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第二十八話:王都の裁きと『ざまぁ』
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マルティナの捕縛から一週間後。
ゲルラッハ卿、マルティナ、そして、傭兵隊長をはじめとする、事件の主犯格たちは、厳重な警備のもと、王都アウレリアへと護送された。
アレクシス様も、裁判の行方を見届けるため、再び、王都へと向かった。
私は、ヴァイスハルト領の復興指揮を執りながら、彼の帰りと、正義の判決が下される日を、待つことになった。
そして、運命の日が、訪れた。
王宮の、最も格式高い、大広間。
そこが、今回の公開裁判の、舞台となった。
国王陛下の御前には、王国の有力貴族たちが、ずらりと、顔を揃えている。
その中には、今回の裁判に、ことのほか、高い関心を示す、二人の男女の姿もあった。
クラウス王太子と、元聖女のエリアーナだ。
彼らは、内心、期待していた。
辺境の公爵と、追放令嬢が、ゲルラッハ家という大貴族を相手に、裁判で勝てるはずがない、と。
リナ・フォン・オーベルシュタインが、再び、世間の笑いものになる様を、特等席で、眺めてやろう。
そんな、浅ましく、歪んだ好奇心が、彼らを、この場へと、駆り立てていたのだ。
裁判は、司法卿シュミット伯爵の、厳粛な進行のもと、始まった。
検事役を務める伯爵は、まず、ゲルラッハ家による、ヴァイスハルト領への、執拗な経済封鎖の実態を、暴き立てた。
商業ギルドの長マティアスが、証人として出廷し、ゲルラッハ家が、リューンの商人たちを、いかに、脅迫し、支配していたかを、詳細に、証言した。
次に、シュミット伯爵は、あの『記憶水晶』を、廷内に、開示した。
盗賊の頭目の、生々しい自白が、大広間に響き渡る。
マルティナの指示による、放火、略奪、そして、リナ暗殺計画。
その、あまりにも、おぞましい内容に、廷内は、水を打ったように静まり返り、やがて、大きな、どよめきに変わった。
被告席に座る、ゲルラッハ卿は、顔面蒼白で、ただ、震えている。
一方、マルティナは、もはや、全てを諦めたかのように、虚ろな目で、虚空を見つめていた。
そして、裁判は、クライマックスを迎える。
シュミット伯爵は、ゲルラッハ辺境伯家が、ヴァイスハルト領へ、私的に軍を派遣したという、国家への反逆罪を、告発したのだ。
証拠として、アレクシス様率いる討伐軍が、捕らえた、数多くの捕虜たちが、次々と、証言台に立った。
「私たちは、ゲルラッハ卿に、金で雇われ、ヴァイスハルトを襲撃しました!」
「マルティナ様は、『領民は、好きにしていい』と、我々に、略奪と暴行を、許可なさいました!」
次々と、暴かれる、非道の数々。
もはや、ゲルラッハ家に、弁解の余地は、なかった。
彼らの罪は、完全に、白日の下に、晒されたのだ。
クラウス王太子と、エリアーナの顔から、血の気が、引いていくのが、遠目にも、分かった。
まさか、ここまで、完璧に、証拠を揃えてくるとは。
形勢は、完全に、逆転した。
いや、初めから、勝負にさえ、なっていなかったのだ。
そして、国王陛下より、厳かな、判決が、言い渡された。
「――被告、ゲルラッハ辺境伯家は、その地位を悪用し、同胞たる貴族を陥れ、王国の平和を著しく乱した。その罪、断じて、許されるものではない」
「よって、ゲルラッハ辺境伯家は、本日をもって、爵位を剥奪。領地、および、全財産を、没収とする!」
「当主、ゲオルグ・フォン・ゲルラッハは、終身、北方の塔への幽閉を、命ずる!」
「そして、一連の事件の主犯である、マルティナ・フォン・ゲルラッハは……その罪、万死に値する。反逆の首謀者として、三日後、ギロチンによる、死罪を、宣告する!」
「「「おお……!」」」
廷内に、どよめきが、走った。
貴族令嬢に対する、死罪判決。
