【完結】【R18】結婚相手を間違えました

鷹槻れん

文字の大きさ
219 / 228
40.それぞれの未来*

本当お前は夢の国に来てもブレねぇな

しおりを挟む

***

 結婚報告から帰国してすぐ、婚姻届を役所に提出したそう結葉ゆいはだ。

 結葉がキッチンで美鳥みどりと話している間に、想は茂雄しげおから婚姻届の証人欄にサインをもらっていた。
 想が茂雄の前に差し出した婚姻届の証人欄は、既に一方が想の父・山波やまなみ公宣きみのぶの署名・捺印で埋まっていたらしい。

 お茶を出した際に書類を見せられた美鳥みどりが、想の用意周到さに感心していたのを思い出す。

 一方結葉は、想が結葉と子供が出来ても不思議ではない行為をしたことを結葉以上に気にしていて、少しでも早く籍を入れたがっているのを知っていたから。
 凄く想ちゃんらしいなと思った。


 お互いの両親からのゴーサインを受けて、結葉は束の間戻った旧姓――小林――から、晴れて子供の頃から夢にまで見た想の妻〝山波やまなみ結葉〟になった。


***


 式は、入籍後すぐに頼んでおいた結婚指輪が出来上がるのを待って、山波家やまなみけの面々とともに結葉ゆいはの両親がいるニューヨークを来訪する形で、海外挙式にさせてもらったそう結葉ゆいはだ。

 海外での式が決まった時、結葉はせりと相談して、ハムスター達を皆、同じペットホテルに預けることにしたのだけれど。

 挙式の後、そのまま米国内を移動して新婚旅行もすることになっていた結葉は、芹達より一週間ばかり帰国が遅くなる日程になっていて。
 雪日ゆきはるだけ長く預けることになるのが心配で、「どうしよう」と眉根を寄せたら、自分の帰国後は芹が責任を持って我が子らと一緒に、雪日ゆきはるの面倒も見てくれると約束してくれてホッと胸を撫で下ろした。


 想と二人。ネットの情報や結葉の両親からのアドバイスを元に「ああでもない、こうでもない」と検討して決めた、『セント・マーティンズ教会』で、迫力満点のゴスペルの歌声に包まれながら、家族だけでのこぢんまりとした式を挙げて。

 式後、皆と別れてフロリダ州オーランド行きの直行便飛行機に乗って、『ウォルト・ディズニー・ワールド』に向かった結葉と想だ。

 偉央との新婚旅行では沖縄への国内旅行だったので、結葉にとっても初めての海外でのハネムーン。

 前に両親へ離婚と結婚の報告をしにアメリカへ渡った時と違って、そこからは想と二人きりでじっくり七日間。

 四つのテーマパーク――東京ディズニーランドのモデルになったシンデレラ城をシンボルとする【マジックキングダム・パーク】、本物の動物が暮らすジャングル・サバンナエリアと、アトラクションエリアを有する【ディズニー・アニマルキングダム】、映画をテーマにした【ディズニー・ハリウッドスタジオ】、未来の生活と未来旅行がテーマの【エプコット】)からなるディズニーワールドで、たっぷり夢のような新婚気分を味わった。

 想と子供の頃のようにアトラクションで思う様はしゃげたのは凄く楽しかったし、夜になればディズニーワールド直営ホテルで毎晩想に甘く激しく愛し尽くされる、とろけるような夫婦時間を過ごせたのが本当に幸せで。


 予定通りなら旅行に行くまでには生理が来ているはずの結葉ゆいはだった。
 これは旅行中にきちゃうかな? 嫌だなぁと心配していたけれど、環境変化のためか遅れてくれて。

 想と結ばれない夜は一夜もなかった。

 こんなに周期が乱れたら、いつもならそのことを気にして、余計ホルモンバランスを崩してしまう結葉だったけれど、今回は楽しくて生理のこと自体を忘れて、いつになくゆったりとした気持ちで過ごすことが出来たのは幸いだったかも知れない。





 新婚旅行中は日本にはないチップのシステムに戸惑ったりもしたけれど、さすがに初日でその辺は慣れた結葉と想だ。

 ホテルの部屋を出る際に、清掃員へチップと一緒に飴を置いておいたりすると、それもちゃんとなくなっていて。
 代わりに「Thank you」というメモ書きが残されていたりするのが、結葉は堪らなく嬉しかった。

 想は出掛けるたびにチップと一緒に何を置こうかな?と楽しそうにソワソワとお菓子を買い求める結葉を「本当お前は夢の国に来てもブレねぇな」と温かく見守ってくれて。

「英語、よく分かんなくても何とかなるものだねー」

 そんな事を言い合いながら、一週間があっと言う間に過ぎてしまった。 

 滞在中、味噌汁やお醤油や出汁の味が堪らなく恋しくなって、自分達は根っからの日本人だ!と実感しまくった以外、本当に何不自由なく笑い合えた楽しい新婚旅行だった。

 さすがに帰国後は時差ボケと相まってクタクタになった想と結葉だったけれど。

 念願のお味噌汁を飲んでホッと出来たのも束の間。

 帰ってからもうひとつ【大仕事】が待っていたので、実際のところそんなにはのんびりしていられなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

私を抱かないと新曲ができないって本当ですか? 〜イケメン作曲家との契約の恋人生活は甘い〜

入海月子
恋愛
「君といると曲のアイディアが湧くんだ」 昔から大ファンで、好きで好きでたまらない 憧れのミュージシャン藤崎東吾。 その人が作曲するには私が必要だと言う。 「それってほんと?」 藤崎さんの新しい曲、藤崎さんの新しいアルバム。 「私がいればできるの?私を抱いたらできるの?」 絶対後悔するとわかってるのに、正気の沙汰じゃないとわかっているのに、私は頷いてしまった……。 ********************************************** 仕事を頑張る希とカリスマミュージシャン藤崎の 体から始まるキュンとくるラブストーリー。

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

敏腕SEの優しすぎる無償の愛

春咲さゆ
恋愛
26歳OLの木崎茉莉は人生のどん底にいた。上手くいかないことに慣れ、心を凍らせることで自分を守る毎日に絶望した祭りは、雨の夜に終わりを願う。そんな茉莉に手を差し伸べたかっこいい彼。茉莉は、なぜか無償の愛のような優しさをくれる不思議な男性に少しずつ救われ、前を向いていく。けれど、疑ってしまうほど親切な彼には、親切であり続ける理由があって……。雨の夜の出会いがもたらした、優しくも切ない物語。

処理中です...