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出会い編
ローリーの秘密2
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しまったしまったしまった。
アカンやつが出て来てしまった!
「お付き合いって?」
「ロ、ローリー、あのな、アルベルト様はこの国をもうしばらく案内して欲しいって言ってるんだよ」
ディーン、な、ナイスフォローだ。た、助かった-。
援交エロオヤジにならなくて済んだ。
「そ、そうなのだ。実は我らは人を探しておるのだが、その手伝いをしてもらいたい」
「う~ん、困ったなー。オレ明日、約束があるんだよ」
右手を顎に考え込んでしまった。
左手にはしっかりと握られた我の金貨の袋。
貰える可能性があるものを返すのは、とても勇気がいるらしい。
金貨の重みと約束を秤にかけているのだろうか。
ローリーが逡巡しているのが分かった我は、もう一押しと、ディーンが持っていた金貨の袋を横から掠め取り、ローリーに手渡す。
「あ、俺の」というディーンは無視する。
「もう、50枚でどうだ?」
その瞬間、天秤が我に傾いたのが分かった。
「まあ、そこまで言われると、断りにくいなあー。二人には世話になってるしー? 受けるか受けないかは、内容を聞いてからでないと決められないけど、まあ、話は聞く事にするよ」
「そうか! ああ、良かった」
「もう、最終の乗合馬車に間に合わないから、宿をとってそこで話をしよう。オレは朝一番の馬車に乗ればなんとかなる」
そう決めてしまえばローリーの態度は激変して、どこの宿にしようかなーとか、当然宿代はそっち持ちだよねとか、久しぶりにベッドで休めるのが嬉しいとか、親しげに話しかけてくれた。
それがとても嬉しくて。
ローリーが我に優しく笑いかけてくれたら、カネなどいくら積んでも惜しくはないと思うのだった。
ローリーは大金が手に入り、我もローリーに優しくしてもらって、たいそう満足だった。
コレが世に言う、ウィンウィンの関係というやつだな。
ケチくさい事を言う一人を除いて。
「俺のカネ・・・」
ローリーが選んだ宿は、清潔感のあるそこそこ値の張る宿だった。
俺ら持ちだからって全くゲンキンな奴だなと、ディーンが苦笑した。
「このリストに載ってる令嬢に会いに行きたい。会う事が無理ならば、見るだけでも良い」
部屋に入り、宰相に持たされた例のリストを見せる。
「ふ~ん、令嬢ねえ。誰かの嫁探しなのか?」
「「え?!」」
図星を指されて、我もディーンもうろたえてしまって、ローリーの顔色が変わったのに気付くのが遅れた。
「ローリー?」
「この二重丸とか、丸の印はどういう意味?」
リストに載っている令嬢の名前の前には、印が付いていた。
宰相が丸を付けた者は、魔力が高く、花嫁として有力候補であるという意味だろう。
二重丸どころか、本命ともとれるほど何重にも丸が付いているものもある。
「ああ、それはおそらく魔力の高さだな」
「なるほどね、確かに皆、魔法使いの家系ばかりだ。優秀な魔法使いの令嬢を探しているのかい?」
「いや、そういうわけでもないのだが、ちょっと説明しにくいな」
「ま、良いよ。引き受ける。でも、王都近辺だけだ」
「ああ、それでいい」
「それからもう一つ、この令嬢とこの令嬢のところは行く必要がない」
そう言って、名前をペンで塗り潰していく。
「なぜだ? 結婚でもしたか?」
「いや、死んでいないからだ」
!!
ローリーの話は衝撃的だった。
7年前に、闇の魔法使いと呼ばれる者達が、魔法使いを次々に襲撃するという事件が起こった。
闇の魔法使いとは?と尋ねれば、闇の魔法を操る者だからということで、それ以外の事は何も分からないと言う。
闇の魔法は禁忌の魔法だが、強力で、いつの時代も魔法使いたちを魅了する。
だから、闇の魔法使いがいなくなる事はない。
しかし、このように徒党を組んで、他の魔法使いを次々に襲撃するなど、前代未聞の事件らしい。
そして、オレが知らないだけで、他にも行方不明になった者や死んだ者がいるかもなと言い、厳しい顔で口をつぐんでしまった。
ローリーは、朝一の乗合馬車に乗らなければいけないからと、早々に風呂に入り寝床に入った。
寝入ったローリーに、恒例となった睡眠魔法をかける。
「7年前と言っていたな」
「ローリーの魔法もその時にかけられたのでしょうか? そして、両親も?」
「その可能性は高いな」
ローリーを苦しめ続けている核心に、一歩近付いた気がした。
「明日、ローリーは一度家に帰って弟に会うと言っていただろう? 我は、ローリーの後をつけてみるつもりだ。ディーンは王都周辺の聞き込みを頼む」
ディーンは静かに、はいと答えた。
翌朝は予定通り、朝一番の乗合馬車に乗り込み、正午前には王都に着いた。
「じゃあ、オレは一度家に帰らないといけないから、申し訳ないけど人探しの手伝いは明日からって事で。明日の正午にまたここで会おう。あ、そうだ。コレ一つは返しておくよ。このままオレがトンズラしたら困るだろ?」
金貨の袋をディーンに渡して、じゃあとさっさと踵を返して小走りで去っていく。
相当慌てているようだ。
我は魔法で気配を消し、ローリーの後をつけた。
しかし、ある大きな屋敷の角を曲がったところで見失ってしまった。
転移魔法か?
近くを通り掛かった者に、ここは一体誰の屋敷なのだと問うと、意外な名前が発せられる。
「ハイネケン伯爵様です」
ハイネケン? どういうことなのだ?