前代未聞の、厳しい裁きだった。
だが、彼女の犯した罪を考えれば、誰もが、納得する、当然の結末でもあった。
マルティナは、判決を聞いても、何の反応も示さなかった。
ただ、人形のように、衛兵に、引きずられていくだけだった。
だが、裁きは、それだけでは、終わらなかった。
国王陛下は、厳しい視線を、青ざめている、クラウス王太子と、エリアーナへと、向けた。
「……さて、クラウスよ」
「は、はい、父上……」
「今回の事件の、発端を、たどれば。そもそもは、お前が、リナ・フォン・オーベルシュタイン嬢との婚約を、不当に、破棄したことに、行き着く」
「そ、それは……!」
「黙れ! アレクシス公より、報告は受けている。お前たちが、いかに、彼女を、陥れたかをな!」
国王の、怒声が、響き渡る。
「リナ嬢は、その類稀なる才覚で、辺境の地を、見事に、立て直した。まさに、王妃となるに、ふさわしい器量を持った、逸材であった! お前は、その宝石の価値を見抜けず、己の痴情で、国益を、大きく損なったのだ!」
「王太子として、あるまじき、愚行! よって、クラウス! お前を、本日をもって、王太子位から、廃嫡する! 一貴族として、辺境の守りにでも、つくがよい!」
「そ、そんな……!」
クラウスは、その場に、へたり込んだ。
エリアーナも、わなわなと、震えている。
「エリアーナ嬢。お主も、聖女の立場を忘れ、一人の男を惑わし、無実の令嬢を、陥れた。その罪は、重い。聖女の資格を、剥奪し、北の、大聖堂付属の修道院にて、一生、神に、贖罪の日々を送ることを、命ずる!」
完璧な、る『ざまぁ』展開だった。
私を、見下し、嘲笑い、陥れた者たちが、その報いを、完膚なきまでに、受けたのだ。
その知らせを、ヴァイスハルトで受け取った私は、胸がすく思いがしたのと、同時に、彼らの、哀れな末路に、ほんの少しだけ、虚しさを感じていた。
正義は、為された。
長かった、戦いは、本当に、終わったのだ。
これからは、もう、過去を、振り返らない。
前だけを見て、アレクシス様と、この領地の、輝かしい未来だけを、作っていくのだ。
ゲルラッハ卿、マルティナ、そして、傭兵隊長をはじめとする、事件の主犯格たちは、厳重な警備のもと、王都アウレリアへと護送された。
アレクシス様も、裁判の行方を見届けるため、再び、王都へと向かった。
私は、ヴァイスハルト領の復興指揮を執りながら、彼の帰りと、正義の判決が下される日を、待つことになった。
そして、運命の日が、訪れた。
王宮の、最も格式高い、大広間。
そこが、今回の公開裁判の、舞台となった。
国王陛下の御前には、王国の有力貴族たちが、ずらりと、顔を揃えている。
その中には、今回の裁判に、ことのほか、高い関心を示す、二人の男女の姿もあった。
クラウス王太子と、元聖女のエリアーナだ。
彼らは、内心、期待していた。
辺境の公爵と、追放令嬢が、ゲルラッハ家という大貴族を相手に、裁判で勝てるはずがない、と。
リナ・フォン・オーベルシュタインが、再び、世間の笑いものになる様を、特等席で、眺めてやろう。
そんな、浅ましく、歪んだ好奇心が、彼らを、この場へと、駆り立てていたのだ。
裁判は、司法卿シュミット伯爵の、厳粛な進行のもと、始まった。
検事役を務める伯爵は、まず、ゲルラッハ家による、ヴァイスハルト領への、執拗な経済封鎖の実態を、暴き立てた。
商業ギルドの長マティアスが、証人として出廷し、ゲルラッハ家が、リューンの商人たちを、いかに、脅迫し、支配していたかを、詳細に、証言した。
次に、シュミット伯爵は、あの『記憶水晶』を、廷内に、開示した。
盗賊の頭目の、生々しい自白が、大広間に響き渡る。
マルティナの指示による、放火、略奪、そして、リナ暗殺計画。
その、あまりにも、おぞましい内容に、廷内は、水を打ったように静まり返り、やがて、大きな、どよめきに変わった。
被告席に座る、ゲルラッハ卿は、顔面蒼白で、ただ、震えている。
