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閑話 バレンタイン
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「あれ?ごめんスハイルちょっとまって!」
いつものように冒険者ギルドで依頼達成の報告をして家に帰っている途中、薬屋さんの前からかいだことのある匂いがしてふと立ち止まった。
〈む?どうかしたのか?〉
クンクンと匂いをかいでいる昴広のことをスハイルは不思議そうに見ていると、薬屋の前に出ているものを手に取る。
「昴広じゃないか。そんなもの持って何してんだ?」
よく依頼で顔を合わせる男の薬師が店の中から顔を出す。
「ハンスさん!これどうしたんですか?!」
「ん!?あーほかの冒険者が持ち帰ってきたカカブルってやつなんだが、苦くて食べられないから捨てるヤツなんだが・・・・・・」
テンションの上がっている昴広に押され、半歩後ろに下がりながら男の薬師、ハンスは薬にも食べ物にもなりゃしねぇよとため息を吐きながら答える。
「え!?すてちゃうんですか!!もったいない!!」
ワクワクした表情から一転悲しげに眉をさげながら昴広は嘆く。
「もったいないと言われてもなー。欲しいなら好きなだけ持って行っていいぞ?」
「え!本当ですか!?わーい、ハンスさんありがとうございます!!」
昴広が何故そこまで嘆くのかわけがわからず困ったように頭をかきながらハンスがいうと、パッと顔を輝かせ満面の笑みを浮かべながらお礼をいう昴広をみてピシリと固まる。
セバスチャンに貰った袋に出ている分の半分のカカブルを入れると失礼しますと声をかけ、ハンスが固まっていることなど気づ気もしないままルンルンと鼻歌を歌いながら昴広は家路を急いだ。
「料理長さん!これ使いたいので一緒に料理してください!!」
昼ご飯の片付けを済ませ、一息付いていた料理長のところにカカブルを持ってキラキラと顔を輝かせながら昴広が現れた。
「昴広様おかえりなさいませ。これってカカブルですか?」
「はい!薬屋さんに貰ってきました!」
ニコニコと嬉しそうに話す昴広を見ながら、カカブルで料理などできそうにないが…と一流の料理人である料理長は昴広に言うべきか悩む。
毎日美味しかったですと言付けるのではなく、自身で言いに来る昴広のことを料理長は気に入っているため、言い出しにくいのだ。
「これ僕がいた所でよく食べていたものの原材料にそっくりなんです!とっても美味しいんですよ!!・・・・・・ダメですか??」
笑みを浮かべながら話していた昴広は、悩んでいる料理長をみてしょぼんと肩を落としながら、首を傾げる。
「・・・・・・わかりました。昴広様がそこまで言うのでしたら試してみましょう。」
悲しげに肩を落とす昴広に苦笑しながら答えると他に必要なものはないかと聞く。
昴広は思い出しながら料理長に答え、準備がすむと昴広専用のエプロンをつけて手を洗う。
(料理好きの昴広はよく料理長と一緒に料理を作るためセバスチャンが準備したのだ。)
「えーとまず、このままだと食べられないので、カカブルをオーブンでローストして皮を剥きます。」
日本と同じような調理器具が多いので何のためらいもなく貰ってきたカカブルを鉄板の上に置き、料理長にいって設定して貰った120℃のオーブンに入れる。
実際は20分ほどかかるのだが、そこはファンタジー。
料理長のスキルで数分で終わり、昴広様には熱くて危ないからと料理長が鉄板を取り出す。
「ありがとうございます。
