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中間テスト
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ゴールデンウィークが過ぎた五月中頃。俺たち高校生は、悪夢のような期間に入った。
そう。一学期の中間テストだ。
そんな期間に入ってすぐ、夜奈から携帯電話に連絡が入った。
『今度、私と一緒にテスト勉強しない?』
というものだった。
中学生の時に、一度だけクラスメイトの奴とテスト勉強をした事があったが、すぐに集中力が切れ、ただの雑談会へと変わってしまった。
だが、今回は悪い話ではない。
噂によれば、夜奈の成績は学年トップクラスらしく、分からないところを教えて貰えれば……赤点回避間違いなし!
俺はすぐさま、『OK』と返事を返した。すると、瞬くうちに返事が返ってきた。内容は、『それじゃあ、東小浜駅に集合ね』というものだった。
俺は嫌な予感がした。
しかし、具体的な事は、はっきりと分からなかった。
それから三日が経ち、夜奈と勉強の約束をした日へとなった。
初めてのデート以来、夜奈とは二回程デートへ行ったが、初めての時のようなそわそわとした感じは無くなっていた。それは今回もだ。
俺は、鞄に問題集や配布されたプリントを持って、東小浜駅へと向かった。
集合場所の駅へと着くと、既に夜奈が待っており、こちらに手を振っているのが確認できた。
流石に手を振るのは恥ずかしいので、俺は軽く右手を挙げ、合図を送った。
「たっくん、会いたかったよー」
一応、学校で毎日会うのだが……。
まあ、こうして話をするのは久しぶりである。学校では、クラスが違うのもあるのだが、基本的に話などはしない。
幾度と夜奈の教室へと向かったことがあるのだが、ことごとく会えずに終わっているのだ。
「で、何処へ行くのだ?」
夜奈はニヤリと笑みを浮かべながら、俺の手を引いた。
「行けば分かるよ。さあ、行こう!」
俺は夜奈に連れられ、目的の場所へと向かった。人通りの少ない道を十分程歩くと、夜奈はある建物で立ち止まった。
立派な門構えの木造の家。しかもかなり古そうな家で、見ただけで相当な大きさの家である。
「ここ?」
俺の問いに夜奈は答えた。
「そうだよ。ここが私の家だよ」
夜奈はそう言うと、「さあ、入って!」と俺の背中を押して、無理やり中へと入らされた。
門をくぐると、右側に松のような木が数本生えており、左側には小さな池があり、池の真ん中にはこれまた小さな石で出来た橋が架かっていた。そんな池には鯉が元気よく泳いでいた。
続いて正面だが、石畳の道が玄関の方まで続いており、俺と夜奈はその石畳の道を歩いて玄関を入った。
「お、お邪魔します……」
恐る恐る中へ入ると、優しそうな着物を着た女性が一人立っていた。
「あら?もしかして、この子が?」
「たっくん、こちらが私のお母さん。そしてお母さん、こっちが国井拓真くん」
「拓真くんね。いつも娘の夜奈がお世話になっています。さあ、さあ、入ってちょうだい」
夜奈のお母さんに言われて、家の中へと入っていく。
ギィギィと木が軋む音を聞きながら、廊下を歩いて行くと、ある部屋へと着いた。
「さあ、入って!」
夜奈に言われて、部屋へと入る。
柔らかな日差しが入る部屋で、部屋にはベッドと勉強机、その間に小さな脚の低い机が置いてあった。ベッドの近くには、本棚があり、小説や参考書などが入れてあるのが確認できた。その隣には三段のタンスがあり、その上には、ぬいぐるみなどが置かれていた。
「たっくん、そんなに部屋をジロジロと見ないでくれるかな?」
夜奈は少し引き気味で、そう言ってきた。
俺は「ごめん」と一言謝り、机に勉強道具などを出した。
「さあ、勉強するぞ!」
と、俺が気合いを入れた瞬間、夜奈が「あっ!」と言って立ち上がった。
「どうした?」
「ちょっと飲み物を取って来るね」
夜奈はそう言うと、飲み物を取りに部屋を出て行った。
その瞬間、先程の気合いは何処へやら、集中力が欠けた。
其れもそのはず。この部屋へ入った瞬間、とても良い匂いが俺の鼻を刺激していた。
その香りに俺は、急にドキドキし始めた。
あまり見ないでと言われた俺だが、再び周りをキョロキョロと見渡した。
あのタンスには夜奈の下着が入っているのだろうか?
いや、何を考えているのだ、俺は!