一方、マルティナは、もはや、全てを諦めたかのように、虚ろな目で、虚空を見つめていた。
そして、裁判は、クライマックスを迎える。
シュミット伯爵は、ゲルラッハ辺境伯家が、ヴァイスハルト領へ、私的に軍を派遣したという、国家への反逆罪を、告発したのだ。
証拠として、アレクシス様率いる討伐軍が、捕らえた、数多くの捕虜たちが、次々と、証言台に立った。
「私たちは、ゲルラッハ卿に、金で雇われ、ヴァイスハルトを襲撃しました!」
「マルティナ様は、『領民は、好きにしていい』と、我々に、略奪と暴行を、許可なさいました!」
次々と、暴かれる、非道の数々。
もはや、ゲルラッハ家に、弁解の余地は、なかった。
彼らの罪は、完全に、白日の下に、晒されたのだ。
クラウス王太子と、エリアーナの顔から、血の気が、引いていくのが、遠目にも、分かった。
まさか、ここまで、完璧に、証拠を揃えてくるとは。
形勢は、完全に、逆転した。
いや、初めから、勝負にさえ、なっていなかったのだ。
そして、国王陛下より、厳かな、判決が、言い渡された。
「――被告、ゲルラッハ辺境伯家は、その地位を悪用し、同胞たる貴族を陥れ、王国の平和を著しく乱した。その罪、断じて、許されるものではない」
「よって、ゲルラッハ辺境伯家は、本日をもって、爵位を剥奪。領地、および、全財産を、没収とする!」
「当主、ゲオルグ・フォン・ゲルラッハは、終身、北方の塔への幽閉を、命ずる!」
「そして、一連の事件の主犯である、マルティナ・フォン・ゲルラッハは……その罪、万死に値する。反逆の首謀者として、三日後、ギロチンによる、死罪を、宣告する!」
「「「おお……!」」」
廷内に、どよめきが、走った。
貴族令嬢に対する、死罪判決。
前代未聞の、厳しい裁きだった。
だが、彼女の犯した罪を考えれば、誰もが、納得する、当然の結末でもあった。
マルティナは、判決を聞いても、何の反応も示さなかった。
ただ、人形のように、衛兵に、引きずられていくだけだった。
だが、裁きは、それだけでは、終わらなかった。
国王陛下は、厳しい視線を、青ざめている、クラウス王太子と、エリアーナへと、向けた。
「……さて、クラウスよ」
「は、はい、父上……」
「今回の事件の、発端を、たどれば。そもそもは、お前が、リナ・フォン・オーベルシュタイン嬢との婚約を、不当に、破棄したことに、行き着く」
「そ、それは……!」
「黙れ! アレクシス公より、報告は受けている。お前たちが、いかに、彼女を、陥れたかをな!」
国王の、怒声が、響き渡る。
「リナ嬢は、その類稀なる才覚で、辺境の地を、見事に、立て直した。まさに、王妃となるに、ふさわしい器量を持った、逸材であった! お前は、その宝石の価値を見抜けず、己の痴情で、国益を、大きく損なったのだ!」
「王太子として、あるまじき、愚行! よって、クラウス! お前を、本日をもって、王太子位から、廃嫡する! 一貴族として、辺境の守りにでも、つくがよい!」
「そ、そんな……!」
クラウスは、その場に、へたり込んだ。
エリアーナも、わなわなと、震えている。
「エリアーナ嬢。お主も、聖女の立場を忘れ、一人の男を惑わし、無実の令嬢を、陥れた。その罪は、重い。聖女の資格を、剥奪し、北の、大聖堂付属の修道院にて、一生、神に、贖罪の日々を送ることを、命ずる!」
完璧な、る『ざまぁ』展開だった。
私を、見下し、嘲笑い、陥れた者たちが、その報いを、完膚なきまでに、受けたのだ。
その知らせを、ヴァイスハルトで受け取った私は、胸がすく思いがしたのと、同時に、彼らの、哀れな末路に、ほんの少しだけ、虚しさを感じていた。
正義は、為された。
長かった、戦いは、本当に、終わったのだ。
これからは、もう、過去を、振り返らない。
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