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恋人編
二人の関係4
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ローリーが我の求婚を楽しみにしていた?
本当に?
そんな素ぶりなど、全く・・・
一月後に迫るローリーの成人を祝う誕生会を、もちろん我は忘れるはずがない。
待ちに待った日なのだ。
我を次の家族として受け入れてくれている今となっては、求婚すれば否はないとは思っていた。
だが、ローリーは魔法学校での生活を十二分に楽しんでいるし、その充実した毎日が我の都合で奪われるのだぞ?
我の求婚は仕方ないが、少しでも先になればよいと、きっとローリーは、そう望んでいると思ってた。
ローリーは、もしやローリーは、充実した学校生活よりも我を選んでくれたと?
そういう事なのか?
フェリシアの言葉を頭の中で反芻し、思案にくれているとエリックが申し訳なさそうに我に告げる。
「あの、申し訳ございません。このようにリアが我慢をしてしまったのは、俺にも責任があります」
「どういう事だ?」
「その、以前、番いと出会ったとしても元恋人への愛情が冷めるわけではないという話をした事がありまして、それで、リアは、竜王様を支え、辛い時代を共に乗り越えてきたのであろう恋人を、追い払うような真似はしたくないと」
「うああーんっ。アル、いやだあああ。クリスティーネさんは追い払っちゃダメえええ。でも、仲良くするのもいやあああ。うえっく、どうしていいのか分かん、ないっつ。どっちもいやー、うああーんうああーん」
普段のローリーからは想像出来ない号泣に、そしてあれも嫌これも嫌と駄々をこねる姿に、しばらく呆気にとられた。
「ローリー・・・」
「ごめ、ごめん・・・なさい、我慢・・・できると、思ったの。わたしは、人間だから。アルのために、我慢したかった。だけど、アルがクリスティーネさんに優しくすればするほど、悲しくて悲しくて、そしたらだんだん胸が苦しくなって息が詰まって、ううっ」
言っていてその時の気持ちを思い出したのか、おいおいと泣き出してしまった。
それを横目にしながら、皆の言葉とローリーの話から推測してみるに、ローリーは焼きもちをこじらせて、魔力を暴走させてしまったと?
ローリーが焼きもち!!
う、嬉し過ぎるー!!
焼きもちをやいて、おいおい泣いているなんて、可愛過ぎる!!
しかも、我のために我慢したかったとローリーは言ったぞ。
愛されている! 我はローリーに愛されている!
クリスティーネに嫉妬したということは、我と同じ想い、そういうことだよな?
ああ、ローリー、そんなに悲しむ必要はない、我が愛するのはただ一人、そなただけだ。
「竜王様! リアがこんなに苦しんでいるというのに、どうして笑えるんですか! 酷いですわ!」
一人想いにふけって悦に入っていたら、フェリシアが怒って我を詰った。
ああ、思わず顔がゆるんでいたようだ。
もう少しこの可愛いローリーを眺めていたい気持ちもあったが、皆の視線が冷たい。
誤解は解いておこう。
「ローリー、クリスティーネとは何でもない。恋人ではない。恋人であったこともない。そなたが心に病むことは何もないのだ」
ローリーを安心させるように、優しく声を掛けた。
いろんな誤解があったようだが、これで丸く収まるだろう。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
えーっと、皆の視線がまだ冷たいままなのだが?
なんで?
「竜王様、馬鹿にしないで下さい! リアが子供だからって、誤魔化して済まそうとするなんて、あんまりですわ!」
え? 全くの真実だが?
「人聞きの悪い事を言うな! 誤魔化してなどおらぬ。本当の事だ!」
「シラを切るおつもりですか。ならば申しますけど、竜王国にいた頃、私はクリスティーネ様が夜遅くに、竜王様のお部屋を訪ねて行くのを、何度も目にしましたのよ。それでも恋人ではなかったと、おっしゃいますの?」
話を聞いていたローリーが、より一層声を上げて泣いた。
「ああ、ローリー、違うのだ。本当に違うのだ。嘘ではない。これには深い訳が、」
「しかし、昨晩もお二人でどこかにお出掛けになられていたようですが? 夜遅く人目を盗んでどちらへ?」
「おいっ! エルランドまで、何だその言い草は! それではまるで、我が、我が、わ、悪いことをしているようではないか! ローリーに隠れて逢い引きなどしておらぬ!」
動揺してうっかりどもってしまった。
これでは我が嘘をついているようではないか。
ローリーが更にも増して、激しく泣く。
「ああ、ローリー、違うのだ。本当にそういうのではないのだ。エルランドは何か勘違いをしておるに違いない。我が愛しておるのはローリー、そなただけだ。本当だ。信じてくれ」
必死の懇願にローリーは首を横に振った。
「わたし見たの」
え? な、ナニを?
「いけないって分かっていたけど、どうしても気になって」
ま、まずい、この流れは極めてマズイやつだ。
おかしいな、おかしいな、夜部屋に招き入れるのは誤解を生むと気付いて、結界を張ったはずなんだが。
「アルの部屋の隅で結界を張って、じっと様子を窺ってたの。アルだっていつも学校に来てそうしてるんだもん、わたしだってしてもいいよね?」
えーとえーと、もしかして気付くのが遅かったかな?