俺は両手で頬を叩き、気合いを入れ直した。
その時、部屋の扉が開いた。
「たっくん!お茶入れて来たよー!って、どうしたの?」
「いや、何でもない!」
いきなり現れた夜奈に驚き、ドッドッドと心臓が鳴っている。
危なかった。もし、タンスの中を見ていたら、夜奈にどう思われていたことか…。
俺は小さく深呼吸をして、驚いた心臓を落ち着かせた。
「じゃあ、勉強始めようか!」
「あ、う、うん…」
俺は動揺しているのか、変な返事になってしまった。
あれから一時間が過ぎた。
勉強と言っても、学校が出した問題集を解くだけだ。まあ、だけと言っても、勉強の嫌いな俺にとっては、結構難しい。
次第に集中力が切れ、問題集が全然入って来なくなった。
そんな時人はどうすれば良いのか。簡単だ。休憩すればいい。だが、俺の前にいる夜奈を見ると、休憩何て出来る訳がない。何故なら彼女は、物凄い集中力で問題集を解いているからである。今ここで俺が休憩に入れば、当然夜奈は進んでいる手を止めるであろう。そんな事は出来やしない。
かと言って、このまま続ける事も出来ないであろう。
さて、どうしたものか…。と考えていると、俺の視界にあるものが入った。
垂れた襟から谷間が見えたのだ。それだけではなく、夜奈のブラも見えた。
これには流石の俺も目を 背けた。
見ようと思って見たのとは違い、たまたま見えたものは、ラッキーと思うのが普通だと思っている。だが、今回は違った。
真剣に勉強をしている彼女に、後ろめたい気持ちになった為であろう。
と思いつつも、男としての俺はそこで止まらなかった。
本能的…。そう!あくまでも本能的だ!
視線が再び夜奈の谷間へと向かっていた。
夜奈の谷間に目線を奪われた俺は、少しずつ悶々とした気持ちになっていた。そんな時、夜奈が俺に話しかけてきた。
「どうしたの?たっくん」
いきなり話しかけられた俺は、心臓がドキン!と跳ね上がった。
やばい…。動揺している。
俺は夜奈にバレない程度の深呼吸で、心臓の高鳴りを押さえて、何食わぬ顔で夜奈に話しかけた。
「ちょっと集中力が切れて、其れで夜奈の勉強の姿を見ていたんだよ」
「そうね。そろそろ休憩にしようか!」
危なかった。と、俺は胸を撫で下ろした。
「ねえ、たっくん…」
ふと、夜奈が俺にそう問いかけてきた。
「たっくんは、私のこと…どう思ってる?」
俺は素直に答えた。
「謎の多い彼女かな?」
「そうだね。時期が来ればちゃんと話すよ」
「十二月の二十五日だったか?」
「うん。ねえ、たっくん。私の事、好き?」
夜奈は真剣な眼差しでこちらを見て来た。
正直言って分からない。夜奈は良い彼女だ。しかし、何の情報も無い。故に少し警戒している俺も居て、好きだ!とは言えない。かと言って、嫌いと言うわけでもない。
そもそも、好きと言う感情は難しい。likeかlove。この二つの意味は大きく違う。
まあ、ここまでの事は言い訳だ。
本当は分かっている。夜奈に対する気持ちが。ただ、照れ臭いんだよ!
だから、俺は言った。
「好きとか愛していると言う言葉は、あまり好きじゃない。言葉で言わなければ分からない事ももちろんある。けど、俺が好きとか愛しているとかは、夜奈が一番知っているのではないのか?」
自分で言うのもアレだが、気持ち悪い台詞だ。
「そうだね!私はたっくんが好き。其れで良いんだよね!」
夜奈は、少し悲しげな表情でそう言った。
「さて、勉強の続きをしようか!」
夜奈のその一言で、再び視線を机に向けた。
俺は夜奈に対し、少し申し訳ない気持ちを胸に集中力を勉強へと向けた。
「んじゃ、帰るわ!」
「うん!気をつけてね」
外はすっかり暗くなっていた。
夜奈のお母さんに「ご飯食べて行く?」と聞かれたが、「家で母がご飯を作って待ってますので」と断った。
「それじゃあ、お邪魔しました!」
「また、学校で」
俺はくるっと体を百八十度回転させ、門を出た。
五月も中頃になったとは言え、少し肌寒く感じ、俺は、咄嗟にポケットに手を入れて、駅まで向かった。
数日後。
テストが返された。
不思議な事に夜奈が教えてくれた場所が、テストに出て来た。
もちろん百点は無理だった。けど、高校に入ってはまずまずのスタートである。
ピロリン!
俺は、携帯を見た。
『テストどうだった?』
夜奈からであった。
『夜奈のおかげでいい点が取れた。ありがとう』っと、返信。
『そう。良かった!』
俺は知らなかった。夜奈が自分のクラスで顔を赤くしながら、携帯の画面を見ていたのを。
そう。一学期の中間テストだ。
そんな期間に入ってすぐ、夜奈から携帯電話に連絡が入った。
『今度、私と一緒にテスト勉強しない?』
というものだった。
中学生の時に、一度だけクラスメイトの奴とテスト勉強をした事があったが、すぐに集中力が切れ、ただの雑談会へと変わってしまった。
だが、今回は悪い話ではない。
噂によれば、夜奈の成績は学年トップクラスらしく、分からないところを教えて貰えれば……赤点回避間違いなし!
俺はすぐさま、『OK』と返事を返した。すると、瞬くうちに返事が返ってきた。内容は、『それじゃあ、東小浜駅に集合ね』というものだった。
俺は嫌な予感がした。
しかし、具体的な事は、はっきりと分からなかった。
それから三日が経ち、夜奈と勉強の約束をした日へとなった。
初めてのデート以来、夜奈とは二回程デートへ行ったが、初めての時のようなそわそわとした感じは無くなっていた。それは今回もだ。
俺は、鞄に問題集や配布されたプリントを持って、東小浜駅へと向かった。
集合場所の駅へと着くと、既に夜奈が待っており、こちらに手を振っているのが確認できた。
流石に手を振るのは恥ずかしいので、俺は軽く右手を挙げ、合図を送った。
「たっくん、会いたかったよー」
一応、学校で毎日会うのだが……。
まあ、こうして話をするのは久しぶりである。学校では、クラスが違うのもあるのだが、基本的に話などはしない。
幾度と夜奈の教室へと向かったことがあるのだが、ことごとく会えずに終わっているのだ。
「で、何処へ行くのだ?」
夜奈はニヤリと笑みを浮かべながら、俺の手を引いた。
「行けば分かるよ。さあ、行こう!」
俺は夜奈に連れられ、目的の場所へと向かった。人通りの少ない道を十分程歩くと、夜奈はある建物で立ち止まった。
立派な門構えの木造の家。しかもかなり古そうな家で、見ただけで相当な大きさの家である。
「ここ?」
俺の問いに夜奈は答えた。
「そうだよ。ここが私の家だよ」
夜奈はそう言うと、「さあ、入って!」と俺の背中を押して、無理やり中へと入らされた。
門をくぐると、右側に松のような木が数本生えており、左側には小さな池があり、池の真ん中にはこれまた小さな石で出来た橋が架かっていた。そんな池には鯉が元気よく泳いでいた。
続いて正面だが、石畳の道が玄関の方まで続いており、俺と夜奈はその石畳の道を歩いて玄関を入った。
「お、お邪魔します……」
恐る恐る中へ入ると、優しそうな着物を着た女性が一人立っていた。
「あら?もしかして、この子が?」
「たっくん、こちらが私のお母さん。そしてお母さん、こっちが国井拓真くん」
「拓真くんね。いつも娘の夜奈がお世話になっています。さあ、さあ、入ってちょうだい」
夜奈のお母さんに言われて、家の中へと入っていく。
ギィギィと木が軋む音を聞きながら、廊下を歩いて行くと、ある部屋へと着いた。
「さあ、入って!」
夜奈に言われて、部屋へと入る。
柔らかな日差しが入る部屋で、部屋にはベッドと勉強机、その間に小さな脚の低い机が置いてあった。ベッドの近くには、本棚があり、小説や参考書などが入れてあるのが確認できた。その隣には三段のタンスがあり、その上には、ぬいぐるみなどが置かれていた。
「たっくん、そんなに部屋をジロジロと見ないでくれるかな?」
夜奈は少し引き気味で、そう言ってきた。
俺は「ごめん」と一言謝り、机に勉強道具などを出した。
「さあ、勉強するぞ!」
と、俺が気合いを入れた瞬間、夜奈が「あっ!」と言って立ち上がった。
「どうした?」
「ちょっと飲み物を取って来るね」
夜奈はそう言うと、飲み物を取りに部屋を出て行った。
その瞬間、先程の気合いは何処へやら、集中力が欠けた。
其れもそのはず。この部屋へ入った瞬間、とても良い匂いが俺の鼻を刺激していた。
その香りに俺は、急にドキドキし始めた。
あまり見ないでと言われた俺だが、再び周りをキョロキョロと見渡した。
あのタンスには夜奈の下着が入っているのだろうか?
いや、何を考えているのだ、俺は!