えーと、カカブルについてる皮とこの細いの胚芽だったかな?をとって、全部終わったものをはかります。今回は75%で作りたいのでお砂糖はこれくらい使います。」
「結構すくないんですね?」
料理長は昴広が作る工程をメモを取りながら尋ねる。
こちらの世界では、砂糖をガッツリ使ったお菓子が多いので不思議で仕方ないのだ。
「お砂糖をたくさん使うとクラウディオさん達の健康によくないんですよ。色々種類はあるんですけど、今回は75%でつくります。」
料理長は健康に良くないという言葉に驚きながらも、昴広の説明に納得したようにほぉっと頷き、続きを促す。
「この次は、カカブルの脂分が出るまで潰して、この状態になったものをすり鉢で潰したところに先程はかったお砂糖を少しずつ入れていくと、ボソボソになります。
この容器のままお湯に付けて、45℃を目安に湯煎します。」
ふんふんと頷きながらメモをとる料理長に見せながら進めていく。
湯煎は変わますと料理長が願い出てきたので、お礼を言って変わってもらう。
「昴広様、ドロっとしてきましたがこのくらいでいいのでしょうか?」
出来上がったものを冷やすための容器を探していた昴広に湯煎をしている手を止めずに話しかける。
料理長というだけあって手際がいい。
「そのくらいで大丈夫です。
あとはそれをこの容器にいれて、冷蔵室で冷やして固めたら出来上がりです!」
作り終えたものを容器にうつし、冷蔵室に入れ、後片付けをしながら数十分待ち、固まったものを取り出す。
昴広は出来上がったものを見つめ、達成感に満ちた笑みを浮かべる。
「なるほど・・・・・・。
あのカカブルがこのような美味な味に変わるなど信じられませんな。」
料理長は余った分を味見として一口、口にすると驚愕の表情を顔に貼り付けたままポツリと呟く。
「匂いが同じだったので作ってみたんですけど、ちゃんと出来てよかったです。
僕がいたところではこの状態のものをチョコレートと言うんですよ。
本当はもっと色々したかったんですけど、お茶の時間に間に合わないので今度にします。
」
まだこれ以上のものがあるのかとさらに目を丸くする料理長にあとをまかせると、時計をみて昴広は残念そうに肩を落としながら、お茶の誘いをするためにクラウディオ達を呼びに行く。
「うふふ。昴広さんにお茶に誘われるなんて嬉しいわ。
今日のお菓子は何なのかしらね?」
天気がいいので庭でお茶をしましょうとソフィーナからの提案でメイドにお茶を庭に運ばせながらソフィーナは嬉しそうに微笑む。
クラウディオやソフィーナ、昴広が椅子に座るといつものようにいいタイミングでお茶が運ばれてきた。
「お待たせ致しました。
本日のお菓子、チョコレートでございます。」
「チョコレート?きいたことがありませんわ?」
お茶の用意が整い、目の前に出された茶色のハート型をみてソフィーナはおっとりと頬に手を当てながら首を傾げる。
クラウディオやセバスチャン達も同じように不思議そうにお菓子を見つめているのをみて、昴広はおかしくなりクスクスと笑う。
「今日は偶然カカブルをみつけたので僕と料理長で作ったんです。
こちらでは食べられていないらしいんですけど、僕のいたところではカカブルを調理して、このようにお菓子にするんです。
作ってる最中に思い出したんですが、僕のいたところではバレンタインという自分の大事な人、好きな人にチョコレートをあげる日なのでハート型にしてみました。」
きょとんした全員の視線を受けながら説明を始めた。
カカブルで作ったというところでクラウディオ達はぎょっとチョコレートに目を向けるが、昴広が作ったというものなので、恐る恐る一つ手に取ると口にする。
「ん?!うまい!!
