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2章
炎の天人・1
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2023.11.30 6:30更新の話のタイトルを『水の精霊』に変更しました(精霊の湖・3より)
タイトル以外の変更はありません。
ーーーーー
清らかで温かい水の魔法の波動が、僕たちの身体に馴染むのを見届けるように、僕たちの周りを祝福の言葉と共にくるくる廻っていた水の精霊たちは、またねーあそんでねーと言いながら虹の橋に乗った。
山の陰から朝陽が完全に姿を現し、その生まれたての光に満ちた精霊湖へ、水の精霊たちは還って行く。還って行く時もきゃあきゃあと賑やかな様子に、ふふ、と笑みが漏れる。
虹の橋は、精霊たちを追うように消えて行く。
僕とレオリムは、精霊の最後のひとりが、とぷんと湖の中へ溶けていくのを見届けて、ようやく互いに目を向けた。
早朝の精霊湖は、まるで何事もなかったように凪いで穏やかに、朝陽を受けて煌めいていた。
祝福を受けても、特段変わったことがあるわけじゃない。なんとなく、身体が軽やかな気や、清らかな空気に包まれているような気分がするくらい。
そう思っていたけど、レオリムが、いつもより輝いて見える気がする。
「……僕たち、祝福、されちゃったね」
「あぁ」
むすりと答えて、レオリムは僕をぎゅっと抱き締めた。
「悔しいけど、水の精霊の祝福は、シーラとすごく相性がいい。シーラの波動がさらに澄んでキレイだ。魔法の力も増してると思う」
僕自身についてはあんまりよく分からないけど、確かに、レオの波動が高まっていると思う。
それに、何よりうれしい。レオと一緒に祝福をしてくれて。
みんな、ありがとう。
「レオも」
「ちぇ。あいつら、余計なことを……」
ふふ。
そんなこと、思ってないでしょ。
「また来よう」
「うん」
僕は、精霊たちから贈られた水晶の魔石を、光に翳した。
水の精霊たちが棲む精霊湖と同じ澄んだ色。
水の精霊そのもののよう。
たくさんの魔力が宿っているのが分かる。
すごく、素敵な贈り物。
これなら、きっと。
僕は、胸元に下げた、レオリムから贈られた魔石のペンダントを撫でた。
「マウリに帰る時は、必ずまた精霊湖に寄ろうね」
レオリムの瞳を見詰めれば、蒼い瞳が眇められて、僕は目を瞑った。
レオリムの顔が近付く気配がして、唇が重なる。
海竜様の祝福に、州侯様が二人も署名した婚約届、さらに水の精霊の祝福二人分。
「僕たち、ますます最強の婚約者だね」
「魂の伴侶として永遠を誓い合った立派な夫夫だしな!」
夫夫で婚約者って、なんだか可笑しいね!
支度を済ませて食堂へ行くと、父さんとラドゥ様が既に朝餉を取っていた。
騎士さんたちは、既に食事を済ませて出立の準備をしてくれているって。
「おはよう、シーラン、レオリム」
「おはようございます」
二人にそれぞれ挨拶をして席に着くと、すぐに朝餉が運ばれた。
朝から色々あったせいか、すっかりお腹が空いてる。
レオリムもそうみたい。いただきますと言った後は、無言。スープがおいしい!
麺麭のおかわりをするかどうか迷っていると、僕は父さんがそわそわしていることに気が付いた。ラドゥ様も、僕たちを、穴が開くほど見詰めている。
あれ、食べ過ぎって思われちゃった? でもレオリムはとっくにおかわりしてるし……。
ラドゥ様は、こほんと咳払いをして、宿の人に目配せをした。給仕さんたちは、すっと退室した。
「あー。精霊の話を、聞いてもいいかな?」
あ!
僕は、レオリムと顔を見合わせた。
そうだった、僕もまだ聴きたい事があったのに!
精霊のことも、レオリムの生まれる前の記憶のこともそうだけど、蒼の瞳を見たら、僕は昨日の夜の……その、すごいキスのことを思い出しちゃった。
僕、すごくはしたなくなかった?!
恥ずかしくて顔を俯けると、レオリムが手を握って、大丈夫、俺が話すよ、と言ってくれた。
な、なにがだいじょうぶ?!
