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17。ここは魔法の出番です!
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砂浜に着いた頃にはとっぷり日も暮れて、岩陰になっているその場所には誰もいなかった。
こっちの世界の人に会えるんじゃないかーーってちょっぴり期待してたけど、魔法を使うことを考えたらこの方が都合はいいよね。
コンテストが終わればいくらでも機会はあるもの。まずはこれからやることを成功させないと!
『で、今から何をすル気? さっきから海藻と貝殻ばかり拾ってるわヨね?』
「これはねー、両方とも今から作るものの材料なんだよ! 後はここにある砂もね」
『?? ちょっと何ヲ言ってるのか分からないノだけド……?』
「ふふふー、良いから見てて!」
拾った貝殻と取ってきた海藻、砂浜の砂を大量に無限収納に取り込む。
続いてインベントリの中身を空中のパネルに表示。
うん、量的にはこんなもんで足りたかな? じゃあ次は材料の精製っと。
メインの材料は砂の中に混じった透明な石の粒。これをインベントリの中で分離する。
拾った貝殻もインベントリの中で粉末に。
海藻は乾燥魔法を掛けたあと、魔法で焼いて灰にした。
最後に不純物を丁寧に取り除く。
終わった後に無限収納のパネルを確認すれば『ケイシャ、石灰石、ソーダー灰』という名前と、それぞれの重量が表示された。
この三つが今回の材料になる。
「比率は……6:1:1だったかなー。ちょっとうろ覚えだけど」
『アンタ、さっきかラ何してるノ?』
「え、ガラスを焼くんだよ?」
ーーそう、ガラス瓶がないなら作っちゃえいいのだ!
昔、魔法薬の実験用のフラスコがほしくて、懇意にしてるガラス工房に通い詰めたことがある。
どうすれば頑丈で、耐熱性にも優れ、透明度の高いフラスコができるか。
工房主を巻き込んで、お兄様と一緒に随分実験したものだ。
本当はもっと細々と入れるといい材料はあるんだけど、今回は急ぎだから基本の三つだけで作ることにする。
「こっち側には障壁も張っとくけど、暑くなるから気をつけてね? ではでは~ “攪拌”、“加熱”、“送風”!」
今回は吹きガラスでボトルを作る。
作業としては混ぜて、千五百度まで加熱して、回転させつつ中に空気を入れてふくらませるというもの。
大量のガラス相手に手作業なんてできるわけもなく、この辺は全部魔法である。
「続けてー、“縮小”、“浮遊魔法”!」
乗ってた船を無限収納から取り出したが、さすがにそのままだと大きすぎるということで魔法で半分くらいのサイズに縮めておく。
小さくした船を無理やり浮かせ、その隙にガラスで船を覆う。
この世界だと使いづらい浮遊魔法も、大量の魔力にモノを言わせれば短時間なら行使できるみたいね。
ガラスの熱で船が燃えないように耐熱障壁を張りつつの作業は骨が折れるけど、なんとか集中してっと。
回転させながら形を整えて、最後に風と氷の複合魔法でガラスを冷却すれば完成!
「できたーー!!」
むふふ、我ながらなかなかの仕上がりだわ!
若干気泡が入っちゃった部分もあるけど、これはこれで手作り感があっていいと思うの。
それより何より、元の世界だとこんな大規模な魔法を連発できる機会ってなかったから、めっちゃ楽しかった! そういう意味でも大満足だ。
やり切った感いっぱいにヴィヴィアンを振り返ると、何だかクチバシをぽかんと開けて絶句していた。
『……あ、アンタ、やるわネ……魔法使いってすごいノね』
「えーと、私はちょっとヒトより魔力量が多いんだよね。だから魔法使い全員が同じことできるわけじゃないんだけどーーひょっとして、この世界だと魔法使いってあんまりいないの?」
『この辺ではあんまり聞いたコトないワね。まあそんな便利な力があるナら重宝されそうだかラ、王都のお城とかナラいるのかもしれないワ』
王都のお城かー。確かに元の世界でも優秀な魔法使いは城勤めが多かったし、可能性はありそう?