むぅ。昴広や、本当にカカブルからこれを作ったのかのぉ?」
険しく眉を寄せていたクラウディオは口に入れた瞬間に感じる甘みと程よい苦さに驚きつつ、信じられんといいながら昴広に目を向け問う。
「はい。一緒にいた料理長に確認しますか?」
コテンと首を傾け昴広がいうと、まだ信じきれないクラウディオは料理長を呼び出し、言質をとる。
呼び出された料理長からとカカブルが材料になっていると聞くと、クラウディオはううむと唸りながら黙り込む。
「ほのかに苦いけれども美味しいと思える程の苦さしかないから食べやすいわ。」
クラウディオに目を向けずに、味わいながらチョコレートを口にしていたソフィーナは感心したように声を漏らした。
「あ、ちゃんとスハイルとセバスチャンの分もあるんだよ。」
満足気にチョコレートを食べるソフィーナに安心しながら、昴広の前に置かれたスハイルとセバスチャンの分を手に取ると、セバスチャンの定位置となりつつある後ろをむき、いつもありがとう、大好きだよといいながら手渡す。
〈む。当然のことをしているまでだ。
昴広のいたところは不思議なものが多いな。〉
礼など要らんと手渡されたものを食べ、うまいぞというスハイルを撫でていると、同じく昴広からチョコレートを受け取ったセバスチャンがざっと跪き、昴広の手をとる。
「昴広様、私めにまでチョコレートを頂きありがとうございます。
このセバスチャン、感動で胸が押しつぶされそうです。
昴広様に頂いたこのチョコレートは、私の家の家宝として飾りたいと思います。」
「まって!飾らないでちゃんと食べて!?」
感動のあまり目に涙を浮かべるながらいうセバスチャンを昴広が慌てて止めたため、不承不承といったように頷く。
だんだんと昴広狂信者となりつつあるセバスチャンが怖い。
「セバス、この都市にあるカカブルを全て買い占めよ!
このチョコレートなるものは売れるぞ!!」
黙り込んでいたクラウディオはバッと椅子から立ち上がると、威厳のある声でセバスチャン、他の秘書達に指示を出しバタバタと庭から出ていってしまった。
「あらあらまぁまぁ。全くあの人は売れそうなものを見るとすぐに行動したがるんだから。」
昴広がポカンとクラウディオ達が出ていくのを見ていると、コロコロと鈴を転がすような笑い声をあげ、笑うソフィーナは仕方ない人といいなから和やかにお茶会の続きをするのだった。
その後、昴広から様々なチョコレートのレシピを聞き出し、料理長が試行錯誤してこの世界の人に合うように改良を加え、1月のうちに全て整えたクラウディオは新商品チョコレートを売り出すと、貴族達を中心に爆発的か人気を博すことになるのだが、この時の昴広はまだ知らない。
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カカブル・・・カカオ
いつものように冒険者ギルドで依頼達成の報告をして家に帰っている途中、薬屋さんの前からかいだことのある匂いがしてふと立ち止まった。
〈む?どうかしたのか?〉
クンクンと匂いをかいでいる昴広のことをスハイルは不思議そうに見ていると、薬屋の前に出ているものを手に取る。
「昴広じゃないか。そんなもの持って何してんだ?」
よく依頼で顔を合わせる男の薬師が店の中から顔を出す。
「ハンスさん!これどうしたんですか?!」
「ん!?あーほかの冒険者が持ち帰ってきたカカブルってやつなんだが、苦くて食べられないから捨てるヤツなんだが・・・・・・」
テンションの上がっている昴広に押され、半歩後ろに下がりながら男の薬師、ハンスは薬にも食べ物にもなりゃしねぇよとため息を吐きながら答える。
「え!?すてちゃうんですか!!もったいない!!」
ワクワクした表情から一転悲しげに眉をさげながら昴広は嘆く。
「もったいないと言われてもなー。欲しいなら好きなだけ持って行っていいぞ?」
「え!本当ですか!?わーい、ハンスさんありがとうございます!!」
昴広が何故そこまで嘆くのかわけがわからず困ったように頭をかきながらハンスがいうと、パッと顔を輝かせ満面の笑みを浮かべながらお礼をいう昴広をみてピシリと固まる。
セバスチャンに貰った袋に出ている分の半分のカカブルを入れると失礼しますと声をかけ、ハンスが固まっていることなど気づ気もしないままルンルンと鼻歌を歌いながら昴広は家路を急いだ。
「料理長さん!これ使いたいので一緒に料理してください!!」
昼ご飯の片付けを済ませ、一息付いていた料理長のところにカカブルを持ってキラキラと顔を輝かせながら昴広が現れた。
「昴広様おかえりなさいませ。これってカカブルですか?」
「はい!薬屋さんに貰ってきました!」
ニコニコと嬉しそうに話す昴広を見ながら、カカブルで料理などできそうにないが…と一流の料理人である料理長は昴広に言うべきか悩む。
毎日美味しかったですと言付けるのではなく、自身で言いに来る昴広のことを料理長は気に入っているため、言い出しにくいのだ。
