119 / 144
外伝 レオンハルト編
魔獣の襲撃7
しおりを挟む
中央広場に戻ってみれば、ブルの退治も終わって、隊員達は魔石を手にとって珍しそうに眺めたり、自分達の武勇伝を自慢しあったりしていた。
フローラとマティアスは救護班に交じって、隅の方で怪我人の応急手当てをしている。
一見する限り、酷い被害は受けていないみたいだ。良かった。
「レオンくん!」
フローラは俺に気付くとすぐさまこっちに向かって駆けて来て、腕を広げれば飛び込んだ。
「無事で・・・良かったっ! 本当にっ、良かっ・・・たっ!」
そして、涙をいっぱい溜めた大きな瞳で俺をじっと見つめる。
「ああ、フローラも」
瞳から堪えていた俺のための綺麗な雫がフローラの頬を伝う。
「あれっ? 嬉しいのに、なんで涙が、っはは、おかしいね」
俺は黙って愛しいフローラを抱き締めた。
フローラの声に隊員達が俺の存在に気付き、近寄って来る。
隊長からは、ブルは全て退治し、隊員は軽傷の怪我人が出たものの皆無事だと聞かされた。
お互いの無事を喜び、武勇を讃え合う。皆、自信に満ちた笑顔で輝いている。
自分達の力で街守り切ったという事実が隊員全員の誇りとなっているのだろう。
ところが、突然その和やかな雰囲気を壊す警鐘の鐘が一斉に北の方角から鳴った。
一瞬にして、その場に緊張が走る。
!?
どういうことだ!? 俺の結界網には何も引かかっていないぞ!?
すぐさま、確かめるために空高く上昇し、魔獣の群れを探す。
だがそれらしいものは何も確認出来ない。
だが、鐘は鳴り続いている。何故だ?
「魔獣はいない。だが、何かが起こっているのだろう。ちょっと見て来る」
母上や兄上からも特に連絡は入っていない。だが、嫌な予感がした。
「レオンくん、私も行く!! 私も連れて行って!!」
フローラが同行を申し出た。
状況の分からない今、同行させるのも置いていくのも不安なら、傍にいた方がずっといい。
フローラに頷いて見せ、マティアスに声を掛けた。
「マティアス、お前も付いて来い!」
フローラを抱き寄せ、空に向かって浮き上がる。
「ハル! 俺達も地上から北に向かう。向こうで合流しよう!」
俺は隊長に頷き、隊員に号令を出している隊長の声を下に聞きながら、北へ飛んだ。
何だ、これは! 俺もフローラも絶句した。
結界の網にも掛らず、上空からの視認も出来なかったはずだ。
サイズが小さ過ぎる。
大きいものでも手の平ほどの、それは、砂漠に住むこの街の者にとっては馴染みのある百足だった。
死に至る程の猛毒ではないが毒を持ち、噛みつかれれば腫れて熱が出る。
ただ、その数が異常だった。至る所を這い回っている。
そして、今なお街を囲う壁をぞろぞろと越えてくるのを見れば、街の中の蟲の数はますます増えていると言っていい。
侵入を果たした百足は、道を這い、街の壁という壁に張り付いて、まるで狙った獲物がそこにいるかのように建物に群がっている。
湧いて出る百足と格闘している隊員や街の住人の姿が、至る所で見えた。
どうする!!?
火魔法を使うか? 住人達は松明を持って、百足を火で焼いていた。
隊員達は剣で突き刺したり、真っ二つにしたりしているが、数が多過ぎて焼け石に水のように感じられる。
とにかく、これ以上数を増やすわけにはいかない。
フローラやマティアスと共に、街を囲う壁に這い上がってくる百足を火魔法で焼いていくが、焼かれた百足は落ちてもまた次のものが這い上がってくる。きりがない。
結界を張るか?
だが、こんな小さな蟲を阻むには空間自体を閉じるようなものでないといけないぞ。
今の俺の魔力では無理だ。
ならば、どうする!?
隊長達が遅れて到着し、皆もやはり驚いて絶句している。
とにかく、侵入してくる百足の数を減らそうと、隊長は隊員を壁に沿って並ばせ松明で焼かせた。
だが、この百足どもは壁からの侵入が困難と分かると、今度は地面を潜って街に侵入を始めた。
「なんなんだ、この百足は!!」
「痛てっ!! くそっ! 噛まれたっ」
そして、この百足も魔獣と同じ、人間に対して明白な敵意を持って街を襲撃しているのだ。
「一体どれだけいるんだ・・・」
終わりのない戦いに、隊員達の疲労の色も濃くなってきている。
「まるで何かに操られているみたいだ」
隊員の一人が呟いた。
そうだ、その通りだ。魔族に操られているのだ。
これは、百足の意思ではない。
ふと、気付いた。そうか、百足の意思を取り戻せばいいのだ。
そうすれば、わざわざ俺達が始末しなくても、自ら砂漠に戻って行くのではないだろうか。
百足も魔獣と同じと考えるなら、邪心を植え付けられているのだ。
邪心を浄化してやればどうだろう。俺は近くの百足に浄化魔法を試してみた。
すると、その百足は他のものとは違う動きを見せる。
効果はあった。
だが、問題はこの辺り一帯の百足を相手にしなければならないことだ。
今の俺に出来るだろうか。いや、やるしかない。
俺は上空に上がると辺り一帯に降り注ぐよう浄化魔法を放った。
そして、浄化を嫌がって逃げないように、上から薄い膜のような結界のベールをかぶせる。
魔力の乏しい今、圧倒的な力で押し切るような魔法を使う事は出来ない。
母上直伝の少ない魔力で最大限の効果を得る省エネ複合魔法、こんなところで役に立つとは思わなかった。
俺達兄弟はハーフとはいえ、黒竜の血を引く。
魔力は膨大であり余っているのに、ケチケチ魔法を習う意味が分からなくて、俺は母上に食ってかかったことがある。
ハハ、本当に母上には敵わないや。
帰ったら、勝手に飛び出した事や、課題をサボったり反抗していた事も謝って、ちゃんとお礼を言おう。
もう、そろそろいいかな。
結界のベールを外せば、百足の大群はぞろぞろと潮が引くように北に向かって移動を始めた。
フー、なんとか追っ払えたな。
やれやれと地上に降り立つと、くらりとめまいがした。
何とか踏ん張って耐えたものの、気分がだんだん悪くなってくる。
やべ・・・、と思った瞬間、目の前が暗転した。
フローラとマティアスは救護班に交じって、隅の方で怪我人の応急手当てをしている。
一見する限り、酷い被害は受けていないみたいだ。良かった。
「レオンくん!」
フローラは俺に気付くとすぐさまこっちに向かって駆けて来て、腕を広げれば飛び込んだ。
「無事で・・・良かったっ! 本当にっ、良かっ・・・たっ!」
そして、涙をいっぱい溜めた大きな瞳で俺をじっと見つめる。
「ああ、フローラも」
瞳から堪えていた俺のための綺麗な雫がフローラの頬を伝う。
「あれっ? 嬉しいのに、なんで涙が、っはは、おかしいね」
俺は黙って愛しいフローラを抱き締めた。
フローラの声に隊員達が俺の存在に気付き、近寄って来る。
隊長からは、ブルは全て退治し、隊員は軽傷の怪我人が出たものの皆無事だと聞かされた。
お互いの無事を喜び、武勇を讃え合う。皆、自信に満ちた笑顔で輝いている。
自分達の力で街守り切ったという事実が隊員全員の誇りとなっているのだろう。
ところが、突然その和やかな雰囲気を壊す警鐘の鐘が一斉に北の方角から鳴った。
一瞬にして、その場に緊張が走る。
!?
どういうことだ!? 俺の結界網には何も引かかっていないぞ!?
すぐさま、確かめるために空高く上昇し、魔獣の群れを探す。
だがそれらしいものは何も確認出来ない。
だが、鐘は鳴り続いている。何故だ?
