『姉に全部奪われた私、今度は自分の幸せを選びます ~姉の栄光を支える嘘を、私は一枚ずつ剥がす~』

六角

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第17話「印章庫の夜」

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王宮の北外れ、深い森の中にひっそりと佇む『白薔薇の離宮』。 かつては王族の別荘として使われていたその場所は、長い年月を経て蔦に覆われ、廃墟同然の姿を晒していた。 だが、その地下には、王妃エレオノーラ陛下だけが知る秘密の隠れ家が存在した。 有事の際に備え、食料や武器、そして外部への通信手段が確保された、最後の砦。

冷たい石造りの地下室で、私は地図を広げていた。 魔導ランプの薄暗い明かりが、私の顔と、向かいに座るレオンハルト様の深刻な表情を照らし出している。 壁際では、カミュ団長が愛剣の手入れをしながら、時折苛立たしげに舌打ちをしていた。

「……状況は最悪だな」

レオンハルト様が、地図の上に置かれた駒を弾いた。 その駒は、王宮を示している。

「王宮からの魔力波形を観測したが、異常な数値だ。……セシリアの『誓約』による暗示は、王都全域にまで広がっている可能性がある」 「洗脳された人々は、セシリアを絶対的な正義だと信じ込み、私たちを国家反逆者として追っています。……このままでは、食料の調達すらままなりません」

私は唇を噛んだ。 たった一日で、世界は裏返った。 昨日まで私を称えていた人々が、今は私の首に賞金をかけ、血眼になって捜している。 セシリアの蒔いた「種」――七つの魔石による共鳴現象は、人々の思考をハッキングし、正常な判断力を奪ってしまったのだ。

「……で? どうするんだ、軍師殿」

カミュ団長が剣を鞘に納め、ギラリと光る目で私たちを見た。

「このままここで、カビの生えたパンをかじりながら震えて待つか? それとも、あの魔女の元へ殴り込みをかけるか?」 「殴り込みをかけても、返り討ちに遭うだけです。……今のセシリアには、国中の人間という『盾』がありますから」

私は冷静に返した。 感情論で動けば負ける。それはこれまでの戦いで学んだことだ。 必要なのは、相手の力の源泉を断つこと。

「セシリアの力は、七つの魔石の共鳴に依存しています。……逆に言えば、その魔石を回収、あるいは破壊すれば、洗脳は解けるはずです」 「だが、魔石の場所がわからん」 レオンハルト様が指摘する。 「法廷にいた貴族たちが持っていたのは間違いないが、それが誰で、今どこにいるのか……。数百人の中から特定するのは、雲を掴むような話だ」

「……いいえ、特定する方法はあります」

私は地図の一点を指差した。 王宮の中枢。 私たちが最もよく知る場所。

「印章庫です」

二人の視線が集まる。

「三年前、姉が盗み出した『王権の守護石』……あれは元々、王家の契約を管理するためのマスターデバイスでした。当然、印章庫の最深部には、その石を制御するための『台座』が残されているはずです」 「台座?」 「はい。守護石は、分割されても本体(ホスト)である台座とのリンクを失いません。……もし台座の制御盤を起動できれば、分割された欠片――つまり七つの魔石の現在位置を、魔力反応として地図上に表示させることができるはずです」

私の言葉に、レオンハルト様の目が鋭く光った。 「……なるほど。GPSのようなものか」 「はい。敵の位置さえわかれば、各個撃破して回収できます」

しかし、問題は場所だ。 印章庫は、今や敵の本丸である王宮のど真ん中にある。 指名手配中の私たちが近づくには、あまりにも危険すぎる場所。

「……面白い」 カミュ団長がニヤリと笑い、立ち上がった。 「灯台下暗し、ってやつか。……警備は厳重だろうが、洗脳されてボケっとしてる連中なら、俺一人で十分だ」 「私も行きます」 レオンハルト様も立ち上がる。 「印章庫のセキュリティ解除には、宰相府の権限コードが必要だ。……それに、お前一人に行かせるわけにはいかない」

彼の視線が私に向けられる。 その瞳には、あの法廷での逃走劇の時と同じ、強い意志が宿っていた。

「……わかりました。行きましょう」

私は地図を畳み、監査官の制服――今は泥と埃にまみれているが――の襟を正した。 今夜、私たちは奪還する。 奪われた正義を取り戻すための、「地図」を。

          ◇

深夜。 王都は不気味なほどの静寂に包まれていた。 空には分厚い雲がかかり、月明かりすら届かない漆黒の闇。 私たちは離宮の隠し通路を抜け、王宮の裏手にある排水路へと向かった。

かつて私が監査のために調査したことのある、忘れられたルートだ。 悪臭と汚水の中を進むのは骨が折れたが、誰にも見つからずに城壁の内側へと侵入するには、ここしかなかった。

「……うぷっ。……リリア嬢、お前よくこんな道を知ってたな」 カミュ団長が鼻をつまみながらぼやく。 「予算監査の一環です。……施設の維持管理費が適正に使われているか、自分の足で確認しましたから」 「へっ、とんだお姫様だぜ」

排水路の鉄格子をカミュ団長が怪力でこじ開け、私たちは城内の中庭へと出た。 ここからは、地上の戦いだ。 見回りの衛兵たちが、松明を持って巡回している。 彼らの目は虚ろで、機械のような動きをしていた。 洗脳の影響だ。

「……殺すなよ」 レオンハルト様が短く命じる。 「彼らも被害者だ。……気絶させるだけに留めろ」 「わーってるよ。峰打ちだろ?」

カミュ団長が闇に溶け込むように走り出した。 音もなく衛兵の背後に忍び寄り、剣の柄で首筋を一撃。 ドサッ、という鈍い音と共に、衛兵が崩れ落ちる。 鮮やかな手並みだ。 私たちはその隙に、回廊の影を縫って進んだ。

目指すは中央塔の地下、印章庫。 そこへ至る回廊には、何重もの魔法結界と、自動迎撃用のゴーレムが配置されているはずだ。 だが、今の王宮は混乱の最中にある。 セシリアが支配権を握ったとはいえ、実務レベルでの運用には綻びがあるはずだ。

「……やはりな」 印章庫の入り口が見える角で、レオンハルト様が足を止めた。 扉の前には、二体の巨大な石像――ガーディアン・ゴーレムが立っていたが、その動力炉の光は消えていた。 「魔力供給が止まっている。……セシリアが『誓約』の維持に魔力を使いすぎて、防衛システムへの供給がおろそかになっているようだ」

「好都合です。……でも、油断はできません」

私が扉に近づき、検印用のパネルに手をかざそうとした時だった。

「……誰だ」

闇の中から、低い声が響いた。 心臓が跳ねる。 見つかった。 通路の奥から現れたのは、数人の近衛騎士たちだった。 その先頭に立っているのは、見知った顔。 カミュ団長の副官、ジェイクだ。

「……ジェイク?」 カミュ団長が驚きの声を上げる。 ジェイクは虚ろな目で私たちを見据え、ゆっくりと剣を抜いた。

「侵入者を発見。……聖女様の敵。……排除する」

「おい、ジェイク! 俺だ、カミュだぞ! わからねえのか!」 カミュ団長が呼びかけるが、ジェイクは無反応だ。 彼の背後には、同じように洗脳された精鋭たちが控えている。 かつての仲間同士での殺し合い。 セシリアは、最も残酷な手駒を配置していた。

「……団長。……裏切り者。……死ね」

ジェイクが踏み込む。速い。 カミュ団長は咄嗟に大剣で受け止めたが、その衝撃で後ろへ飛ばされた。 「くっ……! マジかよ、腕を上げてやがる!」

「リリア、行け!」 レオンハルト様が叫んだ。 「ここは我々が食い止める! 君は印章庫へ!」

「でも……!」 「急げ! 彼らを救うためにも、元凶を断つんだ!」

レオンハルト様が氷の障壁を展開し、騎士たちの進路を塞ぐ。 カミュ団長が吠えながら突撃する。 私は唇を噛み締め、扉のパネルに手を押し当てた。 監査官のIDと、レオンハルト様から預かったパスコードを入力する。

『認証……承認』

重苦しい音と共に、鋼鉄の扉が開いた。 私は背後の激闘を振り返らず、印章庫の中へと飛び込んだ。

          ◇

印章庫の内部は、静寂に包まれていた。 無数の棚に収められた公文書の山。 インクと羊皮紙の匂い。 かつて私が、姉の不正の証拠を見つけた場所。 だが、今回の目的地はここではない。 さらに奥、関係者以外立ち入り禁止の『最深部』だ。

私は迷路のような書架を走り抜けた。 突き当たりにある、王家の紋章が刻まれた扉。 ここには物理的な鍵はなく、魔力によるパズル認証が施されている。 だが、私には解ける。 幼い頃、父の書斎で古い文献を読み漁り、王家の歴史と紋章学を叩き込んだ知識がある。

「……月は満ち、欠け、また満ちる。……剣は折れず、盾は砕けず……」

古代語の詠唱と共に、紋章のレリーフを正しい順序で押していく。 カチリ、カチリと音がして、最後のピースがはまった瞬間。 ゴゴゴ……と地響きを立てて、隠し扉が開いた。

中は狭い円形の部屋だった。 中央に、青白く光る石柱が立っている。 その上に設置された、古びた金属製の台座。 『王権の守護石』が安置されていた場所だ。

「あった……!」

私は駆け寄り、台座を確認した。 石はなくなっているが、台座の制御盤は生きている。 複雑なルーン文字が明滅し、微かな魔力を放っている。 私は手袋を外し、震える指で制御盤に触れた。

「……起動。ターゲット検索……『分割された因子』」

魔力を流し込むと、台座が唸りを上げた。 空中にホログラムのような光の地図が投影される。 王都の地図だ。 そこに、七つの赤い光点が浮かび上がることを期待して。

だが。

「……え?」

表示された地図には、光点は一つもなかった。 真っ暗だ。 エラー? 故障? いや、制御盤のメッセージにはこう表示されていた。

『対象ハ、結界ニヨリ遮断サレテイマス』

結界。 誰かが、魔石の位置情報を隠蔽するために、強力な妨害結界(ジャミング)を展開している。 セシリアか? いや、彼女にそこまでの技術はない。 だとしたら、帝国の技術者? それともギルバートの残した遺産?

「……そんな」

膝から力が抜ける。 ここまで来て、手ぶらで帰るのか。 絶望がよぎったその時、私は台座の隅に、一枚の紙片が挟まっているのを見つけた。 古びたメモ用紙。 そこに書かれていたのは、見覚えのある筆跡だった。

『リリアへ。  ここに来ることは予期していた。  ……お前がこれを見ているということは、私はもう逃げられなかったということだろう』

父、ジェラルド・アルヴェインの字だ。 震える文字で書かれた、遺書のようなメッセージ。

『セシリアは怪物になってしまった。私の責任だ。  あの子は「帝国の影」と繋がっている。  奴らは魔石を使って、この国を乗っ取るつもりだ。  ……だが、私にも意地はある。  アルヴェイン家の当主として、最後の保険を残す』

メモの下には、複雑な数式と、ある座標が記されていた。

『魔石のジャミングを無効化する「裏コード」だ。  これは、私がかつて王家の書庫から盗み見た禁忌の術式。  ……これを使えば、たとえ帝国の結界だろうと貫ける。  使え。そして、あの子を……姉を止めてくれ』

涙が溢れた。 父は、完全に姉に魂を売ったわけではなかった。 最後の最後で、迷い、苦しみ、そして娘である私に希望を託したのだ。 法廷であの酷い証言をしたのも、姉を油断させ、このメモを残す時間稼ぎをするためだったのかもしれない。

「……馬鹿なお父様」

私は涙を拭い、メモに書かれた裏コードを制御盤に入力した。 複雑な魔力操作。 指先が焼けるように熱い。 だが、止まらない。

『コード認証……ジャミング解除』

パァァッ! 光の地図が再構成される。 そして、闇の中に、七つの赤い光点が鮮やかに浮かび上がった。

一つは、貴族街のバークレイ侯爵邸。ミランダだ。 一つは、商業区のガレオン商会跡地。 一つは、スラム街の教会跡。 一つは、王宮内の近衛騎士詰め所。 ……。

そして最後の一つ。 最も強く、大きく輝く光点は。 王宮の最上階、『玉座の間』にあった。

「……セシリア」

彼女自身もまた、魔石の一つを持っている。 それも、おそらく最大のかけらを。 彼女こそが共鳴の中心(ホスト)。

「確保しました……!」

私は地図のデータを、持参した記録用の魔道具に転写した。 これで敵の居場所は丸裸だ。 任務完了。 あとは脱出するだけだ。

私は台座を離れ、出口へと走った。 扉を開けると、そこには激闘の跡があった。 洗脳された騎士たちが床に転がり、呻き声を上げている。 カミュ団長は肩で息をし、レオンハルト様は片膝をついて氷の壁を維持していた。

「……リリア! 済んだか!」 「はい! 地図を手に入れました!」 「よし、撤収だ!」

カミュ団長がジェイクを気絶させて担ぎ上げる。 「こいつも連れて行く。……あとで正気に戻して説教してやらねえとな」 乱暴だが、部下想いの彼らしい。

私たちは再び排水路を通って脱出した。 泥まみれになりながら、離宮へと戻る。 空が白み始めていた。 長い、長い夜が明ける。

          ◇

離宮の地下室に戻った私たちは、泥のように眠る……暇はなかった。 すぐに地図を広げ、作戦会議を開始する。

「……ターゲットは七箇所。分散しているな」 レオンハルト様が地図を睨む。 「これらを同時に叩くのは不可能だ。順番に回収していくしかないが、一つでも回収されればセシリアに気づかれる。……警戒レベルが上がれば、残りの回収は困難になる」

「スピード勝負ですね」 私が言うと、カミュ団長がニヤリと笑った。 「面白え。……俺の部下で、洗脳を免れた連中が数人いる。そいつらと手分けして、電撃作戦といこうぜ」

「私も行きます。……まずは、一番近い場所から」 私は地図上の一点を指差した。 貴族街。 バークレイ侯爵邸。

「ミランダ様。……貴女から始めさせていただきます」

彼女は法廷で私を罵倒し、魔石の力に酔いしれていた。 彼女が持っている魔石は、おそらく「虚栄心」に共鳴している。 彼女を攻略すれば、貴族社会への洗脳の一角を崩せるはずだ。

「……リリア。少し休め」 レオンハルト様が、コーヒーを差し出してくれた。 「顔色が悪い。……父上のメモ、だったな」 「……はい」 「そうか。……彼もまた、父親だったということだ」

レオンハルト様の不器用な慰めに、私は少しだけ微笑んだ。 父の罪は消えない。 でも、その最期の足掻きが、今の私を救ってくれた。 それだけで十分だ。

「ありがとうございます。……でも、休んでいる時間はありません。反撃の狼煙を上げましょう」

私はコーヒーを一気に飲み干した。 苦い味が、覚悟の味に変わる。

夜明けの光が、地下室の小さな窓から差し込んでいた。 それは希望の光か、それとも戦火の予兆か。 どちらにせよ、私はもう止まらない。 地図に示された七つの光。 それらを一つずつ消し去り、最後に待つ姉の元へ辿り着くために。

「作戦開始です。……第一目標、バークレイ侯爵邸」
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