「これ僕がいた所でよく食べていたものの原材料にそっくりなんです!とっても美味しいんですよ!!・・・・・・ダメですか??」
笑みを浮かべながら話していた昴広は、悩んでいる料理長をみてしょぼんと肩を落としながら、首を傾げる。
「・・・・・・わかりました。昴広様がそこまで言うのでしたら試してみましょう。」
悲しげに肩を落とす昴広に苦笑しながら答えると他に必要なものはないかと聞く。
昴広は思い出しながら料理長に答え、準備がすむと昴広専用のエプロンをつけて手を洗う。
(料理好きの昴広はよく料理長と一緒に料理を作るためセバスチャンが準備したのだ。)
「えーとまず、このままだと食べられないので、カカブルをオーブンでローストして皮を剥きます。」
日本と同じような調理器具が多いので何のためらいもなく貰ってきたカカブルを鉄板の上に置き、料理長にいって設定して貰った120℃のオーブンに入れる。
実際は20分ほどかかるのだが、そこはファンタジー。
料理長のスキルで数分で終わり、昴広様には熱くて危ないからと料理長が鉄板を取り出す。
「ありがとうございます。
えーと、カカブルについてる皮とこの細いの胚芽だったかな?をとって、全部終わったものをはかります。今回は75%で作りたいのでお砂糖はこれくらい使います。」
「結構すくないんですね?」
料理長は昴広が作る工程をメモを取りながら尋ねる。
こちらの世界では、砂糖をガッツリ使ったお菓子が多いので不思議で仕方ないのだ。
「お砂糖をたくさん使うとクラウディオさん達の健康によくないんですよ。色々種類はあるんですけど、今回は75%でつくります。」
料理長は健康に良くないという言葉に驚きながらも、昴広の説明に納得したようにほぉっと頷き、続きを促す。
「この次は、カカブルの脂分が出るまで潰して、この状態になったものをすり鉢で潰したところに先程はかったお砂糖を少しずつ入れていくと、ボソボソになります。
この容器のままお湯に付けて、45℃を目安に湯煎します。」
ふんふんと頷きながらメモをとる料理長に見せながら進めていく。
湯煎は変わますと料理長が願い出てきたので、お礼を言って変わってもらう。
「昴広様、ドロっとしてきましたがこのくらいでいいのでしょうか?」
出来上がったものを冷やすための容器を探していた昴広に湯煎をしている手を止めずに話しかける。
料理長というだけあって手際がいい。
「そのくらいで大丈夫です。
あとはそれをこの容器にいれて、冷蔵室で冷やして固めたら出来上がりです!」
作り終えたものを容器にうつし、冷蔵室に入れ、後片付けをしながら数十分待ち、固まったものを取り出す。
昴広は出来上がったものを見つめ、達成感に満ちた笑みを浮かべる。
「なるほど・・・・・・。
あのカカブルがこのような美味な味に変わるなど信じられませんな。」
料理長は余った分を味見として一口、口にすると驚愕の表情を顔に貼り付けたままポツリと呟く。
「匂いが同じだったので作ってみたんですけど、ちゃんと出来てよかったです。
僕がいたところではこの状態のものをチョコレートと言うんですよ。
本当はもっと色々したかったんですけど、お茶の時間に間に合わないので今度にします。
」
まだこれ以上のものがあるのかとさらに目を丸くする料理長にあとをまかせると、時計をみて昴広は残念そうに肩を落としながら、お茶の誘いをするためにクラウディオ達を呼びに行く。
「うふふ。昴広さんにお茶に誘われるなんて嬉しいわ。
今日のお菓子は何なのかしらね?」
天気がいいので庭でお茶をしましょうとソフィーナからの提案でメイドにお茶を庭に運ばせながらソフィーナは嬉しそうに微笑む。
クラウディオやソフィーナ、昴広が椅子に座るといつものようにいいタイミングでお茶が運ばれてきた。
「お待たせ致しました。
本日のお菓子、チョコレートでございます。」
「チョコレート?きいたことがありませんわ?」
お茶の用意が整い、目の前に出された茶色のハート型をみてソフィーナはおっとりと頬に手を当てながら首を傾げる。
クラウディオやセバスチャン達も同じように不思議そうにお菓子を見つめているのをみて、昴広はおかしくなりクスクスと笑う。
「今日は偶然カカブルをみつけたので僕と料理長で作ったんです。
こちらでは食べられていないらしいんですけど、僕のいたところではカカブルを調理して、このようにお菓子にするんです。
作ってる最中に思い出したんですが、僕のいたところではバレンタインという自分の大事な人、好きな人にチョコレートをあげる日なのでハート型にしてみました。」
きょとんした全員の視線を受けながら説明を始めた。
カカブルで作ったというところでクラウディオ達はぎょっとチョコレートに目を向けるが、昴広が作ったというものなので、恐る恐る一つ手に取ると口にする。
「ん?!うまい!!
