竜王様のヘタレな恋 ーR18バージョンー

Arara

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結婚編

竜王様の愚痴8

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 これほどの効果が出るとは思わなかった。
 ローリーがおねだりしてくれるなんて!!
 我としては、ベッドで少々情熱的に愛し合えるかナー的な?その程度の期待だったのに。

 ローリーもよくわかってきたではないか。
 我は嬉しいぞ!! 
 子竜を産んで、竜族に近い習性になったのかな? 

 なにはともあれ、想定以上の展開に少しばかり狼狽えてしまったが、もちろん我に否はない。
 番いの雌が発情したら、雄がそれを鎮めてやるのは当然のこと。
 大空で睦み合う事は叶わぬが、務めをしっかり果たすべく我はローリーを木の陰に引っ張り込んだ。
 ところが、ころんと押し倒して、口付けようとすると、

「ちょっと、アル! 背中にゼファーを張り付けたまま何するつもり?!」

 ローリーに下から怪訝な顔で咎められる。
 
「何って、ナニ・・だろう? 興奮して我慢できないと言ったのは、そなたではないか!」

 我は雄の務めを果たそうとしたまで。
 きっぱり反論すると、ローリーはきょとんとする。
 そして、しばらくの沈黙の後、

「やだ、もうアルったら~。そうじゃなくって~、私が興奮して我慢出来ないって言ったのは、あなたの錬金術よ」

 と言った。
 さっぱり訳が分からない。

「錬金術?!」

 おかしい。
 つい先ほどまで、我らは愛を語り合っていたはず。
 どこからそんな話になったけ?
 首をひねって考えていると、ちょっと重いからどいてと言われた。

 ・・・・・・

 しぶしぶ体を起こす。
 と、ローリーは瞳を煌めかせて熱く説くのだった。 

「竜族のデタラメな魔法はね、実は人間で言うところの幻の錬金術だったの! それが降って湧いたように目の前にひょっこり現れたのよ、興奮するに決まってるじゃない! アルがお湯を魔法で出した時、もしかしたらとは疑ってはいたの。だけど、まさかこんなものを再現してみせるなんて! 私の想像をはるかに超えていたわ。これまで数多の魔法使いが挑んできた最高ランクの錬金術よ。ああ、なんてことかしら、夫なら研究し放題だし、私には時間もある。錬金術が解明出来れば・・・フフフフフフ」 

 ひとりほくそ笑むローリーに、我が言葉を失っていると、ローリーはバツが悪そうに慌てて言葉を繕う。

「えっと、アル、ありがとう。プレゼントももちろん嬉しかったけど、アルがそんなふうに考えてくれてた事がすごく嬉しかった。私ね、ずっと結婚した限りは自分は魔法使いである前に、あなたの妻であり王妃でなければならないと思い込んでたの。でも、そうじゃないんだね」

 
 熱い抱擁と口付けで互いの愛情を確かめ合った後、ローリーに乞われるまま、我は金塊を作って見せた。

「素晴らしいわ! じゃあ、銀は?」

 ローリーに熱い眼差しを向けられるのはとても気分が良かったし、瞳を輝かせて喜ぶローリーは可愛いかった。
 それで、つい調子に乗ってしまったのだ。
 気付いた時には、魔力が底をついていた。

「ローリー、日も暮れてきたし、そろそろ終わりにしよう」

 学校建設で、すでに多くの魔力を消費していた。

「あ、うん、そうだね。じゃあ、これで最後にする」

 ところが、最後にすると言ったにもかかわらず、ローリーはそれをなかなか口にしようとしない。

「ローリー?」

「あのね、・・・たとえばだけど、・・・でも、やっぱりこういうのは駄目よね。ああ、でも聞いてみるくらいなら・・・」

 我は早く城に帰りたかった。

「ローリー、今でなくとも城に帰って」

「ネズミとかは?! 虫でもいい! 生き物は作れたりする?」
 
 我が驚いた顔を見せると、ローリーはハッとしたように口を押さえた。

「ごめんなさい。やっぱりこんなことお願いしちゃ駄目だよね。忘れて! 決して、命を軽んじてるつもりはないの! ただ研究者ってね、純粋な探求心に抗えないっていうか、・・・でも、無神経よね、ごめんなさい」

「作れぬ」

「え?」

 ローリーが驚いた顔を我に向けたが、それ以上に強い口調で即答した己自身に驚いた。

「命は宿らぬ・・・おそらくな」

 




 作戦は大成功だった。
 ローリーは食事中も我を熱っぽく見つめている。
 今夜ならば、明かりを灯したまましても文句を言われないような気がする。
 絆されたローリーにあんなことやこんなことをして、じっくりゆっくり、ムフフフフ。
 

「ある?」

「うっかりしていた。えるにだいじなよーじがあったのだ」

「え? こんな時間に?」

 ローリーのいるベッドから、慌てて逃げ出した。
 なんでこんなことに?!
 なんでなんでどうしてどうして?!

 一目散に向かった場所はエルの寝室。
 
「エルランド! エルランド! 一大事なのだ! 起きてくれ!」

 扉を叩くと、エルが慌てて飛び出して来る。

「どうされたのですか?! 王妃様に何か?!」

「いや、ローリーは大事ない」

「では、一大事とは一体、」

「そもそも、」

「そもそも?」

「そもそも、そなたがローリーにプレゼントを渡せと言ったから、こんなことになったのだ!!」

「はぁ?」

 



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