「風呂に入っていたら、水の精霊が来て、みこさまだって大騒ぎされた」
ちら、と二人を見ると、ラドゥ様は、うん、と頷いて、父さんは、せいれい、みこさま?と首を傾げた。
「それで、シーラに俺の記憶の話をして、あ、後、祝福を受けた」
「きおく……祝福……」
「あぁ、やはり」
父さんはさらに首を傾げて、ラドゥ様は納得したように頷いて、面白そうに顎を撫でた。
「昨日レオリムから精霊が現れたと聞いたところに、さっき、湖と屋敷の外が騒がしかったろう」
ラドゥ様は肩を竦めて窓の方へ視線を向けて、苦笑した。
父さんは、首を傾げた。もしかして、精霊って、見える人と見えない人がいる?
「それで、今は二人とも光り輝いているから、そうかとは思ったんだ。そうか、祝福か」
うんうんとラドゥ様は頷いた。
「良かったな、レオリム、シーラン」
父さんはしばらく考え込んだ後、おめでとう、と笑った。
僕たちはこくりと頷いた。
「レオリムは水の精霊と相性が悪いだろうから、少し心配していたんだ」
「展望風呂が結界の外だった」
「あぁ、なるほど……。まぁ、和解出来たんだ、よかったじゃないか」
「和解してない。あいつらはきらいだ」
「おや、そんな祝福をもらっておいて?」
「魂の伴侶の誓いの祝いだと言うから受け取っただけだ」
ラドゥ様はにこにこしながらそう話をして、レオリムは、つん、と鼻を鳴らして、ばくりと塩漬け肉の燻製を頬張った。それ、カリカリしてて美味しいよね。目玉焼きも黄身がとろりとしてて美味しかったね。
「シーラ、昨日私は、ここが天人の屋敷だったと言われていると話したね」
「はい」
僕は、飲みかけたお茶のカップを置いて、ラドゥ様へ顔を向けた。
「その天人は、炎の天人と水の天人……いや、あの方は巫覡と呼ばれるのを好まれた。ここはお二人の屋敷のひとつだった」
ラドゥ様は、僕を見て、小さく、巫覡殿……と呟いて、微笑んだ。
「特に水の巫覡のお気に入りの屋敷でね。きっと、屋敷も、精霊湖も、水の精霊も、二人の帰還を喜んだろう」
それから、くくく、とラドゥ様は肩を揺らして。
「もっとも、炎の天人は、あまりに頻繁に巫覡に会いに屋敷に入り込む精霊に業を煮やして、がちがちの結界をこの屋敷に張ってしまってね」
レオリムを見るラドゥ様の瞳が、懐かしむように微笑んだ。
「それが今も生きているんだから、我が師父の魔法は偉大だねぇ」
タイトル以外の変更はありません。
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清らかで温かい水の魔法の波動が、僕たちの身体に馴染むのを見届けるように、僕たちの周りを祝福の言葉と共にくるくる廻っていた水の精霊たちは、またねーあそんでねーと言いながら虹の橋に乗った。
山の陰から朝陽が完全に姿を現し、その生まれたての光に満ちた精霊湖へ、水の精霊たちは還って行く。還って行く時もきゃあきゃあと賑やかな様子に、ふふ、と笑みが漏れる。
虹の橋は、精霊たちを追うように消えて行く。
僕とレオリムは、精霊の最後のひとりが、とぷんと湖の中へ溶けていくのを見届けて、ようやく互いに目を向けた。
早朝の精霊湖は、まるで何事もなかったように凪いで穏やかに、朝陽を受けて煌めいていた。
祝福を受けても、特段変わったことがあるわけじゃない。なんとなく、身体が軽やかな気や、清らかな空気に包まれているような気分がするくらい。
そう思っていたけど、レオリムが、いつもより輝いて見える気がする。
「……僕たち、祝福、されちゃったね」
「あぁ」
むすりと答えて、レオリムは僕をぎゅっと抱き締めた。
「悔しいけど、水の精霊の祝福は、シーラとすごく相性がいい。シーラの波動がさらに澄んでキレイだ。魔法の力も増してると思う」
僕自身についてはあんまりよく分からないけど、確かに、レオの波動が高まっていると思う。
それに、何よりうれしい。レオと一緒に祝福をしてくれて。
みんな、ありがとう。
「レオも」
「ちぇ。あいつら、余計なことを……」
ふふ。
そんなこと、思ってないでしょ。
「また来よう」
「うん」
僕は、精霊たちから贈られた水晶の魔石を、光に翳した。
水の精霊たちが棲む精霊湖と同じ澄んだ色。
水の精霊そのもののよう。
たくさんの魔力が宿っているのが分かる。
すごく、素敵な贈り物。
これなら、きっと。
僕は、胸元に下げた、レオリムから贈られた魔石のペンダントを撫でた。
「マウリに帰る時は、必ずまた精霊湖に寄ろうね」
レオリムの瞳を見詰めれば、蒼い瞳が眇められて、僕は目を瞑った。
レオリムの顔が近付く気配がして、唇が重なる。
海竜様の祝福に、州侯様が二人も署名した婚約届、さらに水の精霊の祝福二人分。
「僕たち、ますます最強の婚約者だね」
「魂の伴侶として永遠を誓い合った立派な夫夫だしな!」
夫夫で婚約者って、なんだか可笑しいね!
