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プロローグ
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「本当によろしいんですか、本当にやりますよ」
隼人は何度も念を押す。こうやって念を押しているのに、クレームが後を絶たないからだ。
「これをやると、あなたの恋人だけでなく全ての霊が見えるようになるんですよ。それがどういうことか、わかっているんですか」
「良いんです。かなえを成仏させてあげたい、そのためにできることは何でもやります」
桜田はそう言うと、目を閉じた。いよいよ、やるしかないようだ。隼人はため息をついた。そのまま深呼吸をして、霊力が高まっていくのを感じていた。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!」
その霊力の高まりが頂点に達した時、隼人は桜田の背中に手を当て霊力を流し込む。桜田の背後では、かなえと思わしき女性が心配そうに彼を見守っていた。
「うわぁぁぁ」
桜田は、椅子から転げ落ちてしまった。もともと霊力が全くない人だったから、反動が大きいのだろう。隼人は、桜田さんにそっと手を差し伸べた。
「終わりましたよ」
桜田は、そっと目を開けた。
「かなえ、かなえ」
幽霊になった彼女を抱きしめようとするが、それは叶わない。それでも桜田は、嬉しそうな顔で涙を流していた。
「良いですか。これはあくまで成仏を助けるための措置です。一ヶ月後、必ずここへ訪れること。そして、それまでに彼女を成仏させること。この二つは必ず守ってもらいますから」
「一ヶ月、これは絶対ですか? もう少しだけ……」
何度も言っていたのに、こうして霊が見えるようになると約束を破り始める。そうならない客の方が、珍しかった。
「困ります! 一ヶ月もぎりぎりなんです。これが過ぎると大変なことになるんですから」
桜田は頷くと、出て行った。外の世界を見て彼は腰を抜かすかもしれない。外には霊がうようよいるのだから。
隼人は何度も念を押す。こうやって念を押しているのに、クレームが後を絶たないからだ。
「これをやると、あなたの恋人だけでなく全ての霊が見えるようになるんですよ。それがどういうことか、わかっているんですか」
「良いんです。かなえを成仏させてあげたい、そのためにできることは何でもやります」
桜田はそう言うと、目を閉じた。いよいよ、やるしかないようだ。隼人はため息をついた。そのまま深呼吸をして、霊力が高まっていくのを感じていた。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!」
その霊力の高まりが頂点に達した時、隼人は桜田の背中に手を当て霊力を流し込む。桜田の背後では、かなえと思わしき女性が心配そうに彼を見守っていた。
「うわぁぁぁ」
桜田は、椅子から転げ落ちてしまった。もともと霊力が全くない人だったから、反動が大きいのだろう。隼人は、桜田さんにそっと手を差し伸べた。
「終わりましたよ」
桜田は、そっと目を開けた。
「かなえ、かなえ」
幽霊になった彼女を抱きしめようとするが、それは叶わない。それでも桜田は、嬉しそうな顔で涙を流していた。
「良いですか。これはあくまで成仏を助けるための措置です。一ヶ月後、必ずここへ訪れること。そして、それまでに彼女を成仏させること。この二つは必ず守ってもらいますから」
「一ヶ月、これは絶対ですか? もう少しだけ……」
何度も言っていたのに、こうして霊が見えるようになると約束を破り始める。そうならない客の方が、珍しかった。
「困ります! 一ヶ月もぎりぎりなんです。これが過ぎると大変なことになるんですから」
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