132 / 144
外伝 レオンハルト編
最強(恐)の魔法使い1
しおりを挟む
気が付いたら空の上にいた。
「え?」
横たわるレオンに抱き付いていた体をそろりと少しだけ起こし、目だけを動かして辺りを窺った。
「フローラ、俺達は今、兄上の背中に乗っているんだ」
ということは、竜の背に乗って、空を飛んでいるってこと?!
「兄上が俺達を落っことすようなヘマはしないよ。フローラを乗せているから、いつもより厳重に結界で守ってくれている」
思わずレオンに固くしがみ付くと、レオンはくすくす笑って言った。
確かに言われてみれば、風を切る音は聞こえるのに、ここは部屋にいる時と同じくらい風も揺れも感じない。
こうやって話していれば、いつものレオンと何も変わらないように思うのに、しがみ付いた胸からは心臓の拍動が感じられなかった。
「レオン・・・」
レオンの命の灯った瞳を見詰め、再び会えた喜びを噛み締めながらも、不安な気持ちを抑える事は出来なかった。
助けは来たけど、だからといってレオンが絶対に助かるという保証はない。
危機は脱したものの、現状は楽観出来るものではないから。
「フローラ、そんな顔をするな。大丈夫、母上がきっとなんとかしてくれる。普段は厳しくて恐い母上だけど、こういう時は一番頼りになる存在なんだ」
私が余程思い詰めた表情をしていたのか、逆にレオンに励まされる。
「うんっ・・・」
私の方がしっかりしなきゃいけないのに。ごめんね、レオン。
『はは、レオンの言う通りだよ、フローラ。我らが母上は、この世で最強(恐)の魔法使いだからな!』
ぐすぐすと泣く私を見かねてか、兄上様の明るく優しい声が頭に響く。
『さあ、フローラ、顔を上げて見てごらん。あれが俺達の自慢の家族、フローラの新しい家族だよ』
こわごわ立ち上がって前方を見れば、空の向こうに黒い点の集まりが見えた。
その黒い点は見る間にどんどん大きくなり、一つずつが竜である事がはっきりと見て取れた。
空中浮揚する兄上様の目の前で、竜の一塊もまた制止する。
ほとんどがレオンと同じ黒竜だけど、白竜が一匹とその子供と思われる銀色の竜もいる。
レオンの竜体はよく知ってる。ミニチュア版だけど、部屋で何度も見せてもらった。
その姿にそっくりだから、ここにいる竜達がレオンの兄姉なんだろう。
レオンの窮地を知って助けに来てくれたのだ。
先頭にいた黒竜がゆっくり近付いて来る。
一際大きく立派な黒竜は、言葉が出ないほど神々しく美しくて、そして何より凄まじく強い魔力のオーラを放ち、近付くほどに圧倒的な存在感を示す。
スゴ・・・い!!
この竜が、竜王様に間違いない。
一目で畏怖の念を抱かせるほどに、風格が段違いだ。
レオンの父上様は、背中に魔法使いの正装であるローブを着た人を乗せていた。
レオンや兄上様が最強の魔法使いと恐れる母上様だろう。
そんな恐い母上様に、嫁として気に入ってもらえるかすごく心配だけど、そんな心配よりも前に、何としてでもレオンを助けてもらわないと。
頼みの綱は母上様だけなのだから、とにかく一生懸命お願いしよう。
心を決めて、怖い母上様を待ち構えた。
え?
ところが転移魔法で目の前に現れたのは、レオンとは全く似ても似つかない金髪に緑の瞳を持つ少女だった。
えーと、えーと、誰?
てっきり、母上様だと思っていたけど。
「はじめまして、フローラ。レオンの母親のグローリアよ。あれほど言っていたのに、この馬鹿息子のせいで、あなたを辛い目に合わせてしまったわ。私の教育が足りなかったせいで、ごめんなさい。どうか許してちょうだい」
母上様は足元に横たわっているレオンをギロリと一睨みすると、目を丸くして驚いている私に謝った。
レオンの母親だと名乗ったのだから、確かに母上様なのだろう。
いろんな意味で、全然そう思えないけど!!