「魔獣はいない。だが、何かが起こっているのだろう。ちょっと見て来る」
母上や兄上からも特に連絡は入っていない。だが、嫌な予感がした。
「レオンくん、私も行く!! 私も連れて行って!!」
フローラが同行を申し出た。
状況の分からない今、同行させるのも置いていくのも不安なら、傍にいた方がずっといい。
フローラに頷いて見せ、マティアスに声を掛けた。
「マティアス、お前も付いて来い!」
フローラを抱き寄せ、空に向かって浮き上がる。
「ハル! 俺達も地上から北に向かう。向こうで合流しよう!」
俺は隊長に頷き、隊員に号令を出している隊長の声を下に聞きながら、北へ飛んだ。
何だ、これは! 俺もフローラも絶句した。
結界の網にも掛らず、上空からの視認も出来なかったはずだ。
サイズが小さ過ぎる。
大きいものでも手の平ほどの、それは、砂漠に住むこの街の者にとっては馴染みのある百足だった。
死に至る程の猛毒ではないが毒を持ち、噛みつかれれば腫れて熱が出る。
ただ、その数が異常だった。至る所を這い回っている。
そして、今なお街を囲う壁をぞろぞろと越えてくるのを見れば、街の中の蟲の数はますます増えていると言っていい。
侵入を果たした百足は、道を這い、街の壁という壁に張り付いて、まるで狙った獲物がそこにいるかのように建物に群がっている。
湧いて出る百足と格闘している隊員や街の住人の姿が、至る所で見えた。
どうする!!?
火魔法を使うか? 住人達は松明を持って、百足を火で焼いていた。
隊員達は剣で突き刺したり、真っ二つにしたりしているが、数が多過ぎて焼け石に水のように感じられる。
とにかく、これ以上数を増やすわけにはいかない。
フローラやマティアスと共に、街を囲う壁に這い上がってくる百足を火魔法で焼いていくが、焼かれた百足は落ちてもまた次のものが這い上がってくる。きりがない。
結界を張るか?
だが、こんな小さな蟲を阻むには空間自体を閉じるようなものでないといけないぞ。
今の俺の魔力では無理だ。
ならば、どうする!?
隊長達が遅れて到着し、皆もやはり驚いて絶句している。
とにかく、侵入してくる百足の数を減らそうと、隊長は隊員を壁に沿って並ばせ松明で焼かせた。
だが、この百足どもは壁からの侵入が困難と分かると、今度は地面を潜って街に侵入を始めた。
「なんなんだ、この百足は!!」
「痛てっ!! くそっ! 噛まれたっ」
そして、この百足も魔獣と同じ、人間に対して明白な敵意を持って街を襲撃しているのだ。
「一体どれだけいるんだ・・・」
終わりのない戦いに、隊員達の疲労の色も濃くなってきている。
「まるで何かに操られているみたいだ」
隊員の一人が呟いた。
そうだ、その通りだ。魔族に操られているのだ。
これは、百足の意思ではない。
ふと、気付いた。そうか、百足の意思を取り戻せばいいのだ。
そうすれば、わざわざ俺達が始末しなくても、自ら砂漠に戻って行くのではないだろうか。
百足も魔獣と同じと考えるなら、邪心を植え付けられているのだ。
邪心を浄化してやればどうだろう。俺は近くの百足に浄化魔法を試してみた。
すると、その百足は他のものとは違う動きを見せる。
効果はあった。
だが、問題はこの辺り一帯の百足を相手にしなければならないことだ。
今の俺に出来るだろうか。いや、やるしかない。
俺は上空に上がると辺り一帯に降り注ぐよう浄化魔法を放った。
そして、浄化を嫌がって逃げないように、上から薄い膜のような結界のベールをかぶせる。
魔力の乏しい今、圧倒的な力で押し切るような魔法を使う事は出来ない。
母上直伝の少ない魔力で最大限の効果を得る省エネ複合魔法、こんなところで役に立つとは思わなかった。
俺達兄弟はハーフとはいえ、黒竜の血を引く。
魔力は膨大であり余っているのに、ケチケチ魔法を習う意味が分からなくて、俺は母上に食ってかかったことがある。
ハハ、本当に母上には敵わないや。
帰ったら、勝手に飛び出した事や、課題をサボったり反抗していた事も謝って、ちゃんとお礼を言おう。
もう、そろそろいいかな。
結界のベールを外せば、百足の大群はぞろぞろと潮が引くように北に向かって移動を始めた。
フー、なんとか追っ払えたな。
やれやれと地上に降り立つと、くらりとめまいがした。
何とか踏ん張って耐えたものの、気分がだんだん悪くなってくる。
やべ・・・、と思った瞬間、目の前が暗転した。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています
紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、
ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。
「もう君は、僕の管理下だよ」
退院と同時に退職手続きは完了。
住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。
外出制限、健康管理、過保護な独占欲。
甘くて危険な“保護生活”の中で、
私は少しずつ彼に心を奪われていく――。
元社畜OL×執着気味の溺愛社長
囲い込み同棲ラブストーリー。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる