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結婚編
竜王様の愚痴9
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「というわけだから、こうなった原因の半分はそなたにある。ゆえ、責任をとって治してもらいたい。できれば、今すぐ」
「・・・・・・」
竜王様がこんな夜中に一大事と言うから何かと思えば。
竜王様の話はこうだった。
私の助言を受けて王妃様に贈り物をなさったところ、王妃様は贈り物を大層喜ばれ、その結果、ディーンから結婚祝いに贈られた特別なナイトウエアを今夜お召しになったらしい。
で、竜王様によれば、そのお姿があまりに魅惑的で衝撃的だったため、そのショックでどうやらEDになってしまったようだという。
「そもそもお前の言う事をきいていなければ、このような事態にはならなかったのだからな!」
「・・・・・・」
そして、EDになった原因は、私が王妃様に贈り物をしたらどうかと竜王様に進言したせいなのだから、私に責任をとって何とかしてもらいたいという話だった。
「明かりを灯したままというのも良くなかった! 強すぎる刺激は、精神的に良くないのかも知れぬ。アレは精神的ストレスが一番良くないと言うではないか」
竜王様は、こんなことになるとわかっていたなら欲など出さなかったのに、と頭を抱えて後悔している。
「で、そなたもやっぱりアレがいけなかったと思うか?」
「はい?」
「だから! 我が黒い方を選択したのが間違いだったのだろうかと聞いておるのだ。しかし、白い方も丈は短くスケスケで、あれはあれで・・・・・・・・・・・・ハッ! ということは、一番の原因は我にあのようなモノを結婚祝いに寄越したディーンか!!」
「・・・・・・」
「このようなことは初めてなのだ。ゆえ、どうやってこの精神的ストレスを解消すればよいのかさっぱりわからぬ。羊を数えてみたり、頭の中で百から順番に三を引いてみたり、我なりに聞きかじった対処法をいろいろ試してみたがちっとも良くならぬし、」
そりゃそうでしょうね。
不眠症や認知症予防の対処法でEDが治るわけがない。
「そうだ! 交合直後に逆立ちをすると良いというのはまだ試しておらん。ん? アレおかしいな。できぬのに、交合直後とはこれ如何に?」
「竜王様、それは妊娠の確率を上げる方法です」
「・・・そうか」
竜王様は万策尽きたという顔で、すっかり肩を落としてしまった。
まったく、しょうがない御方だ。
「竜王国最強の黒竜が、そのようなお顔をなさるものではありませんよ」
竜王様は根本から間違っている。
「竜王様、上流に行って高位の魔獣を二、三匹召し上がればよいのです。黒も白も精神的ストレスも関係ありません。竜王様のお悩みの原因は、魔力の枯渇なのですから」
膨大な魔力を自身に有する竜王様は、魔力が枯渇した事などないのだろう。
「魔力の枯渇? 確かに今日は魔力を使い過ぎた自覚はあるが、同化はさておき肉体だけなら問題はなかろう?」
「いいえ。我ら竜族の最上の喜びは番いと魔力を交換すること。そのつもりがなくとも、枯渇した状態でコトに及べば番いの魔力を根こそぎ奪いかねません。そのような事故を防ぐため、機能停止するよう本能に組み込まれているのです」
「・・・・・・そうだったのか。知らなかった」
「黒竜の魔力が枯渇するほどの事態など、滅多にございませんからね。さ、そうとわかれば、さっさと上流に向かって下さい。急げば、夜が明ける前に戻れるでしょう」
「済まん、エルランド。助かった」
「いつでもどうぞ」
竜王様は大慌てで城を飛び出して行く。
竜王様にEDの悩みを打ち明けられる、こんな平和な日がこようとはな。
目を瞑れば、竜王様との三百年間が走馬灯のように駆け巡る。
竜王国が絶望のどん底にあったあの頃、親を失った子竜にとって竜王様だけが生きる希望だった。
共に育てられた義兄弟との賑やかな日々。
竜王様にだけ番いが見つからず、いじけて洞窟に引きこもった時は本当に困ったが。
何はともあれ、恩義ある育ての父が待望の番いを得てやっと幸せになったのだと実感した夜となった。
「・・・・・・」
竜王様がこんな夜中に一大事と言うから何かと思えば。
竜王様の話はこうだった。
私の助言を受けて王妃様に贈り物をなさったところ、王妃様は贈り物を大層喜ばれ、その結果、ディーンから結婚祝いに贈られた特別なナイトウエアを今夜お召しになったらしい。
で、竜王様によれば、そのお姿があまりに魅惑的で衝撃的だったため、そのショックでどうやらEDになってしまったようだという。
「そもそもお前の言う事をきいていなければ、このような事態にはならなかったのだからな!」
「・・・・・・」
そして、EDになった原因は、私が王妃様に贈り物をしたらどうかと竜王様に進言したせいなのだから、私に責任をとって何とかしてもらいたいという話だった。
「明かりを灯したままというのも良くなかった! 強すぎる刺激は、精神的に良くないのかも知れぬ。アレは精神的ストレスが一番良くないと言うではないか」
竜王様は、こんなことになるとわかっていたなら欲など出さなかったのに、と頭を抱えて後悔している。
「で、そなたもやっぱりアレがいけなかったと思うか?」
「はい?」
「だから! 我が黒い方を選択したのが間違いだったのだろうかと聞いておるのだ。しかし、白い方も丈は短くスケスケで、あれはあれで・・・・・・・・・・・・ハッ! ということは、一番の原因は我にあのようなモノを結婚祝いに寄越したディーンか!!」
「・・・・・・」
「このようなことは初めてなのだ。ゆえ、どうやってこの精神的ストレスを解消すればよいのかさっぱりわからぬ。羊を数えてみたり、頭の中で百から順番に三を引いてみたり、我なりに聞きかじった対処法をいろいろ試してみたがちっとも良くならぬし、」
そりゃそうでしょうね。
不眠症や認知症予防の対処法でEDが治るわけがない。
「そうだ! 交合直後に逆立ちをすると良いというのはまだ試しておらん。ん? アレおかしいな。できぬのに、交合直後とはこれ如何に?」
「竜王様、それは妊娠の確率を上げる方法です」
「・・・そうか」
竜王様は万策尽きたという顔で、すっかり肩を落としてしまった。
まったく、しょうがない御方だ。
「竜王国最強の黒竜が、そのようなお顔をなさるものではありませんよ」
竜王様は根本から間違っている。
「竜王様、上流に行って高位の魔獣を二、三匹召し上がればよいのです。黒も白も精神的ストレスも関係ありません。竜王様のお悩みの原因は、魔力の枯渇なのですから」
膨大な魔力を自身に有する竜王様は、魔力が枯渇した事などないのだろう。
「魔力の枯渇? 確かに今日は魔力を使い過ぎた自覚はあるが、同化はさておき肉体だけなら問題はなかろう?」
「いいえ。我ら竜族の最上の喜びは番いと魔力を交換すること。そのつもりがなくとも、枯渇した状態でコトに及べば番いの魔力を根こそぎ奪いかねません。そのような事故を防ぐため、機能停止するよう本能に組み込まれているのです」
「・・・・・・そうだったのか。知らなかった」
「黒竜の魔力が枯渇するほどの事態など、滅多にございませんからね。さ、そうとわかれば、さっさと上流に向かって下さい。急げば、夜が明ける前に戻れるでしょう」
「済まん、エルランド。助かった」
「いつでもどうぞ」
竜王様は大慌てで城を飛び出して行く。
竜王様にEDの悩みを打ち明けられる、こんな平和な日がこようとはな。
目を瞑れば、竜王様との三百年間が走馬灯のように駆け巡る。
竜王国が絶望のどん底にあったあの頃、親を失った子竜にとって竜王様だけが生きる希望だった。
共に育てられた義兄弟との賑やかな日々。
竜王様にだけ番いが見つからず、いじけて洞窟に引きこもった時は本当に困ったが。
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