「そんな、母上様、私がいけないんです! 私がもっと注意していればこんな事には! レオンは私を助けに来て、こんな目にあったんです。レオンを、レオンを助けて下さい。お願いしますっ、お願いっ」
私は跪き、母上様に縋りついて懇願した。
「まぁ、フローラ・・・泣かなくていいのよ。大丈夫だから、安心しなさい。とにかく、二人を連れ戻す事が出来て良かったわ」
母上様は優しい慈愛の籠もった眼差しで、私の涙を拭い、抱き締めてくれる。
母上様は小さくて華奢な身体なのに、その胸はとても広く大きくて、お父さまみたいだと思った。
もうずっと長い間、思い出す事などなかったのに。
お父さまが恋しくなって、ぎゅっと強く抱き付くと、母上様もぎゅっと抱き締め返してくれる。
柔らかな胸はお母さまみたいにいい匂いがした。
「母上さまっ」
「フローラ、可愛い子、今まで辛かったわね。これからは、私達がついているわ」
涙が次から次に溢れ出る。
レオン以外で、こんなに優しくしてもらったのは、初めてかも知れない。
「レオン・・・」
「母上・・・、ごめん、心配かけ・・・ぐえっ」
「結婚前に番うなんて、どういうつもりなのよ! 人間の貴族はすぐに結婚出来ないって教えたはずよ?!許可を取ってる間に、侯爵家のお嬢さんのお腹が大きくなっちゃうじゃない!! すぐに侯爵様に会いに行きなさい! いいわね!? 返事は!? レオン、聞いてるの?!」
「は、は、母上様! レオンを振り回すのは止めて下さい! レオンが、レオンが、死んじゃう!」
私は、馬乗りになってレオンを揺さぶる母上様の手を掴んで必死に止めた。
「レオン、レオン、大丈夫? しっかりして!」
ぐったりしているレオンを抱き起こす。
「あ、ああ、・・・なん・・・とか、げほっ」
生きてて良かった。
母上様に助けてもらうつもりが、危うく母上様に殺されるところだった。
「大げさねぇ」
死にかけてる息子に馬乗りになって説教する母親がこの世にいるだろうか。
あんなにお優しい母上様が恐れられる理由の片鱗を見た気がした。
『母上! 説教は後で好きなだけやってくれていいから、早くレオンを助けてやってよ』
「ルカまで。レオンは竜族なのよ? 心臓の一つや二つ取られたところで死なないわよ、馬鹿ね」
『「「えーーーー!?」」』
「え?」
横たわるレオンに抱き付いていた体をそろりと少しだけ起こし、目だけを動かして辺りを窺った。
「フローラ、俺達は今、兄上の背中に乗っているんだ」
ということは、竜の背に乗って、空を飛んでいるってこと?!
「兄上が俺達を落っことすようなヘマはしないよ。フローラを乗せているから、いつもより厳重に結界で守ってくれている」
思わずレオンに固くしがみ付くと、レオンはくすくす笑って言った。
確かに言われてみれば、風を切る音は聞こえるのに、ここは部屋にいる時と同じくらい風も揺れも感じない。
こうやって話していれば、いつものレオンと何も変わらないように思うのに、しがみ付いた胸からは心臓の拍動が感じられなかった。
「レオン・・・」
レオンの命の灯った瞳を見詰め、再び会えた喜びを噛み締めながらも、不安な気持ちを抑える事は出来なかった。
助けは来たけど、だからといってレオンが絶対に助かるという保証はない。
危機は脱したものの、現状は楽観出来るものではないから。
「フローラ、そんな顔をするな。大丈夫、母上がきっとなんとかしてくれる。普段は厳しくて恐い母上だけど、こういう時は一番頼りになる存在なんだ」
私が余程思い詰めた表情をしていたのか、逆にレオンに励まされる。
「うんっ・・・」
私の方がしっかりしなきゃいけないのに。ごめんね、レオン。
『はは、レオンの言う通りだよ、フローラ。我らが母上は、この世で最強(恐)の魔法使いだからな!』
ぐすぐすと泣く私を見かねてか、兄上様の明るく優しい声が頭に響く。
『さあ、フローラ、顔を上げて見てごらん。あれが俺達の自慢の家族、フローラの新しい家族だよ』
こわごわ立ち上がって前方を見れば、空の向こうに黒い点の集まりが見えた。
その黒い点は見る間にどんどん大きくなり、一つずつが竜である事がはっきりと見て取れた。
空中浮揚する兄上様の目の前で、竜の一塊もまた制止する。
ほとんどがレオンと同じ黒竜だけど、白竜が一匹とその子供と思われる銀色の竜もいる。
レオンの竜体はよく知ってる。ミニチュア版だけど、部屋で何度も見せてもらった。
その姿にそっくりだから、ここにいる竜達がレオンの兄姉なんだろう。
レオンの窮地を知って助けに来てくれたのだ。
先頭にいた黒竜がゆっくり近付いて来る。
一際大きく立派な黒竜は、言葉が出ないほど神々しく美しくて、そして何より凄まじく強い魔力のオーラを放ち、近付くほどに圧倒的な存在感を示す。
スゴ・・・い!!