支度を済ませて食堂へ行くと、父さんとラドゥ様が既に朝餉を取っていた。
騎士さんたちは、既に食事を済ませて出立の準備をしてくれているって。
「おはよう、シーラン、レオリム」
「おはようございます」
二人にそれぞれ挨拶をして席に着くと、すぐに朝餉が運ばれた。
朝から色々あったせいか、すっかりお腹が空いてる。
レオリムもそうみたい。いただきますと言った後は、無言。スープがおいしい!
麺麭のおかわりをするかどうか迷っていると、僕は父さんがそわそわしていることに気が付いた。ラドゥ様も、僕たちを、穴が開くほど見詰めている。
あれ、食べ過ぎって思われちゃった? でもレオリムはとっくにおかわりしてるし……。
ラドゥ様は、こほんと咳払いをして、宿の人に目配せをした。給仕さんたちは、すっと退室した。
「あー。精霊の話を、聞いてもいいかな?」
あ!
僕は、レオリムと顔を見合わせた。
そうだった、僕もまだ聴きたい事があったのに!
精霊のことも、レオリムの生まれる前の記憶のこともそうだけど、蒼の瞳を見たら、僕は昨日の夜の……その、すごいキスのことを思い出しちゃった。
僕、すごくはしたなくなかった?!
恥ずかしくて顔を俯けると、レオリムが手を握って、大丈夫、俺が話すよ、と言ってくれた。
な、なにがだいじょうぶ?!
「風呂に入っていたら、水の精霊が来て、みこさまだって大騒ぎされた」
ちら、と二人を見ると、ラドゥ様は、うん、と頷いて、父さんは、せいれい、みこさま?と首を傾げた。
「それで、シーラに俺の記憶の話をして、あ、後、祝福を受けた」
「きおく……祝福……」
「あぁ、やはり」
父さんはさらに首を傾げて、ラドゥ様は納得したように頷いて、面白そうに顎を撫でた。
「昨日レオリムから精霊が現れたと聞いたところに、さっき、湖と屋敷の外が騒がしかったろう」
ラドゥ様は肩を竦めて窓の方へ視線を向けて、苦笑した。
父さんは、首を傾げた。もしかして、精霊って、見える人と見えない人がいる?
「それで、今は二人とも光り輝いているから、そうかとは思ったんだ。そうか、祝福か」
うんうんとラドゥ様は頷いた。
「良かったな、レオリム、シーラン」
父さんはしばらく考え込んだ後、おめでとう、と笑った。
僕たちはこくりと頷いた。
「レオリムは水の精霊と相性が悪いだろうから、少し心配していたんだ」
「展望風呂が結界の外だった」
「あぁ、なるほど……。まぁ、和解出来たんだ、よかったじゃないか」
「和解してない。あいつらはきらいだ」
「おや、そんな祝福をもらっておいて?」
「魂の伴侶の誓いの祝いだと言うから受け取っただけだ」
ラドゥ様はにこにこしながらそう話をして、レオリムは、つん、と鼻を鳴らして、ばくりと塩漬け肉の燻製を頬張った。それ、カリカリしてて美味しいよね。目玉焼きも黄身がとろりとしてて美味しかったね。
「シーラ、昨日私は、ここが天人の屋敷だったと言われていると話したね」
「はい」
僕は、飲みかけたお茶のカップを置いて、ラドゥ様へ顔を向けた。
「その天人は、炎の天人と水の天人……いや、あの方は巫覡と呼ばれるのを好まれた。ここはお二人の屋敷のひとつだった」
ラドゥ様は、僕を見て、小さく、巫覡殿……と呟いて、微笑んだ。
「特に水の巫覡のお気に入りの屋敷でね。きっと、屋敷も、精霊湖も、水の精霊も、二人の帰還を喜んだろう」
それから、くくく、とラドゥ様は肩を揺らして。
「もっとも、炎の天人は、あまりに頻繁に巫覡に会いに屋敷に入り込む精霊に業を煮やして、がちがちの結界をこの屋敷に張ってしまってね」
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