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第二十七話:最後の対決
勝利の宴は、夜更けまで続いた。
しかし、連日の緊張と疲労から、私は、早めに席を立つことにした。
アレクシス様も、私の体調を気遣い、「先に部屋で休んでいるといい」と、優しく言ってくれた。
久しぶりに、鎧を脱ぎ、温かい湯を浴びる。
侍女が用意してくれた、清潔なナイトガウンに身を包むと、ようやく、心も体も、解きほぐれていくようだった。
「……疲れた……」
誰もいない私室で、ぽつりと呟く。
ベッドに身を投げ出すと、柔らかなシーツが、疲れた体を優しく包んでくれた。
もう、何も考えたくない。
このまま、眠ってしまおう。
そう、思った、その時だった。
カチャリ。
背後で、小さな、金属音がした。
それは、鍵のかかっていなかった、バルコニーへ続く扉が開く音。
侍女だろうか? いや、侍女たちは、もう、とうに下がらせたはずだ。
ぞわり、と、背筋に、悪寒が走る。
ゆっくりと、振り返ると、そこに、一人の女が立っていた。
髪は乱れ、ドレスは泥と、血で、汚れている。
その顔は、憎悪と、狂気で、醜く歪んでいた。
そして、その手には、紫色の、妖しい光を放つ、一本の短剣が、握られている。
「……マルティナ……様……」
なぜ、あなたが、ここに。
逃げたのではなかったのか。
「……ようやく、見つけたわ……。泥棒猫……!」
マルティナは、獣のような、低い声で、呻いた。
その瞳は、もはや、正気の色を失っている。
「お前のせいで……! お前のせいで、私は、全てを失った! 家も、地位も、未来も! 全部、全部、お前のせいよ!」
彼女は、一歩、また一歩と、私に、にじり寄ってくる。
その手に握られた短剣には、おそらく、即効性の猛毒が、たっぷりと塗られているのだろう。
一太刀でも、浴びれば、終わりだ。
怖い。
体が、恐怖で、金縛りにあったように、動かない。
声も、出ない。
(誰か……! 助けて……!)
心の中で、叫ぶ。
だが、ここは、城の最上階に近い、私の私室。
宴の喧騒は、ここまで、届かない。
「アレクシス様は、私のものだった! この城の女主人になるのは、この私だったのよ! それを、あんたのような、どこの馬の骨とも知れない、追放女が……!」
憎しみの言葉が、機関銃のように、放たれる。
「許さない……! 絶対に、許さないわ! お前を、八つ裂きにして、あの世のアレクシス様(・・・・・)に、送ってあげる!」
彼女の思考は、もはや、破綻している。
アレクシス様が、生きているという、現実さえ、認識できていない。
マルティナが、最後の数歩を詰め、私に、飛びかかってこようとした、その瞬間。
私の脳裏に、これまでの、数々の出来事が、走馬灯のように、駆け巡った。
追放された日。
辺境の地で、絶望したこと。
アレクシス様と、出会ったこと。
領民たちと、笑い合ったこと。
そして、代理領主として、皆の前に立ち、戦い抜いたこと。
そうだ。
私はもう、ただ、守られるだけの、か弱い令嬢じゃない。
このヴァイスハルトの、領主夫人なのだ。
恐怖に支配されていた私の心に、カチリ、と、スイッチが入る。
足が、動いた。
私は、マルティナが、短剣を振りかざすのと、ほぼ同時に、ベッドの脇にあった、銀製の、重い水差しを、ひっつかんだ。
そして、それを、盾のように、体の前に、構える!
ガキンッ!
鈍い金属音と共に、毒の短剣が、水差しに、深く突き刺さった。
その衝撃に、マルティナの体勢が、ぐらりと、崩れる。
「……なっ!?」
私が、抵抗するなどと、夢にも思わなかったのだろう。
彼女の顔に、驚愕の色が浮かぶ。
その、一瞬の隙を、私は、見逃さなかった。
私は、残った力を、振り絞り、水差しごと、彼女の体を、力一杯、突き飛ばした!