この竜が、竜王様に間違いない。
一目で畏怖の念を抱かせるほどに、風格が段違いだ。
レオンの父上様は、背中に魔法使いの正装であるローブを着た人を乗せていた。
レオンや兄上様が最強の魔法使いと恐れる母上様だろう。
そんな恐い母上様に、嫁として気に入ってもらえるかすごく心配だけど、そんな心配よりも前に、何としてでもレオンを助けてもらわないと。
頼みの綱は母上様だけなのだから、とにかく一生懸命お願いしよう。
心を決めて、怖い母上様を待ち構えた。
え?
ところが転移魔法で目の前に現れたのは、レオンとは全く似ても似つかない金髪に緑の瞳を持つ少女だった。
えーと、えーと、誰?
てっきり、母上様だと思っていたけど。
「はじめまして、フローラ。レオンの母親のグローリアよ。あれほど言っていたのに、この馬鹿息子のせいで、あなたを辛い目に合わせてしまったわ。私の教育が足りなかったせいで、ごめんなさい。どうか許してちょうだい」
母上様は足元に横たわっているレオンをギロリと一睨みすると、目を丸くして驚いている私に謝った。
レオンの母親だと名乗ったのだから、確かに母上様なのだろう。
いろんな意味で、全然そう思えないけど!!
「そんな、母上様、私がいけないんです! 私がもっと注意していればこんな事には! レオンは私を助けに来て、こんな目にあったんです。レオンを、レオンを助けて下さい。お願いしますっ、お願いっ」
私は跪き、母上様に縋りついて懇願した。
「まぁ、フローラ・・・泣かなくていいのよ。大丈夫だから、安心しなさい。とにかく、二人を連れ戻す事が出来て良かったわ」
母上様は優しい慈愛の籠もった眼差しで、私の涙を拭い、抱き締めてくれる。
母上様は小さくて華奢な身体なのに、その胸はとても広く大きくて、お父さまみたいだと思った。
もうずっと長い間、思い出す事などなかったのに。
お父さまが恋しくなって、ぎゅっと強く抱き付くと、母上様もぎゅっと抱き締め返してくれる。
柔らかな胸はお母さまみたいにいい匂いがした。
「母上さまっ」
「フローラ、可愛い子、今まで辛かったわね。これからは、私達がついているわ」
涙が次から次に溢れ出る。
レオン以外で、こんなに優しくしてもらったのは、初めてかも知れない。
「レオン・・・」
「母上・・・、ごめん、心配かけ・・・ぐえっ」
「結婚前に番うなんて、どういうつもりなのよ! 人間の貴族はすぐに結婚出来ないって教えたはずよ?!許可を取ってる間に、侯爵家のお嬢さんのお腹が大きくなっちゃうじゃない!! すぐに侯爵様に会いに行きなさい! いいわね!? 返事は!? レオン、聞いてるの?!」
「は、は、母上様! レオンを振り回すのは止めて下さい! レオンが、レオンが、死んじゃう!」
私は、馬乗りになってレオンを揺さぶる母上様の手を掴んで必死に止めた。
「レオン、レオン、大丈夫? しっかりして!」
ぐったりしているレオンを抱き起こす。
「あ、ああ、・・・なん・・・とか、げほっ」
生きてて良かった。
母上様に助けてもらうつもりが、危うく母上様に殺されるところだった。
「大げさねぇ」
死にかけてる息子に馬乗りになって説教する母親がこの世にいるだろうか。
あんなにお優しい母上様が恐れられる理由の片鱗を見た気がした。
『母上! 説教は後で好きなだけやってくれていいから、早くレオンを助けてやってよ』
「ルカまで。レオンは竜族なのよ? 心臓の一つや二つ取られたところで死なないわよ、馬鹿ね」
『「「えーーーー!?」」』
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています
紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、
ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。
「もう君は、僕の管理下だよ」
退院と同時に退職手続きは完了。
住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。
外出制限、健康管理、過保護な独占欲。
甘くて危険な“保護生活”の中で、
私は少しずつ彼に心を奪われていく――。
元社畜OL×執着気味の溺愛社長
囲い込み同棲ラブストーリー。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる