音が、廊下に響く。 向かう先は『白薔薇の間』。 かつて私が追放された場所であり、今、姉が待つ最後の舞台。
扉の向こうから、どよめきと音楽が聞こえてくる。 その喧騒は、まるで荒れ狂う海のようだ。 だが、私はもう怖くない。 この手には真実の光があり、隣には信じられる人がいる。
「さあ、お姉様。……嘘の清算を始めましょう」
重厚な扉が、ゆっくりと開かれた。 溢れ出す光の中へ、私たちは一歩を踏み出した。
「……到着しました、リリア様」
御者の声に、私は小さく頷いて馬車を降りた。 空気には湿った土の匂いと、微かな薬草の香りが混じっている。 手紙のインクと同じ、独特の苦い香りだ。
「ここで待機していてください。……もし一時間経っても私が戻らなければ、突入を」 「承知いたしました。……どうか、お気をつけて」
護衛の騎士に指示を出し、私は一人で小屋へと歩みを進めた。 扉は朽ちかけており、隙間から薄暗い室内の様子が窺える。 私は深呼吸をして、ノックもせずに扉を押し開けた。
中は意外にも広かった。 壁一面に古びた書物が積み上げられ、実験器具やフラスコが所狭しと並べられている。 埃っぽいが、乱雑ではない。 ある種の法則に従って整理された、学者の巣窟だ。
「……来たか。アルヴェインの娘よ」
部屋の奥、揺り椅子に座った老人が、本から目を離さずに声をかけてきた。 白髪はボサボサで、左目には黒い眼帯をしている。 だが、残された右目は、猛禽類のように鋭く私を射抜いていた。
「貴方が……手紙の主ですか?」 「いかにも。……名はクレイグ。かつては宮廷で魔導師長などという堅苦しい肩書きを背負っていた男だ」
クレイグ。 私の推測通りだ。 三年前、宝飾紛失事件の直後に「引退」したとされる伝説の魔導師。
「私の父の、ご友人だと伺いました」 「友人? ふん、悪友といった方が正しいな。……お前の父、ジェラルドとは学生時代からの腐れ縁だ。あいつは昔から、事なかれ主義の臆病者だったが……家名を守るためなら悪魔とでも手を組む男だったよ」
クレイグは本を閉じ、揺り椅子から立ち上がった。 その動作には老いを感じさせない力強さがある。
「単刀直入に言おう。お前がここへ来たのは、姉セシリアの『嘘』を暴くためだろう?」 「はい。姉は……恐ろしいものを隠しています。おそらく、王家から盗み出した『宝飾品』を使って」
「宝飾品か。……あれをただの飾り石だと思っているなら、お前はまだ何もわかっていない」
クレイグは部屋の中央にある作業台へ歩み寄り、布で覆われた何かを指差した。
「リリア。お前は『誓約(オース)』というものを、どう理解している?」 「……神への誓い。嘘をつけば罰が下る、絶対的な契約魔法です」 「教科書通りの答えだ。だが、魔術的な観点から言えば、あれは『共鳴現象』に過ぎない」
彼は布を取り払った。 そこにあったのは、複雑な幾何学模様が刻まれた水晶の欠片だった。
「誓約器の核となる魔石は、人の精神波――特に『確信』の波長に共鳴して発光する。……嘘をついている時、人の精神は微かに揺らぐ。そのノイズを感知して赤く光る。それが誓約器の正体だ」
「はい。だからこそ、本人が真実だと信じている嘘は検知できない……」 「そうだ。それが『欠陥』だ。……だが、もしその欠陥を意図的に拡張し、ノイズを強制的に打ち消す装置があったらどうなる?」
クレイグの言葉に、私は背筋が寒くなるのを感じた。 ノイズを打ち消す。 つまり、嘘をついていても精神の揺らぎを消去し、機械的に「真実」判定を出させる装置。
「……そんなものが、作れるのですか?」
「理論上はな。……私はかつて、その理論を完成させた。だが、あまりに危険すぎるため、設計図ごと封印したのだ。……『反転の誓約器(リバース・オース)』」
反転の誓約器。 真実を嘘に、嘘を真実に変える禁断の魔道具。
「しかし、その封印された技術を、なぜ姉が……?」 「……私の弟子がいた。ギルバートという男だ」
クレイグの顔が歪んだ。悔恨と怒りが入り混じった表情。
「ギルバートは優秀だったが、野心が過ぎた。彼は私の研究を盗み見し、禁忌に手を出そうとしたため、私は彼を破門した。……だが、彼は諦めていなかったようだ。パトロンを見つけ、研究を続けていた」
「そのパトロンが……姉セシリア」
「そうだ。そして、その研究には『純度の高い魔石』が大量に必要だった。……市場に出回っているようなクズ石ではない。王家が数百年前から管理している、純粋な『誓約の原石』がな」
点と点が、線になる。 三年前の宝飾紛失事件。 姉はギルバートに唆されたのか、あるいは自ら持ちかけたのか。 王家の保管庫にあった「宝飾品」――つまり『誓約の原石』を盗み出した。 そしてそれを砕き、十二個の欠片にして、少しずつ実験に使っていたのだ。
「姉は……その『反転の誓約器』を完成させたのですか?」
私の問いに、クレイグは重々しく頷いた。
「おそらくはな。マーサという侍女が持っていた毒……あれもギルバートの得意分野だ。奴らは準備を整えた。……三日後の夜会で、セシリアはそれを使うつもりだろう。『私は無実だ』と宣言し、真っ青な光を放って見せるためにな」
絶望的な光景が目に浮かぶ。 衆人環視の中での奇跡。 誰も疑えない「神の判定」。 それが成されれば、私は「聖女を陥れた大嘘つき」として、その場で捕らえられるだろう。 法も正義も、すべてが姉の演出の一部となる。
「……防ぐ手立てはないのですか?」
私が縋るように尋ねると、クレイグはニヤリと笑った。 それは悪友の娘を見る目ではなく、共犯者を見る目だった。
「あるからこそ、お前を呼んだのだ。……毒には解毒剤を。偽造には看破を」
彼は作業台の引き出しから、小さなペンダントのようなものを取り出した。 透明なクリスタルが埋め込まれた、銀の装飾具。
「『真理のプリズム』。……私が引退後に細々と作っていた、対抗策だ」
彼はそれを私の掌に乗せた。 ひんやりとしていて、微かに脈打つような魔力を感じる。
「このプリズムは、魔力の『干渉波』を可視化する。……もしセシリアが使う誓約器が偽造品であれば、そこには必ず、外部から精神波を操作する魔力の糸が繋がっているはずだ。このプリズムを通せば、その糸が光って見える」
「光って見える……」 「ああ。そして、その糸の出どころ――つまり、操作している術者の位置も特定できる。……おそらくギルバートが会場のどこかに潜んでいるはずだ」
私はプリズムを握りしめた。 これがあれば、姉の嘘を視覚的に暴ける。 「奇跡」のタネあかしができる。
「ただし、条件がある」 クレイグの右目が鋭く細められた。
「このプリズムは、使用者自身の精神波を触媒にする。……つまり、お前自身が『嘘のない状態』でなければ、プリズムは濁って何も映さない」 「嘘のない状態……?」 「そうだ。恐怖、迷い、欺瞞。……少しでも心に曇りがあれば、この道具はただのガラス玉だ。セシリアと対峙した時、お前は一ミリの迷いもなく、自分の正義を信じ抜けるか?」
問われているのは、技術ではなく覚悟だ。 姉を断罪することへの躊躇い。 家族を破滅させることへの罪悪感。 あるいは、自分自身の保身。 それらが少しでも残っていれば、私は失敗する。
「……できます」
私は即答した。 迷いなら、もう捨ててきた。 雨のルナ・ポートで、泣き崩れるマーサを見た時に。 スラムの施療院で、飢えた子供たちを見た時に。
「私は、姉を憎んでいるわけではありません。……ただ、彼女が積み上げた『嘘の城』を解体し、奪われたものを元の場所に還したいだけです。それが私の真実です」
クレイグは私の目をじっと見つめ、やがて満足そうに頷いた。
「……いい目だ。ジェラルドの娘とは思えんな」
彼は背を向け、手を振った。
「行け。……そして、あの愚かな弟子と、道化の聖女に引導を渡してやれ」
「ありがとうございます。……あの、父のことは……」 「気にするな。あいつの罪は、あいつ自身が背負うべきものだ。お前が背負う必要はない」
私は深く頭を下げ、風車小屋を後にした。 外に出ると、太陽が高く昇っていた。 掌の中のプリズムが、光を受けて虹色に輝いた。
◇
王都へ戻る馬車の中で、私はプリズムを胸に抱きながら考えを巡らせていた。 武器は手に入れた。 だが、これを使うには「舞台」が必要だ。 姉が用意した「誓約の儀」という舞台を、逆に利用する。 そのためには、王宮側の協力が不可欠だ。
王宮に到着したのは、夕刻だった。 私はその足で、レオンハルト様の執務室ではなく、王妃宮へと向かった。 今回の件は、宰相府の権限を超えている。 王家の秘宝である「魔石」が関わっている以上、王妃陛下に直接報告し、判断を仰ぐ必要がある。
「……通りなさい」
王妃付きの女官に案内され、私はエレオノーラ陛下の私室へと入った。 そこには、レオンハルト様も同席していた。 私が戻ることを予測して、待機していてくれたのだろう。
「無事だったようね、リリア」
王妃陛下は、窓際で刺繍の手を止め、私を迎えてくれた。 その表情は穏やかだが、瞳の奥には隠しきれない憂いがある。
「はい。……クレイグ殿より、全てを聞いてまいりました」
私は風車小屋での出来事、宝飾品の正体、そして姉が企む「反転の誓約器」について詳細に報告した。 王妃陛下は静かに聞いていたが、宝飾品のくだりになると、小さく溜息をついた。
「やはり……そうでしたか」 「ご存じだったのですか?」 「ええ。……あの『青い硝子』は、初代国王が遺した『王権の守護石』。本来は、国王即位の際にのみ使われる、絶対的な契約の石です」
王妃陛下は立ち上がり、壁に飾られた古いタペストリーに触れた。
「それを砕き、私物化するとは……。セシリアの野心は、わたくしの想像を超えていました。彼女は、王妃になるだけでは満足せず、この国の『法』そのものになろうとしているのですね」
法そのもの。 自分の言葉が全て真実となり、意に沿わない者は嘘つきとして裁かれる世界。 それはもはや政治ではなく、カルトによる支配だ。
「陛下。……三日後の夜会で、姉はその偽造品を使います。ですが、私にはそれを暴く策があります」
私は『真理のプリズム』を取り出し、テーブルに置いた。
「このプリズムを使えば、偽装を視覚化できます。……ですが、そのためには私が姉の目の前まで近づき、至近距離で発動させる必要があります」 「危険すぎる」
レオンハルト様が口を挟んだ。
「夜会の会場には、姉の親衛隊や、買収された貴族たちが大勢いる。それに、その『ギルバート』という術者がどこに潜んでいるかもわからない。……お前が動けば、消されるぞ」
「それでも、やるしかありません」
私は彼を見つめた。
「遠くから指をさすだけでは、彼女の演技には勝てません。……舞台に上がり、彼女の隣に立ち、その仮面を直接剥がさなければ、観客は納得しないのです」
レオンハルト様は何か言いたげに口を開いたが、王妃陛下が手を挙げて制した。
「……覚悟は本物のようですね、リリア」 「はい」 「よろしい。では、わたくしも舞台を整えましょう」
王妃陛下は悪戯っぽく微笑んだ。
「夜会の主催はセシリアですが、会場の手配と警備は王宮の管轄です。……照明、音響、そして座席配置。全てを『貴女が戦いやすいように』調整させます」 「ありがとうございます!」
「ただし」 王妃陛下の声が厳しくなる。
「失敗は許されません。もしプリズムが作動せず、姉の無実が証明されてしまえば……わたくしでも貴女を庇うことはできなくなります。それは、わたくしの敗北も意味しますから」
「肝に銘じます。……必ず、成功させます」
◇
王妃宮を出ると、日はすでに落ち、回廊には冷たい夜風が吹き抜けていた。 レオンハルト様が、無言のまま私の隣を歩く。 その足取りは重い。
「……怒っていますか?」 私が尋ねると、彼は立ち止まり、深く息を吐いた。
「怒っているわけではない。……ただ、悔しいだけだ」 「悔しい?」 「ああ。私は宰相補佐として、国の制度と権力でお前を守ると誓った。……だが結局、最後はお前自身の命を懸けた賭けに頼らざるを得ない。それが不甲斐ない」
彼は拳を壁に叩きつけた。 ドン、という鈍い音が響く。 いつも冷静な彼が、感情を露わにしている。
「レオンハルト様……」 「リリア。……約束してくれ」
彼は私の肩を掴み、真剣な眼差しで私を見下ろした。
「夜会当日、私の目の届く範囲から離れるな。……万が一の時は、私が介入する。たとえ職を失おうとも、お前だけは守る」
その瞳に宿る熱。 それは単なる同盟者への義務感ではない。 もっと個人的で、切実な想い。
胸が熱くなる。 言葉にしなくても、伝わってくる。 彼もまた、孤独な戦いの中で、私という存在を必要としてくれているのだと。
「……約束します。勝手な真似はしません」 私は彼の手の上に、自分の手を重ねた。
「でも、介入はしないでください。……これは私の戦いです。私が自分の手で決着をつけなければ、私は一生、姉の影に怯えて生きることになります」
「……わかった」
彼は苦渋の表情で頷き、ゆっくりと手を離した。
「だが、背中は守る。……それだけは譲らん」 「はい。……頼りにしています」
私たちは月明かりの下、しばらく無言で見つめ合った。 言葉はもう要らない。 共犯者としての絆。 そして、それ以上の何かが、二人の間に芽生え始めていた。
◇
決戦までの三日間は、瞬く間に過ぎ去った。 私は執務室に籠もり、クレイグから教わったプリズムの起動手順を反復練習した。 心を無にする。 迷いを捨てる。 自分の中にある真実だけを研ぎ澄ます。 それは精神統一の修行のようだった。
一方、王宮内では着々と準備が進められていた。 カミュ団長は会場となる『白薔薇の間』の警備計画を練り直し、部下たちに徹底的な配置を指示した。 王妃陛下は、中立派の貴族たちに根回しを行い、当日の「証人」としての役割を確約させた。 レオンハルト様は、ガレオン商会と教会の残党を監視し、ギルバートらしき人物の潜伏先を探らせた。
そして、運命の夜が訪れた。
空は快晴。 満月が、青白い光を王都に注いでいる。 まるで、これからの審判を見届ける巨大な瞳のように。
私は鏡の前に立った。 今夜のために用意したのは、王妃陛下から贈られた純白のドレスではない。 深淵のような、濃紺のドレス。 装飾は最小限だが、その色は夜空のように深く、凛とした気品を漂わせている。 監査官としての制服の色に近い、私の戦闘服だ。
「……行きましょう」
私は首元に『真理のプリズム』を隠し、手袋をはめた。 扉を開けると、そこにはレオンハルト様が待っていた。 正装に身を包んだ彼は、息を呑むほど凛々しかった。
「準備はいいか」 「はい」
彼が手を差し出す。 私はその手を取り、しっかりと握り返した。
「エスコートを頼めますか、宰相補佐様」 「喜んで、監査官殿」
二人の足音が、廊下に響く。 向かう先は『白薔薇の間』。 かつて私が追放された場所であり、今、姉が待つ最後の舞台。
扉の向こうから、どよめきと音楽が聞こえてくる。 その喧騒は、まるで荒れ狂う海のようだ。 だが、私はもう怖くない。 この手には真実の光があり、隣には信じられる人がいる。
「さあ、お姉様。……嘘の清算を始めましょう」
重厚な扉が、ゆっくりと開かれた。 溢れ出す光の中へ、私たちは一歩を踏み出した。
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