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18。全てが大きすぎる世界
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「大きい……大きすぎるわ……」
『今さら何ニ言ってんのヨ、アンタがちっちゃいんでショ?』
「あ、うん……ヴィヴィアンからしたらそうよね」
ここはヴィヴィアンに連れてこられたコンテスト会場となっている森の広場。
そこで私は見渡す限りの様々な巨鳥達に囲まれていた。
◇
丸一日かけて到着したその森に生えている木は、一本一本が樹齢千年を超えているんじゃないかという見事な太さと高さ。
周りの鳥たちはヴィヴィアンよりも大きいものも多く、彼らは私が今までに生きてきた中で見たどの生き物よりも大きい。
ついでに言うと、下草として生えているクローバーの背丈で私と同じくらいだった。
「森もこんな様子ってことは、全部が大きいってことで納得するしかないのよね……」
もしくは私がちっちゃいか。
そうつぶやいてため息を一つつく。
いや、本当は陸に上がった時点でとっくに気づいてた。
貝殻を拾っている時も、小さいもので私の顔サイズ、大きいものだと私が寝そべれるくらいの馬鹿デカさ。
砂粒一つとっても小石くらいはあったし、サイズ感が何もかもオカシかったのだもの。
それでもあの砂浜は巨鳥のヴィヴィアンが連れて行ってくれた場所だから特別なのだろうと、そう思い込もうとしたのだけれどーー
【ーー“テラベリル“って世界なんだけど、ここがシーナの希望にぴったりだと思うんだよねーー】
……ええまあ。確かに、希望は出したわよ? 人種的に、自分よりも大きい人が多い場所って。自分が“デカ女“って呼ばれるのがイヤだったから。
そりゃこの感じなら、きっとこの世界の人間は私から見たら巨人みたいなものだろう。
でもねユリウス、私はここまで極端な世界を希望した覚えはないんだけどな?
「ここまで縮尺が違うと、周りの人に混じって普通の生活をする、なんて絶対無理だよね……」
自分の世界で小人が発見されたのを想像すれば、無理さ加減は明白だ。
見つかった時点で騒がれ、街中で見世物小屋にでも入れられたあと国の研究機関にでも引き取られて、モルモットとして散々調べられるだろう。
自分だってその機会があったら嬉々として調べまくる自信がある。
「うーん、これからの生活どうしよう……」
『何悩んデるのよ? 別にアンタなら、アタクシ達の仲間に入れてあげてもイイわヨ?』
「ヴィヴィアン達の仲間?」
『ア、アンタがどうしてもって頼むなら考えてあげてもいいって話ヨ! まァ今回優勝できたのはアンタのお陰っちゃお陰だシ?』
そう、コンテストはヴィヴィアンの即日優勝だった。
『『『こんな大きいものを会場まで運んでくるなんて!』』』
会場で無限収納からボトルシップを出した途端、満場一致で一位を獲得したのだ。
模型としての精緻さとか、珍しさとかまるッと無視。サイズだけでの圧勝である。
投票期間一ヶ月とかいう話はどこ行った?
