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出会い編
ローリーの秘密1
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「アルベルト様?」
ディーンの我を呼びかける声にハッとする。
ローリーが小さな子供ではないと聞いて、今までの仲良し作戦が失策であった事が判明した。
自分が良かれと思ってしてきた様々な事について、ぐるぐる考え込んでしまっていた。
「なんだ」
「十四ですって」
「十四?」
「本当の年齢です」
十四? なんだ、さして変わらないではないか。心配して損したな。
我の年が六百歳だと仮定すると、年の差が五百九十三歳か五百八十六歳かの違いだけ。
四捨五入すれば同じ五百九十歳の年の差だ。
そもそも我は正確な年齢すらもう忘れてしまっているのだから、七年など端数に等しい。
「魔法がかかっているそうです」
「ああ、なるほどな」
我はローリーの周りの空間の歪みは、このせいだったのだと理解した。
ローリーを取り巻く空間の時間だけが止まっているのだ。
「アル、ごめん。騙すようなことになってさ」
「いや、よい。気にするな」
「でも、ショックだろ? 子供好きなアルとしてはさ。そ、その、抱っことかあーゆうのはマジ勘弁だけど、手を繋いで歩いたり、肩に乗るくらいなら、そんなに嫌じゃないから! 明日一日しかないけど、付き合ってやってもいいよ」
肩に乗るのは結構楽しかったし、とローリーは照れくさそうにしている。
はて? 我はいつから子供好きになったのだろうかと思ったが、そんなことより明日一日!!
残された時間は明日一日!
どうやっても仲良し作戦を進行させねばならぬ。
もちろん、たった今提示された手を繋いで歩く権利と肩に乗せる権利は行使するつもりだ。
「十四かー。ほぼほぼ大人だもんなー。子供扱いして悪かったよ、ローリー」
「いや、事情を知らないんだから、この姿じゃあ仕方ないさ。それにいろいろ親切にしてもらったのは、嬉しかった。とんでもないモノは除いてだけど」
「はははっ、まったくな」
二人は食事をしながら和やかに話している。
我はその会話の中で気になった事をディーンに尋ねた。
「ほぼほぼ大人とはどういうことだ? 十四とは、ほぼほぼ大人なのか?」
「人間は、・・・いや、レノルドでは十五が成人ですから。そうだよな?」
「うん。国によっては、十六ってとこもあるけど、この辺りの国はみんな十五じゃないかな。とはいえ、オレの場合、成人になったとしてもこんなんじゃあ酒もタバコも結婚も出来ないから、今となにも変わんないよ」
「ケッコン!?」
「まあ、貴族なんかは家の繋がりのために婚姻を結ぶわけだから、年齢なんて関係なく十二でも十三でも結婚してるけどね」
「ロ、ローリーっ!? ケ、ケッコンなんて早すぎる! 我は断じて反対だ!」
我は主張した。断じてローリーを結婚させてはならん。
「アルー、誰もオレが結婚するなんて言ってないよ? 一般論の話だよ」
「一般論・・・本当に? 本当に、ローリーは結婚しないんだな?」
「今のところはね。こんな姿だし。でも、いつか、魔法が解ければ、するかも知れないね」
!!
「そうか、そうだな・・・」
誰だってひとりぼっちは嫌だ。
ローリーだって、一生を共に過ごす相手が欲しいだろう。
我だってそうなのだから、結婚しないで欲しいと思うのは間違っている。
しゅんとしてしまった我にローリーが気を引き立たせるように、明日の予定を話し始めた。
明るく話すローリーの、普段なら耳に心地よいその声が、我の耳をただ通り抜けていく。
仲良し作戦を進めるはずだった!!
もちろん、権利は二つとも行使した。
物理的な距離も縮め、親交を深めようと思ったのに!!
あー、我は自分が情けない。
六百年も生きているのに、気のきいた話題がひ・と・つも出て来ないのだ。
ほぼほぼ大人という、おそらくは思春期?と思われるややこしい年齢のローリーと、どんな事を話せば良いのか、考えれば考えるほど分からなくなってしまった。
それで焦って支離滅裂なことを言ってローリーに、アルってほんとに残念なイケメンだよねと呆れた顔をされたのだ。
そしてここは、魔道具屋の前である。
すでに換金も済んでいる。
あれよあれよという間に着いてしまった。
一応、引き延ばし作戦は敢行したものの、ローリーには通じなかった。
なんでもローリーは早く家に帰りたいらしい。
我など捨てて、さっさと帰りたいのだ。
悲しくていじいじしたい気持ちでいっぱいだったけど、そんな事をしてもきっとスルーされて終わりだ。
カネの山分けが終わったら、カネの切れ目がエンの切れ目、我は捨てられる。
いじいじしても、もう客ではない他人の我は捨てられる。
「さあ、山分けしよう!! 金貨150枚だから、50枚ずつだよ」
そう言って三つに分けられた袋を我とディーンに一つずつ手渡してくれる。
ディーンは受け取ったが、我が受け取らないのでローリーが訝しげに問う。
「なんで受け取らないの?」
「・・・・・・」
「50枚ずつじゃあ気に入らないってこと? 何だよ!! レッドグリズリーの分を寄こせってか?!」
ローリーが怒り出してしまった。
どうしようどうしよう。
でも、受け取ったらおしまいだ。
どうしようどうしよう。
頭が真っ白になって、なんと言えばローリーを引き止めることが出来るのか、よいアイデアが出て来ない!!