「きゃあああっ!」
マルティナは、短い悲鳴を上げて、床に、派手に、転がった。
短剣が、彼女の手から、離れ、カラン、と、乾いた音を立てる。
その、まさに、その時だった。
バンッ! と、凄まじい音を立てて、部屋の扉が、外から、蹴破られた。
そこに立っていたのは、息を切らせた、アレクシス様だった。
その手には、抜身の剣が、握られている。
「リナッ!」
彼は、室内の惨状を、一瞬で、把握した。
そして、その氷の瞳を、床に這いつくばる、マルティナへと、向けた。
その瞳に宿っていたのは、もはや、怒りではない。
絶対零度の、無感情。
まるで、汚物でも見るかのような、冷え切った、侮蔑の色だった。
「……まだ、足掻くか。醜い、毒虫め」
アレクシス様は、ゆっくりと、マルティナに、歩み寄る。
その、圧倒的な威圧感に、マルティナは、恐怖に、ひきつった悲鳴を上げた。
「く、来るな! 化け物!」
彼女は、這うようにして、後ずさる。
だが、アレクシス様は、その震える首根っこを、鷲掴みにし、いとも容易く、宙吊りにした。
「ぐっ……! あ……!」
マルティナが、苦悶の声を上げる。
このままでは、彼女は、殺される。
「……おやめください、アレクシス様!」
私は、思わず、叫んでいた。
アレクシス様が、驚いたように、私を、振り返る。
「リナ……? 何を言う。こいつは、お前を殺そうとしたのだぞ」
「存じております。ですが、あなたのその手を、こんな女の血で、汚しては、なりません」
私は、ふらつく足で、立ち上がると、アレクシス様の隣に立った。
そして、もがき苦しむ、マルティナを、まっすぐに見つめる。
「なぜ……? なぜ、私を、殺さなかったの……?」
マルティナが、か細い声で、尋ねてきた。
私は、静かに、そして、はっきりと、彼女に告げた。
それは、今の私だからこそ、言える言葉だった。
「あなたを殺しても、何も、生まれませんから」
「……!」
「それに、あなたには、死ぬよりも、もっと、相応しい罰がありますわ」
「な、に……?」
「生きて、ご自分の犯した罪と、その愚かさと、一生、向き合っていただくのです。それが、法の下での、裁きというものですから」
私の言葉に、マルティナは、絶望に、目を見開いた。
殺されるよりも、もっと、恐ろしい罰。
それは、生き恥を、晒し続けること。
アレクシス様は、私の言葉を聞くと、ふっと、その口元を緩めた。
そして、マルティナの体を、ゴミでも捨てるかのように、床に、投げ捨てた。
「……聞いたか。これが、俺の妻の、裁きだ」
彼は、駆けつけた衛兵に、マルティナを、厳重に、拘束するよう、命じた。
全てが、終わった。
本当に、全てが。
私は、張り詰めていた、全ての糸が切れ、その場に、崩れ落ちそうになった。
そんな私を、アレクシス様が、再び、その逞しい腕で、優しく、抱きとめてくれた。
「……怖かっただろう。もう、大丈夫だ。俺が、そばにいる」
その声と、温もりに、私の涙腺は、完全に、決壊した。
私は、子供のように、彼の胸の中で、声を上げて、泣きじゃくった。
長い、長い、戦いが、ようやく、終わったのだ。
しかし、連日の緊張と疲労から、私は、早めに席を立つことにした。
アレクシス様も、私の体調を気遣い、「先に部屋で休んでいるといい」と、優しく言ってくれた。
久しぶりに、鎧を脱ぎ、温かい湯を浴びる。
侍女が用意してくれた、清潔なナイトガウンに身を包むと、ようやく、心も体も、解きほぐれていくようだった。
「……疲れた……」
誰もいない私室で、ぽつりと呟く。
ベッドに身を投げ出すと、柔らかなシーツが、疲れた体を優しく包んでくれた。
もう、何も考えたくない。
このまま、眠ってしまおう。
そう、思った、その時だった。
カチャリ。
背後で、小さな、金属音がした。
それは、鍵のかかっていなかった、バルコニーへ続く扉が開く音。
侍女だろうか? いや、侍女たちは、もう、とうに下がらせたはずだ。
ぞわり、と、背筋に、悪寒が走る。
ゆっくりと、振り返ると、そこに、一人の女が立っていた。
髪は乱れ、ドレスは泥と、血で、汚れている。
その顔は、憎悪と、狂気で、醜く歪んでいた。
そして、その手には、紫色の、妖しい光を放つ、一本の短剣が、握られている。
「……マルティナ……様……」
なぜ、あなたが、ここに。
逃げたのではなかったのか。
「……ようやく、見つけたわ……。泥棒猫……!」
マルティナは、獣のような、低い声で、呻いた。
その瞳は、もはや、正気の色を失っている。
「お前のせいで……! お前のせいで、私は、全てを失った! 家も、地位も、未来も! 全部、全部、お前のせいよ!」
彼女は、一歩、また一歩と、私に、にじり寄ってくる。
その手に握られた短剣には、おそらく、即効性の猛毒が、たっぷりと塗られているのだろう。
一太刀でも、浴びれば、終わりだ。
怖い。
体が、恐怖で、金縛りにあったように、動かない。
声も、出ない。
(誰か……! 助けて……!)
