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第3話 藍川奏美との出会い
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「...しねーよ」
「なんで?私のこと指したってことは少なからず好意は持ってるってことでしょ?それとも嫌いな女をわざわざ指さしたの?」
「...いや...そうじゃなくて...他の二人も知り合いなんだよ」
「...は?」
二人でベットに腰掛けて、事情を説明するとだんだん顔を真っ赤にしていく奏美。
「...って感じで...」
「そ、それならそうと最初に言いなさいよ!//」と、ビンタされた。
「いったぁ!!!」
「バカ、本当バカ!!//」
「...痛い」
「私を弄んだのだからそれぐらいの痛みは当然よ...もう」
「...あのさ...このタイミングで言うのもアレなんだけど...」
「何よ」
「可愛くなったな。奏美」
「!!////」
「あの時はごめん。ちゃんと謝れてなかったから」
「...別にいいのよ。気にしてなくはないけど、今私がこういう風になれたのはあの時の経験があったからだから」
––––––––––––
「佐藤!おは!」
「おう、おはよ!」
「佐藤くんおはよー!」
「おはおはー!」
中学時代の俺は人気者だった。
頭はそこそこ良かったし、バスケでは2年ながらエース級の活躍をしており、性格もそれなりに明るかったこともあり、男女ともに友達が多かった。
そんなある日のこと。
放課後の教室に忘れ物を取り入ったところ、一人で掃除している藍川さんがいた。
「あれ?藍川さん?みんなは?」
「...帰っちゃいました」
「...え?」
まだ机すら上げ終わっておらず、すぐ終わる感じには見えなかった。
「...みんなが帰ってからそんなに時間経ってない?」
「...はい」
「待ってて。呼び戻してくるから「いいんです!」と、教室を出て行こうとする俺を彼女が呼び止めた。
「...でも」
「...揉め事を起こす方が...怖いので...」
「...そっか。ごめん」
考えが及ばなかった。
俺はそのまま教室に入り掃除を手伝った。
「あの、私一人で「俺がしたいだけだから。いいでしょ?」と、笑うと困ったような表情を見せる。
二人で掃除を終えると、「ありがとう...」とお礼を言われた。
「ううん。またこういうことあったら言って。いつでも手伝うからさ!」
「...うん」
それから俺は藍川さんと話すようになった。
理由は意外と近しい感性を持っていたからだ。
「...あの...これ...面白いから読んでみて」
「お?藍川さんのおすすめ?これは期待大だなー」
「そんなにハードル上げられると...困る...」
「大丈夫!藍川さんが面白いって言うなら面白いから!」
「...」
そんなある日のこと。
体育倉庫の雑用を押し付けられた俺。
「...ったく、あの鬼め」と、体育教師であり部活の顧問である鬼の後藤に仕事を押し付けられたことを愚痴っていると、後ろの扉が開く。
「あれ?藍川さん?」
「...手伝いに来た。いつも...手伝ってもらってるから」
「マジ?サンキュー」
それから無言で片付けをする。
すると、珍しく藍川さんの方から話題を振ってくる。
「...ねぇ...佐藤くん」
「ん?どうした?」
「佐藤くんはさ...どういう女の子が好き?」
「タイプ?的な?うーん...どうだろう。考えたことないな。今は部活で手一杯って感じだし」
「...そう」
「でも強いていうなら...優しい女の子かな?」
「そっか...」
「そういう藍川さんは?どんな人がタイプ?」
「...優しくて...明るい人」
「ほーん?そうなんだ」
「...佐藤くんみたいな人がタイプ」
「...お、おう...ありがとう」
「佐藤くんは...私みたいな子...好きじゃないよね」
「え?いや、全然そんなことない。普通に...好きだぞ」
「...嘘。マネージャーさんみたいな可愛くて明るい子がいいに決まってる」
「いやー...マネージャーみたいなタイプはちょっとあれかなー?確かに可愛いけど...我が強いというか...そういうタイプはちょっと苦手。だから...大人しい子の方が好き...かな」
「...本当?」
「...おう」
そんな会話を二人とも背中を向けた状態でしていた。
今顔を見られたら終わる。
そう思っていると、背中に抱きつかれる。
「藍川さん!?」
そのままマットに押し倒される。
「...好きです...付き合ってください」