グローリア=ハイネケン、宰相がこれでもかと五重丸を付けた本命中の本命、そのハイネケンだった。
アカンやつが出て来てしまった!
「お付き合いって?」
「ロ、ローリー、あのな、アルベルト様はこの国をもうしばらく案内して欲しいって言ってるんだよ」
ディーン、な、ナイスフォローだ。た、助かった-。
援交エロオヤジにならなくて済んだ。
「そ、そうなのだ。実は我らは人を探しておるのだが、その手伝いをしてもらいたい」
「う~ん、困ったなー。オレ明日、約束があるんだよ」
右手を顎に考え込んでしまった。
左手にはしっかりと握られた我の金貨の袋。
貰える可能性があるものを返すのは、とても勇気がいるらしい。
金貨の重みと約束を秤にかけているのだろうか。
ローリーが逡巡しているのが分かった我は、もう一押しと、ディーンが持っていた金貨の袋を横から掠め取り、ローリーに手渡す。
「あ、俺の」というディーンは無視する。
「もう、50枚でどうだ?」
その瞬間、天秤が我に傾いたのが分かった。
「まあ、そこまで言われると、断りにくいなあー。二人には世話になってるしー? 受けるか受けないかは、内容を聞いてからでないと決められないけど、まあ、話は聞く事にするよ」
「そうか! ああ、良かった」
「もう、最終の乗合馬車に間に合わないから、宿をとってそこで話をしよう。オレは朝一番の馬車に乗ればなんとかなる」
そう決めてしまえばローリーの態度は激変して、どこの宿にしようかなーとか、当然宿代はそっち持ちだよねとか、久しぶりにベッドで休めるのが嬉しいとか、親しげに話しかけてくれた。
それがとても嬉しくて。
ローリーが我に優しく笑いかけてくれたら、カネなどいくら積んでも惜しくはないと思うのだった。
ローリーは大金が手に入り、我もローリーに優しくしてもらって、たいそう満足だった。
コレが世に言う、ウィンウィンの関係というやつだな。
ケチくさい事を言う一人を除いて。
「俺のカネ・・・」
ローリーが選んだ宿は、清潔感のあるそこそこ値の張る宿だった。
俺ら持ちだからって全くゲンキンな奴だなと、ディーンが苦笑した。
「このリストに載ってる令嬢に会いに行きたい。会う事が無理ならば、見るだけでも良い」
部屋に入り、宰相に持たされた例のリストを見せる。
「ふ~ん、令嬢ねえ。誰かの嫁探しなのか?」
「「え?!」」
図星を指されて、我もディーンもうろたえてしまって、ローリーの顔色が変わったのに気付くのが遅れた。
「ローリー?」
「この二重丸とか、丸の印はどういう意味?」
リストに載っている令嬢の名前の前には、印が付いていた。
宰相が丸を付けた者は、魔力が高く、花嫁として有力候補であるという意味だろう。
二重丸どころか、本命ともとれるほど何重にも丸が付いているものもある。
「ああ、それはおそらく魔力の高さだな」
「なるほどね、確かに皆、魔法使いの家系ばかりだ。優秀な魔法使いの令嬢を探しているのかい?」
「いや、そういうわけでもないのだが、ちょっと説明しにくいな」
「ま、良いよ。引き受ける。でも、王都近辺だけだ」
「ああ、それでいい」
「それからもう一つ、この令嬢とこの令嬢のところは行く必要がない」
そう言って、名前をペンで塗り潰していく。
「なぜだ? 結婚でもしたか?」
「いや、死んでいないからだ」
!!
ローリーの話は衝撃的だった。
7年前に、闇の魔法使いと呼ばれる者達が、魔法使いを次々に襲撃するという事件が起こった。
闇の魔法使いとは?と尋ねれば、闇の魔法を操る者だからということで、それ以外の事は何も分からないと言う。
闇の魔法は禁忌の魔法だが、強力で、いつの時代も魔法使いたちを魅了する。
だから、闇の魔法使いがいなくなる事はない。
しかし、このように徒党を組んで、他の魔法使いを次々に襲撃するなど、前代未聞の事件らしい。
そして、オレが知らないだけで、他にも行方不明になった者や死んだ者がいるかもなと言い、厳しい顔で口をつぐんでしまった。
ローリーは、朝一の乗合馬車に乗らなければいけないからと、早々に風呂に入り寝床に入った。
寝入ったローリーに、恒例となった睡眠魔法をかける。
「7年前と言っていたな」
「ローリーの魔法もその時にかけられたのでしょうか? そして、両親も?」
「その可能性は高いな」
ローリーを苦しめ続けている核心に、一歩近付いた気がした。
「明日、ローリーは一度家に帰って弟に会うと言っていただろう? 我は、ローリーの後をつけてみるつもりだ。ディーンは王都周辺の聞き込みを頼む」
ディーンは静かに、はいと答えた。
翌朝は予定通り、朝一番の乗合馬車に乗り込み、正午前には王都に着いた。
「じゃあ、オレは一度家に帰らないといけないから、申し訳ないけど人探しの手伝いは明日からって事で。明日の正午にまたここで会おう。あ、そうだ。コレ一つは返しておくよ。このままオレがトンズラしたら困るだろ?」
金貨の袋をディーンに渡して、じゃあとさっさと踵を返して小走りで去っていく。
相当慌てているようだ。
我は魔法で気配を消し、ローリーの後をつけた。
しかし、ある大きな屋敷の角を曲がったところで見失ってしまった。
転移魔法か?
近くを通り掛かった者に、ここは一体誰の屋敷なのだと問うと、意外な名前が発せられる。
「ハイネケン伯爵様です」
ハイネケン? どういうことなのだ?
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