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結婚編
竜王様の愚痴6
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エルランドから、ローリーには欲しがっているモノがあるとほのめかされ、我はショックを受けた。
なぜなら、あると言われて尚、我にはさっぱり見当がつかなかったからだ。
知ったような顔をするエルランドの前で頭を捻るのもしゃくに障り、我は城を飛び出す。
我とローリーは、あの夜より正真正銘一心同体になった本物の番いである。
しかも、魂まで結んだ仲だ。
よぉぉぉぉぉぉぉおく考えれば、絶対わかるはず。
行くあてもなく大空を滑空しながら、ひとりでウンウン頭を絞る。
・・・・・・
まったく、思いつかない。
大体、ローリーに甲斐性がありすぎるのがいけないのだ。
成人してからというもの、聡く、優秀な魔法使いであるローリーは、自分が発明した魔法製品で大好きな金をガッポリ稼いで、我に頼らずとも何でも自己解決できるようになってしまった。
金貨で釣れた頃のローリーが懐かしい。
あの頃はかわゆかったな~。
我が金貨や銀貨を一枚、二枚と壺に入れてやるだけで、とびきりの笑顔を見せてくれて。
湖で泳ぎを教えてやった時などは、我に全幅の信頼を寄せて身を任せてくれた。
ハア。
ローリーのことを一番わかっているのは、片時も離さず一番傍で見守ってきた我であると自負している。
ところが、何が気に入らぬのか、最近のローリーときたら急に冷たい態度をとるようになり、手助けしてやろうとする我を疎んじたり、邪魔者扱いしたりする。
我にはローリーの気持ちがさっぱりわからない。
妊娠が判明してからのローリーは、番いである我より人間のアウラばかりを頼るようになってしまった。
ローリーの魔力には深い愛情がこもっておるゆえ、心が離れたとは思わぬ。
だが、冷たくされればやっぱり辛いし、頼ってもらえないのは寂しい。
互いに想い合っていてもすれ違いが起こるのは、やはり種族が違うせいなのだろうか?
人間のローリーに、これ以上の愛を求めてはいけないのだろうか?
我としては、せめて新婚の間の百年くらい、新妻のローリーにもっとこう、恥じらいながらも愛らしく甘えられたいと思うのだが。
たとえばこんなふうに、
『ある、抱っこ。だって、一人で歩いて転んだら危ないでしょう?』
とか、
『あると私の赤ちゃんがね、魔力を欲しがってるの。だから、あるの魔力で私をいっぱいにして?』
とか、
『あるの腕の中は気持ちよくて、すごく安心する。あるが大好きなんだもん、ずっとこうしていていたいナ』
とか
『私のこと愛してる? じゃあ、愛してるってもっと言って。もっともっと言ってくれなきゃ、イヤ!』
とか!
ちょっとくらいサービスしてくれても良いと思う。
ローリーはあんなに聡いくせに、ちっとも男心がわかっておらぬ。
ハア。
溜め息を吐き、下をなにげに見ると眼下には人間の集落が広がっていた。
考えに熱中していて、うっかり竜王国の東のはじっこまで飛んで来てしまったようだ。
あの事件の後、追い出された人間達はよっぽど怖かったのか、竜族から距離を置き、中流域の街を出て下流域で自給自足の暮らしを始めた。
当初はこれでやっていけるのかと心配したほどの小さな集団だったが、どんどん移住する者が増えて、今では立派な集落へとその姿を変貌させている。
下流域は魔素が薄いゆえ、魔獣は好んで住まぬが、それでもやって来ないとは限らない。
魔獣が侵入しないように、我の竜気で人間の居住区を内緒で囲んであった。
来たついでに、竜気の状態を見回っておくかとUターンしないで高度を上げる。
高度を上げたのは人間達を刺激しないためだが、そこで、ハッとした。
ローリーが我とエルランドに向けて言った言葉を思い出したのだ。