「二人は出掛ける前に、抱き合ってキスしてたわ」
終わった。
本当に?
そんな素ぶりなど、全く・・・
一月後に迫るローリーの成人を祝う誕生会を、もちろん我は忘れるはずがない。
待ちに待った日なのだ。
我を次の家族として受け入れてくれている今となっては、求婚すれば否はないとは思っていた。
だが、ローリーは魔法学校での生活を十二分に楽しんでいるし、その充実した毎日が我の都合で奪われるのだぞ?
我の求婚は仕方ないが、少しでも先になればよいと、きっとローリーは、そう望んでいると思ってた。
ローリーは、もしやローリーは、充実した学校生活よりも我を選んでくれたと?
そういう事なのか?
フェリシアの言葉を頭の中で反芻し、思案にくれているとエリックが申し訳なさそうに我に告げる。
「あの、申し訳ございません。このようにリアが我慢をしてしまったのは、俺にも責任があります」
「どういう事だ?」
「その、以前、番いと出会ったとしても元恋人への愛情が冷めるわけではないという話をした事がありまして、それで、リアは、竜王様を支え、辛い時代を共に乗り越えてきたのであろう恋人を、追い払うような真似はしたくないと」
「うああーんっ。アル、いやだあああ。クリスティーネさんは追い払っちゃダメえええ。でも、仲良くするのもいやあああ。うえっく、どうしていいのか分かん、ないっつ。どっちもいやー、うああーんうああーん」
普段のローリーからは想像出来ない号泣に、そしてあれも嫌これも嫌と駄々をこねる姿に、しばらく呆気にとられた。
「ローリー・・・」
「ごめ、ごめん・・・なさい、我慢・・・できると、思ったの。わたしは、人間だから。アルのために、我慢したかった。だけど、アルがクリスティーネさんに優しくすればするほど、悲しくて悲しくて、そしたらだんだん胸が苦しくなって息が詰まって、ううっ」
言っていてその時の気持ちを思い出したのか、おいおいと泣き出してしまった。
それを横目にしながら、皆の言葉とローリーの話から推測してみるに、ローリーは焼きもちをこじらせて、魔力を暴走させてしまったと?
ローリーが焼きもち!!
う、嬉し過ぎるー!!
焼きもちをやいて、おいおい泣いているなんて、可愛過ぎる!!
しかも、我のために我慢したかったとローリーは言ったぞ。
愛されている! 我はローリーに愛されている!
クリスティーネに嫉妬したということは、我と同じ想い、そういうことだよな?
ああ、ローリー、そんなに悲しむ必要はない、我が愛するのはただ一人、そなただけだ。
「竜王様! リアがこんなに苦しんでいるというのに、どうして笑えるんですか! 酷いですわ!」
一人想いにふけって悦に入っていたら、フェリシアが怒って我を詰った。
ああ、思わず顔がゆるんでいたようだ。
もう少しこの可愛いローリーを眺めていたい気持ちもあったが、皆の視線が冷たい。
誤解は解いておこう。
「ローリー、クリスティーネとは何でもない。恋人ではない。恋人であったこともない。そなたが心に病むことは何もないのだ」
ローリーを安心させるように、優しく声を掛けた。
いろんな誤解があったようだが、これで丸く収まるだろう。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
えーっと、皆の視線がまだ冷たいままなのだが?
なんで?
「竜王様、馬鹿にしないで下さい! リアが子供だからって、誤魔化して済まそうとするなんて、あんまりですわ!」
え? 全くの真実だが?
「人聞きの悪い事を言うな! 誤魔化してなどおらぬ。本当の事だ!」
「シラを切るおつもりですか。ならば申しますけど、竜王国にいた頃、私はクリスティーネ様が夜遅くに、竜王様のお部屋を訪ねて行くのを、何度も目にしましたのよ。それでも恋人ではなかったと、おっしゃいますの?」
話を聞いていたローリーが、より一層声を上げて泣いた。
「ああ、ローリー、違うのだ。本当に違うのだ。嘘ではない。これには深い訳が、」
「しかし、昨晩もお二人でどこかにお出掛けになられていたようですが? 夜遅く人目を盗んでどちらへ?」
「おいっ! エルランドまで、何だその言い草は! それではまるで、我が、我が、わ、悪いことをしているようではないか! ローリーに隠れて逢い引きなどしておらぬ!」
動揺してうっかりどもってしまった。
これでは我が嘘をついているようではないか。
ローリーが更にも増して、激しく泣く。
「ああ、ローリー、違うのだ。本当にそういうのではないのだ。エルランドは何か勘違いをしておるに違いない。我が愛しておるのはローリー、そなただけだ。本当だ。信じてくれ」
必死の懇願にローリーは首を横に振った。
「わたし見たの」
え? な、ナニを?
「いけないって分かっていたけど、どうしても気になって」
ま、まずい、この流れは極めてマズイやつだ。
おかしいな、おかしいな、夜部屋に招き入れるのは誤解を生むと気付いて、結界を張ったはずなんだが。
「アルの部屋の隅で結界を張って、じっと様子を窺ってたの。アルだっていつも学校に来てそうしてるんだもん、わたしだってしてもいいよね?」
えーとえーと、もしかして気付くのが遅かったかな?
「二人は出掛ける前に、抱き合ってキスしてたわ」
終わった。
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