心の中で、叫ぶ。
だが、ここは、城の最上階に近い、私の私室。
宴の喧騒は、ここまで、届かない。
「アレクシス様は、私のものだった! この城の女主人になるのは、この私だったのよ! それを、あんたのような、どこの馬の骨とも知れない、追放女が……!」
憎しみの言葉が、機関銃のように、放たれる。
「許さない……! 絶対に、許さないわ! お前を、八つ裂きにして、あの世のアレクシス様(・・・・・)に、送ってあげる!」
彼女の思考は、もはや、破綻している。
アレクシス様が、生きているという、現実さえ、認識できていない。
マルティナが、最後の数歩を詰め、私に、飛びかかってこようとした、その瞬間。
私の脳裏に、これまでの、数々の出来事が、走馬灯のように、駆け巡った。
追放された日。
辺境の地で、絶望したこと。
アレクシス様と、出会ったこと。
領民たちと、笑い合ったこと。
そして、代理領主として、皆の前に立ち、戦い抜いたこと。
そうだ。
私はもう、ただ、守られるだけの、か弱い令嬢じゃない。
このヴァイスハルトの、領主夫人なのだ。
恐怖に支配されていた私の心に、カチリ、と、スイッチが入る。
足が、動いた。
私は、マルティナが、短剣を振りかざすのと、ほぼ同時に、ベッドの脇にあった、銀製の、重い水差しを、ひっつかんだ。
そして、それを、盾のように、体の前に、構える!
ガキンッ!
鈍い金属音と共に、毒の短剣が、水差しに、深く突き刺さった。
その衝撃に、マルティナの体勢が、ぐらりと、崩れる。
「……なっ!?」
私が、抵抗するなどと、夢にも思わなかったのだろう。
彼女の顔に、驚愕の色が浮かぶ。
その、一瞬の隙を、私は、見逃さなかった。
私は、残った力を、振り絞り、水差しごと、彼女の体を、力一杯、突き飛ばした!
「きゃあああっ!」
マルティナは、短い悲鳴を上げて、床に、派手に、転がった。
短剣が、彼女の手から、離れ、カラン、と、乾いた音を立てる。
その、まさに、その時だった。
バンッ! と、凄まじい音を立てて、部屋の扉が、外から、蹴破られた。
そこに立っていたのは、息を切らせた、アレクシス様だった。
その手には、抜身の剣が、握られている。
「リナッ!」
彼は、室内の惨状を、一瞬で、把握した。
そして、その氷の瞳を、床に這いつくばる、マルティナへと、向けた。
その瞳に宿っていたのは、もはや、怒りではない。
絶対零度の、無感情。
まるで、汚物でも見るかのような、冷え切った、侮蔑の色だった。
「……まだ、足掻くか。醜い、毒虫め」
アレクシス様は、ゆっくりと、マルティナに、歩み寄る。
その、圧倒的な威圧感に、マルティナは、恐怖に、ひきつった悲鳴を上げた。
「く、来るな! 化け物!」
彼女は、這うようにして、後ずさる。
だが、アレクシス様は、その震える首根っこを、鷲掴みにし、いとも容易く、宙吊りにした。
「ぐっ……! あ……!」
マルティナが、苦悶の声を上げる。
このままでは、彼女は、殺される。
「……おやめください、アレクシス様!」
私は、思わず、叫んでいた。
アレクシス様が、驚いたように、私を、振り返る。
「リナ……? 何を言う。こいつは、お前を殺そうとしたのだぞ」
「存じております。ですが、あなたのその手を、こんな女の血で、汚しては、なりません」
私は、ふらつく足で、立ち上がると、アレクシス様の隣に立った。
そして、もがき苦しむ、マルティナを、まっすぐに見つめる。
「なぜ……? なぜ、私を、殺さなかったの……?」
マルティナが、か細い声で、尋ねてきた。
私は、静かに、そして、はっきりと、彼女に告げた。
それは、今の私だからこそ、言える言葉だった。
「あなたを殺しても、何も、生まれませんから」
「……!」
「それに、あなたには、死ぬよりも、もっと、相応しい罰がありますわ」
「な、に……?」
「生きて、ご自分の犯した罪と、その愚かさと、一生、向き合っていただくのです。それが、法の下での、裁きというものですから」
私の言葉に、マルティナは、絶望に、目を見開いた。
殺されるよりも、もっと、恐ろしい罰。
それは、生き恥を、晒し続けること。
アレクシス様は、私の言葉を聞くと、ふっと、その口元を緩めた。
そして、マルティナの体を、ゴミでも捨てるかのように、床に、投げ捨てた。
「……聞いたか。これが、俺の妻の、裁きだ」
彼は、駆けつけた衛兵に、マルティナを、厳重に、拘束するよう、命じた。
全てが、終わった。
本当に、全てが。
私は、張り詰めていた、全ての糸が切れ、その場に、崩れ落ちそうになった。
そんな私を、アレクシス様が、再び、その逞しい腕で、優しく、抱きとめてくれた。
「……怖かっただろう。もう、大丈夫だ。俺が、そばにいる」
その声と、温もりに、私の涙腺は、完全に、決壊した。
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