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16。ナマモノは禁止だそうです
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結局、私はコンテストには出ないことになった。
なんでも私が人間だとコンテストの出品物にはできないらしい。
ヴィヴィアンはそのことに相当凹んでいて、さっきからため息をつきっぱなしである。
ということは、きっとさっきはショックのあまり墜落しちゃったのよね。
申し訳ないことしたなぁとは思うものの、そうなるとヴィヴィアンには私をヨルカナディアまで運ばなきゃいけない理由はなくなるわけで。
下手したらこのまま海に置き去りにされちゃうんじゃ? ってビクビクしてたんだけど、ちゃんと陸地までは送ってくれるらしい。
なんかご飯のお礼だって言ってたけど、ヴィヴィアンってば律儀だよね。
『はあ、モウ……当てが外れたワ。せっかくお誂え向きのモノを拾えたと思ったのニぃ~』
「ねえ、聞きそびれてたけど。なんで私はコンテストに出られないの?」
『コンテストには条件があるのヨ。生物は禁止なノ!』
「なまもの? 生き物じゃなくて?」
『生き物はモチロンだけど、食べ物とかも禁止ネ。コンテストでは投票が終わるまでの一ヶ月くらい飾りっぱなしにスルから、傷むモノはダメなのよ』
「一ヶ月?!」
そりゃ生物は禁止だね。というか、出られないことが事前に分かって良かった。
勢いで出るって言っちゃったけど、危うく一ヶ月も人形のマネをしなきゃならないところだったわ。
『にしても、困ったワ。代わりに出せるモノなんてこれから見つかるかしラ?』
「あー、代用品は何かしら要るよねぇ。あ、だったらさ、私が乗ってた船とかどうかな?」
貴族の趣味に『ボトルシップ』っていう工芸品作りがある。
船の模型がそれよりも小さな口のガラス瓶の中に入っているもので、作るためには根気と忍耐力と山のような時間が必要、という有閑階級にのみ許された娯楽の極みとでもいうべき一品だ。
まあ実際には自分で作るより高いお金を出して職人さんから買う人の方が多かった気がするけど、豊かさとか余裕の象徴として結構流行っていたんだよね。
「船の模型ということにして出品すれば、元が本物だから精巧さは折り紙付きだし! いい線いくと思うんだけど、どうかな?」
『なかなか良さげネ。けど、アタクシはガラス瓶なんて持ってないワよ? あったとしてもあの船が入る大きさなんテ……』
「あ、それは多分大丈夫! この辺に砂浜とかある?」
『? 会場に行く途中にいくらでもあるワよ?』
「良かった。そこに一時間くらい寄り道できる?」
『さっきの疲労回復の魔法ってヤツをまた掛けてくレたら、ヨユーよッ!』
「オッケー! じゃあお願いします!」
こうして新たな出し物作りのため、一旦ヴィヴィアンと私は砂浜を目指すことになった。
私にとってヴィヴィアンは恩人ならぬ恩鳥(?)だもの。ちゃんと恩は返したいし!
それに、もしこの世界で魔法使いが嫌われているんだとしたら。
役に立つんだってところを見せて、その認識をちょっとでも変えたいなーって思惑もある。
残り時間は少なそうだけど、何とかなるでしょ!
なんでも私が人間だとコンテストの出品物にはできないらしい。
ヴィヴィアンはそのことに相当凹んでいて、さっきからため息をつきっぱなしである。
ということは、きっとさっきはショックのあまり墜落しちゃったのよね。
申し訳ないことしたなぁとは思うものの、そうなるとヴィヴィアンには私をヨルカナディアまで運ばなきゃいけない理由はなくなるわけで。
下手したらこのまま海に置き去りにされちゃうんじゃ? ってビクビクしてたんだけど、ちゃんと陸地までは送ってくれるらしい。
なんかご飯のお礼だって言ってたけど、ヴィヴィアンってば律儀だよね。
『はあ、モウ……当てが外れたワ。せっかくお誂え向きのモノを拾えたと思ったのニぃ~』
「ねえ、聞きそびれてたけど。なんで私はコンテストに出られないの?」
『コンテストには条件があるのヨ。生物は禁止なノ!』
「なまもの? 生き物じゃなくて?」
『生き物はモチロンだけど、食べ物とかも禁止ネ。コンテストでは投票が終わるまでの一ヶ月くらい飾りっぱなしにスルから、傷むモノはダメなのよ』
「一ヶ月?!」
そりゃ生物は禁止だね。というか、出られないことが事前に分かって良かった。
勢いで出るって言っちゃったけど、危うく一ヶ月も人形のマネをしなきゃならないところだったわ。
『にしても、困ったワ。代わりに出せるモノなんてこれから見つかるかしラ?』
「あー、代用品は何かしら要るよねぇ。あ、だったらさ、私が乗ってた船とかどうかな?」
貴族の趣味に『ボトルシップ』っていう工芸品作りがある。
船の模型がそれよりも小さな口のガラス瓶の中に入っているもので、作るためには根気と忍耐力と山のような時間が必要、という有閑階級にのみ許された娯楽の極みとでもいうべき一品だ。
まあ実際には自分で作るより高いお金を出して職人さんから買う人の方が多かった気がするけど、豊かさとか余裕の象徴として結構流行っていたんだよね。
「船の模型ということにして出品すれば、元が本物だから精巧さは折り紙付きだし! いい線いくと思うんだけど、どうかな?」
『なかなか良さげネ。けど、アタクシはガラス瓶なんて持ってないワよ? あったとしてもあの船が入る大きさなんテ……』
「あ、それは多分大丈夫! この辺に砂浜とかある?」
『? 会場に行く途中にいくらでもあるワよ?』
「良かった。そこに一時間くらい寄り道できる?」
『さっきの疲労回復の魔法ってヤツをまた掛けてくレたら、ヨユーよッ!』
「オッケー! じゃあお願いします!」
こうして新たな出し物作りのため、一旦ヴィヴィアンと私は砂浜を目指すことになった。
私にとってヴィヴィアンは恩人ならぬ恩鳥(?)だもの。ちゃんと恩は返したいし!
それに、もしこの世界で魔法使いが嫌われているんだとしたら。
役に立つんだってところを見せて、その認識をちょっとでも変えたいなーって思惑もある。
残り時間は少なそうだけど、何とかなるでしょ!
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