「こ、これは要らない。全部ローリーにやる!!」
「え?!」
「だから、だから、我とお付き合いしてくれ!!」
あ、頭の片隅に置いてあったヤツが出て来た・・・
ディーンの我を呼びかける声にハッとする。
ローリーが小さな子供ではないと聞いて、今までの仲良し作戦が失策であった事が判明した。
自分が良かれと思ってしてきた様々な事について、ぐるぐる考え込んでしまっていた。
「なんだ」
「十四ですって」
「十四?」
「本当の年齢です」
十四? なんだ、さして変わらないではないか。心配して損したな。
我の年が六百歳だと仮定すると、年の差が五百九十三歳か五百八十六歳かの違いだけ。
四捨五入すれば同じ五百九十歳の年の差だ。
そもそも我は正確な年齢すらもう忘れてしまっているのだから、七年など端数に等しい。
「魔法がかかっているそうです」
「ああ、なるほどな」
我はローリーの周りの空間の歪みは、このせいだったのだと理解した。
ローリーを取り巻く空間の時間だけが止まっているのだ。
「アル、ごめん。騙すようなことになってさ」
「いや、よい。気にするな」
「でも、ショックだろ? 子供好きなアルとしてはさ。そ、その、抱っことかあーゆうのはマジ勘弁だけど、手を繋いで歩いたり、肩に乗るくらいなら、そんなに嫌じゃないから! 明日一日しかないけど、付き合ってやってもいいよ」
肩に乗るのは結構楽しかったし、とローリーは照れくさそうにしている。
はて? 我はいつから子供好きになったのだろうかと思ったが、そんなことより明日一日!!
残された時間は明日一日!
どうやっても仲良し作戦を進行させねばならぬ。
もちろん、たった今提示された手を繋いで歩く権利と肩に乗せる権利は行使するつもりだ。
「十四かー。ほぼほぼ大人だもんなー。子供扱いして悪かったよ、ローリー」
「いや、事情を知らないんだから、この姿じゃあ仕方ないさ。それにいろいろ親切にしてもらったのは、嬉しかった。とんでもないモノは除いてだけど」
「はははっ、まったくな」
二人は食事をしながら和やかに話している。
我はその会話の中で気になった事をディーンに尋ねた。
「ほぼほぼ大人とはどういうことだ? 十四とは、ほぼほぼ大人なのか?」
「人間は、・・・いや、レノルドでは十五が成人ですから。そうだよな?」
「うん。国によっては、十六ってとこもあるけど、この辺りの国はみんな十五じゃないかな。とはいえ、オレの場合、成人になったとしてもこんなんじゃあ酒もタバコも結婚も出来ないから、今となにも変わんないよ」
「ケッコン!?」
「まあ、貴族なんかは家の繋がりのために婚姻を結ぶわけだから、年齢なんて関係なく十二でも十三でも結婚してるけどね」
「ロ、ローリーっ!? ケ、ケッコンなんて早すぎる! 我は断じて反対だ!」
我は主張した。断じてローリーを結婚させてはならん。
「アルー、誰もオレが結婚するなんて言ってないよ? 一般論の話だよ」
「一般論・・・本当に? 本当に、ローリーは結婚しないんだな?」
「今のところはね。こんな姿だし。でも、いつか、魔法が解ければ、するかも知れないね」
!!
「そうか、そうだな・・・」
誰だってひとりぼっちは嫌だ。
ローリーだって、一生を共に過ごす相手が欲しいだろう。
我だってそうなのだから、結婚しないで欲しいと思うのは間違っている。
しゅんとしてしまった我にローリーが気を引き立たせるように、明日の予定を話し始めた。
明るく話すローリーの、普段なら耳に心地よいその声が、我の耳をただ通り抜けていく。
仲良し作戦を進めるはずだった!!
もちろん、権利は二つとも行使した。
物理的な距離も縮め、親交を深めようと思ったのに!!
あー、我は自分が情けない。
六百年も生きているのに、気のきいた話題がひ・と・つも出て来ないのだ。
ほぼほぼ大人という、おそらくは思春期?と思われるややこしい年齢のローリーと、どんな事を話せば良いのか、考えれば考えるほど分からなくなってしまった。
それで焦って支離滅裂なことを言ってローリーに、アルってほんとに残念なイケメンだよねと呆れた顔をされたのだ。
そしてここは、魔道具屋の前である。
すでに換金も済んでいる。
あれよあれよという間に着いてしまった。
一応、引き延ばし作戦は敢行したものの、ローリーには通じなかった。
なんでもローリーは早く家に帰りたいらしい。
我など捨てて、さっさと帰りたいのだ。
悲しくていじいじしたい気持ちでいっぱいだったけど、そんな事をしてもきっとスルーされて終わりだ。
カネの山分けが終わったら、カネの切れ目がエンの切れ目、我は捨てられる。
いじいじしても、もう客ではない他人の我は捨てられる。
「さあ、山分けしよう!! 金貨150枚だから、50枚ずつだよ」
そう言って三つに分けられた袋を我とディーンに一つずつ手渡してくれる。
ディーンは受け取ったが、我が受け取らないのでローリーが訝しげに問う。
「なんで受け取らないの?」
「・・・・・・」
「50枚ずつじゃあ気に入らないってこと? 何だよ!! レッドグリズリーの分を寄こせってか?!」
ローリーが怒り出してしまった。
どうしようどうしよう。
でも、受け取ったらおしまいだ。
どうしようどうしよう。
頭が真っ白になって、なんと言えばローリーを引き止めることが出来るのか、よいアイデアが出て来ない!!
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あ、頭の片隅に置いてあったヤツが出て来た・・・
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