むぅ。昴広や、本当にカカブルからこれを作ったのかのぉ?」
険しく眉を寄せていたクラウディオは口に入れた瞬間に感じる甘みと程よい苦さに驚きつつ、信じられんといいながら昴広に目を向け問う。
「はい。一緒にいた料理長に確認しますか?」
コテンと首を傾け昴広がいうと、まだ信じきれないクラウディオは料理長を呼び出し、言質をとる。
呼び出された料理長からとカカブルが材料になっていると聞くと、クラウディオはううむと唸りながら黙り込む。
「ほのかに苦いけれども美味しいと思える程の苦さしかないから食べやすいわ。」
クラウディオに目を向けずに、味わいながらチョコレートを口にしていたソフィーナは感心したように声を漏らした。
「あ、ちゃんとスハイルとセバスチャンの分もあるんだよ。」
満足気にチョコレートを食べるソフィーナに安心しながら、昴広の前に置かれたスハイルとセバスチャンの分を手に取ると、セバスチャンの定位置となりつつある後ろをむき、いつもありがとう、大好きだよといいながら手渡す。
〈む。当然のことをしているまでだ。
昴広のいたところは不思議なものが多いな。〉
礼など要らんと手渡されたものを食べ、うまいぞというスハイルを撫でていると、同じく昴広からチョコレートを受け取ったセバスチャンがざっと跪き、昴広の手をとる。
「昴広様、私めにまでチョコレートを頂きありがとうございます。
このセバスチャン、感動で胸が押しつぶされそうです。
昴広様に頂いたこのチョコレートは、私の家の家宝として飾りたいと思います。」
「まって!飾らないでちゃんと食べて!?」
感動のあまり目に涙を浮かべるながらいうセバスチャンを昴広が慌てて止めたため、不承不承といったように頷く。
だんだんと昴広狂信者となりつつあるセバスチャンが怖い。
「セバス、この都市にあるカカブルを全て買い占めよ!
このチョコレートなるものは売れるぞ!!」
黙り込んでいたクラウディオはバッと椅子から立ち上がると、威厳のある声でセバスチャン、他の秘書達に指示を出しバタバタと庭から出ていってしまった。
「あらあらまぁまぁ。全くあの人は売れそうなものを見るとすぐに行動したがるんだから。」
昴広がポカンとクラウディオ達が出ていくのを見ていると、コロコロと鈴を転がすような笑い声をあげ、笑うソフィーナは仕方ない人といいなから和やかにお茶会の続きをするのだった。
その後、昴広から様々なチョコレートのレシピを聞き出し、料理長が試行錯誤してこの世界の人に合うように改良を加え、1月のうちに全て整えたクラウディオは新商品チョコレートを売り出すと、貴族達を中心に爆発的か人気を博すことになるのだが、この時の昴広はまだ知らない。
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カカブル・・・カカオ
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