「...う、うん」
そうして俺は藍川奏美と付き合うこととなったのだ。
「なんで?私のこと指したってことは少なからず好意は持ってるってことでしょ?それとも嫌いな女をわざわざ指さしたの?」
「...いや...そうじゃなくて...他の二人も知り合いなんだよ」
「...は?」
二人でベットに腰掛けて、事情を説明するとだんだん顔を真っ赤にしていく奏美。
「...って感じで...」
「そ、それならそうと最初に言いなさいよ!//」と、ビンタされた。
「いったぁ!!!」
「バカ、本当バカ!!//」
「...痛い」
「私を弄んだのだからそれぐらいの痛みは当然よ...もう」
「...あのさ...このタイミングで言うのもアレなんだけど...」
「何よ」
「可愛くなったな。奏美」
「!!////」
「あの時はごめん。ちゃんと謝れてなかったから」
「...別にいいのよ。気にしてなくはないけど、今私がこういう風になれたのはあの時の経験があったからだから」
––––––––––––
「佐藤!おは!」
「おう、おはよ!」
「佐藤くんおはよー!」
「おはおはー!」
中学時代の俺は人気者だった。
頭はそこそこ良かったし、バスケでは2年ながらエース級の活躍をしており、性格もそれなりに明るかったこともあり、男女ともに友達が多かった。
そんなある日のこと。
放課後の教室に忘れ物を取り入ったところ、一人で掃除している藍川さんがいた。
「あれ?藍川さん?みんなは?」
「...帰っちゃいました」
「...え?」
まだ机すら上げ終わっておらず、すぐ終わる感じには見えなかった。
「...みんなが帰ってからそんなに時間経ってない?」
「...はい」
「待ってて。呼び戻してくるから「いいんです!」と、教室を出て行こうとする俺を彼女が呼び止めた。
「...でも」
「...揉め事を起こす方が...怖いので...」
「...そっか。ごめん」
考えが及ばなかった。
俺はそのまま教室に入り掃除を手伝った。
「あの、私一人で「俺がしたいだけだから。いいでしょ?」と、笑うと困ったような表情を見せる。
二人で掃除を終えると、「ありがとう...」とお礼を言われた。
「ううん。またこういうことあったら言って。いつでも手伝うからさ!」
「...うん」
それから俺は藍川さんと話すようになった。
理由は意外と近しい感性を持っていたからだ。
「...あの...これ...面白いから読んでみて」
「お?藍川さんのおすすめ?これは期待大だなー」
「そんなにハードル上げられると...困る...」
「大丈夫!藍川さんが面白いって言うなら面白いから!」
「...」
そんなある日のこと。
体育倉庫の雑用を押し付けられた俺。
「...ったく、あの鬼め」と、体育教師であり部活の顧問である鬼の後藤に仕事を押し付けられたことを愚痴っていると、後ろの扉が開く。
「あれ?藍川さん?」
「...手伝いに来た。いつも...手伝ってもらってるから」
「マジ?サンキュー」
それから無言で片付けをする。
すると、珍しく藍川さんの方から話題を振ってくる。
「...ねぇ...佐藤くん」
「ん?どうした?」
「佐藤くんはさ...どういう女の子が好き?」
「タイプ?的な?うーん...どうだろう。考えたことないな。今は部活で手一杯って感じだし」
「...そう」
「でも強いていうなら...優しい女の子かな?」
「そっか...」
「そういう藍川さんは?どんな人がタイプ?」
「...優しくて...明るい人」
「ほーん?そうなんだ」
「...佐藤くんみたいな人がタイプ」
「...お、おう...ありがとう」
「佐藤くんは...私みたいな子...好きじゃないよね」
「え?いや、全然そんなことない。普通に...好きだぞ」
「...嘘。マネージャーさんみたいな可愛くて明るい子がいいに決まってる」
「いやー...マネージャーみたいなタイプはちょっとあれかなー?確かに可愛いけど...我が強いというか...そういうタイプはちょっと苦手。だから...大人しい子の方が好き...かな」
「...本当?」
「...おう」
そんな会話を二人とも背中を向けた状態でしていた。
今顔を見られたら終わる。
そう思っていると、背中に抱きつかれる。
「藍川さん!?」
そのままマットに押し倒される。
「...好きです...付き合ってください」
「...う、うん」
そうして俺は藍川奏美と付き合うこととなったのだ。
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