『彼らが竜族から離れたのは、人間としての自尊心を取り戻すためよ。そりゃ竜族に比べたら、人間の寿命はあっという間に尽きるし、魔力だって無いに等しい。でも、人間はか弱き者でも、お荷物でもないわ』
なぜなら、あると言われて尚、我にはさっぱり見当がつかなかったからだ。
知ったような顔をするエルランドの前で頭を捻るのもしゃくに障り、我は城を飛び出す。
我とローリーは、あの夜より正真正銘一心同体になった本物の番いである。
しかも、魂まで結んだ仲だ。
よぉぉぉぉぉぉぉおく考えれば、絶対わかるはず。
行くあてもなく大空を滑空しながら、ひとりでウンウン頭を絞る。
・・・・・・
まったく、思いつかない。
大体、ローリーに甲斐性がありすぎるのがいけないのだ。
成人してからというもの、聡く、優秀な魔法使いであるローリーは、自分が発明した魔法製品で大好きな金をガッポリ稼いで、我に頼らずとも何でも自己解決できるようになってしまった。
金貨で釣れた頃のローリーが懐かしい。
あの頃はかわゆかったな~。
我が金貨や銀貨を一枚、二枚と壺に入れてやるだけで、とびきりの笑顔を見せてくれて。
湖で泳ぎを教えてやった時などは、我に全幅の信頼を寄せて身を任せてくれた。
ハア。
ローリーのことを一番わかっているのは、片時も離さず一番傍で見守ってきた我であると自負している。
ところが、何が気に入らぬのか、最近のローリーときたら急に冷たい態度をとるようになり、手助けしてやろうとする我を疎んじたり、邪魔者扱いしたりする。
我にはローリーの気持ちがさっぱりわからない。
妊娠が判明してからのローリーは、番いである我より人間のアウラばかりを頼るようになってしまった。
ローリーの魔力には深い愛情がこもっておるゆえ、心が離れたとは思わぬ。
だが、冷たくされればやっぱり辛いし、頼ってもらえないのは寂しい。
互いに想い合っていてもすれ違いが起こるのは、やはり種族が違うせいなのだろうか?
人間のローリーに、これ以上の愛を求めてはいけないのだろうか?
我としては、せめて新婚の間の百年くらい、新妻のローリーにもっとこう、恥じらいながらも愛らしく甘えられたいと思うのだが。
たとえばこんなふうに、
『ある、抱っこ。だって、一人で歩いて転んだら危ないでしょう?』
とか、
『あると私の赤ちゃんがね、魔力を欲しがってるの。だから、あるの魔力で私をいっぱいにして?』
とか、
『あるの腕の中は気持ちよくて、すごく安心する。あるが大好きなんだもん、ずっとこうしていていたいナ』
とか
『私のこと愛してる? じゃあ、愛してるってもっと言って。もっともっと言ってくれなきゃ、イヤ!』
とか!
ちょっとくらいサービスしてくれても良いと思う。
ローリーはあんなに聡いくせに、ちっとも男心がわかっておらぬ。
ハア。
溜め息を吐き、下をなにげに見ると眼下には人間の集落が広がっていた。
考えに熱中していて、うっかり竜王国の東のはじっこまで飛んで来てしまったようだ。
あの事件の後、追い出された人間達はよっぽど怖かったのか、竜族から距離を置き、中流域の街を出て下流域で自給自足の暮らしを始めた。
当初はこれでやっていけるのかと心配したほどの小さな集団だったが、どんどん移住する者が増えて、今では立派な集落へとその姿を変貌させている。
下流域は魔素が薄いゆえ、魔獣は好んで住まぬが、それでもやって来ないとは限らない。
魔獣が侵入しないように、我の竜気で人間の居住区を内緒で囲んであった。
来たついでに、竜気の状態を見回っておくかとUターンしないで高度を上げる。
高度を上げたのは人間達を刺激しないためだが、そこで、ハッとした。
ローリーが我とエルランドに向けて言った言葉を思い出したのだ。
『彼らが竜族から離れたのは、人間としての自尊心を取り戻すためよ。そりゃ竜族に比べたら、人間の寿命はあっという間に尽きるし、魔力だって無いに等しい。でも、人間はか弱き者でも、お荷物でもないわ』
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