まずは誰でもいいから人を見つけるのが先決だけど、そのうちこの世界の魔法使いとも会ってみたいな。
こっちの世界の人に会えるんじゃないかーーってちょっぴり期待してたけど、魔法を使うことを考えたらこの方が都合はいいよね。
コンテストが終わればいくらでも機会はあるもの。まずはこれからやることを成功させないと!
『で、今から何をすル気? さっきから海藻と貝殻ばかり拾ってるわヨね?』
「これはねー、両方とも今から作るものの材料なんだよ! 後はここにある砂もね」
『?? ちょっと何ヲ言ってるのか分からないノだけド……?』
「ふふふー、良いから見てて!」
拾った貝殻と取ってきた海藻、砂浜の砂を大量に無限収納に取り込む。
続いてインベントリの中身を空中のパネルに表示。
うん、量的にはこんなもんで足りたかな? じゃあ次は材料の精製っと。
メインの材料は砂の中に混じった透明な石の粒。これをインベントリの中で分離する。
拾った貝殻もインベントリの中で粉末に。
海藻は乾燥魔法を掛けたあと、魔法で焼いて灰にした。
最後に不純物を丁寧に取り除く。
終わった後に無限収納のパネルを確認すれば『ケイシャ、石灰石、ソーダー灰』という名前と、それぞれの重量が表示された。
この三つが今回の材料になる。
「比率は……6:1:1だったかなー。ちょっとうろ覚えだけど」
『アンタ、さっきかラ何してるノ?』
「え、ガラスを焼くんだよ?」
ーーそう、ガラス瓶がないなら作っちゃえいいのだ!
昔、魔法薬の実験用のフラスコがほしくて、懇意にしてるガラス工房に通い詰めたことがある。
どうすれば頑丈で、耐熱性にも優れ、透明度の高いフラスコができるか。
工房主を巻き込んで、お兄様と一緒に随分実験したものだ。
本当はもっと細々と入れるといい材料はあるんだけど、今回は急ぎだから基本の三つだけで作ることにする。
「こっち側には障壁も張っとくけど、暑くなるから気をつけてね? ではでは~ “攪拌”、“加熱”、“送風”!」
今回は吹きガラスでボトルを作る。
作業としては混ぜて、千五百度まで加熱して、回転させつつ中に空気を入れてふくらませるというもの。
大量のガラス相手に手作業なんてできるわけもなく、この辺は全部魔法である。
「続けてー、“縮小”、“浮遊魔法”!」
乗ってた船を無限収納から取り出したが、さすがにそのままだと大きすぎるということで魔法で半分くらいのサイズに縮めておく。
小さくした船を無理やり浮かせ、その隙にガラスで船を覆う。
この世界だと使いづらい浮遊魔法も、大量の魔力にモノを言わせれば短時間なら行使できるみたいね。
ガラスの熱で船が燃えないように耐熱障壁を張りつつの作業は骨が折れるけど、なんとか集中してっと。
回転させながら形を整えて、最後に風と氷の複合魔法でガラスを冷却すれば完成!
「できたーー!!」
むふふ、我ながらなかなかの仕上がりだわ!
若干気泡が入っちゃった部分もあるけど、これはこれで手作り感があっていいと思うの。
それより何より、元の世界だとこんな大規模な魔法を連発できる機会ってなかったから、めっちゃ楽しかった! そういう意味でも大満足だ。
やり切った感いっぱいにヴィヴィアンを振り返ると、何だかクチバシをぽかんと開けて絶句していた。
『……あ、アンタ、やるわネ……魔法使いってすごいノね』
「えーと、私はちょっとヒトより魔力量が多いんだよね。だから魔法使い全員が同じことできるわけじゃないんだけどーーひょっとして、この世界だと魔法使いってあんまりいないの?」
『この辺ではあんまり聞いたコトないワね。まあそんな便利な力があるナら重宝されそうだかラ、王都のお城とかナラいるのかもしれないワ』
王都のお城かー。確かに元の世界でも優秀な魔法使いは城勤めが多かったし、可能性はありそう?
まずは誰でもいいから人を見つけるのが先決だけど、そのうちこの世界の魔法使いとも会ってみたいな。
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