俺は両手で頬を叩き、気合いを入れ直した。
その時、部屋の扉が開いた。
「たっくん!お茶入れて来たよー!って、どうしたの?」
「いや、何でもない!」
いきなり現れた夜奈に驚き、ドッドッドと心臓が鳴っている。
危なかった。もし、タンスの中を見ていたら、夜奈にどう思われていたことか…。
俺は小さく深呼吸をして、驚いた心臓を落ち着かせた。
「じゃあ、勉強始めようか!」
「あ、う、うん…」
俺は動揺しているのか、変な返事になってしまった。
あれから一時間が過ぎた。
勉強と言っても、学校が出した問題集を解くだけだ。まあ、だけと言っても、勉強の嫌いな俺にとっては、結構難しい。
次第に集中力が切れ、問題集が全然入って来なくなった。
そんな時人はどうすれば良いのか。簡単だ。休憩すればいい。だが、俺の前にいる夜奈を見ると、休憩何て出来る訳がない。何故なら彼女は、物凄い集中力で問題集を解いているからである。今ここで俺が休憩に入れば、当然夜奈は進んでいる手を止めるであろう。そんな事は出来やしない。
かと言って、このまま続ける事も出来ないであろう。
さて、どうしたものか…。と考えていると、俺の視界にあるものが入った。
垂れた襟から谷間が見えたのだ。それだけではなく、夜奈のブラも見えた。
これには流石の俺も目を 背けた。
見ようと思って見たのとは違い、たまたま見えたものは、ラッキーと思うのが普通だと思っている。だが、今回は違った。
真剣に勉強をしている彼女に、後ろめたい気持ちになった為であろう。
と思いつつも、男としての俺はそこで止まらなかった。
本能的…。そう!あくまでも本能的だ!
視線が再び夜奈の谷間へと向かっていた。
夜奈の谷間に目線を奪われた俺は、少しずつ悶々とした気持ちになっていた。そんな時、夜奈が俺に話しかけてきた。
「どうしたの?たっくん」
いきなり話しかけられた俺は、心臓がドキン!と跳ね上がった。
やばい…。動揺している。
俺は夜奈にバレない程度の深呼吸で、心臓の高鳴りを押さえて、何食わぬ顔で夜奈に話しかけた。
「ちょっと集中力が切れて、其れで夜奈の勉強の姿を見ていたんだよ」
「そうね。そろそろ休憩にしようか!」
危なかった。と、俺は胸を撫で下ろした。
「ねえ、たっくん…」
ふと、夜奈が俺にそう問いかけてきた。
「たっくんは、私のこと…どう思ってる?」
俺は素直に答えた。
「謎の多い彼女かな?」
「そうだね。時期が来ればちゃんと話すよ」
「十二月の二十五日だったか?」
「うん。ねえ、たっくん。私の事、好き?」
夜奈は真剣な眼差しでこちらを見て来た。
正直言って分からない。夜奈は良い彼女だ。しかし、何の情報も無い。故に少し警戒している俺も居て、好きだ!とは言えない。かと言って、嫌いと言うわけでもない。
そもそも、好きと言う感情は難しい。likeかlove。この二つの意味は大きく違う。
まあ、ここまでの事は言い訳だ。
本当は分かっている。夜奈に対する気持ちが。ただ、照れ臭いんだよ!
だから、俺は言った。
「好きとか愛していると言う言葉は、あまり好きじゃない。言葉で言わなければ分からない事ももちろんある。けど、俺が好きとか愛しているとかは、夜奈が一番知っているのではないのか?」
自分で言うのもアレだが、気持ち悪い台詞だ。
「そうだね!私はたっくんが好き。其れで良いんだよね!」
夜奈は、少し悲しげな表情でそう言った。
「さて、勉強の続きをしようか!」
夜奈のその一言で、再び視線を机に向けた。
俺は夜奈に対し、少し申し訳ない気持ちを胸に集中力を勉強へと向けた。
「んじゃ、帰るわ!」
「うん!気をつけてね」
外はすっかり暗くなっていた。
夜奈のお母さんに「ご飯食べて行く?」と聞かれたが、「家で母がご飯を作って待ってますので」と断った。
「それじゃあ、お邪魔しました!」
「また、学校で」
俺はくるっと体を百八十度回転させ、門を出た。
五月も中頃になったとは言え、少し肌寒く感じ、俺は、咄嗟にポケットに手を入れて、駅まで向かった。
数日後。
テストが返された。
不思議な事に夜奈が教えてくれた場所が、テストに出て来た。
もちろん百点は無理だった。けど、高校に入ってはまずまずのスタートである。
ピロリン!
俺は、携帯を見た。
『テストどうだった?』
夜奈からであった。
『夜奈のおかげでいい点が取れた。ありがとう』っと、返信。
『そう。良かった!』
俺は知らなかった。夜奈が自分のクラスで顔を赤くしながら、携帯の画面を見ていたのを。
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