「うーん、その話はとっても嬉しいんだけど……私、この後王都に行きたくって」
『王都ニ? 何しに行くのヨ』
「ここに来る前、王都のお城に行けば魔法使いがいるかもって話してたじゃない? できたら会ってみたいなーと」
この世界は魔素が薄いけど、それでも結構魔法は使える。それは昨日のガラス製作で実証済み。
だったらきっと、この世界にだってどこかに魔法使いはいるはずなんだ。
元の世界みたいにメジャーな職業とはいかなくても、お城まで行けば少なくとも研究している人くらいいるんじゃないだろうか。
『会えたとしてモ、まとも話なんかできナいんじゃないノ? 捕まルのがオチよ』
「まあそうかも知れないけど……会わないことには始まらないかなって」
『頑固ねェ、アンタ。まッ、どうしてもって言うなら止めないワ。この近くの大きめの街までは送ってあげルかラ、そこで王都行きの馬車でも探すのネ』
「いいの!? ありがとうヴィヴィアン、大好きっ!」
『なっ、オッ、大げさね!? ついでヨついで!』
……ウミネコが、街に何のついでがあるんだか。
あれだね、ヴィヴィアンってツンデレってやつだ。
そーゆーの嫌いじゃないけどね。
********************************
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『今さら何ニ言ってんのヨ、アンタがちっちゃいんでショ?』
「あ、うん……ヴィヴィアンからしたらそうよね」
ここはヴィヴィアンに連れてこられたコンテスト会場となっている森の広場。
そこで私は見渡す限りの様々な巨鳥達に囲まれていた。
◇
丸一日かけて到着したその森に生えている木は、一本一本が樹齢千年を超えているんじゃないかという見事な太さと高さ。
周りの鳥たちはヴィヴィアンよりも大きいものも多く、彼らは私が今までに生きてきた中で見たどの生き物よりも大きい。
ついでに言うと、下草として生えているクローバーの背丈で私と同じくらいだった。
「森もこんな様子ってことは、全部が大きいってことで納得するしかないのよね……」
もしくは私がちっちゃいか。
そうつぶやいてため息を一つつく。
いや、本当は陸に上がった時点でとっくに気づいてた。
貝殻を拾っている時も、小さいもので私の顔サイズ、大きいものだと私が寝そべれるくらいの馬鹿デカさ。
砂粒一つとっても小石くらいはあったし、サイズ感が何もかもオカシかったのだもの。
それでもあの砂浜は巨鳥のヴィヴィアンが連れて行ってくれた場所だから特別なのだろうと、そう思い込もうとしたのだけれどーー
【ーー“テラベリル“って世界なんだけど、ここがシーナの希望にぴったりだと思うんだよねーー】
……ええまあ。確かに、希望は出したわよ? 人種的に、自分よりも大きい人が多い場所って。自分が“デカ女“って呼ばれるのがイヤだったから。
そりゃこの感じなら、きっとこの世界の人間は私から見たら巨人みたいなものだろう。
でもねユリウス、私はここまで極端な世界を希望した覚えはないんだけどな?
「ここまで縮尺が違うと、周りの人に混じって普通の生活をする、なんて絶対無理だよね……」
自分の世界で小人が発見されたのを想像すれば、無理さ加減は明白だ。
見つかった時点で騒がれ、街中で見世物小屋にでも入れられたあと国の研究機関にでも引き取られて、モルモットとして散々調べられるだろう。
自分だってその機会があったら嬉々として調べまくる自信がある。
「うーん、これからの生活どうしよう……」
『何悩んデるのよ? 別にアンタなら、アタクシ達の仲間に入れてあげてもイイわヨ?』
「ヴィヴィアン達の仲間?」
『ア、アンタがどうしてもって頼むなら考えてあげてもいいって話ヨ! まァ今回優勝できたのはアンタのお陰っちゃお陰だシ?』
そう、コンテストはヴィヴィアンの即日優勝だった。
『『『こんな大きいものを会場まで運んでくるなんて!』』』
会場で無限収納からボトルシップを出した途端、満場一致で一位を獲得したのだ。
模型としての精緻さとか、珍しさとかまるッと無視。サイズだけでの圧勝である。
投票期間一ヶ月とかいう話はどこ行った?
「うーん、その話はとっても嬉しいんだけど……私、この後王都に行きたくって」
『王都ニ? 何しに行くのヨ』
「ここに来る前、王都のお城に行けば魔法使いがいるかもって話してたじゃない? できたら会ってみたいなーと」
この世界は魔素が薄いけど、それでも結構魔法は使える。それは昨日のガラス製作で実証済み。
だったらきっと、この世界にだってどこかに魔法使いはいるはずなんだ。
元の世界みたいにメジャーな職業とはいかなくても、お城まで行けば少なくとも研究している人くらいいるんじゃないだろうか。
『会えたとしてモ、まとも話なんかできナいんじゃないノ? 捕まルのがオチよ』
「まあそうかも知れないけど……会わないことには始まらないかなって」
『頑固ねェ、アンタ。まッ、どうしてもって言うなら止めないワ。この近くの大きめの街までは送ってあげルかラ、そこで王都行きの馬車でも探すのネ』
「いいの!? ありがとうヴィヴィアン、大好きっ!」
『なっ、オッ、大げさね!? ついでヨついで!』
……ウミネコが、街に何のついでがあるんだか。
あれだね、ヴィヴィアンってツンデレってやつだ。
そーゆーの嫌いじゃないけどね。
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