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結婚編
竜王様の愚痴7
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「そなたへのプレゼントだ」
我はローリーとゼファーを背に乗せて、人間の村へと連れてきた。
「ここを離れられぬ我のために、ローリーは家族や友人のいる人間の国を出て、たったひとりでこの竜王国に嫁いでくれた。竜王国のために次代の竜王も産んでくれた。我からの感謝のしるしだ」
「これは、・・・」
「なかなかよい出来映えだろう? もちろん、本物をレノルドから持ってきたわけではない。我がそっくりに似せて作ったのだ」
ローリーは、目を大きく見開き、ぽかんと口を開けてそれを見上げている。
ムフフ、驚いておる驚いておる。
サプライズ大成功だ!
「以前、ローリーはお母上のような教育者になりたかったと言っておったであろう?」
我らは、人間達は竜族が怖くなって、下流域に逃げたのだと思っていた。
だが、ローリーはそうではないと言う。
ゆえに、保護を申し出る我らを拒絶するのだと。
「人間達には庇護ではなく、十分な教育と新しい産業を与えて自立を援助してやるべきだとエルに言っておったではないか。そなたならば、誰よりも上手に人間達を導いてやれるだろう」
我はローリーの気持ちになって考えてみたのだ。
ローリーは、レノルドにおいて将来を嘱望された才能豊かな魔法使いであった。
人間の国にそのまま止まっておれば、多くの功績を世に残し、おそらくその名をレノルドのみならず大陸中に広めたことだろう。
しかし、我が望んだゆえ、ローリーはその全てを投げ捨てて竜王国に来てくれた。
ローリーの魔法使いとしての矜持がどれほどのものか、我は誰よりもわかっていたはずなのに。
「そなたは遠慮して言わぬゆえな、我なりに一生懸命考えてみたのだ。妊娠中は心配のあまり、そなたに何もかもを禁じてしまった。そなたの気持ちを蔑ろにして、己の都合を強いてしまった。ローリー、我は反省したのだ。我らは一つになれるが、同じものではない。もっとそなたの望みを聞いてやるべきだった」
ずっと欲しかったものを手に入れ、我は知らず知らず傲っていたのやも知れぬ。
想いがすれ違っていたのは、種族の違いではなく我にローリーを思いやる気持ちが足りなかったのだ。
我は独りよがりであった。
「だがな、ローリー、我らは同じものではないが、番いだ。遠慮はいらぬ、もっと我に甘えよ。そなたがゼファーを出産する時、我を頼りにしてくれてどれほど嬉しかったか。そなたの苦しむ姿を目の当たりにするのは、とても辛く耐え難い事であった。だが、それでも逃げ出さずに立ち向かえたのは、そなたが我を頼ってくれたからだ。夫として、そなたを支えてやれた事がとても嬉しかった」
我がローリーにプレゼントしたのは、学校だった。
せっかくだし、驚かせてやろうと思って、ハイネケン魔法学校の一部を再現してみた。
「アル・・・」
「そなたのために学校を創ってやろうと思った時、思い浮かんだのはハイネケン魔法学校だった。我にとって、建造物を造ること自体は造作ない。今の城も前の城も我一人で造ったし」
「ああ、なんてことなの・・・」
ローリーが、贈り物と愛の言葉に感激して、我をうるんだ瞳で見つめる。
我は心の中でほくそ笑んだ。
よしよし、首尾は上々。
なにしろ、今夜は待ちに待った解禁日なのだ!
情熱的な夜を過ごそうと思ったら、やはりローリーの気を引いて盛り上げておかないとな!!
「だがな、そっくりに造るのはテキトーに造るのと勝手が違って、ものすごく大変だったのだぞ。でも、我はローリーを喜ばせたくて頑張った」
実際、大げさな話でもなく、思ったよりもかなり手間がかかって本当に苦労したのだ。
そっくりに再現しようとすると、正確なイメージが要求されて、我は何度もレノルドへ赴く羽目になった。
ローリーにバレぬよう抜け出すのも一苦労だった。
そんなこんなで、今朝方ようやく完成したのだ。
「我の贈り物は気に入ってもらえただろうか?」
「ええ、もちろんよ!! ああ、アル、あなたってなんて素敵な夫なの。私、興奮して、ドキドキが止まらないわ。あなたと結婚して良かった。ああ、どうしよう、城に帰るまで我慢出来ないかも。アル、お願いしてもいい?」
ローリーは我の手を取って、上目遣いで懇願してくる。
「え?!」
「駄目?」
「え?! え?! えええーーーーーー!!」
我はローリーとゼファーを背に乗せて、人間の村へと連れてきた。
「ここを離れられぬ我のために、ローリーは家族や友人のいる人間の国を出て、たったひとりでこの竜王国に嫁いでくれた。竜王国のために次代の竜王も産んでくれた。我からの感謝のしるしだ」
「これは、・・・」
「なかなかよい出来映えだろう? もちろん、本物をレノルドから持ってきたわけではない。我がそっくりに似せて作ったのだ」
ローリーは、目を大きく見開き、ぽかんと口を開けてそれを見上げている。
ムフフ、驚いておる驚いておる。
サプライズ大成功だ!
「以前、ローリーはお母上のような教育者になりたかったと言っておったであろう?」
我らは、人間達は竜族が怖くなって、下流域に逃げたのだと思っていた。
だが、ローリーはそうではないと言う。
ゆえに、保護を申し出る我らを拒絶するのだと。
「人間達には庇護ではなく、十分な教育と新しい産業を与えて自立を援助してやるべきだとエルに言っておったではないか。そなたならば、誰よりも上手に人間達を導いてやれるだろう」
我はローリーの気持ちになって考えてみたのだ。
ローリーは、レノルドにおいて将来を嘱望された才能豊かな魔法使いであった。
人間の国にそのまま止まっておれば、多くの功績を世に残し、おそらくその名をレノルドのみならず大陸中に広めたことだろう。
しかし、我が望んだゆえ、ローリーはその全てを投げ捨てて竜王国に来てくれた。
ローリーの魔法使いとしての矜持がどれほどのものか、我は誰よりもわかっていたはずなのに。
「そなたは遠慮して言わぬゆえな、我なりに一生懸命考えてみたのだ。妊娠中は心配のあまり、そなたに何もかもを禁じてしまった。そなたの気持ちを蔑ろにして、己の都合を強いてしまった。ローリー、我は反省したのだ。我らは一つになれるが、同じものではない。もっとそなたの望みを聞いてやるべきだった」
ずっと欲しかったものを手に入れ、我は知らず知らず傲っていたのやも知れぬ。
想いがすれ違っていたのは、種族の違いではなく我にローリーを思いやる気持ちが足りなかったのだ。
我は独りよがりであった。
「だがな、ローリー、我らは同じものではないが、番いだ。遠慮はいらぬ、もっと我に甘えよ。そなたがゼファーを出産する時、我を頼りにしてくれてどれほど嬉しかったか。そなたの苦しむ姿を目の当たりにするのは、とても辛く耐え難い事であった。だが、それでも逃げ出さずに立ち向かえたのは、そなたが我を頼ってくれたからだ。夫として、そなたを支えてやれた事がとても嬉しかった」
我がローリーにプレゼントしたのは、学校だった。
せっかくだし、驚かせてやろうと思って、ハイネケン魔法学校の一部を再現してみた。
「アル・・・」
「そなたのために学校を創ってやろうと思った時、思い浮かんだのはハイネケン魔法学校だった。我にとって、建造物を造ること自体は造作ない。今の城も前の城も我一人で造ったし」
「ああ、なんてことなの・・・」
ローリーが、贈り物と愛の言葉に感激して、我をうるんだ瞳で見つめる。
我は心の中でほくそ笑んだ。
よしよし、首尾は上々。
なにしろ、今夜は待ちに待った解禁日なのだ!
情熱的な夜を過ごそうと思ったら、やはりローリーの気を引いて盛り上げておかないとな!!
「だがな、そっくりに造るのはテキトーに造るのと勝手が違って、ものすごく大変だったのだぞ。でも、我はローリーを喜ばせたくて頑張った」
実際、大げさな話でもなく、思ったよりもかなり手間がかかって本当に苦労したのだ。
そっくりに再現しようとすると、正確なイメージが要求されて、我は何度もレノルドへ赴く羽目になった。
ローリーにバレぬよう抜け出すのも一苦労だった。
そんなこんなで、今朝方ようやく完成したのだ。
「我の贈り物は気に入ってもらえただろうか?」
「ええ、もちろんよ!! ああ、アル、あなたってなんて素敵な夫なの。私、興奮して、ドキドキが止まらないわ。あなたと結婚して良かった。ああ、どうしよう、城に帰るまで我慢出来ないかも。アル、お願いしてもいい?」
ローリーは我の手を取って、上目遣いで懇願してくる。
「え?!」
「駄目?」
「え?! え?! えええーーーーーー!!」
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